やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのは間違っている。-改訂版ー   作:新太朗

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祝!改訂版更新1年!

これからも頑張って更新しますので。

修学旅行の行き先は少し変えました。

では、どうぞ。


比企谷八幡⑮

出水、米屋、緑川の三人とのソロ戦総当りを終えて家に帰った俺はさっそく修学旅行の準備を始めた。と言ってもそんなに荷物が必要ないのですぐに終わった。

数日分の着替えに洗面用具、金位だろう。念のために移動中に時間が潰せるゲームを持って行っておくか。

 

「お兄ちゃん!小町からこれを渡しておくね!」

 

準備が終わり寝ようかと思っていると小町が話し掛けてきて紙切れを渡してきた。

そこには……『小町 おすすめお土産リスト ベスト3!』と書かれていた。

 

第3位 生八つ橋 飛びきり美味しいのを!

 

第2位 ねこまたん地方限定ver 雪菜ちゃん分も!

 

第1位 発表は番組の後半で!

 

と書かれていた。それにしても1位は番組の後半って……どこのクイズ番組だ!?

 

「……で結局、何を買ってくればいいんだよ?」

 

「ちっちっ……第1位はお金じゃ買えないんだよ」

 

小町は人差し指を左右に振ってもったいぶった。その態度がイラッとさせるが小町だから許す!

 

「第1位のお土産は……お兄ちゃんと浅葱お義姉ちゃんのイチャイチャ甘~い思い出だよ!」

 

イチャイチャ甘いって……確かに三日目の自由行動では浅葱と色々と回るつもりだが、それを聞きたいとはなんて兄思いな妹なんだ!

少しあざといがそこが可愛い!

 

「ああ、帰ったら砂糖を吐きそうな位聞かせてやるよ」

 

「……え?そ、そこまでは聞きたくないかな……ははっは……」

 

小町がどん引きしてしまった。そこまで引かれるとは……思いもしなかった。

 

「それじゃ小町。お風呂は入ってから寝るね。おやすみお兄ちゃん」

 

「おう。お休み小町」

 

小町はそう言って部屋から出て行き風呂に向かって行った。俺はそろそろ寝るか。

出水達とのソロ戦総当りは流石に精神的に疲れた。まあ半分以上疲れた原因は別にあるんだがな。

だが、これで葉山達とは距離を取る事が出来るだろう。それが少しだけ楽しみでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行当日は東京駅に集合なので電車でそこまで向かう。駅に着くともうすでに総武の生徒で混んでいた。

平日の朝早くとは流石は日本の首都だけの事はあるな。

 

「そう言えば浅葱。三日目の自由行動で回る場所はまだ内緒なのか?」

 

「まあね。行ってからのお楽しみって事よ」

 

「分かった。期待しておく」

 

「うん。任せておいて」

 

まだ時間があったので浅葱に三日目に周る場所を聞いたが答えてはくれなかった。それはそれで少し不安だが、浅葱が練った計画だから大丈夫だろう。

俺は三日目の戸部の海老名への告白まで精々楽しもうと考えている。

 

あんなリア充グループに楽しい修学旅行を台無しにさせてたまるか。中学の時は行っていないからな。ネイバーの第一次大規模侵攻の復興や親父など色々とやる事があって行っていないからせめて高校では行って楽しみたい。

 

「あ、八幡!」

 

「おう。戸塚、おはよう」

 

「うん。おはよう」

 

駅に着いて戸塚が笑顔で声掛けてくれた。これを聞いてだけで疲れが吹っ飛ぶぜ!と考えていると足が滅茶苦茶痛い!

 

「いででっ!?」

 

「……ふん!」

 

痛いと思ったら浅葱が俺の足を思いっきり踏んでいた。しかもぐりぐりと踏みつけていた。あれって地味に痛いから辞めてほしい。

 

「ふふっ……久しいな八幡よ。我が盟友よ!」

 

「……いつから俺はお前の盟友になったんだ?いい加減にしないとシバくぞ。材木座」

 

俺が足を浅葱に踏まれていると材木座が近付いて来た。こいつの中二病は色々と面倒だが、葉山達に比べたらマシな方だ。

てか、こいつは修学旅行中でも制服白衣なんだな。ブレたりブレなかったりこいつの事は未だに……いや、一生分かりたくは無い!

 

「それで何か用か?無いならさっさと視界から消えてくれ」

 

「ひ、酷いではないか!?我と八幡は共にあの試練を乗り越えた仲ではないか!」

 

「お前にとっては試練かもしれないが俺にとっては試練じゃないからな。それで何だよ?」

 

「うむ。実は新たなトリガーを作ったので試してもらいたいのだ」

 

材木座が新しいトリガーを作ったのか。それで一々来ないで貰いたい。

俺の楽しい修学旅行を台無しにするのは葉山達かと思ったら思わぬ伏兵だな、こいつは。

 

「分かった。帰ったら試してやるよ。ちなにみどんなのを作ったのだ?」

 

「聞いて驚くが良い!!新に打撃系とブレイド系のトリガーを作ったのだ!!」

 

「声がデカイ!!」

 

どうしてこいつの声はデカイいんだ……。帰ったらこいつで新しいトリガーを試してやろう。どんな事になるか楽しみだ。

それにしても打撃系とはな。今あるのはレイガストだけだったか?

正確にはあれは打撃ではなく盾として使うのがフツーなんだよな。打撃として使っているのはレイジさんくらいだしな。まあ、いいか。

 

そしてもう一つがブレイド系か。天月を強化したものか?まあ、俺としては打撃よりブレイドの方がいいんだけどな。

帰って試すのが楽しみだ。

新しいトリガーについて材木座から詳しい説明は帰ってから聞くとして今は修学旅行に集中して方がいいな。

三日目の夜には海老名と戸部の事をなんとかしないといけないんだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

材木座から試作トリガーの事を聞いて約30分、俺は今、新幹線の中に居る。車両でクラス分けしているので浅葱は別の車両に移った。

俺は窓側から外をぼんやりと眺めていた。そんな時に葉山グループが俺の横を通り過ぎた。

 

通り過ぎた時に葉山と目が合って、葉山は俺を凄い剣幕で睨んできた。結局、俺は戸部の海老名への告白の手伝いを断ると伝えてから葉山は俺を睨み出した。

そもそも戸部の告白を成功させるより海老名の告白阻止を成功させた方が俺のメリットが大きい。

断っただけで睨まれるのは間違っているし、それなら自分でどうにかしろと言いたくなる。

まあ、そんな事を言ったら由比ヶ浜と三浦が何を言ってくるか分からないから何も言わないがな。

 

「あーし、窓側に座りたいんだけど」

 

新幹線の中でも女王さまである三浦は威張り散らしている。相模がボッチになってから更に勢いづいている。

 

「じゃあ、あたし達は通路だね。姫菜はどっちにする?」

 

「う~ん……結衣は通路と窓側、どっちが攻めでどっちが受けだと思う?私はね―――」

 

海老名は相変わらず、BL趣味全開だった。そんな彼女に告白して恋仲になれると本当に思っているのか。戸部は?

これはあれか?恋は盲目というやつか?だとしたらご愁傷様だな、戸部。

お前の告白はやっぱり100%成功はしない。

 

それにしても葉山以外に気になっているのが由比ヶ浜だ。あいつは戸部が海老名に告白しようと知っているんだよな?

それとも知っているから俺に相談に来たのか?ホント、葉山グループは俺の事を都合よく使おうとしているな。

 

由比ヶ浜の事だから二人を恋仲にしようとしそうだな。まあ言ってはなんだが、由比ヶ浜程度の頭で二人を付き合わせる事は出来ないだろ。

それに由比ヶ浜の事だから雪ノ下も巻き込んでいるだろ。

 

仮に雪ノ下がこの件に関わっているとしても雪ノ下は別のクラスだから三日目以外は会う事が無いのにどうするつもりだろうか?

この件で俺が何もせずに由比ヶ浜と雪ノ下が失敗したら葉山グループは崩壊するな。

 

「……なら、何もしない方がいいのか?でもな……」

 

「どうかしたの?八幡」

 

「いや、何でもないんだ。戸塚」

 

「そう?でも何かあったら言ってね。いつでも相談に乗るよ!」

 

つい独り言を言ってしまって、隣に座っている戸塚に聞かれたが、俺の事を心配してくれるなんて……流石は俺の癒しの天使、トツカエルだぜ。

その言葉を聞けただけで、俺の心は救われるぜ!戸塚。

 

「結衣も姫菜も早く座んなよ」

 

「う、うん。……戸部っちがそっちに座ったから……」

 

「じゃあ、結衣はそこに座りなよ。私はこっちに座るから」

 

「ちょっと姫菜!?か、勝手に決めないでよ!」

 

三浦に急かされて由比ヶ浜と海老名は座ろうとして由比ヶ浜は何とか海老名を戸部の前にしようとしたが、海老名がそうはさせなかった。

座席を回転させて向かい合わせにしたまで良かったが、上手い様に事は運ばせてはくれなかった。

 

葉山、戸部、相模の三人が並び、その正面の窓側から三浦、由比ヶ浜、海老名の順番になった。てか相模が葉山グループに居るよ。

元居たグループはもうないからとしても何故?葉山グループにいるんだ?

 

……ああ、これは葉山が動いたのか。ボッチになった相模を自分のグループに入れたのか。メンバーは二人ほどいなくなったからな。

メンバー補充っと言った所か。それにしても葉山が相模と離れては意味が無いと思うがな。

三浦がさっきからご機嫌斜めで相模をチラチラ見ているので、大方相模が葉山を狙わないように牽制でもしているんだろ。ご苦労様。

 

「戸塚、川崎。もう少し前の座席に行こうぜ」

 

「うん。いいよ」

 

「……別に構わないけど」

 

俺は戸塚と川崎を連れて葉山達とは離れた座席に座った。これで何かあっても巻き込まれないだろう。川崎に戦い方のレクチャーでもするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「川崎は近接メインで戦うからシュータートリガーはやっぱりハウンドがいいな」

 

「……ハウンドなら狙いは大雑把でもいいんでしょ?」

 

「まあな。ある程度だけどな。……これで川崎のトリガーのセットするものが決まったな」

 

「……うん。ありがと、比企谷。あたし一人だったらまだ悩んでいたかも」

 

新幹線が出発して約1時間弱。俺は川崎の戦い方から話を聞いて俺が川崎に合ったトリガーを薦めていた。

これで後は経験を積んで行けば強くなれるだろう。細かい調整は本人がやると言っていたので俺がするのはここまでだ。

 

そう言えば、葉山や由比ヶ浜のメイントリガーは何だろう?由比ヶ浜の事だから俺の弟子になる事を考えずに選びそうだな。

まあ、その時はそれを理由に弟子入りを断ればいいしな。

 

それから戸塚とも色々と話した。オペレーターにはどのような技能が必要とか俺が知っているだけの事を戸塚に教えた。

もっと詳しい事は浅葱に聞いてくれと言った。

 

東京から京都まで時間があったので少しだけ寝る事にした。これから葉山達に迷惑を掛けられるから少しでも体力は残しておきたかった。

まあ、何かあるとすれば三日目の夜なので特に心配していない。

そして俺は意識を手放した。

 


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