デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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THE GEARS OF DESTINY編
GODは神じゃないらしいです!


GODは神じゃないらしいです!

 

Side空

 

夏休みから早二か月と少しが経ち、日付は十月に入り、季節は秋に移り変わっていた。その間、毎日のように変な夢を見ては内容をすぐに忘れる日々が続いた。体に異常はないから然程気にしてないが。

それと、夏休み明けから朱乃が一つ上の学年に転入してきた。俺達のクラスでもその話題で持ちきりで、朱乃がヴァーリと結婚すると言ったときは男子の視線がものすごく殺意に満ちていたのは今でも覚えてる。

 

そう言えば、今日の放課後は愛衣に呼ばれてたっけ。

 

呼ばれたのは俺だけじゃなくて、あかりや雄人を含めた転生者が集まるらしい。

 

「フェイト、アリシア、今日は先に帰ってて。あと十香達に帰るの少し遅くなるかもって伝えておいて」

 

『うん、わかった』

 

「はやてもそうしてくれる?」

 

「ん、了解や」

 

二人は揃って返事をしてなのは達と教室を後にした。

残ったのは俺、愛衣、あかり、雄人だ。

 

「ここだと誰かに聞かれそうだから屋上に行こうぜ」

 

「そうだね」

 

雄人の意見に賛成し、四人で屋上に上がる。

 

「それで今日転生者を集めた理由は?」

 

「これから起きるイベントのことよ」

 

「何? まさか、またなのは達が巻き込まれるの?」

 

「そのまさかだよ」

 

まあ、主人公のいないところに事件は起きないよね……。

 

「次に起こるのは、GODっていうゲームでの話だ」

 

GOD? 

 

「神――――」

 

「じゃないから安心してね」

 

あ、違うんですね。紛らわしいタイトルだなぁ。

 

「正式名称は“THE GEARS OF DESTINY”。空君が前に戦った闇の書の闇――――マテリアルズの事件から三か月後の話で、マテリアルズが関わってくるんだよ」

 

「え、ってことは……あの子たちのまた会えるの!?」

 

あかりの話し方だとそういう風に聞こえる。

勿論、思い出すのはなのは、フェイト、はやてに似た女の子達三人だ。

 

「名前、ちゃんと考えてくれたかなぁ?」

 

『(三人の名前知ってるけど言わない方がいいか……)』

 

「それで……あー、いや、今回はいいや。ネタバレは面白くないから聞かないことにするよ」

 

無印、A'sはあらすじを聞いたが、今回は聞かないことにした。

三人共疑問に思ったようで、不思議そうな顔で俺を見ていた。

 

「んー多分原作知識が中途半端にあると、予想外の時に対処できないかもしれなくなるのは嫌だから」

 

琴里が以前に行っていたが、この世界は色々混ざっているそうだ。そんな世界で原作通りに行くとは思えない。というか、実際にこれまで原作通りに行っていないのも証明されているのだから。

 

「確かにそうだな。じゃあ、今日はここまでにしておくか」

 

流れ的に今ので解散となったようで愛衣と共に帰宅した。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天照が美桜の家に来た。つまり、その時が来たということだ。

 

「準備はいいですか?」

 

「勿論よ。この日をずっと待っていたんだからね」

 

美桜を含めて四人が彼を迎えに行くことになった。

 

「天照様、私達が行くところはあいつが――――“遥”がいる場所の近くなのですか?」

 

メンバーの一人、長い黒髪をポニーテールにした女性―――黒曜(こくよう)朔夜(さくや)が天照に敬語で問いかける。

 

「そのはずです」

 

「容姿は変わっていませんか?」

 

次に話しかけたのは、朔夜と同じくらい長い黒髪の後ろに花飾りをつけている女性―――朝馬(あさま)香澄(かすみ)。朔夜とは従姉妹の関係で容姿は似ている部分が少しある。

 

「体が小さくなっていますが、見ればすぐにわかるかと」

 

「向こうでフラグを建てていなければよいのですが……」

 

「無理ね」「無理だな」「無理よ」

 

「ですよね……」

 

そして最後のメンバー、メイド服を着た白金髪(プラチナブロンド)の女性――――リサ・アトラ・ヴェルが美桜達の即答に力なく項垂れる。

その光景には天照も苦笑いだ。

 

「そろそろ行きましょ」

 

美桜がそう言うと、皆は揃って頷いた。

 

「頼むわよ、天照」

 

「はい」

 

天照が手を振りかざすと、空間が歪み、異世界へと繋ぐゲートが開く。

 

「それではお願いします」

 

天照の声を背中で受け、四人はゲートの中を歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side空

 

「おい、龍神! どういうことだ!」

 

「どういうことって言われても……」

 

はい、ただいま絶賛屋上で絡まれております。相手は…………ま、()()()君だっけ? なんか六月から休学していたらしくて転生者の集まりの翌日に学校に復学してきた。

 

どこかで見たような覚えがあるが名前が思い出せない。

 

「とぼけるな! お前が何かしたんだろ!?」

 

がなり立てる赤髪の少年を宥めるが、治まる様子がない。

 

「一旦、落ち着こうよ……マサオ君?」

 

「誰がマサオだ! 僕は正田! 正田輝義だ!」

 

あ、そうだったそうだった。

 

「ごめんごめん。()()()君」

 

「だから違うと言ってるだろうが! ワザとか!? ワザとなんだな!?」

 

「人聞きの悪いこと言わないでくれるかな?」

 

「ご、ごめん……って、どうして僕が謝らなくちゃならないんだ!」

 

「そんなの俺に言われても」

 

「お前の所為だろうが!」

 

「で、どういうことってどういうこと?」

 

「いきなり真面目になるな! いや、もういい……。僕が言いたいのはどうして“八神はやて”が学校に来ているのか聞いてるんだ」

 

頭を掻きむしりながら()()()()君は再度尋ねてきた。

 

「はやてが学校にいちゃ悪いの?」

 

「そういうことじゃない。だが、彼女は車椅子だったはずだぞ。なぜ自分の足で立っている?」

 

「そんなの足が治ったからだけど? それ以外にある?」

 

あれ? はやてと面識あったけ?

 

ふと疑問に思ったが、すぐに答えが出た。

 

「な、治っただと!? じゃあ、A's編はどうなった!?」

 

彼も原作知識を持つ転生者の一人だからだ。

 

「あ、それなら夏休み前半で終わったよ」

 

「なッ!?」

 

あらら、()()()君がすごく驚いた顔しちゃってるよ。

 

「そ、そんな……僕の活躍が……」

 

急に俯いてぶつぶつと何かを呟きだした。

 

理由はちゃんと話したからもういいかな。かーえろっと。

 

未だにぶつぶつと言ってる()()()君に何も告げずに屋上から出ていった。

 

 

 

 

 

教室に戻ると、皆がいた。

 

「あれ? 皆帰ってなかったの?」

 

「空君が心配で……」

 

なのは達が心配そうに駆け寄って来た。

 

「大丈夫だよ。えーっと……マサオミ君だっけ? 彼にはなにもされてないよ」

 

『(……マサオミ君って誰? …………あ、正田(君)のことか)』

 

「? どうかした?」

 

皆の反応が変だったので聞いてみたが「なんでもない」、と揃って首を横に振られた。

 

「さ、帰ろっか」

 

俺達は朱乃を新たに加えてたメンバーで帰宅したのだった。

 

「朱乃ちゃん、ヴァーリ君と近すぎるんじゃない?」

 

「別にこれが普通よ。だって婚約者(フィアンセ)だもの♪」

 

付け加えると、若干ギスギスしながらの帰宅がここ最近多くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回予告という名のネタバレ

「俺、ずっとあなたに憧れてたんです!」

『トーマ、本物だね!』

「は、はぁ……どうも」

赤い痣を持つ(遊戯王のシグナーとは関係ない)少年とデバイスに尊敬の眼差しを向けられる!?

「パパ!」

「……はい?」

金髪オッドアイの少女のパパ発言に事件が巻き起こる!?

「私が勝ったら結婚してください」

「……へ?」

銀髪オッドアイの少女に求婚され、さらに事件は悪化!?

『これが―――――(スーパー)天龍2だッ!』

最強の問題児がさらに強くなって再び現る!?

「私はオリヴィエ・ゼーゲブレヒトです……!」

まさかの聖王様復活!?

そして――――

「やっと会えた……ハル君」

謎の女性が少年の前に現れる!?









大半は嘘になると思います。


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