sideアキ
52名のミスコンテスト参加者の審査が終わり、いよいよ結果発表だ。
これで決勝に進めるか予選敗退かが決まる。
まぁどうせ僕は予選敗退だけどね。
「さて、予選も無事終了し、栄えある本選出場者を発表いたします!」
誰が本選出場するんだろうか。
これはちょっとだけ興味がある。
「本選に進むのはこちらの5名です!!」
司会者のアナウンスと同時に
会場の後ろに設置されてある電光掲示板に本選出場者の名前が表示される。
川島歩
小泉友香
宮野小咲
谷山凜
吉井アキ
………………………………ファッ!?
えええぇぇぇ~~~~~~~~~!!
僕が生き残った!?
いやいやそんな訳ないでしょ……?
でも、いくら確認しても僕の名前だ……。
「本選に見事選ばれた5名の方、おめでとうございます!!
この5名の方は本選に進むことができます。
本選では違う水着での参加することが可能です。
是非素晴らしい水着姿での出場を期待しています! それでは準備のため一時休憩にしたいと思います。皆様しばしご歓談を」
納得のいかない結果で、予選は終了となった。
★
予選終了後、結果報告をしようと僕はみんなの所へ向かった。
「やるな明久。見事本選に勝ち進んだな」
雄二が腹を抱えながら笑っている。
この野郎……人の不幸を嘲笑うのは得意なんだから……。
「……うん、勝ち進む気はなかったけどね」
「おめでとうございます! アキちゃん」
「めでたくないよ姫路さん……」
決勝に進むということは、また恥ずかしい思いをする羽目になる……。
できるなら棄権して、誰かに権限を譲っておきたいところだ……。
「ここまでは予想通りね、後は本選で優勝できるかどうかね……」
「ボクは優勝間違い無しだと思うよ~」
「そうね、吉井君なら優勝確定ね」
「そんな訳ないじゃん……そろそろ冗談はやめてよ……」
工藤さんと木下さんの冗談もだんだん笑えるレベルではなくなってきた。
どうせ勝ち進めたのは何かしらの不運があったからだしね。
優勝までは無理だろう。
「あはは、吉井クンは気づいていないな~」
「そうね……身の程をわきまえていないくらいがちょうどいいのよ」
「? どうしたの?」
「ん~? 何でもないよ~」
「別に何もないわ、気にしないで」
「?」
工藤さんと木下さんの2人の様子がずっとおかしいと思ているのは僕だけだろうか?
「そんなことより、決勝では違う水着で出場できるんでしょ?」
「え? うん、そうだけど?」
「それなら姫路さん、吉井くんに新しい水着を渡してあげて」
「はい! 分かりました!」
……え?
「ちょと待って木下さん、なんでなんで違う水着を着せようとするの?」
「なんでって、せかっく違う水着で出場可能なら、違う水着にした方が優勝する確率が
上がるかもしれないでしょ?」
「いやだから、別に僕は優勝する気はないけど……」
「私たちは優勝して欲しいのよ」
「……はい」
押しの強い木下さんに何一つ言えず、結局違う水着で出場することに……。
「分かったよ……じゃあ違う水着で出ることにするよ……」
「それでいいのよ」
今日はずっと木下さんの言いなりになっている気がすんだけど……。
「じゃあ、ありがたく使わせてもらうよ姫路さん……」
「はいどうぞ! どんな水着かは本選が始まってからのお楽しみです♪」
姫路さんは僕に水着が入った紙袋を渡す。
どんな水着かはまだ分からないけど、紙袋からは異様な雰囲気を出しており、なぜか嫌な予感がする。
「それじゃ、予選がもうすぐで始まるから……僕はもう行くよ」
「いってらしゃい、アキちゃん! 頑張ってくださいね!」
「うん、それじゃ」
そう言って僕は決勝に向けて再びミスコン会へ向かう。
できた。(´▽`)ふぅ~
急遽、活動報告でアンケートを取ります。
内容が気になる方は活動報告へGO!(/・ω・) レッツゴー♪