今日、初めて知りました。(゚-゚;)シラナカッタ……
文章だけでなく絵も上手く書けることができたらよかったな~……。
そしたら文章だけでなく、絵でもアキちゃんが伝わるのに……。
※作者の絵心と文章力は皆無に等しいのです。(笑)
アキside
あれから久保くんを交えて、様々な場所へを回り続けた。
また何度かナンパされそうになったんだけど、その度に久保くんが助けてくれた。
おかげで助かったと、なんとお礼をしたらいいのか……。
こんな役を引き受けてもらったことがありがたい反面、申し訳ない気持ちになる。
「もうこんな時間ね。あと少ししたら花火が始まるから、早く戻りましょ」
「ん、そうだね」
木下さんに繋いで手を引っ張られるように急かされて、雄二と待ち合わせている場所に戻る。
それにしても、本当に浴衣って慣れないな……。
てっきり、着たら慣れると思ってたけど大間違いだったよ。
浴衣なので移動が困難なために、間に合うか心配だった。
★
雄二たちと合流した時、花火の1発目が空へと打ちあがった。
よかった、なんとか間に合った……。
内心ホッとして、空を見上げた。
大きな音を立てて、夜空に咲く大きな花。
暗闇の夜空を華やかに染めて、誰もが見惚れてしまうほどの美しさだった。
「すっごいねー! 綺麗だね吉井クン!」
横で工藤さんがはしゃいでいた。
反応からして、あまり見たことがないのか、もしくは生まれて初めて見たのかもしれない。
「うん、綺麗だね」
僕も頷き、同調する。
「でも、やっぱり一番綺麗なのは吉井クンかな~」
「ははっ、冗談はやめてよ~」
まったく、ここでも工藤さんは相変わらずだ……。
「いや、愛子の言う通りね」
「私もそう思います!」
「ウチも同感だわ」
「異議なしじゃな」
「……まったくだ、花火と一緒で映える」
「あはは……冗談だよね……?」
最近みんなの冗談が本気に聞こえるのは気のせいかな?
(こいつら、花より団子ならぬ花火より明久だな……)
僕たちのやりとりを見て、やれやれといった表情で呆れている雄二。
その後も連続で打ち上げられていく花火。
夜なのに空は明るく輝いている。
いつ見ても綺麗だ。
そんな中、チラっと横を見ると久保くんが僕を見つめていた。
「久保くん……? どうしたの?」
「あ、いや……何でもないよ……」
若干、慌てた様子で僕からの視線を逸らすように空へと向ける。
何があったんだろうと僕は頭に疑問符を浮かべる。
「流石の久保も見惚れるものを間違っているな」
雄二が呆れた表情から一転して、苦笑い。
「……雄二も私に見惚れるべき」
霧島さんは雄二の肩に寄り掛かるようにして、自分の肩を当てた。
「おい、今はそれどころじゃないだろ」
クソッ……このリア充め。
雄二だけ末永く爆発しててほしい。
その後もずっと夜空に上がる花火を見ていた。
★
花火大会終了の花火が上がる。
華やかだった夜空も煙だけが残っている状態で、再び元の夜空に戻る。
花火を見に来た人達も徐々に会場から出ようと、歩き始める。
「綺麗だったね! 吉井クン」
「そうだね」
工藤さんは今もなお、僕の手を握りながらはしゃいでいた。
でも、工藤さんだけに限らず、みんなほとんど僕の方を見てたんだけどね……。
まともに花火を見ることはできたのだろうか?
「さて、花火も終わったことだ。そろそろ帰るか」
どこか満悦な様子で雄二は歩き出した。
「うん……帰ろうか」
会場にいる人の数が少なくなり、落ち着いてきたところなので、僕たちも雄二に続くように帰ることにした。
★
「そういえば、吉井くん。帰り道は1人で大丈夫なの?」
木下さんが心配そうに尋ねてくる。
きっと、今日遭遇してしまったナンパの件を気にしているのだろう。
「大丈夫だよ、次は気を付けるから」
「いや心配よ。いくら気を付けても、どうにもならないことだってあるのよ?」
「本当に大丈夫だって……」
「吉井くんは大丈夫でも、私は大丈夫じゃないのよ」
ギュっと僕の手を握る。
木下さんはどうも心配で、気が気でない様子。
木下さんの性格上、仕方ないかもしれないが、そこまで心配されると1人で帰り辛くなる。
「それなら、僕が一緒に行こうか?」
心配そうな木下さんを見た久保くんが
「え、久保くんが?」
「うん、帰り道は同じだし。それに、僕も気になるしね」
ボディーガードを務めた以上、久保くんも気になるようだ。
「そうね……久保くんになら任せてもよさそうね。それじゃ久保くん、吉井くんを頼んだわよ」
久保くんの提案に納得した木下さんは真剣なまなざしで久保くんを見る。
「……善処するよ。それじゃ吉井くん、帰ろうか」
「うん」
こうして雄二たちと別れて久保くんと2人で帰ることになった。
★
帰り道、僕と久保くんは2人で歩きながら談笑していた。
「花火大会、楽しかったね」
「うん、すごく楽しかったよ。でも、ナンパされちゃたんだけどね……あの時は怖かったよ……」
はぁ……と嫌なことを思い出してため息をつく。
「それは僕も本当に驚いたよ……でも、吉井くんが無事で何よりだったよ。」
「うん、助けてくれてありがとう。それと、ごめん……いきなりあんなこと任せちゃって……」
ボディーガードを急遽任せてしまい時間を取らせてしまったことが申し訳なかったので、この場で謝った。
「別に謝ることもないし、大したことではないよ。いつでも助けてあげるから……ね」
「えへへ、ありがとう///」
僕は少し照れた表情で久保くんに助けてもらったお礼を言う。
「うわぁ……あそこにめっちゃ可愛い子いるじゃん、綺麗だわ」
「すげぇ、あんな絵に描いた美人初めて見た……横にいるの彼氏か? 羨ましすぎる」
横から、恐らく僕と久保くんを見ているのであろう、男2人がこちらに聞こえるくらいの音量で話していた。
「うぅ……恥ずかしい……」
傍から見たら彼氏彼女が並んで歩いていると思われいるのかな……?
そう考えると顔が熱くなり、それに追い打ちをかけるかのような真夏の少し暑い夜の気温で熱が出そうだった。
「ご、ごめん、吉井くん……僕が横にいるとまずいよね……」
久保くんも若干、困った顔をしていた。
「ううん、気にしないで! 僕は気にしてない……よ?」
と口では言いつつも、焦っている口調になってしまっては説得力がない。
恥ずかしくて、ちょっとモヤモヤした気持ちで、僕の顔は赤面状態だったかもしれない。
そんな調子で気まずくなって、久保くんとの口数が少なくなってきた時、僕の住むマンションに着いていた。
「今日はありがとう久保くん。わざわざ送り届けてくれて」
「別にいいさ、どうせ帰り道は同じなんだから、ついでみたいなものだよ」
「それでもありがとう、楽しかったよ」
「僕も楽しかったよ……じゃあ、またね吉井くん」
「うん、またね久保くん」
そう言って、久保くんは背を向けて帰って行った。
……なんだか寂しいな。
帰って行く久保くんの姿を見て、切ない気持ちになる。
なぜ寂しいと感じてしまうのだろうか。
今まで体験したことのない感情に、僕はずっと分からないまま、8月の初日を終えた。
できた~。
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これはアンケートとかではなく、みなさんの意見を聞くだけです。
もし興味があったら見てくださいね~。