明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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(´・ω・`)いやー、今回から試召戦争の話です。

初めて書くから、緊張しております。


34話 Dクラス戦1

sideアキ

 

 

2学期が始まってから早くも、その翌日。

 

雄二に無理矢理任せれらることとなった宣戦布告のため、僕と秀吉はDクラス教室前にいる。

 

「いよいよだね、秀吉」

 

「そうじゃの……では開けるぞい」

 

ガラッ

 

「失礼します」

 

「失礼するのじゃ」

 

僕と秀吉はDクラスの教室に入る。

 

自分のクラス以外の教室に足を踏み入れるのは、少し緊張感が膨れ上がる。

 

「なんだなんだ? 2学期早々、美少女がこのクラスになんの用だ?」

 

まずは教室の入り口付近にいた男子生徒が、僕たちの存在に気が付いたようだ。

 

それにしても、このセリフ、どこかで聞いたことあるような……。

 

「突然ですが……僕たち、FクラスはDクラスに試召戦争を申し込みます」

 

なんとか噛まずに言えた……よし。

 

「おいマジかよ……2学期早々、宣戦布告かよ」

 

「しかも使者にアキちゃんと木下を使うとは……」

 

「んで、どうするよ?」

 

いきなり宣戦布告されたものだから、この反応は当然か……。

 

さて、困った。

こうなると、宣戦布告は失敗に終わる確率が高い。

 

このタイミングで来ること自体間違っていたかもね。

雄二ももう少し、残念な脳をフル活用して、作戦を立てればいいのに。

 

「落ち着いてください。相手はFクラスとはいえ宣戦布告をするために派遣された使者です。丁重に扱うべきですわ」

 

ざわめくDクラス生徒一同に、清水さんが呼びかける。

 

女の子にだけは優しいな、清水さんは……。

 

元の姿で来るのならば……いや、今はよそう……。

 

「あぁ! アキちゃん!」

 

あ、もしかしてこの声は……。

 

「あ、お、おはよう……玉野さん……」

 

「アキちゃん、アキちゃん! またアキちゃんに着せるための服を持ってきたの!」

 

出会ってから早くも、僕に服を着せるつもりですか、そうですか……。

 

「確かに玉野さんのお願いは聞いてあげたいけd……だから玉野さん、ここで服を脱がそうとしないでと、何回言ったら分かるんだ」

 

服を脱がしにかかる玉野さん。

それをけん制する僕。

 

ここで脱がすのは流石にないと思う。

周りには男子がいるんだから、少しはTPOをわきまえて欲しいものだ。

 

いや、TPO以前の問題かもしれないけど。

 

「もう、美紀ちゃん。ここで脱がすのはダメって何回も言ってるでしょ」

 

「着替えるなら女子更衣室に、ね?」

 

Dクラスの女子生徒たちが僕を更衣室に連れて行こうとする。

 

「なんでみんなは僕を更衣室に連れて行こうとするの?」

 

「そりゃ、アキちゃんのコスプレが見たいからよ?」

 

当然のように言われて、引っ張られていく。

 

「なぜワシも連れて行かれるのじゃ……?」

 

ついでに、秀吉も連行されました。

 

 

 

 

あの後、宣戦布告は失敗に終わるかと思われたが、なぜか相手は承諾してくれた。

 

どういう理由でなのか知らないが、無事に済んだことなので、Fクラスの教室に戻る。

 

「おお、戻ってきたか……お前ら、どうしたんだその格好?」

 

 

「それは聞かなくても分かるでしょ……雄二」

 

僕と秀吉は玉野さんとDクラスの女子生徒から着せられたコスプレを着たまま、

教室に戻ってきた。

 

僕と秀吉が着せられたコスプレは紺色のセーラー服。

 

中学生の頃を思い出す、懐かしい衣装……な訳あるか。

僕が中学生の頃はちゃんと学ランでした。

 

「セーラー服のアキちゃん……可愛いです!」

 

僕を見た途端、姫路さんが僕に抱きついてくる。

 

姫路さん、僕が女の子になった時から、雰囲気とかいろいろ変わったな。

 

「……写真を撮らなければ……」ドバドバ

 

「ムッツリーニが凄いことになってる!」

 

カメラを手に持ちながら、鼻血を大量に流してるムッツリー二がいた。

 

セーラー服なのにそこまで興奮することなのだろうか……?

 

ムッツリーニの想像力が豊かすぎるのか、女の子に耐性がないのか……。

どちらにしろ、ムッツリーニの思考は特殊過ぎて、追いつけない……。

 

「ところで、宣戦布告は上手く行ったのか?」

 

「うん、なんとかね」

 

「そうか……よし、じゃあ試召戦争に備えて、今から補充テストをする」

 

雄二の声とともに、Fクラス全員が点数補充のためテストを始めた。

 

「よしゃ、やるぞ!」

 

「こんな簡単な問題、さっさと解いてやるぜ!」

 

「アキちゃんの写真集は俺のものだ!」

 

みんな、2学期始まってすぐなのに、なんでこんな力が出せるのだろうか……。

 

理由は分かってはいるけど……。

なぜこれを普段はやらないのだろうか。

 

半分は驚きで、もう半分は呆れだった。

 

そんなことより、僕も頑張らないと。

どんな理由であれ、Fクラスのみんなの努力を棒に振るような真似はしたくない。

 

僕もみんなに続いて問題を解いて行く。

 

 

 

 

「お前ら、夏休み中に何があったんだ……? 全員Dクラス並の点数だぞ?」

 

補充テスト終了後、Fクラス全員のテスト結果を見て、西村先生は珍しく驚愕の表情を浮かべていた。

 

Dクラス並の成績……とりあえず、相手と対等な実力差に追いついただけでも大きい。

よくやった、Fクラスのみんな。

 

ちなみに僕は全教科A、Bクラス並みの点数だった。

夏休みの最後で木下さんに、分からないところを教えてもらったのが吉と出たのかもね。

 

そういう訳で、僕は3つの腕輪を手に入れることができた。

どんな腕輪かは試していないので、効果などは分からないが、3つも獲得できたのはラッキーだ。

 

「明久、新しく腕輪を貰ったらしいが、どんな腕輪を貰ったんだ?」

 

「えーと……まず1つ目は……『ドレスチェンジ』だって……」

 

「それはどんな腕輪なんだ?」

 

『ドレスチェンジ』

 

召喚獣の武装と衣装がランダムに変わる腕輪。

ただ衣装が変わる訳ではなく、召喚獣の能力なども衣装によって、違ってくる。

召喚フィールド外に出るなどすると、元の姿に戻る。

武装と衣装は選べるわけではなく、ランダムなので消費点数は10点。

 

「アキちゃんにピッタリの腕輪ですね」

 

腕輪の説明を聞きながら、目を光らせる。

 

「なるほど……もう一つの方はどうなんだ?」

 

「2つ目は……『Lovemanipulate』だよ……」

 

「これはまた、面白そうな腕輪だな」

 

『Lovemanipulate』

 

相手召喚獣を操ることができる腕輪。

召喚者に好意などを寄せている者にのみ発動できる。

ただし限度があり、操ることができる召喚獣は2体まで。

消費点数は30点。

 

「お前が使うからにはかなりの能力を発揮しそうだな……じゃあ3つ目は?」

 

「3つ目は……『Flameblade』」

 

「最後の最後でかっこいいものが来たな……どんなものなんだ、それは」

 

『Flameblade』

 

アキちゃんの武装である太刀の刀身が燃える効果がある。

この状態で、相手に攻撃を当てると通常の1.5倍のダメージと追加効果を与える。

追加効果は召喚獣が少しの間、1秒毎に5ダメージを受ける。

召喚フィールド外に出るなどすると効果は消える。

召喚フィールド内にいれば効果が続くので消費点数は80。

 

「すごく強そうな腕輪なのじゃ、ワシもそんな腕輪が欲しいのう」

 

「ウチも頑張ればアキみたいな腕輪が手に入るのかしらねぇ」

 

羨ましそうにしている秀吉と美波。

 

「使えるかどうかは、実践してみなきゃ分からないよ」

 

と言いつつも、かなりの強みになると確信していた。

 

「なるほど……この戦いの切り札は明久と姫路になるな……」

 

雄二が、腕を組んでブツブツとつぶやきだした。

 

「よし、それじゃ作戦を説明する。まず前衛の部隊長は明久、お前だ」

 

「え? そんな役割を僕がやるの?」

 

雄二のことだから、かなり重要な役割に任命されそうだとは思っていたけど……。

 

でも、切り札が前衛の部隊長をしてもいいのかな?

切り札って、普通は後に取っておく存在だと思うけど。

 

「安心しろ、Fクラスのメンバーはお前を死ぬ気で防衛するだろう」

 

死ぬ気でって……いくら召喚戦争とはいえ、そんなことに命を懸けるようなことをする訳……

 

「大丈夫だアキちゃん! 何がなんでも君を守ってみせる!」

 

「アキちゃんのためなら死んだっていい!」

 

あった……。

 

「前線を押してその次に中堅部隊が援護する、姫路と明久は温存しておくんだ」

 

ということはDクラス代表や後続部隊を倒すのは姫路さんと僕なのか。

 

「そういえば、どうして僕を前衛部隊長にしたの? 僕と姫路さんは温存しておくのに」

 

「お前がいたら前衛の士気が上がるからな、それにお前が出る幕はないだろうし」

 

どうして僕がいるだけで士気が上がるんだろうか……それくらいで士気が上がるほどFクラスは単純じゃない気がするけど。

 

「この作戦で問題はないか?」

 

「うん、他のみんなが特に異議なしなら大丈夫」

 

「そんじゃ、もうすぐでDクラス戦だ。いつでも出られるようにしておけよ」

 

「そっちこそね……」

 

女の子になってから初めての試召戦争。

どうなるか少し楽しみな気もする。




この前のアンケートにご協力いただきありがとうございます。
素晴らしい意見をいただいたので、試召戦争が楽しくなりそうです。

ありがとうございましたm(*-ω-)m

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