明久「僕が女の子に!?」   作:白アリ1号

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お待たせしました!!
投稿遅れて申し訳ない……。(´・ω・`)ゴメンよ

いやー、テスト期間でなかなか投稿できませんでした。(笑)
約2週間分の遅れを取り戻すためこれからはちょっと早めに投稿することを心がけます。

それではどうぞ。


21話 結果発表と忘れられない思い出

sideアキ

 

 

ようやく集計結果が出たようだ。

会場は観客でどよどよしており今か今かと結果発表を待ちわびている。

 

優勝はいったい誰になるんだろうか。

 

僕はもしかすると優勝するかも……と少しだけ淡い期待をしていたかもしれない。

 

「お待たせしました! では、集計結果を発表致します!!」

 

「「「……ごくり」」」

 

アナウンスの一言であれだけ騒がしかった会場が一瞬で静まり返る。

 

「おお!! なんとこれは大差だ!! 大差です!!」

 

「「「!!!」」」

 

大差ってことは圧勝ということだ。

 

これはいったい誰なんだ!?

ちょっと気になるぞ。

 

「第12回ミスコンテスト! 真夏の美人を見つけ出せ! ミスの栄冠に輝いたのは……!!」

 

誰だ、誰なんだ……?

 

「エントリーナンバー5番、吉井アキさんです! おめでとうございます!!」

 

「「「わああああああああああああああああああ!!!」」」

 

僕の名前が出た瞬間、会場は今日一番の大盛り上がり。

 

予想だにしない出来事に思考が追いつかなくなり、少しの間僕の顔はポカーンとなってしまった。

 

「……う、嘘……僕が……優勝!?」

 

「なお投票用紙の感想には

 

『俺と付き合ってくれ! それがダメならお友達からでも!』

 

『私は女性で生まれて初めて女の子が好きになりました! よければ私と付き合ってもらえますか?』

 

『今まで女の子に興味などなかった僕は、今日生まれて初めて興味を持ちました』

 

『いい身体してんねぇ!!』

 

『アキちゃん最高!! 愛してるうぅぅぅぅぅ』

 

などと、数多くのメッセージが寄せられております!

いやぁ~素晴らしいミスコンになりましたね~。

ちなみに、今回優勝に輝いた吉井さんには記念のトロフィーが贈られます!」

 

いまだににポカーンとしている僕は係員からトロフィーを渡される。

 

トロフィーには第12回ミスコンテスト優勝と書かれており、

クロームメッキの色で結構凝った造りになっている。

 

「優勝おめでとうございます吉井さん! 優勝してどう思いますか!?」

 

「え?……あ、その……今でも優勝したことが信じられません。

その……私は女の子らしくないので……」

 

優勝する自信も希望も微塵もなかった。

女の子らしさがない僕が優勝するなんて信じられないことだ。

 

「何をおっしゃいますか! 吉井さんは十分魅力的な女性ですよ!

皆さんもそう思いますよね!?」

 

「そーだ、そーだ」

 

「可愛いぞアキちゃん!」

 

「愛してるぞぉ!アキちゃん!」

 

「はい、最後のお方、この場でのラブコールはお控えください。

そんなことより吉井さん、会場の皆さんはあそこまで言われたらもう謙遜することはないですよ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「そうですよ! では、最後に会場の皆さんに向けてとびっきりの笑顔を!!」

 

司会からの無茶ぶりに動揺する。

 

「「「おおおおお!!」」」

 

観客もやれと言わんばかりの盛り上がりを見せる。

 

いきなり笑顔してくれと言われても…………しょうがない。

 

僕は作った笑顔でもいいやと、ぎこちない笑みを見せた。

 

ニコッ♡

 

「「「……!!(ズキューン)」」」

 

次の瞬間、男性の観客が鼻血を吹き出して倒れていった。

さらに女性の観客は顔を赤らめて、ぷるぷる震えている。

 

「おい! 大変だ! 松本が息していないぞ! 誰かー!!」

 

「こっちもだ! 藤井と山田も息してねぇ! それに鼻血の出血量が尋常じゃない!」

 

「衛生兵はどこだ!? 衛生兵!!」

 

な、何が起きたんだ……?

 

目の前に広がる阿鼻叫喚と化した会場を、呆然と見つめていた。

 

「お、落ち着きください会場の皆さん! 落ち着きください!!

……と、とにかくこれにて、第12回ミスコンテスト! 真夏の美人見つけ出せ!を

強制終了とさせていただきます!」

 

その後、真夏の海のミスコン会場に救急車が約数十台ほど来る騒動にまで発展した。

 

なぜここまでの騒動に発展したかは謎だった。

 

最初から最後まで、どうしてこうなった……。

 

 

 

夕日が沈み、ここら一帯が夜の海へと姿を変えようとしていた。

 

「お前いったい何やったんだ? 会場がやばいことになってるようだが……」

 

雄二が会場での騒動を見つめている。

 

「知らないよ、こっちが知りたいことだよ!」

 

会場を後にして、みんながいる所へ戻ってきた僕は予選終了後同様、結果報告に。

 

「優勝おめでとうございます! アキちゃん!」

 

「はは……ありがとう姫路さん」

 

僕が優勝したことがそんなにも嬉しいのか……。

まぁ友人の優勝を自分のことのように喜べるのはいいことだけれど。

 

「優勝おめでとう吉井くん」

 

「さっすがだね~。ボクたちの予想通り!」

 

「おめでとう、吉井くん。いい思い出ができたね」

 

「……おめでとう」

 

木下さんに工藤さんに久保くんに霧島さんまで、そんなに僕が優勝したことが嬉しいのだろうか。

 

「ありがとう……」

 

照れつつも、お祝いの言葉はありがたくいただいておく。

 

「やるじゃない、アンタならやれると思ったわ」

 

背中をバシバシと美波に叩かれる。

 

「お姉さまが見込んだだけのことはありますね」

 

清水さんまでも、珍しく素直に褒めてくれた。

 

「……おかげで写真が撮れた」

 

ムッツリーニも大収穫で何より……。

 

「って、それはもしかして……僕を撮ったの?」

 

「…………」

 

これは……売られるな。

 

黙り込んだムッツリーニを見た僕は心の中で確信する。

 

「え!? 買います買います! いくらですか!?」

 

「ウチも買うわ! いくらなの!?」

 

はい、さっそく買おうとしている人がいますよ……。

 

「……販売はまだだ」

 

「そうなのね……でも予約はできるのかしら?」

 

木下さんがムッツリーニに詰め寄る。

 

「……今からなら可能」

 

「じゃあ、予約させていただくわ。この写真の――――をもらいたいんだけど……」

 

「……まいど」

 

ムッツリ商会では予約制度まで出たのか……。

時代とともに進んでるな~。

 

「にしても優勝したってことは、今年の夏早々、すげぇことになったな……」

 

「うん。でもね、雄二……優勝できたのはいいんだけどね……」

 

「ん? どうした明久? 死んだ魚の目をしやがって」

 

実は優勝してからというものの、

 

「優勝してから……いやそれ以前から気付いたんだけど……僕はとっても大事なものを失った気がするんだ……」

 

「いや、今更かよ……」

 

「これじゃもう……お婿に行けないじゃないか……」

 

「今のお前は婿より嫁の方だと思うのだが……?」

 

「どっちでもいいよ! うわあぁぁん! もうお嫁にもお婿にも行けない!」

 

「お、おい!? ガチで泣くことないだろ!?」

 

「うぅ……ひぐっ……だってぇ……お婿にもお嫁にもいけないんだよ……」

 

「そんなことはないと思うが?」

 

あんな恥ずかしい姿を見られた僕をもらってくれる人なんている訳ない!

 

「うわあああああぁぁぁん! 今日は踏んだり蹴ったりだよ!」

 

今までのことを振り返ると、死にたくても死にきれないほど恥ずかしい。

 

それを思い出して、僕は一層大泣き。

 

「泣いてる姿のアキちゃん可愛いです///」

 

「それは反則だよ吉井クン///」

 

「……破壊力抜群///」

 

「もうどんな表情でも可愛い///」

 

「私はお姉さま一筋と決めたはずなのに///」

 

「姉上しっかりするのじゃ!! あ、それと利光も目を覚ますのじゃ!!」

 

「あ~……この始末はどうするんだ?」

 

「……俺に聞くな……そんなことより、アキちゃんの泣き顔を撮るのが先」

 

僕の泣き顔を容赦なくカメラに収め続けるムッツリーニ。

 

「はぁ……もうどうにでもなりやがれ……」

 

カオスな状況と化した光景を見ながら雄二は呆れるように頭を抱えていた。

 

「うわあああぁぁぁん! やっぱりこんな身体嫌だよぉぉぉ!」

 

真夏の夜空の下で僕の泣き声が響いた。

 

今日の出来事はいろんな意味で一生忘れたくても、忘れられない夏になってしまった。




できた~……。
急いで書いたので、いつも通りのグダグダな文章です。

批判や感想お待ちしております。

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