転生チートテイルズ物語 〜幻の冬カノンノに転生〜 作:プラネテューヌ大好き勢 kanamiss
なぜ遅れたかというと、フルブ、アスタリア、リアルの勉強、アビス2巻の紛失、いろいろあったんです。
許してください、番外編以外ならなんでもしません!
書き方がイマイチ難しいので他作品のオリジナルテイルズ小説(プラネタリアとか)とか見てたらするんですけど、この作品ってあんまりカノンノの描写がないのでどう書けばいいのかアドバイスお願いします。
次村陣八さんみたいな長い文章でもいいのでお願いします
「お、見えた見えた。……ったく、やっとかよ」
「こんなに遠いなら馬車を借りればよかったぜ。師匠もなー、遠いなら遠いって言ってくれればよかったのによ」
「このくらいの距離は、ヴァン謡将の足ならなんでもないだろ」
「俺は師匠みたいに鍛えてねーっての」
「そのくらいにしておきなさい、ルーク。ミュウは一番大変なのよ、文句も言わずに私たちの歩くペースに合わせてくれてるのよ」
「うっせーな、いいから早くいこーぜ。師匠がまってるんだからさ」
その時、巨大な影がよぎり一同は空を仰いだ。
「な、なんだぁ!?」
「あれって、根暗ッタのペットだよ!」
焦りを滲ませていったアニスの言葉に、ガイは首を傾げた。
「根暗ッタ?」
「もう!アリエッタ!六神将≪妖獣のアリエッタ≫だよ!今の魔物は、その根暗ッタの言うことを聞く連中なの!」
「わ、わかったから触るなあ〜!」
ガイはアニスから逃げるようにして下がった。十分に距離をとったところで、ようやく大きく息を吐く。
「港の方から飛んできたわね。行きましょう」
一連のやり取りを完全に無視して、ティアは一人歩き出した。
「あ、私も行く!」
カノンノもそれについていく。
「ほら、ガイ。喜んでないで行きますよ」
ジェイドがガイの肩を叩いて後を追う。アニス、そしてイオンも。その顔は厳しい。
「嫌がってるんだ〜〜〜〜〜〜!!!!」
そうガイは叫んだか、まともに聞いているものはいなかった。知ってますよ、とジェイドが呟くのはルークには聞こえたが。本当にこの軍人は性格が歪んでいる。
「ほら、ガイいくぞ!」
「……う……」
港の入り口にかかるアーチをくぐったカノンノたちであったが、そこで足を止めた。
血の海。
あちこちに死体が転がっている。どの体にも刀創ではありえない形の傷が無数、残っている。確認するまでもない、アリエッタの操る魔物であるなら。
「師匠!」
ルークがさきにヴァンをみつけ走り出す。カノンノたちもそれについていくと
ヴァンが立っていた。巨大な、普通なら両手でしか扱えないような剣を片手で持ち、その切っ先を向けている相手はアリエッタ。
ガイは剣を抜き、アニスはイオンを庇うように立ったが、ルークは柄に手を掛けたものの、抜くことはできなかった。
「何があったの?」
そうティアが訊くと、ヴァンがちらりと目だけでティアを……年が十近く離れた妹を確認すると再び視線を前に戻した。
「アリエッタが魔物に船を襲わせていた。結果は見ての通りだ」
そしてそのままアリエッタに話しかける。
「アリエッタ!」
剣を突き詰めたまま、ヴァンが名を呼ぶとアリエッタは体を硬くした。
「誰の許しを得てこんなことをしている!」
「総長……ごめんなさい……」
「……アッシュに頼まれて」
「アッシュだと?」
剣先が、一瞬ぶれる。それを見逃さず、アリエッタは何かの合図を送ったのだろうと思う。一体どこに隠れていたのか
怪鳥、と呼ぶにふさわしい魔物が現れて、あっという間にアリエッタをさらい、上空へと舞い上がってしまった。
「船を修理できる整備士さんは、アリエッタが連れて行きます。……返して欲しければ、ルークとイオン様が、コーラル城へ来い……てず。来ないと……あの人たち……殺す……です。」
言い終わると何故かカノンノを方を向き、
「あなたも絶対来てくださいです……あなただけは絶対に……許さないですから」
「ちょ、ちょっと待って!」
なぜカノンノが許されないのか、問い詰めようとしたところ、叩きつけるような風に、腕で顔を庇った。そうして、それを下ろした時には、アリエッタを掴んだ魔物はいなくなっていた。
「ヴァン謡将、他に船は?」
「……すまん、全滅のようだ」
剣を収めながら、ヴァンはガイに向かって首を振った。
「応急処置でなんとかなる船は一隻だけあるが、それも、整備士が必要だ。だか、連れ去られた整備士意外となると……訓練船が戻るのを待つしかない」
「アリエッタが言っていたコーラル城というのは?」
ジェイドが眼鏡の端を押さえながら訊くと、ガイは剣を鞘に戻して振り返った。
「ファブレ公爵の別荘だよ。前の戦争で戦線がこの辺りに迫ってきたんで放棄されたんだ。七年前、誘拐されたルークが見つかった場所でもある」
「へ?そうなのか?」
「……もしそうなら、もしかしたら、行けば思い出すかな」
何気なくルークが言うと、ヴァンが首を振った。
「駄目だ。訓練船の帰港を待ちなさい。アリエッタはわたしが処理する」
そういうとヴァンは去っていった。
「まあ、とりあえずどうしよう?」
カノンノが口を開いて、これからのことを聞こうすると、
「お待ちください、導師イオン」
「導師様になんの用ですか?あなた誰です?」
「わ、わたしはここの整備士です。導師様!妖獣のアリエッタに攫われたのは我らの隊長なのです!お願いします!どうか導師様の力で隊長をお救いください!」
「隊長は、予言を忠実に守っている敬虔なローレライ教の信者です!今年の生誕予言でも、大厄は取り除かれると詠まれたそうです。ですから……」
「……わかりました」
「イオン様」
「ジェイド、預言は詠まれたのです。わかってください」
「私もイオン様の考えに賛同します」
「冷血女が珍しいこと言って……」
「大厄が取り除かれると預言を受けたものを見殺しにしては、預言は無視されたことになるわ。それではユリア様の教えに反してしまう」
そのあとガイもアニスもジェイドも行くことになる。
「ご主人様も行くですの?」
「……行きたくねー。師匠だって行かなくていいって言ってただろ?」
「隊長を見捨てないでください!」
必死、といった様子で、整備士の男も言った。
「隊長にはバチカルに残した家族も」
「わーかった!」
「わかったよ!いけばいいんだろ?あー、かったりぃ……」
素直じゃないねぇというガイの声がきこえたが、ルークは無視した。
「……それで、貴方はどうなんです?」
「え、あ、うん、ルークが行くなら行くよ」
突然話を振られたカノンノは驚きテンパってしまう。
「ルークが行くなら、行くっ、ですか、貴方には自分というものがないのですか?」
「ご、ごめんなさい」
「まあ、いいでしょう」
といってジェイドはさきに歩いて行った。