やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのは間違っている。-改訂版ー   作:新太朗

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今回は夜架の弟(オリキャラ)を出します。

では本編をどうぞ。


羽々斬夜架①

個人ランク戦。

それは隊員同士が一対一で行う対人戦で相手のポイントを奪い合う戦い。ポイントが多い者からは多く奪え、逆に少ない者からは多くは奪えない。

 

俺こと比企谷八幡は浅葱との買い物をした翌日の放課後にボーダー本部の個人戦が見れる大型スクリーンで、ある二人の戦いをMAXコーヒーを片手に見ていた。

 

一人目は姫柊雪菜。

言わずと知れた比企谷隊のアタッカー。

俺は夜架と共にエースと見ているし、ランク戦ではそれに見合った働きをしてくれて対応力も確りと備わっている。

ただ頑張りすぎることがあるのでそこだけが心配ではあるけど。

 

二人目が米屋陽介。

個人ランク戦で俺がよく戦っている一人で三輪隊のアタッカー。

槍バカと言うあだ名で親しまれている男だ。そして雪菜の師匠でもある。

比企谷隊に入って来たばかりの雪菜にさらに力を付けてもらうために俺が米屋に雪菜の弟子入りを頼んだ。その代わりに勉強を見る羽目になったのだが……まぁ雪菜が力が付くならそれくらいどうってことないと思った。

 

そして今二人は十本勝負中八本目が終了して六対二で米屋が勝っていた。さすがは槍バカと言われるだけのことはあるなと思う。

一方、雪菜の方はまだ固いところが多々あるので今後の課題としてもっと柔軟に戦えるようにしていきたいところだ。

 

何故、俺が個人戦を見ているかというと夜架から頼みを聞いて欲しいと言われて来るのを待っているついでである。

ちなみに他の二人。浅葱とシノンはどこにいるかと言うと、浅葱は加古さんのところで新たな炒飯を習っているところだ。また医務室のお世話になる未来が見えるんだよな。

 

シノンは太刀川隊の作戦室でゲームをして来ると言っていなくなってしまった。シノンは太刀川隊のオペレーターの人とよくゲームをしている。

そんな訳で俺は雪菜と米屋の戦いを見ているというわけだ。

 

(しかし、夜架のやつ遅いな……それにあいつが頼み事とは一体何だろうな?)

 

考えに耽っていると後ろから夜架の声が聞こえてきた。

 

「主様。お待たせしました」

 

「おう。遅かった、な……」

 

後ろに振り返って夜架を見てみると知らない男子と一緒にいた。見た目は何だか戸塚に似ているが明らかに男子だと分かる。

戸塚は見た目から仕草に至るまで女子と勘違いしてしまうが目の前の人物はよく観察してみると男子だと分かる。

 

「夜架。隣のそいつ誰だ?彼氏って訳では無いんだろ?」

 

「はい主様。彼は私の双子の弟で名前を……」

 

「羽々斬鏡夜(はばきりきょうや)っていいます。初めまして比企谷先輩。話は姉の夜架からよく聞かされています。ボーダーでも実力屈指の持ち主で頼りになると人だと」

 

「そ、そうか……まぁ知っていると思うけど一応自己紹介しておくな。比企谷隊隊長の比企谷八幡だ。よろしく」

 

「はい!よろしくお願いします。僕のことは鏡夜と呼んでください」

 

夜架の弟の鏡夜は頭を下げて俺に挨拶してきた。しかし夜架に弟がいることは聞いていたが……言ってはなんだが姉の夜架と違って中二病にはなってはいないようだ。

しかし夜架の奴は弟に俺のことをどう聞かせているのか、そこは聞いておきたい。

 

「それで、わざわざ弟を俺に紹介するだけに来たわけじゃないよな?」

 

「さすがは主様。その通りです。今日は鏡夜の頼みを聞いて欲しいのです」

 

「お前の弟の?……頼みって何だ?」

 

「はい。実は僕はある人の弟子になりたいんですけど……僕はその人とはまったくと言って面識がないのでいきなり弟子にしてもらえるか不安で。それで姉の夜架に話したら比企谷先輩に話してみたらどうだと言われて……」

 

なるほど……、確かに俺はボーダーで顔は広いほうだと思う。だから仲介をして欲しいのか。

 

「話は分かった……俺がお前の弟子になりたい人に紹介すれば良い訳だろ?」

 

「はい。お願いできますか?」

 

「ああ問題ない。それでお前が弟子になりたい人って誰だ?」

 

「はい。それはA級1位太刀川隊の太刀川慶先輩です」

 

鏡夜から聞かせれた人物の名前を聞いて驚愕した。

 

(マジか!?太刀川さんの弟子になりたいなんてな……でも頼まれたからには紹介するしかないな……)

 

俺は太刀川隊のシフトを思い出していた。今日の防衛任務は終わっているはずとだと

 

「それじゃあ、さっそく太刀川隊の作戦室に行くか?今日は確か防衛任務は終わっているはずだしな」

 

「はい!……あれ?比企谷先輩って太刀川隊のシフトを何で知っているんですか?」

 

「ああ、それはな。俺は隊のシフト管理とかをやってんだよ。だから大抵の隊のシフトは把握している」

 

「なるほど」

 

鏡夜は納得しているようなので三人で太刀川隊の作戦室に向かった。

 

 

 

 

俺、夜架、鏡夜の三人で太刀川隊の作戦室に着き、チャイムを鳴らして人が出て来るのを待った。

 

『はい~どちら様~』

 

語尾を伸ばす人は太刀川隊には一人しかいない。

 

「どうも。国近先輩」

 

国近由宇。

太刀川隊のオペレーターの高校三年生の先輩だ。俺の隊のシノンとよくゲームをしているのが実はこの人だ。

ゆるい雰囲気で学業はちょっと微妙なラインの人。前に太刀川さんの大学のレポートを手伝う時に勉強を教えたことがある。

高三の先輩に高二の俺が勉強を教えるって普通は逆のはずなのにと思うんだけど。

 

さらに国近先輩はゲーマーとしても有名で、比企谷隊がまだ俺と浅葱の二人だけだった頃に太刀川隊との合同任務の報告書を太刀川隊の作戦室で書いていると国近先輩にゲームに誘われてやっていたら、十時間近くやる羽目になってしまった。

その後、シノンが入隊してきて国近先輩の相手をしてくれようになったので何とかゲームで疲れることは無くなった。

 

 

『お~比企谷君。今日はどうしたんだい~』

 

「太刀川さんにお願い事がありまして……今居ますかね?」

 

『うん。居るよ~今開けるね~』

 

扉が開いて太刀川隊の作戦室に入ってみると、そこにはシノンがいた。

まあそれは良いとして目的をさっそく果たすとする。そのために部屋の奥へと行ってみるとそこには太刀川さんの他にもう一人いた。

 

「比企谷か……どうした?何か用か」

 

「はい。風間さん」

 

そこには風間さんが居て太刀川さんのレポートが完成されるまでの見張りをしているようだった。

 

「ん?……比企谷!!いい所に来てくれた。頼む!!レポートを完成させるの手伝ってくれ!!」

 

太刀川さんは椅子から勢いよく立ち上がり俺の肩に手を置いて頼みこんできた。

 

「太刀川……高校生の比企谷にレポートを手伝わさせるな。それくらい自分でどうにかしろ」

 

風間さんの怒声はさすがに迫力がある。手伝う前に、俺は目的を果たすとするか。

 

「別に手伝ってもいいですけど、その前に太刀川さんに頼みがあるんですけど。いいですか?」

 

「お前が俺に頼みとはな……どうした?」

 

そこで俺は鏡夜を前に出して太刀川さんに紹介した。

 

「頼みって言うのは俺でじゃなくて、こっちのヤツなんですよ」

 

「そいつ誰だ……?何だか羽々斬にどことなく似てるような気がするが……」

 

「は、初めまして太刀川先輩。僕は羽々斬鏡夜って言います。夜架は僕の姉です」

 

「ああなるほどな。道理で似ていると思ったわ。それでお前が俺に用があるんだよな?」

 

「は、はい。あの、僕を貴方の弟子にしてほしいんです!」

 

「ああそんなことか、別にいいぞ」

 

太刀川さんはすんなりと弟子入りを承諾した。なんか軽いな……。

 

「そうですよね……いきなりこんなこと…………って今なんて言いました?」

 

「だからいいぞって言ったんだよ。弟子にしてもいいぞ」

 

鏡夜は太刀川さんの軽さに驚いていた。まぁそうなるよな……。

 

「だが、その前にレポートを終わらせろ太刀川」

 

「……はい。風間さん」

 

これはしばらくは何も出来そうにないな。一先ず作戦室に戻るか。

 

「それじゃあ太刀川さん鏡夜のことお願いしますね。俺達は作戦室に戻るんで、後のことよろしくお願いします」

 

「ああ任しておけ。強くしてやるよ」

 

「レポートを終わらしてからだがな」

 

「はい……」

 

太刀川さんはやはり風間さんに頭が上がらないようだった。

鏡夜を太刀川隊の作戦室に置いていき、俺と夜架は比企谷隊の作戦室に行き、防衛任務まで休むことにした。

 

 

 

 

作戦室に戻ってみるとまだ誰も居なかった。

浅葱が戻ってくるまでにあの炒飯を食べる覚悟を決めておかないとな。ちゃんとアフターケアを出来るように……。今回は胃薬を持ってきているから何とか大丈夫のはず……多分。そんな浅葱の加古さん炒飯のことを考えていると夜架がマッ缶を出してくれた。

 

「どうぞ。主様」

 

「おう。サンキュー」

 

俺は出されたマッ缶を一気に飲み干した。炒飯のことは一旦置いておくしかないな。なんとでもなれだ。

 

「主様。今日は鏡夜の頼みを聞いてくれましてありがとうございます」

 

「気にする必要はないぞ。俺はただ仲介しただけだしな」

 

「いえ、それでもありがとうございます。主様」

 

頭を下げてお礼を言ってくる夜架に俺はありのままのこと言ったのだがそれでも夜架はお礼を言ってきた。

 

「それで主様。前にした約束を覚えていますか?」

 

「ああ。もちろん覚えているぞ」

 

夜架の言う約束とはマスター級になった時に俺に叶えられる範囲で夜架のお願いを叶えるというものだ。何かご褒美があればやる気も出ると思って言ったのだがここで言うつもりか?

 

「それでお前は俺に何をして欲しいんだ?」

 

「では、そのままソファーに座っていてください」

 

夜架に言われるまま座っていると夜架は俺と少し間を空けて座ったと思ったら頭を俺の太ももに預けてきた。要は膝枕ってやつだ。ただし男女逆だが…。

 

「えっと……夜架?お前が俺にして欲しいことって膝枕なのか?」

 

「はい。一度やってみたかったので。迷惑でしょうか?」

 

「いや。大丈夫だ」

 

そう言いつつ俺は夜架の頭を撫で始めた。

 

「それにしても髪すごく柔らかいな」

 

「ありが、とう…ござ…いま、す………すぅ……すぅ……」

 

夜架の頭を撫でていると眠くなったらしく夜架はそのまま寝てしまったので防衛任務まで寝かせることにした。

そして任務前に浅葱が加古さんから教わった炒飯を振舞ったが今回は当たりを引いたらしく医務室のお世話にはなることはなかった。

 

防衛任務の後で聞いた話だが、鏡夜は太刀川さんと十本勝負をしたところ最後の一本だけ勝つことが出来たらしい。マジですごいな初めて太刀川さんと戦って一本取るとは……。

 




羽々斬鏡夜(はばきりきょうや)夜架の双子の弟 オリキャラ

ポジション アタッカー

太刀川慶に強い憧れを持って弟子入りを八幡の紹介でなる。


トリガーはメインを弧月にするつもりです。詳しいトリガーセットはワートリの原作のB級ランク戦前に明らかにしたいです。

次回はシノン回を書くつもりです。では次回をお楽しみに。

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