明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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ど~もこんにちは作者です~(´・ω・`)/
今回は学校での出来事です。

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それではどうぞ






1話 学校での出来事

雄二side

 

 

~Fクラス~

 

「明久の奴……まだこねぇな……」

 

いつもの教室に馬鹿な連中が集まる変わらない風景。

 

しかし、そこには俺が嫌でも顔を合わせてきた悪友、明久がいなかった。

あの馬鹿はいつも俺よりは先に学校に来ているのだが、珍しく教室にはその姿が見えない。

 

「まさか遅刻か……? あいつのことだから、きっとそうだな」

 

机に肘をついてつぶやく。

 

するとドアが開いて1人の人物が入ってきた。

 

お、来たか?

 

恐らく明久だろうと思い、俺は奴に挨拶代わりの罵倒をする。

 

「おい、明ひs……」

 

しかし、その人物を見た瞬間に口を止める。

 

そこにいたのは明久ではなく、浅黒い肌をした短髪のいかにもスポーツマン然とした男が立っていた。

 

「あ、鉄人先生おはようございます」

 

そう言った拍子に俺の頭に重いげんこつが下る。

 

「……西村先生と呼べ、坂本」

 

「すみません、西村先生」

 

重いげんこつをくらった頭を下げながら謝罪する。

 

俺が鉄人と呼んだスポーツマン然とした男は生活指導の鬼西村教諭の西村宗一。

Fクラスの担任だ。

 

「まったくお前という奴はいつになったら普通に西村先生と呼ぶのだ…………とにかく席につけ、出席をとるぞ」

 

「あ、はい」

 

俺は西村先生に促され、自分の席に座る。

 

どうやら出席が始まった今で、明久の遅刻は確定してみたいだな。

ったく……遅刻するとは度胸のある奴だ。

 

後で今朝の分の罵倒を浴びせてやろう。

 

「ひとつ報告しておくが今日、吉井は欠席だ」

 

明久へのいい罵倒内容を考えていた時、西村先生の口から耳を疑う言葉が出てきた。

 

はぁ? 欠席なのかあいつ……。

 

それは信じ難い言葉だった。

あいつは1年の頃から欠席するような奴ではないに、なぜ欠席なのだ?

 

「質問だ、なぜ明久は欠席なんだ? あいつが欠席するってことは何かあったのか?」

 

誰よりも先に明久の欠席の理由を知りたい、そう思った俺は西村先生に質問を投げかける。

 

「慌てるな坂本、吉井はただ単に風邪をひいただけだそうだ」

 

「明久が風邪だと?」

 

「ああ……今朝、吉井自身からの連絡もあった」

 

「そうなのか……あいつが風邪をひくとは、珍しいこともあるんだな」

 

「そうだな……あいつはこんなことで休んだことは一度もなかったからな……」

 

西村教諭も明久の風邪の事については若干、半信半疑のようだった。

 

「もしかして仮病でも使って、ズル休みでもしたんじゃねーの?」

 

Fクラス生徒の1人が冗談交じりに言う。

 

だが、確かに仮病を使って休んだ可能性は否定できない。

 

「それはないな。あいつは馬鹿だがズル休みなどという行為は今までなかった。

それに、今朝の連絡で電話越しに吉井の声を聴いたのだが……やけに声が高くて、女みたいな声をしてた」

 

声が高い!?

おいおい、風邪は声が高くなるものではなく普通は声が枯れたように低くなるだろ?

どうなってるんだ。今朝話したというその相手は本当に明久なのか?

 

だが、あいつは馬鹿の中では一番の変わり者だから風邪も特殊なのだろう。

 

俺は勝手な自己解釈をして、そう納得する。

 

しかし、他のFクラスの連中どもは

 

「おい、吉井が欠席だとよ……明日は嵐にでもなるのか?」

 

「馬鹿は風邪をひかないと言われてるが……」

 

「そうでもないぜ。最近は風邪って馬鹿がひくと言われてるらしいぞ」

 

などと主に明久を馬鹿にする話が聞こえてきた。

 

まぁこれは無理はない。明久のことだからな。

 

明久が風邪をひく事=珍しいという考えを持っているのは、俺だけではなかったようだ。

 

「えー!? じゃあ今日はアキを殴れないの?」

 

Fクラスの数少ない貴重な女子生徒の1人である、島田はサラッと恐ろしいことを言った。

 

「今日くらい我慢しろ、明日には来るだろうからよ」

 

ストレス発散の相手がいないことを不服に思う島田をなだめる俺。

 

「そ、そうね……」

 

と島田は渋々うなずいた。

 

「吉井のことはさておいて、以上で朝のホームルームを終わる。1時間目の教科は数学だ。準備を忘れるな」

 

西村教諭はその一言で朝のホームルームを解散させたのであった。

 

 

 

 

朝のホームルームは明久の件で少し荒れた気もするがいつも通りに終わり、西村教諭が教室を出て行った後、1時間目の授業が始まる前。

 

俺は木下、ムッツリーニ、島田、姫路のメンバーを集めて明久のことについて話し合っていた。

 

これくらい明久が休むことは珍しいことなのだ。

 

「しかし、明久の奴が風邪をひくとはな……何かあったのか?」

 

「……明久らしくない」

 

「まったくじゃの……」

 

俺の言葉に、同調するムッツリーニと木下。

 

「吉井くん、大丈夫なんでしょうか?」

 

姫路は心配そうに呟いた。

 

姫路からすると明久は同じクラスメイトでもあり、その上、好意を抱いている存在なのだ。心配するのは無理もない。

 

「あいつのことだから心配はいらねぇよ」

 

俺は心配そうにする姫路に言う。

 

「そうですか……? でも……」

 

まったく、ただ明久が風邪をひいただけなのにどこまで心配してるんだよ……。

どこまで明久が好きなんだ、こいつは……。

 

「あいつは馬鹿だがこんなことでへこたれるわけないだろ。俺が保証するから安心しろ」

 

「……そうですね。坂本くんがそう言うなら大丈夫ですよね」

 

気を取り直したのか姫路はいつも通りの表情を取り戻した。

 

「それにしても、アキが休みになると殴ることができないのよね~……」

 

今朝から明久を殴れないことに不満を抱いている島田は不機嫌そうだ。

 

「明日来たのなら、今日の分までおもいっきりやってやるわ!」

 

グッと拳を握りしめる島田。

 

明久も災難だな~。まぁ助けることはないが。

 

そんな話をしている内に数学の教科の教師が教室に入って来て、

 

「授業を始めます、みなさん席についてください」

 

教師の一言で全員が席につく。

それから1時間目の授業が始まるのであった。

 

 

 

 

「………………………」

 

俺は真面目に授業に参加せず、1人頭の中で考えていた。

 

「……明久の奴どうしてるだろうな」

 

俺は朝から明久ことが気になって、ずっと考え込んでいる。

 

あいつのことだから心配ないだろうと姫路に言っておいた俺が、そんなことを考えるのは滑稽かもしれない。

 

だが、気になって仕方ない。

 

いつもいて当たり前の明久がいないFクラスはどうもしっくりこない。

授業中も休み時間も放課後までずっと明久のことで頭がいっぱいだった。

 

 

……見舞いにでも行ってやるか。

 

 

そう決めた俺は放課後、明久の住むマンションへと向かうことにした。




どうでしたか?
学校でいつも暇な時にネタを考えていたので
早めの投稿ができました。

あいかわらずの駄文ですが、
面白いと思っていただけたら幸いです。

感想と意見をお待ちしております。

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