明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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今回で学園祭完結です。
学園祭の話は原作沿いにしたかったけど、できないんだよなーこれが……。(´・ω・`)
読み難くて申し訳ないです。m(;ω;`m)三(m´;ω;)m

それと、もう1つは今回ちょっとエロい要素があります。
途中まで深夜のおかしなテンションで書いたので、おかしいところがあると思います。


63話 ほろ酔い大接近

sideアキ

 

 

「そういえば美波、売り上げはどうだったの?」

 

打ち上げ開始直後、僕は美波に売り上げ結果を聞いてみる。

副実行委員とはいえ、僕はまだ知らされていない。

 

「そうね、アキ達の活躍のおかげでかなりの額になってるわね。期待通りって感じ」

 

美波が収支が記入されてあるノートを見せる。

 

確かに凄い額だな。

1日目はイマイチだが、2日目の今日の売り上げは予想を上回る結果で、今日の盛況の割りに合うような額であった。

 

「俺にも見せてくれ」

 

と後ろからノートを覗き込む雄二。

 

「なかなかの額だな……この額だと教室の全体的な修繕ができそうだな」

 

「へぇ、そうなんだ……それなら、1日目も今日みたいに上手く行けばよかったのにね……」

 

もしあの常夏コンビの妨害がなければ設備のグレードアップを狙えたであろう。

 

「ま、これくらいが妥当だろ。俺も正直ここまで行くとは思いもしなかったからな……

だから、そう悲観的になるな」

 

「うん、そうだね」

 

雄二がそう言うなら別にいいけど。

 

また、しばらく卓袱台と座布団にお世話になりそうです。

 

いい加減、まともな設備で教育を受けたいんだけどね。

それは叶わぬ夢かもしれない。

 

「アキちゃんよ、お疲れ様なのじゃ。飲み物を持ってきたぞい」

 

秀吉が清涼飲料水が入った缶を僕に手渡す。

 

「あ、ありがとう秀吉」

 

僕はそれをありがたく受け取る。

 

秀吉はこういう時に気が利くから助かる。

そう思いながら、僕は缶のタブを開けて、口をつける。

 

うっ……この飲み物、炭酸きついなぁ……。

よく見たら強炭酸って書いてあるし……。

 

「……あの、秀吉」

 

「どうしたのじゃ?」

 

「秀吉が持ってる飲み物って何?」

 

「これはオレンジジュースなのじゃ」

 

「そしたら、これと交換してもらえないかな? 今は炭酸を飲む気分じゃないんだ」

 

「いいぞい、それなら交換なのじゃ」

 

僕と秀吉はお互いの飲み物を交換。

 

すると秀吉が受け取った缶を見て、一瞬、困惑した表情になる。

 

「? どうしたの秀吉?」

 

「いや、これはアキちゃんが口をつけたのじゃな……?」

 

恐る恐る聞く秀吉。

 

「そうだけど……もしかして嫌だった?」

 

「そ、そんなことないのじゃ! ありがたくいただくのじゃ!」

 

焦って返した秀吉は、缶に口をつけて一気飲み。

 

秀吉、炭酸をそんな勢いで飲んだら、喉を壊すよ……? 大丈夫?

 

よっぽど喉が渇いていたのかな、秀吉は?

 

 

 

 

side久保

 

 

クラスの打ち上げを抜け出して、今はFクラスに向かう途中。

心境は少し緊張している、といったところだ。

アキちゃんからの返信を貰ってから、今までずっとこうだ。

 

今でもちょっと信じ難いとは思っているけど、

スマートフォンを見ても、やっぱり返信の文字は変わることはない。

 

うーん……こんな僕のためにしてくれなくてもよかったのだが……。

まぁいい……今はアキちゃんの水着姿を見れることに感謝しよう。

 

僕は悶々とした疑問を抱きながら、いつの間にかFクラス前に着いていた。

中からはFクラスも打ち上げをやっているのであろう、騒がしい声が聞こえてくる。

 

うん、いつ見ても自分のクラスとは全然違う。

よくこういった環境で勉強ができるな……と関心しつつ、扉を開ける。

 

開けた瞬間、騒がしい声が一層ボリュームを増して聞こえてくる。

誰も僕には振り向いてくれない。

 

きっと騒がしいのと仲間同士の会話で、気になりもしないんだろう。

 

別にそれはいい。

なんと言っても、僕の目的は――。

 

「あ、久保くん」

 

可愛らしい声と共に、こちらに踏み寄ってくる人物がいる。

 

「吉井くん、学園祭お疲れ様」

 

「そちらこそ、お疲れ様」

 

この学園の彼女にしたいランキングで不動の1位を誇る、アキちゃんだった。

 

制服を羽織って、足元は無防備に露出しており、少し目のやり場に困った。

 

いつ見ても可愛いな……。

 

会話をしている今、更に緊張感が高まる。

 

「ごめん、こんな騒がしい中来ちゃって……迷惑じゃない?」

 

「いやいや、全然いいよ、むしろ来て欲しかったし」

 

にこやかな表情で返してくれるアキちゃん。

 

ん? 今、来て欲しかったって?

 

どういう意味だろう……。

 

「と、とりあえず、着いて来て」

 

アキちゃんは僕の手を引いて、Fクラスの教室の端まで連れて行く。

 

僕とアキちゃんは教室の端っこに2人で座った。

 

「よかったら、飲み物あるけど、飲む?」

 

「あ、ああ、ありがたく頂くよ」

 

「わかった。秀吉、久保くんに飲み物出してあげてくれる?」

 

「久保まで来ておったのか? ほれ、飲み物じゃ」

 

「ありがとう、頂くよ」

 

アキちゃんの隣に座っていた木下くんから飲み物を受け取る。

 

口をつけてみると、中身はオレンジジュースだった。

 

……なんだこれ? これは本当にオレンジジュースなのか……?

 

口をつけた瞬間、オレンジジュース……かと思いきや、変な苦味と酸味が僕の舌を刺激する。

 

もしかして安物? でもいいか、せっかく出してくれたものだし、飲まないという訳にはいかない。

 

「今日のFクラスは大盛況だったね……ところで、どんな衣装だったの?」

 

「そ、それは……こんな衣装だけど……」

 

アキちゃんは羽織っていた制服を脱いだ。

 

少し脱ぎ方がエロくて、ドキッとする。

 

すると、水着姿のアキちゃんが姿を現した。

 

僕を思わず息を呑んだ。

 

アキちゃんの肌を全体的に露出しており、綺麗な身体が目に入ってくる。

海に行った時に見た水着も凄かったが、これはこれで引けを取らないくらいに凄い。

 

わざわざ僕のために見せてくれるとは……アキちゃんと眼福に感謝。

 

「あ、あの……久保くん……そんなに見られたら、恥ずかしいんだけど……///」

 

「ご、ごめん! あまりにも綺麗だったから……」

 

口ではそう言ったものの、目が離せない。

 

むっちりとしたアキちゃんの太もも。

無駄のない脂肪がついた、綺麗な腹部。

腹部に反比例するように、柔らかそうで豊満な胸。

 

これから目を離すことができるのだろうか。

 

「あはは……別に見ていいんだよ、久保くんなら……」

 

アキちゃんは羞恥に身体を捩じらせて顔を赤くしている、その動作はしなを作るようで、色っぽく感じた。

 

いや待て、久保くんなら……? どういうことだ?

 

「ど、どうして僕なら構わないの……?」

 

「その……いつも助けてもらっているから、お礼にと思って……」

 

「お礼? 僕はお礼をしてもらうようなことをした覚えはないけど?」

 

「この前、男の人に絡まれたりした時に助けてくれたから……」

 

この前? ああ、夏休みの時か。

結構前の出来事なのに、よく覚えてるな。

覚えてておかくてもいいというのに。

 

「お礼をするほどのことでもないよ。あんなことお礼をするに値しないから」

 

「そ、そんなことないよ! でも、久保くんは優しいから、あれが当然なのかもしれないね」

 

「そ、そうかな? でも僕はそんな大したこと……ないよ」

 

明るく微笑み掛けてくれたアキちゃんに照れる僕。

 

「それに、昨日も……」

 

昨日? 誤解ではなかったのか……?

 

「昨日のあれは間違いだったんじゃ……?」

 

「それはそうだけど……あれも僕のために怒ってくれてたんだよね……」

 

顔を赤くしながら少し俯いて、口篭ったように見える。

 

どうしたんだろう?

 

「あの時の久保くん……とってもかっこよかった」

 

「え、いや、あれは別に……!」

 

いきなり言われた言葉にドキっとして、自分でもわかるくらい、顔が熱くなる。

 

な、何を動揺しているんだ、僕は!

 

というか、どうしたんだアキちゃんは?

 

なんだか息が荒いし、顔がとっても赤い。

 

「だからね……僕は……久保くんに――」

 

「ッ! 吉井くん!?」

 

アキちゃんが倒れかけたので、素早くアキちゃんの身体を抱き止める。

 

「吉井くん、大丈夫!?」

 

「うー……ん」

 

どうしたんだいきなり? 貧血か?

 

「大丈夫れす……」

 

「あ、吉井君、大丈夫だった……?」

 

ん? 大丈夫れす……?

 

ギュ

 

「――ッ!? よ、吉井くん!? いきなり何を……!」

 

いきなり腕を僕の背中に回して抱きつくアキちゃん。

 

本当にどうしたんだ!?

 

思わず、思考停止。

 

「久保くんはいい匂い~……私はこの匂いがと~っても大好きなんだよ~」

 

僕の頬に自分の頬をすりすりと密着させるアキちゃん。

 

う、うおぉぉぉぉぉ!?

 

思わず、思考再開。

 

「ちょ……! ちょっと、吉井くん!? 本当にどうしたの!?」

 

アキちゃんに抱きつかれて、僕は急激に上がる心拍数を抑える。

理性がいつ吹っ飛んでもおかしくない状況だった。

 

それにしても、アキちゃんはいったいどうしたんだ?

 

一人称が僕から私になっているし、顔が赤くなって、目がトロンとして酔っ払っているような…………。

 

…………酔っ払い?

 

まさかと思った僕は、アキちゃんが飲んでいた飲み物の缶を確認してみる。

 

缶のラベルには『オトナのオレンジジュース』と表示されていた。

しかも、アルコール4%と記載されている。

 

「もしかして、さっきのオレンジジュース……変な味の原因はこれか……」

 

まったく、誰だ? 間違えてお酒を買った人は。

不可抗力とはいえ、未成年飲酒させるとはいい度胸だ。

 

「久保く~ん♡」

 

ってそんなこと考えてる場合じゃなかった。

 

「あの……吉井くん……?」

 

「久保くん……」

 

アキちゃんは顔を僕の頬に近づけて……。

 

ペロッ

 

僕の頬を舐め上げた。

 

うわあああああああああああああああ!?

 

「吉井くん! いいから離れて!」

 

アキちゃんの肩を掴んで、距離を離そうとする。

 

したよね……!?

今完全にしたよね!?

 

完全にキs……いや、舐められただけだし、頬だからセーフ……かな?

 

「……久保くん…………もしかして、私のこと嫌いなの……?」

 

目を潤ませて、泣きそうな顔で僕を見上げる。

 

ぐぅ……可愛い……。

 

こんな状況でさえも、興奮してしまう。

 

「そ、そんなことない! 僕が吉井くんを嫌うはずないじゃないか!」

 

「本当に?///」

 

「嘘じゃない、本当」

 

もちろんこれはその場しのぎの嘘ではなく、本心だ。

 

「なら、よかった」

 

安心した表情で、再びアキちゃんは僕に抱きつく。

 

って、おおおい!?

 

「よ、吉井くん……?」

 

「久保く~ん♡」(スリスリ)

 

「…………はぁ……仕方ない」

 

すぐに酔いは覚めると思うし、それまでこうしておこう。

 

ギュ、ギュ♡

 

うわぁあ!?

 

まずい、これは本当にまずい!

この感触は危険だ!

 

ただでさえ、抱きつかれるだけでもまずい状況なのに、水着という裸に近い格好で抱きつかれたら、たまったものじゃない。

 

吉井くんの身体、柔らかい……。

 

ふにふにと大きな胸を押し付けられる。

 

制服越しでも分かる柔らかさ。

その柔らかさは、学園祭で溜まった疲労を癒してくれるくらいの柔らかさで、下を見ると僕の身体に密着して、それに合わせるようにグニャリと形を変えている。

 

こんな状況下で理性を保っている自分がすごいと思う。

 

「なかなか覚める気配がないな……下手したら2日酔いだってありえるし……」

 

「久保くん……こんな所にいたのね」

 

後ろから聞きなれた声がしたので振り返ると、

 

「き、木下さん? どうしてここに?」

 

クラスメイトの木下さんが立っていた。

 

どうしてここにいるんだ?

 

「打ち上げに参加してないから心配になって探したのよ……まさか、ここにいるなんて思わなかったわ」

 

「ああ、それはすまない。心配を掛けてしまって……」

 

「それは別にいいわよ。ところで何やってるの? 吉井くんとイチャイチャして……」

 

木下さんが恨みがましそうな声と表情で聞いてくる。

 

「あ、その……これは話すと長くなるんだけど……」

 

僕は木下さんにこれまでの経緯を説明した。

 

 

 

 

「……という訳なんだ」

 

「お酒とジュースを間違えるなんて……このクラスはお酒とジュースの区別がつかないほど、馬鹿なの……?」

 

「どうだろう? 沢山あったし、ラベルもジュースっぽかったし、何かの拍子に紛れたんじゃないのかな?」

 

「それもそうね……それで、吉井くんは大丈夫なの?」

 

心配そうに木下さんは尋ねる。

 

「大丈夫だと思うよ……? どれだけ飲んだかはわからないけど」

 

「吉井くん、大丈夫?」

 

木下さんは吉井くんに顔を近づけて、様子を見た。

 

「ん……んぅ」

 

アキちゃんは木下さんの言葉に反応した。

そこまで重症ではなく、大丈夫みたいだ。

 

「ん……お姉ちゃん(・・・・・)?」

 

「「え……?」」

 

突然、アキちゃんから出た言葉に、僕と木下さんは目が点になった。

 

「今、なんて言ったの……?」

 

やや、歓喜のような表情で尋ねる木下さん。

 

「お姉ちゃん……」

 

そう言って、次は木下さんにギュっと抱きついた。

 

「!!///」

 

木下さんは顔をプルプルさせて、

 

「そうよ! 私がお姉ちゃんよ!」

 

抱き返した。

 

「って、木下さん!? 何を言ってるんだ君は!?」

 

言動がいつもの木下さんじゃなくなっている。

それに顔も正気じゃない。

 

何があったというんだ!? 木下さん!

 

「アタシはこんな妹が欲しかったの! もうこの子はお持ち帰りするしかないわ!」

 

「お、落ち着いて木下さん! ここは冷静になって……!」

 

急に変貌した木下さんを止めるのに、5分ほどの時間を要した。

 

「……はッ! つい、我を忘れていたわ……ごめんね、久保くん」

 

「正気を取り戻してくれて何よりだよ……」

 

やっといつもの木下さんに戻ってくれた。

 

さっきのはいったい、なんだったんだ……。

 

「本当に酔っているのね……いきなりアタシをお姉ちゃん呼ばわりするなんてね」

 

「かなり酔ってるみたいだね。一見、そこまでないように見えるけど」

 

頭の中は混乱してるみたいだ……。

一人称どころか、二人称まで崩壊してる。

 

こんなとこに置いてはおけないし、早く連れて帰らないと。

 

「木下さん、ここは僕に任せて。吉井くんは僕が連れて帰るよ」

 

「あら、いいの? ここはアタシがやってあげるけど……?」

 

「まだ打ち上げがあるだろう? 僕は不参加でいいから、任せて」

 

「そう……なら任せるけど……」

 

木下さんは顔をズイっと近づけて来た。

 

「な、なんだい?」

 

「いい? アタシにとって久保くんはとても紳士で信頼できる人だとは思っているわ」

 

「そ、それは……あ、ありがとう。褒め言葉として受け取っておく……」

 

「でもね、これだけは言わせてちょうだい。アキちゃんはとっても可愛いの。

このアタシの妹にしたいくらい……」

 

そ、そんな風に思ってたんだ……アキちゃんのこと。

 

さっきの原因はこれだったのか。

 

「でもね、何があっても、オオカミ(・・・・)になってはダメよ」

 

「…………胆に銘じておきます」

 

「よろしい」

 

木下さんは忠告した後、Aクラスに戻っていった。

 

「……さて、帰るか……吉井くん、立てるかい?」

 

「すぅ……すぅ……」

 

「吉井くん……」

 

どうやら寝てしまったみたいだ。

 

とことんお酒に弱いんだな……。

 

困ったな……どうしようか……。

どうしてこんなことに……。

 

衣装を見せてくれると聞いて、やって来ればこの有様……。

誰も予想ができないシチュエーション……。

 

……そうだ、僕の家に連れて帰るか。

 

親からどう言われるかは分からないけど、事情を説明したらきっと分かってくれるだろう。

 

誤解されないか心配だけど……。

 

えーと、アキちゃんの鞄は……これか。

ちょうど近くにあってよかった。

 

僕はアキちゃんを抱きかかえて、アキちゃんの鞄を肩に下げる。

 

自分の鞄は……置いて帰っていいか。

どうせ明日は学園祭後の行事等で授業があまりない日だ。

 

僕はアキちゃんを抱きかかえながら、こっそりとFクラスを出た。




初めて久保君side書いたから心配しかない……。
ただでさえ文章のクオリティ低いのに、慣れない事をすると
更に駄文化が進みそうで怖い……。

感想と誤字脱字報告よろしくお願いします。

この後の話は番外編か本編にするかで迷っている……(´・ω・ `)

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