しかし、最近は凄いですね。
誤字報告の機能、こんなの出来たんですか。
みこたさん、ありがとうございました。
ッハ!俺は一体何を考えていたんだ!まあ多分さっきまでの俺の目はイッちゃってただろうから本気具合は伝わるダロ・・・あ、そういえばこの画面の向こう側の人目無いんだったわ・・・
「で、お前は一体何者だ。凄腕のヴィランだとは分かるが、それだけしか分からん」
決意を新たにして気持ちも切り替えて、改めて画面に向かい・・・確か先生って呼ばれてたな、その先生に向かって話しかける。
「僕の名前は、そうだね。オールフォーワン、とでも名乗っておこうか。今は訳があってこんな姿をしていてね、良ければ君に色々と動いて貰おうと思ってはいたのだけれど・・・そんなつもりもなさそうだ」
「結果的にヒーローが減るなら別に良い。呼び出しておいて何も無し、とは如何なものかと思うがね」
「僕が君に約束できる事と言えば、そうだね。近い将来、確実にヒーローがいなくなる、と言うことくらいかな」
・・・まあ、本物に丸投げすれば職業ヒーローは確実に減るだろう・・・問題は一般市民にも被害が行く事だ。
「ヒーローがいなくなった世界で無茶をするようなヴィランが出てきたら、その時は君が狩り取ってくれて構わない」
「・・・部下の管理くらいしっかりしておけ。俺の名前でヴィランが大人しくなるなら、好きに使って貰って構わないぞ」
「交渉成立、かな。では、君は今まで通りにヴィランを狩ってくれて構わない。だが、今後夜に暴れる者達はいなくなるがね」
「ソレはソレでいい。寝る時間が増えるからな」
踵を返してバーの出入り口のドアから出ていく。ドアをゆっくりと閉めながら上着のポケットから携帯を取り出して電波が入っていることを確認、すぐにマップ機能を開いて画面の中央に触れて現在地にマーカーを設置してからスリープ状態へ戻してポケットに入れる。
改めて辺りを見回すと細いコンクリート打ちっ放しの廊下と、その先に見える階段。
それを確認した直後にバーのドアが開いて白コルセットが出て来た。タイミング的には助かったが、何故出て来たし。
「フラッシュライトさん、お送り致しますよ」
・・・・・・マジでタイミングバッチしだな!もうちょい早ければ阻止出来たかもしれなったのに残念だったな!
と、来た時と同じように、同じ場所へ黒い霧を使って戻された。
軽く「黒霧、と申します。こちらが私の連絡先になりますので、先生に御用がありましたらこちらへ」と自己紹介と電話番号か書かれた紙を渡されたが番号をさっさと覚えて破り捨てた。黒霧はどこか悲しそうな眼をして黒い霧に包まれて消えて行った。
正直に言うと、俺が行動すれば、叫べば誰かに伝わると思っていた。
しかし現実は残酷である。
俺が行動した所で、世間は相も変わらない。このままモチベーションが下がって行ってフラッシュライト引退かと悩んでいた時にこんな呼び込み、渡りに船だ。
精々フラッシュライトの名前を利用すればいいさ、オールフォーワン。もう俺は引退だ。誰かに利用されるなんて、死んだも同然だからな。
家に帰ってからは覚えた黒霧とやらの電話番号をメモに、携帯電話のマップのマーカーのある場所を地図に書いて部屋の壁に貼っておく。なんか使うかもしれんし。
しかし・・・引退となると趣味の一つが無くなってしまう訳で、じゃあどうするよってお話になるわけで。
灯台にでもなるかなぁ。
とか考えていたら携帯電話の着信音が響いた。
「はいもしもし?星遠ですが」
『ああ星遠君かい?私だ、八木だよ。無事なようで何よりだ!』
「ええ、まあ連中の電話番号と場所は手に入れましたが・・・まあ明日話しますよ」
『え?い、一体何があったんだい?』
「まあまあお気になさらず。なにか差し入れします?」
『いつも通りスポーツドリンクを貰えればありがたいかな』
「了解しやしたぜ旦那!キンッキンに冷やしたヤツ持って行きまさぁ!」
言い捨てる様に電話を切ったが最後に『待って何そのキャラ!』という声が聞こえたがいやー切っちゃったなー。
いやー、八木さんと緑谷君は反応が面白くていいよね!轟君はクールだし、クラスメイトは何時だって張り付けたような笑顔だし。
まあいいや、スポドリ買って来て凍らせてから寝よう。これから健康的な時間に睡眠できるようになるから今日がこの時間に寝るのが最後になるかぁ・・・なんだか感慨深いものがあるな。
起きてからやる事はネットの確認だった。
そうこれから過去形になるはずだったのだがなんか習慣でつい調べてしまった。
そこにあるのはいつも通りの雑談に興じるスレッドの住民達と、住民達の話の中に出てくる「フラッシュライト包囲網」・・・・・・
どうせならヴィランとして一華咲かせるのも一興なんだけど、オールフォーワンと話した内容から活動していると思わせ続けなければならないからなぁ。好きに動けないってのはつらい。
あれ?ヴィランとして好きに動けないならヒーローとしてなら?いや駄目だ。駄目ってか嫌だわ。ここまで好き勝手やっといて手の平クルーとかネットどころかリアルでも叩かれるわ。
はぁ、学校行くかぁ・・・
「よぉ、星遠」
朝風呂入って朝飯食べて制服着て行ってきまーすって思った矢先に即家のドアを閉めた。
え、なんで轟君おるん?なに?ほしとー、サボろーぜー!って?お前のねーちゃんが怖いんだよバーカ!
「なんで一回ドア閉めた」
「いや、いるとは思っても無かったからビックリしてさ。で、どうしたん轟君」
「なんだろうな。サボらないか」
「突然だし、俺からしたらサボったらお前のねーちゃん怖いんだよバーカ!」
思ってた事言わすなよバーカ!バーカバーカ!
「あー、姉さんには俺から言っておく」
「お前、お前ソレ本気で言ってんの?」
「?本気じゃなきゃまず言わねぇだろ」
こいつマジか、サボった事なんてありませんって面しておきながら堂々とサボり宣言俺にしやがった。
だから気に入った。
「でも俺もサボるの初めてだからどうすりゃいいんだろうか」
「ゲーセンは・・・流石にマズイか」
「すっかり気に入ったのな、バイクゲー」
「ああ、早く金稼げるようにならねぇとな」
「高校は何処行くよ」
何気なく聞いてみた、バイトとかするなら校則がある程度ゆるい場所じゃなきゃキツイだろうな。程度の考えで。
「雄英。推薦でほぼ合格確定」
そして帰って来た答えに驚愕した。
「轟君、ヒーロー志望やったん?」
「そうだが、なんだその口調」
「いや気にしないでくれ。そうか、雄英かー」
「お前もまだどこかに決めきってないなら行こうぜ、雄英」
やだ、同じ高校に行こう誘われちゃった・・・トゥンク。
って多分これは違う、ヒロインのやることだ。俺はヴィランなんですー、引退決意しましたけどヴィランなんですー・・・ハァ、いつまで引きずるつもりだよ。俺は決めた、決めたぞ!
「そうかそうか、全くもって轟君は素直じゃないなー」
「は?何言ってんだ?」
「一人じゃ知り合いいなくて高校生活寂しーよーとか思ったんだろー?分かったよー、この星遠君が寂しがり屋の轟君と一緒に雄英に行ってやるよ!」
その直後に「ウゼェ」と返され凹んだり、先に歩いて行った轟君を追っかけながらも俺は思った。
ヒーロー資格だけ取って好き勝手にやった場合、事務所無所属って扱いになるんじゃなかろうか。
そう、つまりはオールマイトと同じ状況。
ま、この事も含めて色々八木さんに聞いておきたい&話しておきたい事もあるし・・・轟君は適当な所で家に送り返してあげよう。
その前に冬美先生に連絡入れとかなきゃ、弟さんと一緒にサボりますって。俺、明日先生に会ったら土下座するんだ。
まあ特にいう事は無いです。
強いていうならこの主人公考え変え過ぎ。前回のヴィラン宣言どこ行った。
勿論先の展開は考えてますよ、ええ、考えてます。