最高の料理人   作:ゴルゴンx

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第10話です。
今回で地獄の宿泊研修篇もほぼ終わりです。
次の話で最後の研修の締めと少しオリジナルを入れたいと思っています。
ではどうぞ


十の皿、地獄の宿泊研修その4

「う〜ん・・・もう朝か」

 

ソーマと恵そして小次郎さんの食戟が終わって次の日、今日を生き残ればこの宿泊研修は終わりになる。

俺も最後だけ参加さしてほしいと言うてんけど、ダメだと銀さんに一括されたから俺も逆ギレ、俺にも料理させろーとごねた所、宿泊研修が終わり次第空いた時間で卒業達、つまり冬美さん達に俺の料理を振る舞う事になった。

 

「さて起きるか「ふにょん」ん?」

 

なんや?なんか柔らかいもんが俺の左手に、俺は何か確かめる為にもう一度手を動かす

 

「ん・・あっ///」

 

なんやなんや!なんか聞こえたぞ!俺はもう一度手を動かす

 

「あっ・・清人〜///」

 

「冬美さん!なにやっての!!」

 

はい冬美さんが何故か俺のベットにいました。

 

「清人なら良いんだけど、朝から激しく///」

 

「待て待て待て!なんでおんの冬美さん!ってかさっきの柔らかいのは」

 

「私のむ「言わんでええわ!」むぅ」

 

「そんな顔してもかわええだけやで、ってかマジでなんでおんの?」

 

「かわっ///んんっ、昨日荒れてたから人肌恋しいと思って」

 

「さよか、ってか人肌恋しいってなんやねん!」

 

朝から冬美さんと一悶着繰り広げ、俺の朝は終わった。

 

 

 

 

 

朝の一悶着から数時間、俺は今最後の研修内容である

 

卵を使った朝食料理の監視官をやってんねけど、皆色々考えて来とるなぁ、この課題は昨日の夜に銀さんにより発表され、皆寝ずに考える奴とかもおるらしいわ。

 

「清人、この課題はなにが狙いか分かるか?」

 

俺と一緒に監視官をやっている銀さんから話しを振られた

 

「ん?まぁ多分理解してると思うで、この課題で試されてるのは老若男女問わず受け入れらる料理を作ること、それと銀さんが言ってたように驚きを持たせる事つまり、オリジナルに近い料理を出せるか、驚きが強ければそれだけで客の目を惹くことは出来る、けどそれだけじゃあかん」

 

 

「その通りだ、では清人お前が言ったそれだけでは駄目と言った意味は?」

 

「これは簡単やろ、食べる人の五感をどれだけ刺激できるか、見た目、匂い、味、口に入れたときの感触、それらを上手く刺激出来ればこの課題はなんなくいけんちゃうの?」

 

「やはりお前はずば抜けているな、お前をこちら側で参加させて正解だったよ」

 

 

この会話を区切りに俺と銀さんは監視に戻りホールを見回る、この課題はビュッフェ形式になっとるからまず見た目、そして匂いで客を惹きつけなあかんけど、俺はある生徒の前で足を止めた。

 

「やっぱお前の料理は美味そうやな、えりな」

 

「久しぶりね清人君、同じ学校なのに中々会えなかったわね」

 

「それはしゃーないやろ、お互い忙しいかったしな」

 

「そうね、所で私の前で止まったなら食べていきなさい、私の料理を」

 

「いや、美味そうやから食いたいねんけど、俺一応監視官やから食うたらあかんとおも「構わんぞ清人、食いたければ食え」・・・ええねんて、じゃあ一個もらおかな」

 

「くすっ、ええどうぞ」

 

えりなに笑われたのは少し恥ずかしかったけど、気を取り直してえりなの料理を見る、えりなの料理はエッグベネディクト、アメリカ発祥の朝食とされとるけど諸説が有り曖昧な部分も多い料理やな、見た目は普通のエッグベネディクトやけど、えりな程の人間が作れば普通の料理でも何倍も美味しそうに感じる、俺はエッグベネディクトをナイフで一口大に切りフォークで口に運んだ

 

「・・・!なるほどカラスミか」

 

「流石ね、その通りカラスミを加えてあるわ」

 

「確かにこのエッグベネディクトは美味い、ベーコンやマァフィンの火入れは完璧や、それにこのオランデーソースの酸味も良い味を出しとる、でもこれだけではその辺にあるエッグベネディクトとあんま変わらん、そこでカラスミを使った訳やな、魚卵も卵や鶏卵だけが卵ちゃうからな」

 

「やはり貴方は一年の括りを飛び抜けてあるわね、講師側って事が納得できるわ」

 

 

「そらどーも、取り敢えず美味かったごっつぁん!えりななら直ぐに200食行くやろ、頑張りや」

 

えりなの料理を食べ俺は隣のキッチンに目を移した、其処にはソーマがいてソーマはスフレを作ってるみたいやけど、そのままやったらヤバいでソーマ、俺はソーマの前まで行った。

 

「よう清人、どうだ食ってくか?」

 

「ほな貰うわ」

 

俺はソーマに貰ったミニスフレオムレツを食べた、うん普通に美味い、スプーンで押すと軽く跳ね返る程の弾力にふわふわのスフレのような感触、確かにこの味と見た目なら大丈夫だろ、このままの状態ならの話やけどな。

 

「ソーマ美味かった、でも一つだけ言うとくわ・・・このままやったらお前ここで落ちるぞ」

 

「なっ!どういう事だよ清人!」

 

「悪いな、友達として言えるのはここまでや、後はお前が気付かなあかんねん、頑張れよ」

 

俺はそのまま他の生徒を見に行った。

 

 

sidソーマ

 

 

どういう事だよ、このままじゃあ俺が落ちる?このスフレオムレツじゃあ駄目なのか、俺は何故駄目なのか考えていると

 

「清人君に感謝するのね、貴方のその料理じゃ清人君の言う通りここでサヨナラよ」

 

俺は理由が分からなかったが取り敢えず料理を切らさない様に次次と焼いていった。

 

 

それから暫くして次の焼けた分を出そうとした時、俺は清人の言葉の意味をようやく理解した。

 

そうスフレが時間と共に萎んで全く美味しそうに見えなかった、萎んだせいで客足も無くなり、全部薙切の方に客足は向いていた。

 

「そうか、これが清人の言葉の意味だったのか」

 

「ようやく理解したようね、ビュッフェに於いて見栄えと美味しさの持続性は何よりも重要になる・・・つまり君はこの課題で最も作ってはいけない品を選んだの!」

 

「・・・・・」

 

「ようやく君とお別れね・・・後30分間私の美しい料理を指をくわえて眺めておいでなさい」

 

 

落ち着け俺こんな所で終われるか、俺は親父を超えて清人を超えて、この遠月のてっぺんを取るんだ、考えろもっと冷静になれ俺

 

「残り30分ちょいで190食、まず客を捕まえて・・・ふぅつ・・・ギリギリか・・・っし!」

 

俺はこんな所で負けれるかよ

 

 

 

sid清人

 

 

ソーマのやつようやく気付いたか、ここからどうやって挽回する?時間は残り少ないで、俺はソーマを見ているとソーマが一人の女の子を捕まえて目の前でスフレを作って差し出した、女の子はそのスフレを食べ美味しいとはしゃいでいた、その騒ぎを聞きつけまた客が来る、そして人が人を呼びソーマの前には人だかりが出来ていた。

 

ソーマはチャンスとばかりに客の目の前でスフレを作りながら料理を出していった。

 

「成る程ライブドアクッキングか、考えたなソーマその方法ならギリギリやけど行けるかもな」

 

俺の予想通りソーマはギリギリ200食を達成し、この課題をなんとか乗り切った。結構ギリギリだったが終わりよければ全て良しや、さぁ今度は俺らの番やな

 

 

 

 

合宿も5日目の16時、一年は皆ロビーに集められていた。皆ざわざわしていて落ち着きが無く、表情は疲れ切っていた、そしてロビーに銀さんから最後の課題を発表すると言うと皆絶望の顔になっていた、まぁ嫌やろなでも安心しぃや、この課題はここまで残った一年へのご褒美や

 

「ではこの宿泊研修最後のプログラムを始めよう!」

 

 

「うげぇーーやっぱり来たーー!!」

 

「もう無理だーー!」

 

安心しろって、このプログラムは

 

「ようこそ!」

 

「ここまで生き残った628名の諸君に告ぐ、宿泊研修前課題クリアおめでとう!最後のプログラムとは、合宿終了を祝うささやかな宴の席だ、存分に楽しんでくれ」

 

『やったぁーーーー!!』

 

「さぁ・・・皆テーブルへ!今から君らには卒業生達の料理で組んだフルコースを味わって頂く!」

 

銀さんの言葉で皆は歓喜の声を上げた、俺も悠姫達を案内して料理を配膳していく。

 

俺も明日に備えないとな、俺は悠姫達と話しながら明日の事を考えていた




次の話でオリジナルを挟みます。

オリジナルは初めてなので上手く書けるか分かりませんが、頑張りますので宜しくお願いします。

では次回!

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