明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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(´・ω・`)おはようございます!


36話 Dクラス戦3

sideアキ

 

 

僕と前衛部隊のみんなは点数補充のため、教室へ戻ってきた。

 

今は中堅部隊にバトンタッチして、前線は中堅部隊とDクラスが交戦中だ。

 

「お、戻ってきたか明久。戦果はどうだったか?」

 

「まぁ苦戦もしてたけど、なんとか順調かな」

 

「そうか、それは何よりだ。後半戦になることだ、いつでも出られるようにしとけよ」

 

「はいはい、雄二も頑張ってよ」

 

「ああ、もちろんだ」

 

雄二はそう言って中堅部隊の加勢に行った。

 

さて、後半戦に備えて僕も補充を済ませて――

 

「アキィィィッ! さっきはよくもウチを見捨てたわね!」

 

なっ!? 美波! なぜここにいるのだ!?

清水さんとの保健室というアバンチュールはどうしたのだ?

 

「あ、み、美波!? 美波はさっき清水さんと保健室で大人の階段を上ったはずじゃ……」

 

「そんな階段、誰が上るのよ! やられる寸前で須川が助けてくれたからなんとか助かったのよ!」

 

「あ、そうなんだ……それはよかったね……なによりだよ、うん」

 

「見捨てておいて、何がよかったなのよ! そんな薄情者は……おっぱいを揉まざるを得ないわね!!」

 

「痛い痛い痛い! ちょっと美波! 本当に揉まないでよ!」

 

僕の胸を潰すような勢いで美波は胸を揉み続ける。

 

「何よ! このバカでかい胸は! 爆乳並の大きさに柔らかいとか、ふざけるんじゃないわよ!」

 

「ふざけてないんですけどぉぉぉ!? そして、イタィィィィ!」

 

僕の何がふざけているの!?

それはただの嫉妬ですよね!?

 

「こんな時にまで喧嘩するとは……2人は本当に仲がいいのぅ」

 

「悪いのよ!」

 

秀吉……眺めてないで助けてよ……。

 

「もういいわ、十分なストレス発散になったからね」

 

そんなことでストレス発散しないで、もっとマシな方法を探しなよ……。

まったく、胸が潰れるとこだったよ。

 

「こんなことしてないで早く点数補充しようよ……」

 

なんだかんだとあったが、僕たちはすぐに補充テストに取り組む。

 

中堅部隊も上手く行っているといいけど、後半戦はどうなるのだろう。

 

 

 

 

「明久、中堅部隊もそろそろ限界だ! 前衛に回ってくれ!」

 

雄二が珍しく慌てた様子で戻ってきた。

 

「う、うん、じゃあ行こうか」

 

いよいよDクラスとの戦いも終盤に差し掛かるとこだ。

 

前半でみんなに任せっきりだったから、後半で大きく貢献できるといいな。

 

そんな闘志を燃やしながら、いざ戦場へ。

 

「うおお! Fクラスだからって舐めんな!」

 

「Fクラスの馬鹿力見せてやるよ!」

 

おお……中堅部隊も前衛部隊と変わらず、Dクラスとやりあってるね。

僕も加勢するか。

 

「ああ! アキちゃんじゃないか!」

 

「え?」

 

突如、目の前に現れた男子生徒に声をかけられる。

 

…………誰だ? この人は?

 

見たところ、僕のクラスの生徒じゃなくて、Dクラスの生徒だろうな。

 

「もしかして、アキちゃん、俺のこと忘れたのか……?」

 

「え? あ~、う~ん……会った記憶があるようないような……」

 

「ガッツリ忘れてるじゃねーかぁぁぁぁ!!」

 

男子生徒は悲鳴にも似た叫び声でガクリっと、うな垂れる。

 

誰だか知らないが、僕なんかに忘れられたのがよほどショックなのか。

なぜ、そんなに落ち込むのか、僕はサッパリ理解できない。

 

「本当に俺のことを忘れたのか? アキちゃん」

 

「いや、そんなこと言われても……ん? 待てよ、なんで君が僕のことアキちゃんと呼んでるの?」

 

少なくとも僕をアキちゃんと呼ぶのはFクラスのほぼ全員が呼んでる名前だ。(別に嫌ではないので、普通に呼ばせている)

 

他は、玉野さんとか他のクラスの女子生徒くらい……。

Fクラス以外の男子生徒で僕をアキちゃんと呼ぶのは…………。

 

「ああ!! 思い出した!! 君はこの前、僕を放課後、体育館裏に呼び出して告白した男子生徒の1人じゃないか!」

 

「おお! 思い出してくれたか! そうだ、俺が1学期、アキちゃんに一目惚れしたメンバーの1人だ」

 

ようやく思い出してくれたことに歓喜する男子生徒。

 

どこかで見たことある顔だなと思えば、そうだったのか。

あれは鮮明に覚えてる出来事だから、男子生徒の顔までうっすらと覚えてるんだよね……。

 

「アキちゃん、いきなりこんなところで言うのはあれかもしれない。

だが、俺はこんな状況でも君に愛のメッセージを送り続ける!」

 

……………………それは、はっきり言って迷惑だよ。

 

「アキちゃん! 俺と付きあt「ごめんなさい!」ちくしょおおおお!!」

 

男子生徒はまたガクリとうな垂れる。

 

うっ……この光景を見ると、またこの前と同じ罪悪感が……。

 

「くそぅぅ……なんでアキちゃんは俺の告白を拒むのだ……」

 

「だから言ったじゃん……僕は誰とも付き合う気はないって……」

 

「ってことは、アキちゃんは男子に興味がないと……?」

 

「この身体で言うのもあれだけど……興味はないよ」

 

元は男だったのに、これで好きだったら同性愛者と変わらない気がする……。

別に同性愛者を悪く言うつもりではないけど。

 

「!? とゆうことは、アキちゃんは女子に興味が!?」

 

前の身体では女の子が好きだったし……。

今でも興味がないと言ったら嘘になるかな……。

 

いや、この身体で言ったら言ったで同性愛者になるんじゃ……。

別に同性愛者を悪く言うつもりではないけど。

 

大事なことなので2回言いました。

 

「まぁ元は男だったからね……興味がないとは言い切れない……かな?」

 

「そ、そうなのか…………ならこうしよう! 今から召喚戦争で対決しようではないか!

科目は数学で! 俺が勝ったら俺と付き合ってくれ!」

 

「うえぇぇ!? そんな無茶な」

 

そんなこと言われても無理だよ……。

 

もう、どんだけ僕に一目惚れしてるんだよ! ありがた迷惑だよ!

 

「行くぜ試獣召喚(サモン)!」

 

聞く耳持たずか……。

 

「こうなったらやるしかないな試獣召喚(サモン)

 

仕方ないやと、続いて僕も召喚獣を呼び出す。

 

 

 

数学

 

2-F 吉井アキ 280点

 

VS

 

2-D 鈴木 一郎 164点

 

 

 

「点数では負けてるけど……愛があれば勝てる!」

 

そう叫んでこちらに突っ込んでくる。

 

「悪いけど、こっちも負けたくないからね 行くよ! 『lovemanipulate』」

 

僕は『lovemanipulate』を発動する。

本日これで2回目だ。

 

「ぬおッ!? う、動けない……! なんだこれは!?」

 

男子生徒はピンクの光に包まれて身動きが取れなくなる。

 

一目惚れの話は嘘じゃなかったんだね……。

 

「ごめんね、僕は君を好きになれないんだ」

 

身動きが取れなくなった相手に太刀を振る。

 

「くそおおお!! 負けた!!」

 

僕の一振りの攻撃で、相手召喚獣は点数がゼロになってしまった。

 

「戦死者は補習だあああ!!」

 

「あ、アキちゃん! いつか俺の思いを届けてみせるからねぇぇぇぇぇ!!」

 

そう叫びながら西村先生に補習室に連行される。

 

まったく、相変わらずタフな人だな……。

ああいうところは褒めるというか、むしろ尊敬するべき……?




男子生徒、残念だったな……。(´▽`)

次回でDクラス戦は完結する予定です。
次回も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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