デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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嘘予告とか言っておいて全部書いてましたね。ごめんなさい。
エルトリアを救うのはもうちょっと先ですかね。



新しい名前つけましたけど、はがないなぁ……って感じです。





更に家族が増えちゃいました!

更に家族が増えちゃいました!

 

Side空

 

「妹……ですか?」

 

突然な俺の妹発言に、ユーリは可愛らしく首を傾げながら聞いてきた。

 

「うん、妹」

 

「えっと……何がどうなったらそうなるんですか?」

 

「ユーリは見た感じ、俺よりも年下そうだからさ、家族になるなら妹って感じがしたんだ」

 

「ディアーチェ達はどうなのですか?」

 

「三人の場合は、なのは達にそっくりでしょ? だから妹ってよりかは友達の方がしっくりくるんだ。もちろん、これから一緒に住むから家族であることに違いないんだけどね」

 

レヴィも精神年齢的には妹と言えないこともない。けど、フェイトそっくりの見た目がやはりと言ってもいいくらいに彼女を妹扱いできなくさせるのだ。

 

「なるほど……」

 

「あとは、周りにお姉ちゃんが多くて妹か弟が欲しかったんだよねー」

 

理由の半分くらいはこれが占めている。

基本的には、俺が(九割方無理矢理)甘えさせられている。だから甘えてくれる存在を心のどこかで欲していたのかもしれない。

 

「あ、別にお兄ちゃんって呼ばなくてもいいからね。仲の良い兄妹みたいになれたらいいなー、ってぐらいだから」

 

「フフフ、わかりました。これからよろしくお願いします、空」

 

「応ともさ! もちろん王様達もね」

 

「よろしくー!」

 

「お世話になります」

 

「…………」

 

「あら? 王様、どうかした?」

 

他の二人と違い、王様だけは不機嫌そうな顔だった。

 

「貴様……我の名前を聞いておいて、ずっと我のことを“王様”呼びではないか! なぜ、名前で呼ばぬ!?」

 

「ディアーチェよりも王様の方が呼びやすくて、つい。ディアーチェがいいならそう呼ぶよ」

 

「うむ! 名前で呼ぶがよい!」

 

「はーい、ディアーチェ。……あ」

 

今王様とのやり取りでとあることを思い出した。

 

「レヴィって新しい名前、忘れてたらしいけど思い出したの?」

 

「えーっとね…………忘れちゃった!」

 

「そ、そうなんだ……」

 

レヴィのさっぱりした性格に思わず苦笑いになる。

 

「シュテルは?」

 

一方、シュテルの方はレヴィが言わなかったので、自分も言わなかったのだ。

 

「実は……考えてませんでした」

 

これは意外だ。シュテルならすぐにでも考えてきそうなイメージがあっただけに、かなり驚きがある。

頭が良くても、自分の名前を考えることは別の難しさがあるようだ。

 

「なので、あなたが付けてくれませんか?」

 

「俺が?」

 

「はい、空が、です。この際だからレヴィも付けていただいてはどうですか?」

 

「それいいね! 空、カッコイイ名前よろしくね!」

 

シュテルの提案に頷いたレヴィが期待した眼差しを向けてきた。

 

「……わかった。あんまり期待はしないでね。えーっと、シュテルは星光だから……星奈(せな)。で、レヴィは雷刃だから……美雷(みらい)。それぞれのイメージに合ったもの入れてみたんだけど、どうかな?」

 

「星奈……気に入りました」

 

「美雷って名前カッコイイね!」

 

二人共お気に召してくれたので何よりだ。

 

「気に入ってもらえてよかったよ。改めてよろしくね、星奈、美雷」

 

「…………」

 

新しい名前に嬉しそうにしている二人を羨ましそうにチラチラと視線を向けている王様が目に映った。

 

「ディアーチェ、どうかした?」

 

「べ、別に二人が新しい名前を貰えて羨ましいなどと微塵たりとも考えてはおらんからな!」

 

「ディアーチェも新しい名前を付けて欲しいそうです」

 

「シュテル、勝手なことを抜かすな! た、ただ我だけ自分で考えた名前だと空気が読めぬ奴みたいではないか。だ、だから、その……だな、特別に貴様に我の名前を付けるチャンスを与えてやろう! 感謝するがいい!」

 

折角考えてきた名前を変えてもいいのだろうか。一応、本人からの了承というか命令はされたからいいみたいだが。

 

「うーん、ディアーチェは……夜空(よぞら)でどう?」

 

「我の名は、夜空……か。いい……ま、まあまあだな」

 

気にったのかは定かではないが、嫌そうなそぶりはないので大丈夫そうだ。

 

「あ、ついでにユーリも付けてみる? それとも、元からちゃんとした名前があるから、やっぱりいらない?」

 

ユーリ・エーベルヴァイン。この名前は誰かが名付けた名前だろう。

 

「エーベルヴァインはともかく、ユーリの名前はそのままがいいです」

 

本人が必要ないと希望するなら変えることは出来ない。

 

「りょーかい。なら、龍神ユーリ・エーベルヴァイン……いや、ユーリ・E(エーベルヴァイン)・タツガミかな?」

 

「ユーリがそうなるんだったら私もアリシア・T(テスタロッサ)・タツガミがいい!」

 

聞き耳を立てていたらしいアリシアが俺に抱き着きながら言ってきた。あとからなのは達はどこか不機嫌そうな顔つきでぞろぞろと集まって来た。

 

「アリシアの場合は俺と結婚したらじゃない?」

 

結婚などしなくとも、一緒に住む家族なのだからアリシアも龍神って名乗ってもいいのかもしれない。

 

「じゃあ、結婚して!」

 

「結婚出来る歳じゃないから無理」

 

「結婚出来る歳になったら結婚してくれるの!?」

 

「えっ、嫌だけど」

 

「ガーン! 振られたー! 空は私のこと嫌いなの!?」

 

「ううん、大好き」

 

「…………え!? あ、アハハ、そっかそっかー。(ず、ズルい! ()()()()()()じゃないって分かってるけど、面と向かって“大好き”って言われたら照れるに決まってるじゃん!)」

 

顔どころか耳まで真っ赤になったアリシアが()()を誤魔化すように頭を掻きながら離れていった。

 

「空は、その……色々とすごいですね」

 

「?」

 

ユーリの呆れ混じりのセリフに首を傾げることしかできなかった。

 

 

 

 

 

ご飯を片付け終えて、アミタさんとキリエさんのいる席に向かった。

 

「エルトリアに行きましょう。今すぐ行きましょう。思い立ったが吉日、その日以降全て凶日です。今行かないとエルトリアの再興はきっと無理ですね」

 

「縁起でもないこと言わないでくれないかしら!?」

 

「冗談に決まってるじゃないですか!」

 

「冗談にしたって(たち)が悪過ぎますよ! しかもなんか逆ギレしてません!?」

 

「アミタさん、五月蝿いです」

 

「私が悪いのですか!?」

 

「そうよ、相変わらず真面目ちゃんなんだから。ほら、謝ってあげなきゃ可哀そうよ」

 

「キリエまで!? ……も、申し訳ございませんでした」

 

『全部冗談に決まってるじゃない(ですか)』

 

「はあ!?」

 

驚くアミタさんを余所に俺達はハイタッチをする。

 

「あなた達、いつの間にそんなに仲良くなったんですか!?」

 

「前前前世で俺の恋人の友人の妹でした」

 

「それって全くの赤の他人ですよね!?」 

 

「そうとも言いますね」

 

「それに私この時代よりも何百年後の存在よ。しかも人間じゃないから前世なんてないわ」

 

お、そうだった。

 

二人があまりに人間らしい表情や仕草をするから、人間じゃないいうことをすっかり失念していた。

しかも俺も人間じゃない。

おふざけはそこまでにして真面目に話題に入る。

 

「それで、エルトリアにはいつ行きますか? 俺の方は準備はすぐに終わると思います」

 

「今すぐにでも行くことはできます。ただ……」

 

アミタさんが言うのを躊躇い、キリエさんが続いた。

 

「時間の移動はあと一度だけ。この意味はわかるわよね?」

 

キリエさんが言いたいことは、時間転移をもう一度行えば、俺はこの時代に二度と戻ることはできないということだ。

 

「その辺は問題ないですよ」

 

二人の心配とは裏腹に、俺は戻れるという確信を持っていた。

 

「どうしてそう言い切れるのかしら?」

 

「未来から来た人達が俺のこと知ってということは、俺はこの世界に何かしらの方法で戻っているということです」

 

少しばかりドヤ顔で二人に理由を話した。戻る方法は家に帰って二亜を連れて行くだけで十分だ。

 

「……なるほどね。それなら確かに問題はないわ。アミタも文句はないでしょ?」

 

「はい。それに私達の時間移動に巻き込まれた人達も元居た時代に戻さなければなりません」

 

「未来から来た人達には俺から伝えておきますね。伝え終わり次第、報告に来るのでそれまでゆっくりして下さい」

 

二人の下を離れ、今度はヴィヴィオ達のいる席に近づく。ヴィヴィオの隣に腰を下ろすと、先程の話を始めた。

香澄お姉ちゃん達は聞くところによると、未来からではなく、同じ時代の異世界から来ただけらしい。ヴィヴィオ達に比べて簡単に解決できる問題なのでそこまで心配はしてない。

 

「ヴィヴィオ、アインハルト、トーマ、リリィ、未来にすぐ帰ることが出来るみたいだよ」

 

「ホントに!? あ、でもすぐじゃなくもいいや」

 

ヴィヴィオは喜んだと思ったら、今すぐじゃなくてもいいと言い出した。

 

「なんで?」

 

「もうちょっとだけ小さい頃のパパを知っておきたいんだ」

 

ヴィヴィオの話し方からすると、俺は昔のことをあまり話していないのかもしれない。

未来に戻るころには忘れているだろうけど、言わぬが花というやつだ。

 

「他はどう?」

 

「私もヴィヴィオさんに賛成です。空さんだけでなくヴァーリさんや他の方とも戦ってみたいので」

 

アインハルトは戦闘狂確定。その気持ちがわからないでもないけど。

 

「俺もこの時代の空さんと戦ってみたいです! ぜひ手合わせお願いします!」

 

トーマも元気よく挙手しながら、戦いたいと言い出してきた。

 

「トーマ、小さくても空さんなんだよ? 勝てるとは到底思えないんだけど……」

 

「そんなのやってみなくちゃわからないだろ! それに学べることがあるかもしれないから、無駄にはならないはずさ」

 

おお、カッコイイ。

 

トーマもヴィヴィオと同じでこの時代で何かを学べたとしても、忘れてしまうだろう。でも、俺もトーマと戦ってみたいという思いはある。たとえ記憶に残らないことがわかっていたとしてもだ。

 

「わかった。未来に戻るのはもう少し先延ばしにしよっか。それじゃあ、トーマ、試合を―――――」

 

「ちょーっと待ったーーーッ!」

 

「ぐえッ!」

 

トーマを試合に誘おうとしたら、美雷がものすごい勢いで激突してきた。あまりに強い激突だったので、椅子から転げ落ちた。

 

「み、美雷?」

 

「僕だって空と戦いたいよ!」

 

美雷に続いてシュテルやディアーチェ、ユーリがやって来た。

 

「私もです」

 

「我もだ! 負けたままでは王としての示しがつかぬ!」

 

「三人共リベンジに燃えてますね」

 

「どうしてこうなったんだか……」

 

三人のリベンジに燃える様子に思わず溜息が出る。

面倒なことになったと頭を抱えている間に、誰が一番最初に戦うのか、トーマも含めていがみ合っていた。

 

『ドラゴンは力を惹き付ける。前から言ってただろう?』

 

ドライグから改めて言われて、ドラゴンの凄さを思い知らされる。

 

「俺にリベンジする前になのは、フェイト、はやてと戦ってみたら? 君等のそれぞれの元となった人がどれくらい強いか知ってみるのもいいと思うよ」

 

『!』

 

トーマ以外の三人の動きが止まった。

 

「ナノハと……いいでしょう。彼女を倒してからあなたに挑みます」

 

勝つ気満々の意志がシュテルの瞳から伝わる。

 

「僕もー! ヘイトと戦う!」

 

……ヘイト? あー、フェイトのこと。上手く発音できないのかね?

 

「フン。子鴉なんぞ我の敵ではない。が、ここで実力差を教えておくのも、また一興というものだな」

 

返り討ちにあって拗ねたりしないといいけど。

 

「シュテルちゃん! 私はそう簡単には負けないよ!」

 

シュテルの視線に気が付いたなのはの方も、その瞳に強い闘志を秘めていた。

 

「私の名前はフェ・イ・ト! これから一緒に住むんだからちゃんと言えるようにしてね」

 

フェイトは自分の名前を強調して言った。家族になるのだから、名前をきちんと呼んで欲しいのは当たり前だろう。

 

「あとで泣いても知らんでー、王様」

 

はやてはいたずらっ子のような顔つきでディアーチェと視線をぶつけ合っていた。

 

「ヴァーリはアインハルトと戦う?」

 

「そうさせてもらう。覇王流をぜひ見てみたい」

 

「まだまだ未熟ですがよろしくお願いします、ヴァーリさん」

 

ヴァーリとアインハルトは互いに戦う気満々のようだ。

 

「トーマとリリィは俺で―――――」

 

「私が相手になろう、アヴェニール」

 

俺が再度誘おうとしたら、シグナムさんに遮られた。

 

「ウゲッ! シグナムさんはちょっと……」

 

「なに、遠慮はいらん。全力で戦おうじゃないか」

 

心底嫌そうな顔をしたトーマは、その誘いを断ろうとしたが逃げられなかった。

 

「空さ~ん!」

 

情けない声で年下の俺に助けを求めてきたトーマ。

 

「シグナ―――――」

 

「譲らんぞ。今の私は歯応えのない偽物相手ばかりで不完全燃焼だからな。それとも空が私の相手になるか?」

 

「ごめんね、トーマ。俺にはシグナムさんを止められないや」

 

「そ、そんな~ッ!」

 

申し訳なさを少し入れて謝ると、トーマは絶望していた。未来でトーマとシグナムさんの関係が気になるところだ。この様子からして苦手意識を持っていることは間違いない。

ズルズルと引きずられていくトーマと重い足取りで歩くリリィを見送りながら、ヴィヴィオの隣に座った。

俺が座ると同時に、ヴィヴィオのデバイス―――セイクリッド・ハートことクリスが俺の頭に乗っかって来た。

 

「パパ、暇になったの?」

 

「まあね。ヴィヴィオは?」

 

「オリヴィエさんとか明日奈さんとかに誘われたけど断ったんだ」

 

「お互い暇な者同士で何かする?」

 

「うーん、それだったら…………あ!」

 

「何か思いついた?」

 

ヴィヴィオが何かを閃いたようだ。しかし、その内容は俺の斜め上を行く発想だった。

 

 

 

 

 

「私、パパとデートしたい!」

 

 

 

 

 

 

 

 






次回はバトル……のはず。それとヴィヴィオとのデート。




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