本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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56 「6時間目 機械の時間」

先生に付いて宿に帰りお風呂に入ったあと部屋に帰るとイリーナ先生の周りに私以外の女子たちが集まっていた。

 

邪魔しては、いや気づかれたら面倒だと思い静かに荷物から漫画を就寝時間までの時間を計算しながら十冊ほど取り出し出ていく。

 

部屋を出る時に先生がいたが無視して出ていった。

 

直ぐに後ろから騒ぎが聞こえて来たので関わらなくて正解だった。

 

ロビーにある共用の椅子に座って漫画を読みながら明日の自由行動の時間について考える。

 

取り敢えず安いお土産を買わないと親に怒られる。

 

余ったお金で欲しかった本を買おう。

 

そう決めながら漫画のページをめくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修学旅行が終わり教室に行くと席の左側に黒い機械があった。

 

おそらく私達が修学旅行に行っている間に取り付けた対先生の何かだろう。

 

直ぐに興味を失い旅行中に買ったばかりの本に意識を向けた。

 

 

 

一時間目の授業中、机の下で本を読んでいると横から機械音ともの凄い発砲音が聞こえた。

 

チラッと目線だけで横を見ると自立固定砲台さんが授業中に禁止の発砲をしていた。

 

皆は授業にならないので迷惑そうだが私は別にどうでもいい。

 

先生が弾幕を避けるのに必死で私に注意してこないのが少し嬉しい。

 

後発砲音と跳ね返ってきた弾が少し鬱陶しいくらいだが本を読んでいる内に気にならなくなる。

 

授業が終わると弾が教室中に落ちていた。

 

この日はずっと発砲と弾の掃除で終わった。

 

もちろん掃除なんかサボったが。

 

 

 

次の日誰かがあの機械をガムテープで所々止めていた。

 

そのせいで昨日より本が読めなかった。

 

ガムテープぐらい勢いよく銃を飛び出せば破れるのでは?とあの機械は思わないのだろうか。

 

使えない機械(やつ)だ。

 

 

 

さらに次の日、機械は全画面表示液晶と何やら膨大な追加ソフトで進化していた。

 

お陰様で休み時間中機械の周りに人だかりができ鬱陶しい。

 

それに先生の財布が残り五円って明日から給料日までどうやって生きていくんだ?

 

それから機械の表情は豊かになった。

 

大体の人は騙されているが一部の人は気づいた。

 

全て作られたプログラムに過ぎない、機械自体に意思表示があるわけではないと。

 

確かに機械自体には意志があるわけではない。

 

でもそれは単なるプログラミング機械の場合だ。

 

あの機械には思考能力(AI)を持っている。

 

大体、ラノベとかによくあるパターンの様に自ら自我を持つようになり開発者の意志に逆らうだろう。

 

いわゆる『テンプレ』。

 

 

 

あの機械が来てから四日目教室に着くと機械は初日の様に元に戻っていた。

 

あーあ、先生の二十万は見事にぶっ飛んだっと。

 

勿体無い、二十万あれば一体何冊本が買えることか。

 

まぁ、あの先生のことだから「生徒がクラスに馴染むなら安い教育費です」とか言いそうだが。

 

もっともあの機械がテンプレ反応を起こさなければホントに二十万を捨てたことになるのだけれど、…もうどうでもいいやどっちにしろ私には関係のないことだ。

 


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