明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

47 / 89
(´・ω・`)こんばんわ


44話 Aクラス最終決戦

sideアキ

 

 

「うぅ……みんなごめん、やっぱり無理だったよ……」

 

まぁ負けるのは最初っから分かっていたけど……。

でも、負けた以上、申し訳ないというか……罪悪感が……。

 

「あんだけやれば十分過ぎるだろ。何せ相手は学年次席の久保だぞ?

姫路でも負ける可能性がある相手をお前が抑えたんだぞ?」

 

僕を捨て駒扱いしてきた雄二も、これは意外だったらしい。

 

雄二の言っていることはよく分からないけど、要するに姫路さん並みのことを成し遂げたってことかな?

 

「なるほど、僕の犠牲は無駄じゃなかったんだね!」

 

「いや、それは負けたからなんとも言えん」

 

……………………。

 

まぁ確かにそうだけどさ……もっと別の言葉があったんじゃない……?

 

「それで……今のところ2対1だから……次に1戦でも負けたら、僕たちの負けだよ」

 

「もう負けることは許されないのじゃ」

 

なぜか急用でいなくなったはずの秀吉が、ここにいた。

 

さっきのはいったい、なんだったのやら……。

 

「それは問題ない、次は姫路が代表で出ることになっている」

 

ああ、そうか姫路さんならやってくれるだろう。

 

「それでは4回戦目を始めます、代表の方、どうぞ」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「よろしくお願いします」

 

相手はAクラスの……佐藤さん? だったけ? 

 

けど、誰であろうが姫路さんが簡単に負けるような相手ではないはずだ。

絶対に姫路さんは勝たないとね。

 

「姫路さん! 頑張っ――」

 

ズガンッ

 

「か、勝ちました……」

 

「はやンッ!?」

 

まさかの秒殺とは、すごいよ姫路さん。

見せるまでもなく……いや見えるまでもなく決着がついた。

 

「姫路さんが勝ったよ! これで同点だよ! 次で勝てれば……」

 

「なんとか俺と翔子との一騎打ちに持ち込むことができたな……」

 

次が最終決戦、次で勝てばFクラスの勝利だ。

逆に負ければ敗北だけど。

 

「……でも雄二、霧島さんに勝つ方法なんてあるの? もう1学期の手は通用しないよ」

 

1学期は雄二が提案した点数に上限アリの小学生レベルの日本史での一騎打ちだった。

 

あれは上手くやっていれば、雄二の作戦勝ちになったかもしれない。

だけど、今回は通用する訳ないし、これはもう詰んだかな?

 

「心配するな、今回は前回と同じだが中学生レベルの日本史問題だ」

 

「今回は中学生レベルね…………ん? ということはまさか…………」

 

「ああ、まだ俺が翔子に嘘を教えてしまった問題があるんだ」

 

「ゆ、雄二…………君ってやつは…………」

 

「見損なったぞい……」

 

「……信じられない」

 

僕と秀吉とムッツリーニはとても呆れてしまった。

 

なんてことしてるんだ、この馬鹿雄二は……

純粋な霧島さんに、なんという知ったかぶりを教えているんだよ……。

 

一同は、霧島さんに同情した。心の底から。

 

「……で、肝心なその問題はいったいどんな内容なの?」

 

「その問題は……後醍醐天皇が鎌倉幕府を滅ぼした年号だ」

 

「後醍醐天皇が鎌倉幕府を滅ぼした年号? ええっと……1333年だったよね……その問題を霧島さんが間違えるの?」

 

後醍醐天皇が鎌倉幕府を滅ぼした年号は、この僕でも知っているくらい覚えやすい数字だから、霧島さんが間違えることはないと思うけど……?

 

「それが間違えてしまうんだよな……前にも言ったが、翔子は一度覚えたことは絶対に忘れない。

だからそれを上手く利用して俺は翔子に勝つ!」

 

かっこいいセリフかもしれないけど、要は相手を騙して勝利を掴むようなものだから、馬鹿っぽく聞こえてしまう。

 

「はぁ……まぁいいか……それじゃあ雄二、頼んだよ」

 

「ああ、任された……お前達はよくやってくれた、だから俺がFクラスの勝利を勝ち取ってくる」

 

そう言い残して雄二は霧島さんと共に教室を出ていく。

 

 

 

 

「では、始めてください」

 

その掛け声と共に、2人は裏返しにされていた問題用紙を表にした。

壁のディスプレイに視聴覚室の様子が映し出されているので、僕たちはディスプレイ越しで見守るだけだ。

 

例の問題が出ていれば雄二の勝ち、出ていなければ霧島さんの勝ち。

例の問題が出ていないか、ディスプレイに映し出されている問題に目を配っていく。

 

 

後醍醐天皇が鎌倉幕府を滅ぼしたのは何年か。(   )年

 

 

あ、あった!

よーし、これでもし霧島さんが雄二の嘘を覚えていれば雄二の勝ちだ。

後は雄二の学力次第だ。

 

雄二が満点を採ればいいだけなんだ。

 

徐々にFクラスの期待が高まっていく中、テストが終了した。

 

さて、勝敗を分ける最後の勝負。

 

結果は――

 

 

日本史勝負 限定テスト 100点満点

 

2-A 霧島翔子 97点

 

VS

 

2‐F 坂本雄二 53点

 

 

「「「えっ?」」」

 

この時、Fクラスの敗北が決定した。




オリジナルで雄二が嘘を教えた問題を出してみました。

後醍醐天皇が鎌倉幕府を滅ぼした年号は1333年ですよ。
小学生の上級生や中学生はしっかり覚えておきましょう。

意外と作者の中学校時代に答えられた人が少なかったんですよ……。(;´Д`)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。