明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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(´・ω・`)  作「本当にこれでいいかな?」

( ´ºωº`)   友「いいんじゃない(棒)」

(´・ω・`)  作「本当に?」

( ´ºωº` )  友「うん、本当にこんな感じでいいと思うよ」

(´・ω・`)  作(…………)

以下、上記のループ。

まぁ、これがいつもの小説執筆です。
友人に見てもらっているのですが
いつも「いいんじゃない」がお決まりのセリフです。

適当に言っているんじゃないかと心配な作者。


24話 花火大会にて3

sideアキ

 

 

会場は大勢の人で賑わっていた。

 

移動するのだけでも大変になりそうだな、これは。

 

「それじゃあ、まずどこに行く~?」

 

工藤さんは周りを見渡して、迷った表情を見せた。

 

「う~ん……お腹空いちゃたから、何か食べない?」

 

昼から何も食べていないので結構、お腹が空いていた。

 

「そうだね~……じゃあ、そこのたこ焼きでも食べない?」

 

「うん、じゃあ僕が買って来るよ」

 

僕は財布が入った巾着を手にし、出店に並ぶ。

 

「いらしゃい、お嬢ちゃん」

 

出店の中から白い半袖シャツと短パンに、タオルをバンダナにした、

30代後半から40代前半くらいのおじさんが出てきた。

 

見た目からして、たこ焼きの出店を長年やっているベテラン感のオーラが出ていた。

 

「えっと……1箱ください」

 

1箱でも結構な量が詰まっているようなので、それにした。

 

僕はお値段丁度のお金をおじさんに渡す。

 

「はいよ」

 

そう言って手慣れた手つきで焼きたてのたこ焼きを箱に詰めていく。

 

「はいどうぞ、お嬢ちゃん! もう1箱おまけしておいたよ」

 

「えぇ!? あの……いいんですか?」

 

「いいんだよいいんだよ、貰ってくれ」

 

おじさんは笑顔で僕にたこ焼きを2箱くれた。

 

「まったくアンタは可愛い子には優しいんだから……」

 

いい人だな……と思ってたこ焼きの箱を受け取った後、隣から呆れたような声がした。

 

隣にはおじさんと同世代くらいのおばさんが立っていた。

 

恐らくおじさんとおばさんの2人でこの出店をやっている……というかもしかして、夫婦だったりして?

 

「いいじゃないの別に、たまには格好つけさせてくれよ~」

 

「まったくアンタって人は……ごめんねお嬢ちゃん。昔からこの人はこんな感じなのよ……」

 

おばさんは苦笑しながら謝ってきた。

 

「いえいえ、とんでもないです、おまけまで貰えましたし……」

 

おまけを貰ったんだから別に謝ることはないと思う。

むしろ感謝するべきだ。

 

僕は「ありがとうございます」とおまけのお礼を言いながら深々と頭を下げた。

 

「フフッ、育ちのいい子なのね~」

 

頭を下げる僕を見て思わず微笑むおばさん。

 

「そりゃそうだろ~、特に浴衣越しからでも分かるむn――」

 

「あなたぁ? 今なんて言おうとしたのかしらねぇ~?」

 

「ハハーナンデモナイデスヨー」

 

何かを言おうとしたおじさんに、おばさんが殺気のようなまなざしをおじさんに送る。

 

おじさんはいったいなにが言いたかったんだろう?

 

「そう、なんでもないのね……とにかくありがとね、お嬢ちゃん」

 

「こちらこそ、ありがとうございました」

 

またお礼を言って、みんなの元へと戻る。

 

「お帰り~吉井クン」

 

工藤さんはベンチで座って、待っていた。

 

横には木下さんや霧島さん、姫路さんと美波まで、それぞれ違う食べ物を手に持っていた。

 

「ただいま、じゃあみんなで食べようか」

 

僕はたこ焼きの入った箱を開けてみんなに楊枝を配る。

 

「じゃあ、食べましょうか」

 

「うん」

 

楊枝にたこ焼きを刺して持ち上げて、口に頬張る。

 

「(パクッ)……美味しい」

 

お腹が空いていたので、より一層美味しく感じて思わずニコっとなってしまう。

 

「やっぱり可愛いよ///」

 

「浴衣姿だからさらに可愛い///」

 

2人はどうしたんだろう?

 

僕の横にいる工藤さんと木下さんの様子がどうもおかしい。

 

「アキちゃん、アキちゃん」

 

姫路さんに肩をトントンと叩かれたので振り向いてみる。

 

「アキちゃん、これ美味しいので食べてください」

 

姫路さんがお好み焼きを差し出している。

 

コレって、あーんだよね?

 

「あ、あーん(パクッ)……美味しい」

 

生地に入っている野菜とソースが効いてて、美味しい。

 

「可愛いです///」

 

姫路さんまで……どうしたんだろう?

 

「アキ、コレも食べて」

 

美波もかき氷を差し出してきた。

 

コレも、あーんだよね。

 

「あーん(パクッ)……冷たい! けど美味しい」

 

ふわふわの氷にイチゴ味のシロップ……冷たくて涼しくなる。

 

「……可愛い///」

 

美波まで……。

 

「……吉井、これ食べて」

 

霧島さんはわたあめを差し出してきた。

 

「あーん(パクッ)……んんッ、甘い」

 

わたあめの気持ちい舌触りと甘い味に思わずほっぺたを押さえた。

 

「……可愛い///」

 

霧島さんまでも……みんなここに来てからおかしくない? 気のせい?

 

しばらくの間、食べさせ合いっこ状態になり、それぞれの食べ物をすべて食べ終わった時のことだった。

 

「ねぇねぇ、君、暇?」

 

「ほぇ……?」

 

顔を上げると、そこには金髪に黒のタンクトップに、ハーフパンツを着た高身長のお兄さんがいた。

 

後ろには取り巻きと思われる男が2人いた。

 

「うわっ、チョー可愛いじゃん! これは大物だな」

 

「へへ、だから言ったろ? やっぱ目の付け所あるんだよなー俺」

 

さっきから何を言ってるんだ、この人たちは……?

 

「ねぇ、よかったら、オレらと一緒に遊ばない?」

 

あ~……これはいわゆる……ナンパだ。

どうしよう……こんなことされたの初めてだから、どう対応すればいいかさっぱりだ。

 

今ここには男子がいない。

 

久保くんと雄二は花火を見るための場所を探しているのでいないし、

ムッツリーニはさっき、綺麗な浴衣姿の女性でも見つけて撮影しに行ったのか知らないが、いつの間にか不在だ。

 

どうすればいいんだ……。

 

「どうしよう……木下さん」

 

「断りなさい。あんな人たちについて行くなんてアタシが許さないわ」

 

「そうだよ吉井クン。変な人には絶対について行っちゃダメだよ」

 

木下さんと工藤さんの2人に強い口調で言われた。

 

「そうだよね……」

 

まぁ2人に言われなくとも、このナンパ男たちにはついて行く気など更々なかった。

 

なので、一刻も早く去って欲しい。

 

「ごめんなさい。他の人と来ているので……」

 

丁重にお断りしておこう。

 

「いやいや、いーじゃん、そんな奴らほっといて俺らと遊ぼうよ」

 

「折角の花火大会なんだから俺らと楽しもうぜ」

 

「そうそう、そんな退屈な連中より俺らの方が楽しいよ」

 

し、しつこい…………。

 

断ってもまだ絡んでくる。

 

しつこい男は嫌われる理由が分かった気がする。

 

「あー……こうなったらもう連れてっちまおうぜ」

 

「そうだな、その方が手っ取り早い」

 

え? 今この人たち連れて行くって……。

 

男は僕の腕を掴む。

 

「ひゃっ……!?」

 

あまりの出来事に僕は抵抗することができなかった。

 

抵抗したとしても、僕の手を掴む男の力が強すぎて、振りほどくことができない。

 

ちょっと、やめて痛いよ! 誰か助けて!!

 

「や、やめて……誰か助けて……!!」

 

「よ、吉井くん!? もう……こうなったら……」

 

横で見ていた木下さんが何かひらめいたようだ。

 

というか、そんなことより見てないで助けてよ……。

 

「キャー、この人痴漢です!!」

 

いきなり木下さんは悲鳴を上げて、ナンパ男たち3人に指さす。

 

「え?」

 

「はぁ? お前いきなり何言っt『絶対に許さん!!』……グホッ!?」

 

木下さんの突然の行動に僕とナンパ男たちが首を傾げていると、

いつの間にか久保くんが駆けつけてきて、いつの間にか久保くんが僕の腕を掴んでいる男の顔面に正拳突きを入れていた。

 

「お、おい!? お前! 菅原に何やってんd(ドゴッ)ぶっ」

 

もう1人の男が久保くんに掴みかかろうとしたが、久保くんは掴まれる前にその男の顎を蹴り上げる。

 

「おい待て! 俺たちはまだ何もやってn『問答無用!!』ギャー!」

 

もう1人いた男がひるんでいる所を久保くんは容赦なく突きや蹴りを入れる。

 

久保くんってあんなに強かったんだ……。

 

普段とは違う久保くんを見て僕たちは呆気に取られていた。

 

「吉井くん、大丈夫かい!?」

 

ナンパ男3人を片付けた久保くんが、僕の肩を掴んで焦った表情で僕の顔を覗き込む。

 

「え? あ、だ、大丈夫だよ……」

 

大丈夫ですよ? そもそも痴漢なんてされてませんよ?

 

あのまま行けば、されそうにはなったかもしれないが……。

 

「ゴメンね久保くん。今の痴漢の話は助けを呼ぶための嘘よ」

 

木下さんがフフッと笑いながら久保くんに事実を伝える。

 

「そ、そうなんだ……よかった……」

 

久保くんは安心したように胸をなで下ろす。

心配してくれていたのは嬉しいけど、そこまで心配することなのかな?

 

「それにしても……なんでナンパされたがアキだけなのよ……」

 

美波が不服そうな表情をしている。

逆になんでそっちはナンパされなかったか知りたいんだけど。

 

「そこは察したら分かりますよ、美波ちゃん」

 

姫路さんはうんうんと頷いている。

 

「でも、またこうなったら怖いわね……久保くん、一緒について来てくれる?」

 

木下さんが久保くんに同行するように頼んだ。

 

「うん、まぁ……別に構わないけれど」

 

「それなら話が早いわ。何かあったら、よろしく頼むわ」

 

こうして久保くんも交えて行動することになった。

先程のこともあり、ボディーガード的な存在がいると安心できる。

 

……にしても助けてくれた時の久保くん、ちょっとかっこよかったな。




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