明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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どうもこんにちは作者です。(´・ω・`)/

相変わらずの駄文ですがお楽しみいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。



3話 女の子の苦労

sideアキ

 

 

霧島さんも僕が女の子になった事を知った時は、珍しくとても驚いていたが、すぐに理解して協力することを約束してくれた。

 

僕の周りには理解のある人間が多くて助かるよ、本当に……。

 

そんな事よりも現在、僕と霧島さんは脱衣所にいる。

 

ここで僕は女の子の大変さを身を持って知ったのだ。

 

「うぅぅ……女の子って大変なんだね……」

 

「……吉井、胸囲測るから両手を上げて」

 

「う、うん」

 

僕が両手を上げると霧島さんがメジャーを伸ばして僕の胸囲を測る。

 

「……サイズは95㎝、カップは……I」

 

そ、そんなにあるんだ……。

確かに大きいとは思ってたけど、まさかここまであるとは。

 

「……サイズが合わなくてきついかもしれない。でも今は私の下着で我慢して」

 

「……うん」

 

僕は霧島さんから白い下着(ブラジャー)を受け取って、霧島さんから下着の付け方を教えてもらった。

 

手順を教わりながら1人で付けられるか試したのだが、ホックを引っ掛けて留めるのが、これまた難しい。

背中に手を回して何度も挑戦するが、なかなか留められなかった。

 

何回か女装経験のある僕でも、下着を付けることには苦戦する。

 

まぁ女装と言っても、下着を付けるほど手の込んだものではないから当たり前だけど。

 

1人でやるのって大変だな。

なぜ女の子は苦もなくこなせているのだろうか……。

 

「な、なんとか1人でできた」

 

下着をつけるのに10分近くの時間を要した僕は、やっと1人で付けることができた。

 

これからもっと早く付けられるように練習しないと、女の子として生きていけないだろうな。

 

「それにしても、なんで女の子はみんなブラジャーを付けないといけないの?

そんなに大事なもの?」

 

「……付けておかないと胸の形が崩れてしまうから。特に吉井みたいな胸は」

 

なるほど……女の子胸の形はブラジャーのおかげで保っているんだ……。

 

初めて知った事実だ。

 

知ったからには、ちゃんとブラジャー着けておこう。

 

「……これからはちゃんと付けるように……分かった?」

 

「うん、ありがとう霧島さん。下着の付け方を教えてくれて」

 

ニコッと微笑みながらお礼をすると

 

「……どういたしまして///」

 

あれ? なんで顔を背けるんだろう。

 

「どうしたの霧島さん? 顔が赤いよ」

 

「……なんでもない」

 

霧島さんはそう言いながらも、顔を背ける。

 

本当になんでもないのかな?

 

「……そういえば吉井はお風呂にはもう入った?」

 

「え、いやまだだけど……」

 

「……なら入らないと……私が洗ってあげる」

 

え?

 

いきなりの予想外発言に僕は戸惑った。

 

何も風呂は一緒に入らなくてもいいでしょ!?

 

「いやいいよ、わざわざそんなことしなくても。霧島さんに悪いし……」

 

「……私は別に構わない、もしかして吉井は男の子と女の子の洗い方は同じだと思ってる?」

 

ギクリという音が心の中で鳴り響いた。

 

「え……あ、いや……その……」

 

「……図星」

 

「…………ごめなさい、仰る通りです」

 

正直、同じ洗い方でいいのかと思っていた。

 

どうやら女の子の身体の洗い方は、男とはまったく違うらしい。

 

「……とにかく早く脱ぐ。洗い方、教えてあげる」

 

「はい……」

 

そう言われて、僕は今着ている下着を脱ぐ。

なぜか霧島さんは、こちらをジーっと見つめている。

 

なんでそんなに興味津々な目で見るんだ……。

 

恥ずかしい気もするが僕は着ているものを全て脱いだ状態になった。

 

ところで、霧島さんはなんで顔を赤くして顔を背けているのかな?

さっきまであんなに見つめていたのに。

 

「えっと……脱いだんだけど、どうしたらいい?」

 

ハッとした霧島さんは、くしを持参した鞄の中から取り出して、僕の髪をとかし始めた。

 

「次は何をしているの?」

 

「……お風呂に入る前に髪が引っ掛からないようにしておく。髪が長い人はなおさらそうしないといけない」

 

髪の長い女の子って風呂に入る前はそうするのか。

霧島さんも含めて、髪の長い子は大変なんだろうな。

 

「……できた、次はお風呂に入る」

 

「う、うん」

 

少し緊張しながらも風呂場の引き戸を開けてそのまま僕は、風呂場にある椅子に腰掛けた。

 

後ろには霧島さんがいる。

 

すると霧島さんがシャワーからお湯を出して頭に掛ける。

なんだか気持ちがよくて、さっきの不安な気持ちまで流してくれそうだ。

 

「……髪は隅々までしっかりと濡らすの。濡らし残しがないように」

 

「はーい」

 

ちゃんと濡らしておくのか……覚えておこう。

これは男の洗い方と同じだけど、つくづく女の子って髪を洗うのが大変なんだな。

 

「……濡らした次はシャンプーをする。洗い方は髪を洗う事じゃなくて、地肌を洗うこと」

 

地肌をするのか。

 

ん? でも肝心な髪の方はどうするんだろう?

 

そう思いながらも霧島さんから、頭を洗ってもらう。

 

霧島さんは指の腹を使ってマッサージをするように洗う。

 

洗ってもらう時は凄く気持ちがよかった。

心地がよくて幸せになるような気分だ。

 

洗われていて思い出したが、女の子って頭を撫でられるのが好きだとよく耳にする。

 

あれはこういうことなのかな?

気持ちがよくて、癖になりそうだった。

 

しばらくして、僕の頭を洗い終わった霧島さんはシャワーを手に取って、

 

「……流すから目をつぶって」

 

「はーい」

 

そう言われると僕は目をつぶって髪についたシャンプーを汚れと共に洗い流して貰う。

 

「……次はトリートメントをする。これはシャンプーと違って髪に付けるもの」

 

「え? まだあるの?」

 

今ので終わりかと思いきや、霧島さんはトリートメントを手に取る。

 

「……当たり前。女の子は髪が命」

 

命って……そこまで髪は重い存在なのか……。

 

少し面倒なことかもしれないけど、長い髪を持つ者である霧島さんからそう言われると説得力があるので、やらない訳にはいかなかった。

 

霧島さんはトリートメントを僕の髪に馴染ませるように塗っていく。

 

「……付け終わったら少し待つ、いい?」

 

「うん……」

 

頭を洗うだけなのに、どこまで忙しいんだ……。

 

そして、2~3分経ったらトリートメントを洗い流した。

これでようやく髪は洗い終わったようだ。

 

髪を洗うのって本当に苦労するんだね。

女の子の風呂の時間が長い理由が分かった気がするよ。

 

僕はこの時、女の子の苦労が生まれて初めて実感できたと思う。

 

「……次は身体を洗う。女の子の肌は傷つきやすいから丁寧に」

 

「はーい」

 

こんなに白くて綺麗な肌なんだから、相当傷つきやすいだろう。

 

髪だけじゃなくて肌も大切にすることを心掛けないと……。

綺麗な状態を維持するのは難しいし大変だな……。

 

心の中で愚痴をつぶやくと霧島さんがボディーソープを手にとり、泡立てて僕の背中を撫でる。

 

「……ひゃん!」

 

背中を霧島さんのやわらかい手で洗われて、くすぐったさと気持ちよさで思わず、変な声を出してしまった。

 

「……可愛い///」

 

うぅ……変な声を出してしまって恥ずかしい……。

 

その後も霧島さんは僕の背中を撫でるように洗う。

 

「……んっ……ひゃ……」

 

背中を洗われるのがくすぐったくも気持ちよくて体がビクッと反応する。

それに伴い、変な声が口から自然に出てしまう。

 

「……後ろは終わった。次は前」

 

「あ、前は自分でするよ」

 

「……私がやってあげる。初めてだから遠慮しないで」

 

「え……あ、じゃあ頼むよ……」

 

初めてだからといって、そこまでしてくれるとは……これも霧島さんの心遣いなのだろう。

 

ここはご厚意に甘えて、前まで洗って貰うことにする。

 

霧島さんの手が後ろから出てきて僕の腹部を洗い始めた。

 

「く、くすぐったいよ霧島さん……」

 

腹部を洗われると、くすぐられているような気がした。

 

「……ちゃんと隅々まで丁寧に洗うことが大事」

 

「そ……それはそうかもしれないけど……んぅ……」

 

くすぐった過ぎて頭がどうにかなりそうだ。

しかし、霧島さんの手は僕の体をどこまでも這うように洗い続ける。

 

「……吉井の肌、とっても綺麗……そうなると、ここも?」

 

すると霧島さんが僕の大きな胸を掴んだ。

 

「うひゃあ!? 霧島さん何を!?」

 

「…………羨ましい」

 

そう言いながら僕の胸を揉むように洗う。

 

背中を洗われる時よりも、こっちの方が何倍もくすぐったい。

 

「ん……ひゃ……あっ……や、やめ……」

 

「……可愛い///羨ましい///」

 

霧島さんの手は止まることなく、むしろ激しくなってもみくちゃにされた。

 

その後ようやく風呂から上れたけど、疲れを癒すための風呂のはずが逆に疲労が溜まる結果に。

 

なんで僕がこんな目に……。

 

 

 

 

そして風呂から上がった僕は霧島さんから借りた服を着て

リビングに行くと雄二がくつろいでいた。

 

本当に雄二は他人の家でもお構いなしだ。

 

「お、明久、風呂はどうだったか? まさか翔子に襲いかかったりしてないだろうな?」

 

「……逆に襲われたんだけど」

 

「……吉井、可愛かった」

 

霧島さんは一仕事済ませたような表情で僕の頭を撫でる。

 

あ、やっぱり頭を撫でられるの気持ちいかも……。

 

「さて……明日も学校があるけど、今日みたいに休めないな……どうしたらいいかな」

 

「いや、普通に明日からちゃんと学校行けよな」

 

雄二が冷静にツッコんだ。

 

「そんなことできないよ……このまま学校に行ったら大騒ぎどころの話じゃなくなるよ」

 

「そうかもしれんが、どうせいつかは知られる事だろ? ずっとそのまま隠すのは正直、無理がある」

 

「それは……そうだけど……」

 

「それに教師や生徒に事情を話して、周りから協力して貰った方がいいんじゃないか?」

 

「でも……」

 

確かにそうだが、正直不安なのだ。

この姿をみんなに見られたくないって気もあるけど。

 

「俺がついていくから安心しろ」

 

雄二が胸を張ってかっこいい台詞を言ったが、雄二という固定概念のせいであまりかっこいいとは思えなかった。

 

「……私もついていく」

 

霧島さんまで……。

 

だが、少し心強いので聞き入れることにした。

 

「分かったよ……明日から学校に行ってみるよ」

 

「おう、じゃあ明日お前の家まで迎えに行ってやるから、寝坊すんなよ」

 

「うん分かったよ雄二」

 

「……私も迎えに行くから」

 

「霧島さんまで……ありがとう」

 

不思議と少しだけ不安が取り除かれた気がする。

 

やっぱり持つべきものは「友達」だということを実感した。

 

「とにかく今日はもう帰る、だから明日待ってろよ」

 

「うん、またね。そしてありがとう雄二、霧島さん」

 

「ああ、またな明久」

 

「……またね吉井」

 

 

 

 

それから2人が帰った後、僕はすぐにベットに入った。

 

「明日からまた学校か……大丈夫だよね……」

 

僕はそうつぶやいて、大きなあくびをした。

今日はいろいろあったせいか、ドッと疲れが出てきた。

 

目を閉じると、2桁の秒も経たずに僕は寝てしまった。

 

こうして僕が女の子になってしまった1日が終わるのであった。




できた。(´・ω・`)~♪

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