世界が俺に輝けと囁いている   作:凡人9号

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キング・クリムゾン!
空白期間なんて冒頭に書いた通りなんで特に説明なし!


鯖缶詰様、ふゆの様、伊倉 一山様、骸骨王様、skytak様、誤字報告ありがとうございます。
二回分遅れてご覧の誤字訂正してくださった方々の提供でお送り致します。


これまでがあらすじ

今まで以上に気合を入れて訓練、もとい修行をしたり。

緑谷と組手もどきをしたり、飯食べたり。

夏休みが終わったり。

轟君の受験が終わって自己採点後に合格確定八割くらいになったのでお祝いしたり。

轟君に受験勉強見てもらったり。

フラッシュライトしたり。

 

してたらいつの間にか冬を越え新年。時間は過ぎ去り入試当日。

特に緑谷と待ち合わせをしたりしたわけじゃないので人ごみに紛れて校内へ入り込み、受験票に書かれた番号が割り振られた席へと向かう。なんというか、映画館みたいな感覚。

だが場所は映画館と言うより教壇に向けて扇状に広がる段々机。壮観と言うかなんというか、普段何に使うの?

 

先に座っていた人々の足の前を「悪いね」「ごめんねー」など声をかけて番号の席へと辿り付いた。

隣に座ったおかっぱ?ボブカット?な髪型の女の子がポケットから携帯音楽機を取り出し、長く、紐の様になっている耳たぶの先端をその音楽機に突き刺した・・・うん、うん?

 

「何その個性!スゲェ!」

「え?あ、うん、そうかな」

「それ、どうなってるんだ?イヤホンなの?」

「うん、そうイヤホン。言うほど便利じゃないよ、引っかかったりするとやっぱり痛いし」

「ま、そりゃそうなるわな。自己紹介はー・・・お互い合格したらで」

 

グッと親指を立ててみると「確かにそうだね」と笑いながら返してくれた。ええ子や。

 

しばらく携帯を弄って待っていると教壇に続く扉が開き一人のヒーローが入ってくる。

マイク?プレゼント・マイクじゃないか!受験勉強中にラジオ聞いてたぞマイクー!

 

彼のラジオでいつもの呼びかけに対して「ヨーコソー」と返すと『リスナーは受験番号6313番だけかい!?こいつあシヴィーー!!!』と、いつも通りのテンションで叫んでいる。流石プロヒーロー、ブレねぇぜ・・・

 

変わらぬテンションのままプレゼンを進行していくプレゼント・マイクと、後ろの方でボソボソと聞こえる声。これ、緑谷じゃね?と振り返ってみるとくすんだ金髪がツンツンと立っている少年と何やら話している。なんだ、友人いるんじゃん。

何て思いながらプレゼントマイクの話を聞いていると・・・

 

突然真面目そうな眼鏡君が立ち上がって「三種、と言われていたのに四種書かれていますが」と疑問を口にした後「ついでに受験番号6313と呼ばれた君とそこの縮れ毛の君!先ほどからボソボソと・・・気が散る!物見遊山のつもりなら即刻雄英から去りたまえ!」等と言って来た。と言うか、喧嘩売って来た。

緑谷は素直に「ごめんなさい」とか言っているが俺は違うぞ!

 

「おい眼鏡のお前、喧嘩売られたから買うぞ。今そういう指摘をするのは違うだろう、後で直接言えばいい。それと、立ち去れ云々はこの場ではプレゼント・マイクが決める事だ。お前には言う権利もない」

それと、と間に挟み。

「プレゼント・マイクが俺らのレスポンスに期待してたろ、乗るのが礼儀だ!んでもって目の前にヒーロー(目標)がいれば興奮するのが礼儀だ!」

 

熱を入れて語っていると視界にいる男子達が首を無言で縦に振る光景が目に入ったのでそのままの勢いを生かして、「プレゼント・マイク!もう一度どうぞ!」と振ってみる。

 

『エヴィバディセイヘイ!!!』

「「「Yokosoーーー!!!!」」」

 

プレゼント・マイクも、ほとんどの男子もノッてくれたぜ。ヒャッハー!堅苦しい雰囲気ぶち壊してやったぜー!

 

『じゃあこのままの流れで説明会を継続するぜリスナー達!』

そんな言葉に「「「イェエー!!」とテンションガン上がりした一部の男子。・・・ごめん、ちょっと想像以上になった事で俺は困惑してるよ。

 

内容としてはA~Gまでの七つの市街地を模した模擬演習場で1~3ポイント割り振られた各種ロボットをぶっ壊してポイント集めろ。倒しても0ポイントの強キャラもいるから気を付けてね!十分間頑張ってね!

ま、要するにそいつもぶっ壊せばえんやろ?ヨユーヨユー、相手を気にせずぶっ壊していいってんならレーザービームブッパよもう。

 

ただまあ、ヒーローの試験が(ヴィラン)ブッ倒すだけってわけじゃないだろ?じゃあ他にヒーローの素質として必要なものは・・・救助?周りを見る事?多分両方。それ以外だと速さと情報。

現場に駆け付ける速さは俺には無い。情報も光使って目に見える範囲だけで、感覚強化とかじゃないから無い。

だったらもう壊しつつ他の連中のフォローするしかねぇ。

 

ロボットは溶かして溶かして鉄塊にしてやるよ。

 

『”Plus(更に) Ultra(向こうへ)„!!それでは皆、良い受難を!!!』

 

 

 

実技試験の為に用意しておいたジャージを着る。フラッシュライトの服装とは全く変えて青色の七分丈の上下。靴もサンダル。顔は隠さない。

カウントダウンのない「はいすたーと」の声に反応し、とりあえずその辺にあるビルの屋上へ駆け上がり、目から光を出して状況を把握。まだまだバラけていない受験生が一か所に固まっており、敵もバンバン来てる状況で俺がここに来た理由。

 

「そことそこ。あとここ」

 

指先に光を集め、受験生を背後から襲おうとしているロボット三体の中心を撃ち抜いて行く。威力自体は一瞬で打ち抜くほど高くは無いが、当たった面から溶かしていき大体五秒も掛からずきっかり中心にまで届くはずだ。中心部を壊せば動かなくなるだろう、と踏んだのが大正解なようで、停止した三体のロボットと後ろを振り返って困惑している受験生が見える。

インターバル?指三本同時に光を溜めればないも同然。俺はこれを両手の指先全てにやっている、そして打ち終わった指もチャージしておく。後は、分かるな。

 

「上から徹底的にぶっ潰していく、地味な仕事は大好きだ」

 

三メートルくらいで車輪一つに腕二つの1ポイントや、四メートルくらいの四足歩行のサソリの様な2ポイントはまだ指一本分のチャージで何とかなるが、五メートルくらいあるロケットランチャーを上部に装備した3ポイントは装甲が厚く流石に時間がかかるので親指人差指中指を合わせて三本分の出力を一つに纏めて撃ち抜いて行く。

 

七分程が過ぎたのでポイント計算でもしてみるか。

1ポイントが十三体の、2ポイントが八体の、3ポイントが四体、でー・・・41?もし仮に人助けポイントがアレば人数分だから25の合計66?ふむ、まあ妥当か。

なんか、打算的に動いた感じで嫌になるなぁ。

 

そんなため息を吐いた時だ。

地面が大きく揺れ、建てられている五階建てのビルをなぎ倒しながら巨大なロボットが出現した。具体的な大きさが分からない?そうね、五階建てビルが大体二十メートル。それより大きい。

それでいて倒したら0ポイントと旨味もないので地面にいた受験生達は蜘蛛の子を散らす勢いで逃げ出す逃げ出す。見ろ、人がゴミの様だ!

 

ただ、ふと思う。

巨大で倒しづらく、倒してもメリットのない相手だから逃げる連中が、本当に、本当にヒーローに憧れているのか?この程度の連中がホイホイヒーローになるから今の時代はヒーローが溢れているんだ。

 

そう思ったらなんかムカついて来たのでビルの階段をゆっくりと降りて行き、逃げる人並みに押されたのか倒れていたり、瓦礫に下半身が挟まれている受験生も数人いたがスルーし・・・あ、イヤホン耳たぶの女の子も壊れたロボットにイヤホンが挟まって動けないのか・・・・・・ハァ。全く、ハァ。

 

巨大0ポイントロボの真正面に腕を組んで仁王立ちして見上げる。

全身を強く光らせ、ずっと使ってたから熱を持っている右腕に全てを集めて・・・その光を手の平に一点集中!焼けた鉄板に手を突いた様な激痛が襲ってくるがそんなものは些細な事だ耐えろ。

 

「ブチ抜け、俺の必殺技!」

 

痛みを耐える様に声を上げ、真っ直ぐ突き出した右掌から光の柱が真っ直ぐロボットの顔面ど真ん中に吸い込まれて行き、モスグリーンの装甲が赤熱し、そして溶け出すと同時に光の柱が貫き、空へと消えて行った。

綺麗な青空を見上げて、手の平に風が触れるだけでも走る激痛を気合で噛み殺し、

 

「巨悪に立ち向かってこそのヒーローだろ、まったく。俺なんかに言わせるな恥ずかしい」

 

そして、『終了~!!!!』と、プレゼント・マイクの声が響いた。




耳たぶがイヤホンみたいな女の子。
初期の飯田君から今の飯田君は凄い成長したよなぁ。固い空気が苦手なんです。
人間じゃないからぶっ壊して、殺して良いのでレーザービーム解禁。イメージはバスターマシンのバスタービーム、ホーミングレーザー。トップをねらえ!は良いぞ。
必ず殺す技。名前はまだない。
負傷:右手の平火傷。

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