遅れて申し訳ないです……。(m´・ω・`)m
sideアキ
~昼休み~
午前の授業が終わり、心にちょっとした解放感が生まれる昼休みとなった。
Aクラスの授業は難しかったのはもちろんのことだが、Fクラスに慣れている僕には
ガラッと変わってしまった環境に、いまいち慣れなかった。
しいて言うなら、中学生が高校生の授業を受けるようなものかな?
だが、その分、僕にとって学力向上に大きく繋がることとなったかもしれない。
残りのAクラス所属期間も有効的にこの場を活用していきたいところ。
……そんなことはさて置き、今僕はAクラスの女子生徒に質問攻めを喰らっている。
昼休みになった途端、速攻で僕のところまで来たのだ。
いったい何を聞こうというのだろう。
僕の何が気になることやら……。
答えてあげない訳にもいかないので、手短な回答だけで済ませている。
「なんでそんなにスタイルいいの!? 部活入ってるの!?」
「いや、部活は入ってないし、そもそも入る気がないから……」
第1の質問者は佐山五月さん。
運動神経抜群で陸上部に所属しているらしい。
「へぇー、なんか秘訣でもあるの?」
「う~ん、特にこれといったことはないね」
ただ僕は、普通で一般的な生活している。
特に変わったことはしてないね。
「じゃあ、彼氏とかいるの? アキちゃんだったらいてもおかしくないけど……」
「い、いないよ、好きな人がいないし、作る気もないし……」
「ふ~ん、まだ好きな人もいないって訳ね……」
なるほど、と言ったような表情で納得する、第2の質問者である櫻井菜乃葉さん。
ちなみに櫻井さんは書道部に所属。
女子ってすぐこういうこと聞いてくるな?
気にはなるかもしれないけど、そんなこと知って、何が面白いのやら……。
「ってことは、男子に告白されたって聞いたけど、断ったの?」
「あ、うん、よく知ってるね……」
今まで、男子生徒に何度も告白されたことか……。
週に何回もラブレターとかが靴箱とか机の引き出し……じゃなくて、卓袱台の上に置いてあったりするんだよね……。
このことは、Fクラス以外の人には話した覚えはないけど、噂になってたりするのかな?
「へぇー、女子からの告白も断ってるの?」
「……なんでそんなことまで知っているの?」
結構、前からごく稀に、女子からのラブレターが届くようになってきたのだ。
最初は間違いか何かかと思ったのだが、ご丁寧に僕の名前を載せているから、僕宛ての手紙だということは間違いなかった。
それにしても、なぜ送ってくるかは未だに詳細不明だ。
ところで、この話は誰にも話してはないのだが、なぜ知っているのだろう?
変な噂を流すタチの悪い連中でもいるのか? この学校には。
「ああ、それはいろいろとあってねー……それより、Aクラスに入ってどう思った?」
ごまかしを入れつつ、話題をパッとすり替える、第3の質問者の浜崎朱莉さん。
浜崎さんはAクラスの中で最も英語が得意らしい。
「慣れないけど、いいところだと思うよ。設備は快適だし……お菓子もあるし」
Aクラスにはお菓子が無料で支給されるらしい。
羨ましいな……休み時間が一層、楽しくなりそうだな。
と思いながら、ポッキーを食べる僕。
「うひゃぁ~、お菓子食べているアキちゃん可愛い///」
「やはり小動物と言った方がいいでしょうねぇ」
Aクラスの女子生徒は何を考えているのやら……。
ポッキーを食べていく僕。
うん、美味しい。
「そういえば、私たちの考えたコスプレはどう!? 結構、自身あるんだ~」
目を光らせながら聞いてくる、佐山さん。
この3人がこの衣装の考案者であり、元凶か……。
「……正直に言わせてもらうけど、恥ずかしいよ」
朝からずっとこの堕天使メイド服で授業を受けていた。
授業中に僕だけコスプレっていうのは結構シュールな光景かもしれないけど。
「恥ずかしがることないよ! そんなのアキちゃんの私服みたいなものだから!」
「ちょっと待った、桜井さん! 私服ってどういうこと!? 僕はコスプレを私服とするまでの変態になっているの!?」
今のは聞き捨てならない言葉だった。
「えー、だってFクラスでしてるんでしょー? 羨ましいな~Fクラス」
後ろから、僕を抱きしめる浜崎さん
「うぅ……言い返せないけど、僕の意思でやっている訳ではないよ…………」
どっちかと言えばAクラスの方が個人的に羨ましい気がする。
コスプレしろ、と言ってくる人がいなさそうだし。
「ふ~ん、でも、着てくれるんでしょう? あーあ、私たちのクラスに来て欲しいな~」
「……結局は着ることになるのか…………」
どの道、AクラスだろうがFクラスだろうが、コスプレをする運命は覆せそうにないな。
★
~放課後~
昼休みも終わり、その後の午後の授業の時間もあっという間に過ぎて行き放課後へ突入。
さて、ようやくAクラス体験の1日目が終わったな……。
後は着替えて帰るだけだ。
そう思い、更衣室に行こうとした時だった。
ガシッ
「着替えるのはまだ早いと思うな~!」
「……な、何かな、佐山さん……? 僕にまだ用があるの……?」
手首を掴みながら、ニコニコ微笑んでいる佐山さんと、その後ろに櫻井さんと浜崎さん。
「せっかくだから、一緒に帰ろ? アキちゃんのこと、もっと知りたいから」
「う、うん、分かったから。手を離してもらえないかな?」
「それは無理な話だね」
なんでだ!?
「せっかくだからその姿で帰ろうよ! うん、そうするべき!」
目を輝かせながら櫻井さんは言う。
「ちょっと待って、ちょっと待って! こんな姿で街中歩いたら本当に変態じゃないか!
お願いだから本当にやめて!」
「いいんじゃない、アキちゃんが着ててもおかしくないし」
浜崎さんは何をそんなにためらっているの? といった顔をしている。
いや、誰かが着てるからとかそういう訳じゃなくて、着ること自体が問題なんです!
誰が着たって同じなんです!
「ほら、恥ずかしがらないで、行くよー!」
「ちょっとまって、ちょ……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
女の子になった僕の力では、陸上部所属の佐山さんの力に勝てるはずもなく、そのまま
コスプレ姿で帰宅するハメに。
そのおかげで、文月学園だけでなく、ここの地域一帯で有名になってしまったのは言うまでもない。
新しいコスプレが出てねぇぇぇ!!
やばい、これはかなり長引く可能性がありそうです。(;゚Д゚)
次回は必ず出しますからね!
絶対にだよ!
絶対に!
……いや嘘じゃないですよ?(;´・ω・)