やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのは間違っている。-改訂版ー 作:新太朗
色々と面倒事が立て込んでいて更新が遅くなりました。
更新回数が減ると思いますけど、頑張って行くのでこれからも読んでいってください。
イレギュラーゲート。C級隊員三雲修のボーダー外でのトリガーの無断使用。
この二つの件は玉狛のS級隊員の迅悠一で発言で会議はすんなりと終わった。迅さんはある程度は検討が付いているのだろうか?
そして会議が終わった時に俺は迅さんに上層部と戦うから力を貸してくれと言ってきた。それを聞いた時、『この人頭大丈夫か?』と本気で心配してしまった。
どうにも上層部と戦う事がボーダーの戦力強化に繋がるらしい。
その『鍵』を握っているのが三雲修だ。迅さんが推薦してまでボーダーに入隊させた人物がどのように関わっているのかはこれから分かるだろう。
そして会議が終わって比企谷隊の作戦室で寝ていた所、翌日の朝早くから訪問者が現れた。しかも嫌な人物だ。
「いや~外が寒くて凍え死ぬところだったぜ」
「……そうですか。ても、ここでなくてもいいと思うんですけど?迅さん」
朝早く比企谷隊を訪れたのはセクハラ常習犯……ではなくボーダーで二人しか居ないブラックトリガー持ちの迅さんだ。『ブラック』繋がりで砂糖もミルクもないブラックコーヒーを指し出した。
「……なんだか今、失礼な事を考えなかったか?」
「気のせいですよ。セクハラ野郎」
「やっぱりそんな事を考えていたのか!?」
「そんな事はどうでもいいで、本題に入ってください。追い出されますよ?主にウチの女子達に……」
「……え?」
比企谷隊の特に浅葱とシノンの迅さんを見る目が怖い!!以前、セクハラされた経験があるからな、あの二人は。
夜架と雪菜にはない。夜架はそう簡単に背後は取らせないからだ。雪菜の場合は本気で捕まるから迅さんはやらないらしい。
「……迅さん。もう一度、やるなら容赦はしませんから」
「……迅さん。次やったら頭を撃ち抜くから」
浅葱とシノンがギラついた目で迅さんを睨め付けていた。流石の迅さんも少し震えていた。これは怖いよな。
てか、シノンに関してはトリオン体に換装してイーグレッドを構えているし!?
「とりあえず、落ち着けな二人とも。それでいい加減、話してくれませんか?」
「……あ、ああ。実はこれからメガネ君と合流してイレギュラーゲートの原因を知っている人物に会う事になっているんだ」
「イレギュラーゲートの原因が分かったんですか!?」
それは嬉しいな。24時間、常に警戒していたから気が緩む時がないから少しずつストレスが溜まっていた所だ。
それにしても誰が原因を知っているんだ?
「ああ。だから昼から大掃除をするから本部に居てくれよ。いつでも出られる様にな」
「分かりました」
「それじゃ俺はメガネ君に会いにいかないといけないから。またな……あ、それと比企谷の試作トリガーを少し調整しておいた方がいいぞ」
そう言って迅さんは比企谷隊の作戦室から出て行った。ブラックコーヒーをしっかり飲んでいた。
「……はぁ~ようやく出て行ってくれたわ」
「……うん。次は撃ち抜く……」
浅葱とシノンの目が怖いな。目が腐って見える俺が言うのはどうかと思うけどな。
「でも誰なんですかね?イレギュラーゲートの原因を見つけた人って?」
「だよな?でもボーダーの人間では無いだろ」
雪菜の質問はもっともだ。それに対して俺はボーダーの人間ではないと応えた。もしボーダーの人間ならとっくに報告してそうだからだ。
迅さんが動く必要は無い。つまりボーダーの人間ではないと思った。
「一応、解散して昼前に集合って事で」
「分かったわ」
「承知しましたわ。主様」
「……うん。分かった」
「はい。分かりました」
4人はそれぞれ帰路についた。だが、俺は帰らなかった。開発室に行って試作トリガーを材木座に少し調整してもらうためだ。
早めに終わらせよう。でないとくだらない小説を読まされる。
「ふふふっ……よく来たな我が盟友よ!!」
開発室に入ると材木座がまたワケの分からないポーズを取っていた。今すぐ弧月で三枚に下ろしたい。
「さっさと試作トリガーの調整をしろ。でないとお前の小説をネットに晒すぞ?」
「ま、待つのだ!八幡よ!!や、奴らは容赦がないのだ!?ネットに晒されたら我、死んじゃう!!」
「それが嫌だったらさっさとしろ」
「わ、分かったから晒すのだけはやめて!!」
材木座は超特級で作業を始めた。よほどネットに自分の小説を晒されるのが嫌のようだ。
これは使えるな。今度、材木座をおど……頼みをする時はこいつの小説をネットに晒す準備をしておかないとな。
それから10分くらいでトリガーの調節は終わった。迅さんがこれを調整しておけと言っていたのでこれを近々、使うのだろう。
そう言えば、もうそろそろだな遠征隊が戻ってくるのは。
そして迅さんが比企谷隊の作戦室から出て行ってから約2時間が経った頃、ついにイレギュラーゲートの原因が判明したようだった。
俺の予想通り原因はやはりトリオン兵だったようだ。それも小型の偵察用トリオン兵『ラッド』と言う名前らしい。
俺は開発室から作戦室に戻ってきた。他のメンバーはまだ来ていないのだろうか?
「……ただいま」
「あ、八幡。おかえり」
「浅葱。もう来てたのか?」
出迎えてくれたのは浅葱だった。ホットMAXコーヒーを差し出してきたので飲んだ。暖まるな。
「他のメンバーは?」
「まだ来ていないわ。私が一番」
「そうか。ホット、サンキューな」
「そう言えば、八幡。命令は聞いた?」
「ああ。迅さんが言っていた大掃除の命令書だよな?」
「そう。それ!それと今回のイレギュラーゲートの原因はトリオン兵だって。これ画像ね」
浅葱が見せてくれたトリオン兵の画像を見た。見た目はもろ虫だな。コイツが原因か。
俺はいつでも出撃出来るように準備だけでもしておくか。それから約30分で他のメンバーは集まった。
「それにしてもこんな小さいのが数千とか徹夜確定だな……」
「まあ、それだけでイレギュラーゲートの問題を解決出来るんだから易いものでしょ?」
「確かに……そろそろ時間だな。浅葱、よろしく」
「ええ。それじゃ行ってらっしゃい」
そしてトリオン兵『ラッド』をボーダー隊員総出で駆除に当たる事になった。攻撃力を持たない小型だがレイダーで判明した数が数千体いるらしい。
そのため回収要員としてC級隊員にも召集が掛かった。
「八幡先輩。聞いてもいいですか?」
「どうした?雪菜」
駆除する担当の地区に移動中、雪菜が聞いてきた。なんだろうか?
「今回、C級隊員も参加するとの事ですけど。必要なんでしょうか?」
「それは必要だろ。倒した後、一体誰が回収すると思っているんだ?今いるA級とB級だけだと回収だけで数日は掛かる。だけど、C級も加えれば半日あれば全部回収出来るだろ」
「なるほど。確かにそうですね。回収が大変ですもんね」
雪菜はどうやら納得したようだ。今回の作戦でC級の外でのトリガー使用が見直されるだろうな。それが良いのか、悪いのかはまだ分からない。
今後、大規模侵攻があればC級に避難誘導させてA,B級は戦闘に専念出来るだろうな。
「ここが俺達の担当地区だな。雪菜、そろそろ準備しろ」
「はい!」
俺達比企谷隊の担当地区に到着した。夜架もシノンも準備は大丈夫そうだな。
「浅葱。C級はどうなんだ?」
『C級隊員も準備は大丈夫よ。倒した所から回収の指示を出すから』
「分かった。それじゃ始めるか。夜架、シノン、雪菜。やるぞ」
「はい。主様」
「了解。隊長」
「はい。先輩」
ボーダー総出の小型トリオン兵『ラッド』の駆除が始まった。流石にボーダー隊員総出でやっているだけあって順調に『ラッド』を駆除出来ていた。
夜架、シノン、雪菜の三人も順調に倒していっていた。
しかし『ラッド』は小型で今までにこれほど小さいトリオン兵を倒した事がなかったのか、数が少なくなってくると素早いので見つけ難いので大変だった。
「バイパー」
『C級隊員はラッドの残骸の回収を。座標は送るので確認して』
8×8×8の512のバイパーの弾で俺は『ラッド』を次々と命中させた。動きを先読みしているので外れる事はあまりない。
浅葱の指示を聞いてC級隊員が次々と俺達が倒した『ラッド』を回収していく。
それにしても数が多いとは聞いていたが、本当に多いな。
「お前ら大丈夫か?」
「はい。問題ありませんわ、主様」
「うん。大丈夫よ」
「これくらいなんて事ありません」
俺の気遣いは無用だったようだ。このペースなら朝方には終わりそうな勢いだった。一応、駆除の様子はテレビに中継されていた。
まあ、映っているのは嵐山隊だけだけどな。頑張れ嵐山隊。
「もう少しだ。もうひと頑張りしますか」
「はい。主様」
「……もう少し」
「頑張りましょう」
それから朝方まで駆除は続いた。トリオン体だから体力は大丈夫だが、精神面が疲労しているな。
『よーし。作戦終了だ。みんな、よくやってくれた。お疲れさん』
迅さんからの終了の通信が入った。ようやく通常運転に戻るな。家に帰って思いっきり寝たい。
でも現実は甘くはなかった。報告書を書かなくてはいけない。
しかも俺は隊長なので隊員のを見直してから提出しないといけないのでMAXコーヒーを20本まとめ買いしてそれを飲みながら報告書を書いた。