最高の料理人   作:ゴルゴンx

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第8話です

遅くなりましたが、どうぞ楽しんで下さい。



八の皿、地獄の宿泊研修その2

地獄の宿泊研修初日、1年生は各々指定された場所に行き、心を落ち着かせてるやろな。

 

初日の俺は冬美さんと一緒に行動していた、今日は冬美さんのサポート、順番に色々な講師の手伝いを頼まれた俺は冬美さんが受け持つ部屋に入った

 

「おはよう1年生のみんな、今日君達を受け持つ水原冬美よ、それと」

 

「おはようさん、知ってると思うけど桜清人や、よろしく」

 

「堂島さんから説明があったように、清人も研修中は講師と同じ権利を持つわ、清人の判断は私の判断と思ってもらって構わないわ、それじゃ今日の内容を清人から」

 

「俺かいな、じゃあしっかり聞いてや、今日皆に作ってもらうんはアンティパスト、要するに前菜や、食材は前に用意してある物ならなんでも使ってええで、自分が一番自信ある前菜料理を持ってこい、単純に上手ければ合格、上手くなければ不合格や、冬美さんが口にするのは一組一回だけや、時間は120分、じゃあ始め!!」

 

俺が合図を出すと皆その場で悩んでいた、まぁ悩むのも当然や、なんせチャンスは一回だけ、冬美さんが不味いと言えばその時点でバイバイや、この試験の意図は、続きを食べたいと思わせるかどうか、与えられた時間の内に料理を出す、それは料理人とって当たり前、その程度も出来ない料理人は遠月にはいらない、そして一回だけの審査、前菜とはその後の料理を食べたいと思わせる事、つまり食欲を駆り立てる役目がある、一回と言うのは一発で客の胃を掴めるかどうかが試されとる

 

「それにしても遠月も無茶言いよるな」

 

「何が?」

 

「一年ってほとんど客前に立った事無いやろ?そんな奴らにチャンスは一回、プレッシャー半端ないやろな」

 

「そうね、でもこの程度乗り切れない様なら先は無いわ」

 

「確かにな、俺も最初は全然ダメやったしな」

 

「清人はまだマシな方だったわよ、今回一年はどれだけ残るのやら」

 

冬美さんと話していると、直ぐに食材を取りに来た組みがいた

 

「ここからなら何使っても構わないわのよね?」

 

「ん?ええよ、好きなん使ってや」

 

「ありがとう、それと初めましてね、私は薙切アリスよ、よろしくね、後ろにいるのはりょう君よ」

 

「ども」

 

「よろしくな、二人はもう決まったんか?」

 

「ええ、これくらい直ぐ出来なければ料理人は名乗れないわ」

 

この二人は合格やな、こんなかではトップクラスの腕やろうな、冬美さんもこの二人は合格する人間やと思ってるみたいやな

 

 

その後何組も食材を取りに来て調理を開始していた、薙切アリス、黒木馬ペアは難なくクリア、他にも何組かは余裕を持って合格した、それからしばらくして時間切れになり、このクラスは30組み60人の生徒がいたが、合格したのは半分の15組時間残らなかった、時間も過ぎ冬美さんと終わろうかと話していると

 

「待って下さい!俺は納得行きません!」

 

冬美さんに不合格を言い渡され帰る退学しか残っていなかった生徒が冬美さんに申し立てる

 

「何が納得いかないのかしら?」

 

「桜の事です!なんでそいつだけ特別扱いなんですか!」

 

「最初に言ったでしょ、清人は一年の括りから飛び抜けているの、これは学園総帥が決めた事よ」

 

「それでもです!それに僕は高級料理店の息子だ!そんな奴に劣ってるとは思えない!」

 

「・・・」

 

冬美さんは今の言葉でかなりイラついている事がわかるなぁ、しゃあないからこの辺で力の差を教えたろか

 

「ええで、ほな見せたるわ俺の料理を」

 

 

俺はそいつにそう言って余ってる食材で調理を始めた

 

 

sid冬美

 

清人の事を悪く言う生徒を睨み、君が清人の何を知っていると言いたかった、でもその前に清人が自分の料理を見せると言って調理を始めてしまった、正直こんな所で清人の料理を出さなくても私はいいと思う、清人の料理は私達の常識をことごとく覆してきた、食材の声が聞こえると清人が始めて言ってきた時、私は頭でも打ったのかと思った、でも違った、清人が調理した食材は輝いて見えたから、完成した料理を食べてみると今まで食べた事の無い美味しさで体が震えた、私は清人には本当に声が聞こえているんだと確信した

 

「ふん!あんな余った食材で何が作れるってんだ」

 

「清人を舐めすぎよ、あれだけあれば十分な料理を作れるわ」

 

「!ふん、どうだか」

 

完全に舐めてるわね、私は清人の方を見ると清人は包丁を取り出していた

 

「皆清人の包丁捌きを見ておきなさい、特に合格組はね、必ず貴方達のモチベーションを上げるわ」

 

私の言葉にこの教室にいた生徒達は清人に視線を向けた、清人は包丁を取り出すと目にも留まらぬ速さで野菜達を切っていく、私もつい最近まで全く見えなかったけど、最近ようやく見える様になった、少しだけどね

 

「なんだよあの早さ!人間技じゃない!」

 

「見て!野菜が糸みたいに細くなってる!」

 

「なんだよあいつ・・・バケモンかよ」

 

包丁捌きだけで何人もの生徒がざわつく、合格組は冷や汗を流しながらも清人の包丁捌きを少しでも取り込もうと必死に見ていた

 

「よっしゃできたで!」

 

清人はとてつもないスピードで調理を終わらせた

 

「ほら食えや、セロリとクリームチーズディップチコリー添えや」

 

清人は料理を不満を言った生徒の前に出す、その生徒は恐る恐る手を伸ばし、一口食べる、口に入れた瞬間その生徒は膝から崩れ落ち

 

「う・・・美味すぎる・・・こんな味俺には出せない」

 

どうやら清人の凄さはわかったようね、私は清人の側に向かい、清人の作ったり料理を一口貰った、

 

「っ!」

 

ダメ!体の震えが止まらない、これが清人の凄い所、体の芯から来る衝撃がどうしても抑えられない

 

「美味しい!このチーズディップの中に入ってるのはセロリ、それにレモンの酸味が良いアクセントになってる」

 

「やろ、それに少しだけオリーブオイルを混ぜてあるから風味は倍増や」

 

凄い!この短時間でここまで繊細な味わいを出すなんて!やっぱり遠月に入学させて良かった

 

「わかった?これで清人が貴方より強い料理人って事を」

 

私はその後皆にもっと上を目指すようにと言って自分の担当講義を終わらせた

 

 




第8話、なんとか挙げられた、慌てて書いたので間違っていたり
ん?と思う箇所があるかもしれませんが、楽しんでもらえれば嬉しいです
次回は明後日ぐらいになると思います、では次回

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