やはり今年も去年以上の猛暑が続く日々です。
ですが、その猛暑に負けずがんばって小説投稿したいと思います。(`・ω・´)キリッ
それではどうぞ
アキside
今、自分のクラスであるFクラスの教室前に来たところ。
そして、秀吉の後ろに回り込む。
「どうした明久? なぜ秀吉の後ろに隠れるんだ」
僕の行動を見て、雄二が首を傾げる。
「いやー、その……教室に入るのがちょっと……ね」
教室に入るのが怖い。
不安と恐怖と緊張が学校の校門を通過する時、以上に膨らんでいる。
「明久よ、だからと言ってワシに抱き着くのはどうかと思うのじゃ」
「ごめん秀吉、もう少しこのままでいさせて……」
ギュッと秀吉に後ろから抱き着く力を少し強める。
「や、やめるのじゃ! それはいろいろと、まずいのじゃ!(む、胸が当たって……///」
「えぇ……お願いだから、後1時間くらいこのままで……」
「そんなことしておったら、朝のホームルームはとっくに過ぎてしまうのじゃ!
いいから、離れるのじゃ」
「……うぅ……秀吉が冷たいよ……」
もしかして嫌われちゃったのかな?
「お主はそのような姿になったことを伝えるためにここに来たのじゃろ?
そんなことしておったら、いつまで経っても事は解決せぬぞい」
秀吉の言っていることはごもっともだが……
「う、うん……でも、やっぱり怖いよ……」
ガクガクブルブルと身体が震えて、教室に入る勇気なんて微塵もない。
「心配するな、何かあったら俺に任せろ。そのために俺がいるんだろうが」
「ワシも付いておる、安心せい」
「……俺も付いている」
「ウチも付いているわよ。何かあったらウチが助太刀するわよ」
「私もです。行きましょう、吉井くん」
雄二、秀吉、ムッツリーニ、美波、姫路さんの5人の言葉に背中を押される。
みんなの応援はとても心強かった。
こんなにありがたい応援は初めてかもしれない。
「みんな……ありがとう」
みんなの言葉に僕は救われた。
だから、お礼にニコッと感謝。
「……南無三ッ!」(ブシャーーー!!)←鼻血
「わー!! ムッツリーニが大変なことに!?」
ムッツリーニが勢いよく盛大に鼻血を出して倒れていた。
鼻血で噴水ができるとは……生まれて初めて知ったよ。
「こ、これは……破壊力抜群じゃな///」
秀吉もなんだか赤面になっているんだけど、
ムッツリーニに続いて、いったいどうしたのだろうか?
「やっぱり可愛いです!///……お持ち帰りしたいです!///」
「可愛過ぎよ///……アキのくせに……!///」
えっと……姫路さん? そして美波?
朝からそんなに顔を赤くしてどうしたのだ?
秀吉に姫路さんに美波まで赤面状態だけど、今日は何かの赤面祭り(?)でもあるのかな?
「はぁ……まったくお前らは……こんな茶番は後でするとして、早く教室に入ろうぜ」
僕たちのやり取りを見た雄二は頭を抱える。
雄二には何もないってことは、今日は何かの祭りの日ではなかったみたいだ。
「明久、準備はいいな?」
いろいろと気になることがあったが、
今は教室に入ってみんなに事情を説明するのが先だ。
「えっと、うん……もうバッチr(ガラッ)……」
「そんじゃあ、行くぞ」
開けるタイミングが早いよ! 雄二!
まぁ準備はバッチリなので別に構わないが、僕の付き添い役で来ていると言うならせめてタイミングを計ってからにしてよ……。
「お、坂本か。 おはよう」
「おーす、坂本。今日は遅かったな」
雄二にクラスのみんなの挨拶が来る。
うん、いつも通り(平和な時のみ)のFクラスの光景だ。
昨日は来てなかったけど、1日経ったくらいじゃ何も変わらないね。
さてさて、僕も行きますか。
今が絶好の機会だ。
「みんな、おはよう!」
先程までの緊張や不安はなかったものかのように挨拶をした。
よし、完璧なぶっつけ本番の登場だ。
人間の第一印象の半分以上は挨拶で決まるんだっけな?
取り敢えず、Fクラスのみんなにはいい印象は与えられただろう。
と心の中で勝手にそう思っている僕だが、
騒がしかったクラスが一瞬でシーン……という擬音が聴こえそうなほど静まり返る。
そして僕に視線が集まる。
あ、あれー……みんなどうしちゃったんだろう……?
もしかして逆効果だった……?
それならとても恥ずかしい話だ。
羞恥心なのか、それともみんなの反応が怖いのか、僕の背中から変な汗が流れだす。
「……あのーどちら様?」
「美少女がこんなクラスになんの用だ?」
「可愛いな、すごく好みなんだけど……」
あ、そっかぁ……。
そういえば自分の正体を言っていなかったか……やっぱりみんなも僕だって分からないのかぁ……。
でも、それは仕方ないね。
何せいつものメンバーも気付かなかったくらいだし……。
「あのね……実は僕は……吉井明久なんだよ」
「「「はぁ!? 吉井!?」」」
クラスの全員が声を揃えるようにして驚きだした。
みんな、顔が怖いよ……いつもの何の変哲もない男子高校生の顔はどこへ……?
「そ、その……僕が昨日の朝起きたら女の子になっていたんだ……」
さっきまでの勢いはいったいなんだったのだろうか、
僕はだんだんと小声になりながら、率直に事情を話す。
「おい、聞いたか? ついに吉井……じゃなくて、アキちゃんが正真正銘女の子に……」
「ああ、これは願ってもなかった朗報だぞ」
「お、俺……実は前からアキちゃんのこと狙ってたんだ」
「よし告るか」
「待て、俺が先だ」
すると、みんながあちらこちらでヒソヒソと話し始めた。
その間に立たされた僕は「もう帰りたい……」その一言だけが頭に浮かんだ。
「そ、そういうことで……これからもよろしく…………」
「「「よろしくな!!! アキちゃん!!!」」」
…………うん、よろしく。
★
~授業~
いろいろありまして、1時限目の授業に突入。
朝はホームルームが終わるまでかなり荒れたというのに、今では普段のFクラスに戻っている。
もう既にみんなは僕が女の子になった事態に慣れてしまったのだろうか?
それは理解が早くて助かるが、なんだかぎこちない気もする……。
「よーし、お前ら席に着け」
西村先生の一声で教室のみんなが席に座る。
この教室は完全に授業モードだ。
「今回は英語だ。期末テストに出る問題の予習だから、しっかり頭に入れておけ」
そう言われて、問題用紙を渡される。
英語ねぇ……異国の言葉は難しい過ぎるんだよね。
なぜ日本人なのに英語を覚える必要があるのだろうか。
英語が苦手な中学生1年のような思考になりつつ、
「期末テストだし仕方ないか」と思い、僕はペンを手に取って適当に問題を解いていった。
★
「できましたよ、西村先生」
「なんだと? もうできたのか吉井!?」
「はい、そうですけど?」
西村先生は解き終わった問題用紙を渡されて珍しく驚いた表情をしている。
「……その上に、全問正解とは……何があったんだ、吉井」
え、そうなの?
適当に解いたとはいえ、自信は少しくらいあったけど、まさか全問正解とは……。
「……もしかして、この身体になったせいじゃないですかね?」
問題を解いている時、スラスラと書けたしいつもより集中できていた。
これは女の子の利点なのだろう、それ以外に見当たる点がない。
「そうかもしれんな……理由はなんであれ、期末テストの点数は期待できそうだな。
まさか、お前に期待できる日が来るとはな……」
最後の一言は余計だと思うが、あえて何も言わない。
「流石アキちゃんだぜ」
「ああ、俺たちが見込んだだけある」
「可愛いだけじゃなく頭もいいとは、ますます惚れてしまうな」
男子達が後ろで今朝のように話し合っているけど、
この話もあえて何も言わないでおこう……。
そして、聞かなかったことにしよう……。
それにしても、女の子の身体になっただけで頭が良くなってしまうとは……。
これはなんとも魅力的な要素だ。
満点を貰った問題用紙を見ながら、「女の子になるのも悪くないな……」と考えてみた。
でも、やっぱり男のほうがまだマシだ。
女の子の利点が分かったとしても、決して女の子がいいですとは言えない。
はぁ……いつになったら元の身体に戻れるのだろうか……。
★
「ふー……やっと1日が終わった」
帰りのホームルームが終了した直後の放課後。
女の子になって初めての学校が終わったのである。
慣れない身体で過ごしたものだから、疲労がピークに達している。
今後の学園生活をこんな感じで過ごすのか、と考えると頭が痛くなる。
「さて、さっさと帰ろう」
家に帰って休みたい……その一心で僕は鞄に教科書などを急いで入れて教室を出た。
★
…………なんでみんな僕を見ているのだろうか。
廊下を歩いていると、廊下にいる生徒全員の視線が僕に集まる。
「今の誰? あんなに可愛い子、この学園にいたっけ?」
「さぁ? でも、とてもどストライクな子だ……早く知っておくべきだったなぁ……」
「もしかすると、転校生なのかもしれないな。次に見かけたら声掛けようぜ」
朝もこんなことがあったような……?
もう、今日は変な1日だなぁ。
周りの視線に耐えきれなくなったのか、僕の足は段々と速さを増していった。
「あれれ~? 吉井クンじゃない」
自分の名前を呼ばれて、足を止める。
顔を向けた先にはAクラスの工藤さんがいた。
「あ、なんだ工藤さんか…………って、あれ? なんで僕だって分かるの?」
この身体になっていることはまだ工藤さんには伝えていないはず……。
「代表から聞いたんだよ。とってもカワイイって聞いたから、いてもたってもいられなくてね☆」
なるほどね……工藤さんらしい。
「やっぱり代表から聞いた通り、カワイイなぁ……ちょっといいかな?」
「ん? どうしたn(ギュッ)……!?」
どうしたのかと聞こうとしたが、工藤さんはいきなり僕に抱きいてきた。
「ちょっと工藤さん……!? いきなりどうしたの!?」
「いやー、吉井クンがあまりにもカワイイから抱きついているんだー。もしかして嫌だった?」
「別に嫌ではないけど……」
ただ、廊下でこんなことをするのはどうかと思う。
「それなら問題ないね♪」
工藤さんはお構いなしに僕を抱きしめる。
「アハハッ、吉井クンって小さくなっちゃったんだねぇ」
「うぅ……それは言わないでよ……」
抱きしめられて思ったのだけど、僕の身体は工藤さんよりも少し小さくなっている。
身体が小さいのがこの身体の不便なところだ。
せめて、背だけは元のままにしてほしかった……。
「抱きしめやすいからボクはこのままでいいと思うけどねー……ここはボクよりも断然、大きいけど」
そう言って顔を僕の胸に埋める。
「って何しているのー!?」
「うわぁ、代表から聞いた通りすっごく大きいね! ねぇ、よかったら触っていい?」
「だ、ダメだよ!」
「えぇー、ケチ」
「ケチじゃない!」
僕はササッと胸を両手で隠しながら工藤さんから後ずさるように距離を置く。
すると後ろでドンッと誰かにぶつかった。
「あ、ごめんなさい……って、木下さん!?」
「あら? もしかして、吉井くん?」
僕がぶつかった相手は秀吉の姉である優等生、木下さんだった。
いつ見ても秀吉にそっくりだ。
「この子が代表の言っていた吉井くんなのかい?」
「……間違いない」
「久保くんに霧島さんまで……」
おまけに横には久保くんと霧島さんという学年主席と次席の最強コンビまで。
「話は聞かせて貰ったよ。まさか本当に女の子になっているとはね……」
様子を見る限り、久保くんも霧島さんに話を聞いたのだろう。
「久保くんも信じてくれた?」
改めて聞いてみる。
「ああ、もちろんだよ。最初は信じられなかったけど、吉井くんのその姿を見せられた以上、信じない訳にはいかないからね」
「そっか……よかった……」
すぐに理解してくれているところに優等生らしさを感じる。
事情を僕に代わって伝えてくれた霧島さんにもお礼が言いたいけど、
何よりすぐに信じてくれた工藤さんと木下さんと久保くんにもお礼が言いたい。
「勢いよく教室から出て行ったから追いかけたのだけど……愛子、吉井くんにセクハラなんてしてないでしょうね?」
木下さんが工藤さんを問い詰める。
「してないよ、そんなこと。そうだよねぇ、吉井クン?」
いや工藤さん、それは胸を触ろうとしていた相手に言うセリフじゃないと思う。
「……吉井、今日の洋服持ってきた」
そう言って洋服の入った袋を渡してくる。
きっと昨日渡した霧島さんの洋服だけでは足りないと思い、準備してくれたのだろう。
「ありがとう……昨日からずっと迷惑かけてごめんね……」
僕は申し訳なさそうにそれを受け取る。
「……迷惑なんかじゃない。困った時は私を頼って」
霧島さんは気にしていないと首を横に振る。
「うん、ありがとう」
僕の事を気遣ってくれているのだろう。
本当にありがたい。
「ボクにもちゃんと頼ってよ! 吉井クン」
「アタシも何か協力できることがあれば言いなさい。できる限りのことはするから」
「僕も、男ではあるけど、力になれるなら協力させて貰うよ」
工藤さんに木下さんに久保くんまで……。
4人の優しさがまぶしく感じられた。
そして、不覚にも涙が出てきてしまった。
「霧島さん、工藤さん、木下さん、久保くん……本当にありがとう」
涙が出ていても構わない、ニコッっと笑ってお礼をしたのだが……
「く、久保くん!? どうしたの!? なんで倒れるの!? そして3人も!!」
いきなり久保くんは倒れだした上に他の3人は顔を赤らめているけど……どうしたんだ?
「……可愛い///羨ましい///」
「よ、吉井クン……それはあざと過ぎないかな?///」
「泣きながら微笑むなんて///可愛い過ぎる!///」
…………4人はいったいどうしたんだろう?
全く文章力は成長しないな(´・ω・`)しょぼーん
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