惜しむ事無く書いたけど、どうだろうか……。(´・ω・`)
sideアキ
1週間の後半開始の木曜日。
Aクラス体験は残すところも後わずかになってきた頃。
今回もどんなコスプレをすることになるのだろうか……。
頑張れ僕。後少しの辛抱だ。
こんなとこで気を抜いたらダメなんだからね。
本当は抜きたいところだけど……。
とりあえず衣装に着替えて、みんなにお披露目して、Aクラスでの学校生活を満喫する他ない。
こんな状況を素直に楽しめる人間になりたいと、僕は強く思った。
「木下さん、今回の衣装はどんなものなの?」
「今回はとっておきの衣装よ、吉井くんだからこそ着せたい衣装ね」
吉井くんだからこそ着せたい服……。
このフレーズを聞くと胸騒ぎがしてきたぞ。
僕が着る服=それはやばい衣装
脳内で起きている自己解釈。
それを考えてるせいで、いつもいつも悪寒がこれでもかってくらいに……。
だが、コスプレ慣れした僕はガラスの忍耐力から金属程度まで昇格した忍耐力は負けてはいない…………多分。
「じゃあ……着替えてくるね……」
「楽しみにしているわね」
木下さんも、僕が女の子になってから、姫路さんみたいに変わった気がするけど、元からこんな感じだったっけな……?
最初の頃の木下さんが思い出せない……。
いつも通りに更衣室へ入る。
さて、今回はどんな衣装なのかな……?
そして、いつものように衣装を確認する。
「あれ? 今回は意外とまともな衣装……?」
確認してみると、白いセーターが出てきた。
下に履くものは……白いニーソだけ……?
ズボンやらスカート等の下に履くものがないということは、セーターワンピースかな?
…………おかしいなぁ。
これまで着せられてきた衣装を振り返ってみると、これは違和感がしてならない。
これまで着せられた衣装はエロいメイド衣装や、どこかのアニメの軍服(?)みたいなやつとか、ゲームキャラ専用に改良された華人服とかだったのに……。
その次にセーターワンピースってどういうことだよ!?
何この微妙なチョイスは。
って、本来こういう衣装だったら安心しているのに、我を忘れてツッコんでしまった。
だけれど、ツッコまざるを得ないんだよ……。
いや、別にエロい服とかコスプレをしたい訳じゃないからね?
本当だからね?
…………うん、こんなことしてないで着替えるか。
さっさと制服を脱いで、衣装を手に取る。
「ん? なんだろう……これ」
衣装を手に取った瞬間、メモ紙のようなものがヒラリと落ちる。
あらかじめ、畳まれた衣装の隙間に挟んでおいたのだろうか?
僕はそれを拾い上げて、文字が書かれた面に目を向ける。
『今回の衣装を着る際は上の下着をつけないように。 by木下優子』
上の下着をつけない!?
それって……まさか、アレですよね?
男性がつけることのない、女性のために存在するアレをつけない……。
いわゆる、ノーブラ……。
なんでセーターを着るくらいでノーブラにならないといけないのだ?
ますます怪しくなってきたぞ、このセーター。
しかも、このメモを書いた本人は木下さんだよ?
なぜに木下さんなんだ? 木下さんはもっとこう……常識が身についているんじゃないのか?
最初の頃の木下さんが思い出せないと同時に、イメージが壊れつつあるような……。
…………いや、気にせず今はやるしかない。
考えたら、だんだん怖くなってきたので、中断させるかのように頭をブンブンと横に振る。
僕はブラホックに手を伸ばし、ブラジャーを外す。
うん……相変わらず大きいですね…………って何言ってるんだ。
「ノーブラで衣装を着るって、なんだか慣れないなぁ……」
ブラジャーを着けるのは面倒だと思っていた時期が僕にもありました。
だが、どうしてもこれを着けてないと胸が変な感覚になるというか…………重い。
女性物の下着に慣れてしまったことに対し、複雑な気分になりながら、セーターワンピースを身にまとう。
ん……んんんッ!?
こ、これって……。
着てみると僕は言葉を失った。
一見、普通の若い女性が着るようなセーターワンピース。
しかしながら、ある部分が大きく違う。
「……なんで……なんでこんなに胸の部分が空いているの……?」
胸の真ん中が大きく露出して、谷間が見える状態であり、他は露出度がとても低い。
全体的に見れば、肌があまり見えない状態。
けれど、大事な胸の部分が露出してしまっている。
それが逆にエロいとうかなんというか……。
もしかして、ノーブラになったのはこのため?
確かにこれだとブラが見えちゃうかもしれないけど、だからと言ってこれは……。
これはこれで僕の大事な部分が見えちゃうんじゃないかな?
どの道、苦痛な思いをするのか……。
もういいや、これまでにいくつもの過激な衣装を着たのだから。
今まで着てきた衣装を振り返って、これはアレよりマシだと自分に言い聞かせる。
自信がついたところで、僕は更衣室を出る。
「お待たせ……ど、どうかな?」
この部分を晒したくはないと、胸の部分を右腕で隠している。
「おお! これは文句なしにアリだな!」
「ああ、本当にこんな妹が欲しかったわ……」
「いやー、エロい! これは我にとっての眼福ですな……やべ、鼻血出てきた」
おい、最後の人、僕の体を見て興奮した訳じゃないよね……?
そうじゃないことを願いたい。
「1日目のコスプレもよかったけど、これもまたいいよね~」
横から工藤さんがジマジマと僕を見つめながら言う。
「うぅ……そんなに見つめないでよ……ただでさえ見られるだけで恥ずかしいんだから」
「恥ずかしがっている吉井クン、カワイイ/// こうなったら……」
工藤さんが小悪魔的な笑みを浮かべながらこちらへ寄ってくる。
ちょ、目が……目が怖いよ……!
僕は逃げようと考え、後ずさろうとする。
「そうはさせないぞー☆」
「うひゃあ!? ちょっと……工藤さん!?」
野生の動物が獲物に食らいつくようなスピードで工藤さんは僕の胸を掴む。
「おぉ! もしかしてこれは、ノーブラ! これは念入りにチェックしないとね……!」
「ひゃあ……ちょっとやめて……やぁん……」
時と場所と場合を考えてください!
いやどんな場所と場合であってもされたくはないけれど。
「愛子! アンタだけズルいわよ! 私だって……!」
「わあぁ! 何で木下さんまで……!?」
普段は止める役の木下さんだが、なぜか今回は加勢する役に。
しかも、目が怖い! 鼻息が荒い!
この木下さんはいつもの木下さんなの!?
「あー、私もする!」
「この流れに乗らなきゃね!」
いやぁぁ!? 他の女子生徒まで!?
「や、やめて! 本当にダメなんだって!」
抗っても、押さえられて身動きが取れない状態になってしまう。
あー、もう、こうなったら男子生徒に助けてもらおう。
男子生徒だったら…………。
チラッと男子生徒に目をやる。
しかし、目をやったその先には鼻血で出血多量になりかけている男子生徒たちの姿が広がっており、まさに阿鼻叫喚の光景が……。
って、おおぉぉぉい!!
何やってるんだ、男子!
女子の戯れを見て、興奮しないでよ!
もうAクラスの男子は普通に男子なのか……。
本当は真面目な人達かと思ったのに……。
結局、高橋先生が来るまで滅茶苦茶にされてしまった。
今回のコスプレはshou11さんが提案してくれた例のセーター(胸あきセーター)です!
いやー、本当にエロくて素晴らしい!
アキちゃんにぴったりですね!
そういえば、これ結構前に、アニメキャラに着せるブームがあったような、なかったような……。
どんな衣装か気になる方は「例のセーター」でGGってください。(・ω・)ゞ
次回でアキちゃんのAクラス体験も最終回!
楽しみにしていただけたら、嬉しいです。