デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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狂三とデートです!

狂三とデートです!

 

Side空

 

イギリスから帰って来た俺達は龍神家に集まってリーゼ姉妹やクロノやリンディさんを紹介した。

 

「とまあ、なんやかんやで管理局のクロノ達も手伝ってくれることになったから仲良くしてね」

 

紹介が終わってそう言ったが、守護騎士達とリーゼ姉妹は睨み合っていた。

 

「……空、こいつらは本当に信用できるのか?」

 

はやての命が狙われたんだから信用出来ないのも無理ないか……。

 

「大丈夫ですよ。信用できます」

 

「なんでそう言いきれるんだよ!? 敵だったんだぞ!?」

 

「“だった”でしょ? なら、今は問題無しじゃない?」

 

「でもねぇ……そう簡単にはちょっと……」

 

「それだけでは信用には至らないな」

 

「じゃあ、こういう時はアレしかないですね」

 

『アレ?』

 

全員が首を傾げていた。

 

「ズバリ! You達仲が悪いなら戦って仲良くなっちゃえYO!」

 

『…………は?』

 

「青春漫画でよくあるやつですよ。最初は険悪だけど戦いが終わって相手を認めるっていう」

 

「なるほどな~。それはいいかもしれんで」

 

はやてと同じように何人かは頷いていた。

 

「シグナムさん達とクロノ達はそれでいいですか?」

 

「……いいだろう」

 

「わーったよ。やればいいんだろ、やれば」

 

「クロノ達は?」

 

「それで信用してもらえるなら安いモノさ」

 

「ついでにこの前のリベンジもさせてもらうよ!」

 

誰も異論はないみたいなので試合をすることにした。

 

「そんじゃ、俺はこれから用事があるからあとよろしくね」

 

「ああ、分かった」

 

「どこかに行くの?」

 

「え、ああ、ちょっと買い物にね」

 

実際には別の理由があるけどね。

 

「ふ~ん。で、ホントは?」

 

「へ? だから買い―――」

 

「私にウソが通じないことを忘れたの?」

 

普段からあんまり使ってないって愛衣が言ってたからすっかり忘れてた!

 

「女の子?」

 

「いや、そんなわけ―――」

 

「はい、ダウト」

 

やっちゃった……。

 

「もしかして……デート、とか言わないわよね?」

 

『!?』 

 

デートという単語に何人かが反応してこちらを見た。

 

言えばバレるから黙ってればいい!

 

「…………」

 

「沈黙は肯定として受け取るわよ。つまり誰かとデートするのね?」

 

って今の質問に黙ってたらダメじゃん! 

 

「……はい」

 

「誰と?」

 

これは黙っていても問題ない質問だから黙っていることにした。

愛衣の特典は嘘かどうかわかるだけだ。つまりYesかNoで答えられるものしかわからない。

 

「なのは達の中で今日デートする人はいる?」

 

聞かれたなのは達は一斉に首を横に振った。

 

「(誰もウソを吐いて無い……)相手は私達の知ってる人?」

 

「いや、何でさっきから根掘り葉掘り聞いてくんの!?」

 

「気にしないで答えてちょうだい」

 

「無茶苦茶気にするよ!」

 

お前は夫の浮気調査を依頼された探偵か!?

 

「と、とにかく俺は用事があるからもう行くね! 絶対に付けてくるなよ!」

 

急いで自分の部屋に戻って着替えてから、待ち合わせの場所へ向かった。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side愛衣

 

私―――天河愛衣は空君がデートすると聞いて、相手が誰だかわからないまま逃げられてしまった。

本人からは付いてくるなと言われたが、そう言われて付けないわけがない。

 

ええ、わかってるわ空君。あれはついてこいっていうフリよね?

 

「なのは、フェイト、アリシア、アリサ、すずか、明日奈、はやて、分かってるわよね?」

 

『もちろん!』

 

「流石に今それはマズイん――――」

 

『O☆HA☆NA☆SIしたい?』

 

「……な、何でもない」

 

「ドンマイ、ヴァーリ君……」

 

私達の迫力に負けてヴァーリ君は大人しく引き下がった。

 

賢明な判断ね、ヴァーリ君。さあ、空君のデートの相手は誰かしらね? 相手によっては……フフフ……。

 

あとのことはリニスさん達に任せて私達は空君を尾行し始めた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

ッ!? 今背筋に悪寒が……。いや、気のせいかな?

まあ、いいや。それよりも早く待ち合わせ場所に行かないと。

 

待ち合わせ場所の駅前に着くと、デートの相手を探し始めた。

 

「さてと、どこに――――」

 

「だーれだ?」

 

突然視界が暗くなったと思ったら、女の子の声が聞こえた。

 

「狂三でしょ?」

 

「正解ですわ♪」

 

問題に正解すると、狂三が手をどかしたので俺は後ろに振り向いた。

 

「よく分かりましたわね」

 

「今日デートしたいって言ったの狂三の方じゃんか」

 

狂三は「そうでございましたわね」と言って小さく笑った。

 

「それにしても……」

 

? 俺をジロジロ見てどうしたんだろう?

 

「狂三?」

 

「フフ、普段の空さんは可愛らしくていいですけど、こちらの()()()()()したのもカッコ良くて素晴らしいですわ」

 

「そ、そうかな? でも、そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

実は十香達とデートするときは〈贋造魔女(ハニエル)〉で姿を変えている。

以前、その方がデートらしいと皆に言われて姿を変えることにした。

今日は狂三が相手なので、俺は高校生の姿になっている。

 

あと、五、六年したらこうなるかなぁ?

 

「それでどうでしょうか」

 

「どうって……何が?」

 

「もう、服のことですわよ」

 

少し拗ねたように頬を膨らませプイっと横を向いた。

 

「え、ってあれ? いつもと違うのはどうして?」

 

狂三をよく見てみると驚いた。いつもの狂三だったら夏でも黒で統一されたブラウスやロングスカートなのだが、今日の狂三はフリルをたくさんあしらった白いノースリーブに赤と黒のチェックの膝丈程のスカート。二つに結った髪と片目を隠す前髪、黒いタイツは相変わらずだが。

 

「わたくしだって女の子なんですよ? 折角のデートなのにいつもと同じでは飽きてしまいますわ」

 

「……そっか。うん、とっても似合ってる。いつもの狂三も可愛いけどこっちもアリだね」

 

狂三もそういうことに興味が出て来たのか……。

 

「そ、そうですか……。頑張った甲斐がありましたわ」

 

照れたようにそれでいて嬉しそうにしていた。

 

「うんうん、将来狂三の彼氏になる人が羨ましいね」

 

「はぁ……」

 

え、何で溜息吐くの!?

 

「……流石は空さん、と言ったところでしょうね」

 

よく分からないけど多分褒められてないんだろうなってことだけはわかった。

 

「まあ、いいですわ。早く行きましょう。時間は限られていますし」

 

「うん、俺達のデートを始めよっか」

 

Sideout

 

 

 

 

 

Sideなのは

 

私―――高町なのはは絶賛空君のデートを尾行中なの。

そして、空君のデートの相手はなんと狂三さんだったの!

 

「あの人って空でいいんだよね?」

 

大きくなっていた空君に未だ確信が持てないなのかフェイトちゃんが聞いてきた。

 

「ええ、間違いないわ」

 

「高校生ぐらいの空かぁ」

 

「ま、まあ、そこそこカッコいいんじゃない?」

 

……アリサちゃん、頬を赤くしてたら説得力皆無なの。

 

「空君って狂三さんのこと好きなのかな?」

 

すずかちゃんの言葉に不安が出て来た。

 

もしそうだったら私のこの想いは届かないのかなぁ……。

 

「それは無いんじゃない?」

 

でも、すずかちゃんの質問を明日奈ちゃんは簡単に否定した。

 

「どうしてそう思うん?」

 

「だって空君だよ?」

 

『あ~納得』

 

その一言だけで私の中の不安は消えた。鈍感な空君が恋愛に興味があるとは思えない。他の皆も安心したように息を吐き出していた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

「そう言えばさ、ずっと聞きたかったんだけど狂三達って俺が学校に行ってる間何してんの?」

 

二亜が漫画を書いてることぐらいは知ってるんだけど、他は知らないんだよね。

 

「あら、教えていませんでしたか? わたくし達は勉強をしていますのよ。最近ではアルバイト感覚で三大勢力から討伐の依頼なども受けていますが」

 

アルバイト感覚で討伐って逆に相手が可哀想に思えてくる……。

 

「依頼は何となくわかったけど、勉強は何のために?」

 

「空さんと同じ高校に通うためですわ」

 

「でも、狂三達って年齢的に―――――」

 

「空さん、女性に年齢のお話はタブーですわよ」

 

「は、はいッ!」

 

迫力のある笑顔の狂三に逆らえず、それ以上は何も聞かないことにした。

 

「そもそもわたくし達に年齢なんてあってないようなものですわ」

 

「え、どういうこと?」

 

「空さんが転生してから四年ほど経ちましたが、わたくし達の姿は変わっていませんのよ」

 

「そうなの? あ、でも、そうかも。だって服や下着のサイズ変わってないし」

 

最初の頃は洗うの苦労したなぁ。耐性が付いた今じゃ普通だけど。慣れって恐ろしい……。

あ、原作でも二亜は結構前に精霊になったのに姿が変わらないでいたっけ。

 

「そこで判断されても困るのですが……概ねその通りですわ」

   

「そっか。あと六年近くあるけどその時が楽しみだよ。ところでどこに向かってるの?」

 

今日のデートは狂三がエスコートしたいと、本人がそう言っていた。

 

「七夕は二日程前に過ぎてしまいましたが、サービスや限定品が今日まであるんですの。

それで、折角だから空さんと一緒に楽しんでみたくてお誘いしたんですわ」

 

あー、七夕ってもう過ぎてたか。

イギリスにいたから全然気づかなかったなぁ。

 

「それでそろそろ……あ、ありましたわ。ここですわ」

 

俺達が着いた場所は――――

 

「…………結婚式場?」 

 

建物の入り口のすぐ横に置いてあった看板に、「カップル限定で無料で写真撮影出来ます」と書かれていた。これは彦星と織姫にちなんでやっているサービスなのだろうと思った。

 

「さ、入りましょうか」

 

俺は狂三に手を引かれるままに中に入った。後ろの方で知り合いらしき叫び声が聞こえたのは気のせいだと思いたい。

 

「ようこそおいでくださいました。本日は写真のご希望ですか?」

 

中に入ると店員さんが営業スマイルで出迎えて来た。

 

「はい、そうですわ」

 

「それでは女性の方はこちらへ、男性の方はあちらのお部屋へお入りください」

 

俺達は店員さんの指示に従って別々の部屋に入った。それから中にいた別の店員に渡された服を着て、狂三の方はどうやら時間の掛かるみたいなのでそれまで部屋で待機していた。

 

「これって……彦星でいいのかな?」

 

自分の今の格好を見てそう呟いた。彦星にしては少し、いや、かなり豪華過ぎる気するが。

 

「そうですよ。七夕フェアということでカップルの方には彦星と織姫にコスプレしてもらって写真撮影をしているんです。彼女さんはとっびきり綺麗な姿になっていると思いますよ!」

 

独り言が店員さんに聞こえたのか答えを返してくれた。

 

……彼女じゃないんですけどね。バレると色々言われそうだから言わないでおくけど。

 

「どうやら織姫さんの準備が終わったみたいですね。 彦星さん、奥の部屋にどうぞ」

 

「わかりました」

 

大きめの白い扉を開けると、部屋は和風を彩っていた。七夕に合わせて部屋を模様替えしたのだろう。そして、部屋の奥に一人の少女に目を奪われた。降ろされた艶やかな黒髪に、その上には金色の髪飾り。少女が体に纏うのは、色彩豊かな十二単(じゅうにひとえ)。問われれば誰もが美少女と答えるような少女――――時崎狂三がそこにいた。

 

「さあ、彦星さん。織姫さんがお待ちですよ」

 

しばらく呆けていた俺に店員さんが促してきた。

 

「……え? あ、はい」

 

狂三の前まで行くと顔には薄っすらと化粧が施されていたことがわかった。

 

「どうですか?」

 

「ど、どうって言われてもその……似合ってるよ。でも、それだけじゃ全然足りないな。

なんていうか……ああ、ごめん。ボキャブラリーが少な過ぎて可愛いや綺麗ぐらいしか思い浮かばないや。ホントにごめん。でも、これだけははっきり言えるよ。すごく綺麗だよ。思わず惚れちゃいそうになるぐらいに」

 

「! ……フフ、それだけ聞けたら十分ですわ♪」

 

俺の言葉に狂三は満足したみたいだった。

 

……いつかはちゃんと褒められるようにしておきたいな。

 

「それではお二人はこちらを向いてください!」

 

俺達は視線をカメラに向けると、撮影が始まった。撮影が終わり、現像されるのを待つこと数十分。

 

「こちらが今回のお写真になります。お二人は今回で一番の格好良さと美しさでした!」

 

「ありがとうございます」

 

店員から写真を受け取り外に出た。

別れ際に、「お二人の結婚式はぜひうちで!」と言われた時は思わず吹きそうになった。

 

俺、まだ小学生なんで当分無理です……。

 

 

 

 

 

俺達は近くの公園のベンチで一休みすることにした。

 

「さてと、お次はどこに行く?」

 

「そうですわね……あ、少し外させてくださいまし」

 

「うん、分かった。ここで待ってる」

 

これはお花を摘みに行くというやつですね。前に琴里に絶対に覚えろ! ってしつこく言われたからなぁ。

 

「さて、君達はいつまで尾行するつもりなのかな?」

 

ベンチの後ろにある茂みに声を掛けた。

 

『…………』

 

答えは返ってこなかった。

 

「……三秒以内に出て来ないともれなく剣の雨が降ってくるよー」

 

『それは止めて!』

 

軽い脅しが効いてなのは達が茂みの中から出て来た。

 

「……いつから気付いていたの?」

 

「家を出た時からずっと。魔力は隠せても気配でバレバレだよ」

 

狂三も気付いてただろうしね。

 

「それって最初からじゃない!」

 

「それでどうして尾行してたの?」

 

「そ、それは……」

 

「浮気調査だよ!」

 

言い難そうにしていたフェイトの代わりにアリシアがハッキリと答えた。

 

「いや、俺に恋人なんていないから浮気もなにもないんだけど……」

 

「うるさい! デートしたんだからあんたは有罪よ! 罰として全員にケーキ奢りなさい!」

 

「……それは色々おかしくないか? というか、アリサともデートするって約束してるよね?」

 

『……アリサ(ちゃん)どういうこと?』

 

デートすることになった経緯を知ってる明日奈とすずか以外がアリサを睨んだ。

 

「うぐッ……フ、フン! いいじゃない、デートぐらいしたって! 大体、すずかや明日奈だって約束してたでしょ!?」

 

開き直ったアリサはすずかや明日奈ともデートすることを暴露した。

 

『二人も!?』

 

「うん、そうだよ♪」

 

「えへへ……」

 

「三人共ズルいよ!」

 

「そう言うアリシアやフェイトはすでにデートしたでしょ?」

 

というか何がズルいんだろう……。ハッ! 金か!? いや、無いか……。皆はそんな性格じゃないだろうし、というかほとんどが金持ちのお嬢様じゃないか?

 

「やっぱりあの時の二人はデートしてたの!?」

 

「まあねぇ~」

 

その後も、私ともデートしてだの、さっき何してたか言えだの色々言われたが、狂三が来たのでうまいこと言ってその場から離れた。

 

「助かったよ、狂三」

 

「まったく……空さんには困ったものですわ……」

 

「え、俺が悪いの!?」

 

「自覚の無いところがまた……はぁ……いつか痛い目にあうんでしょうね……」

 

……さっぱりわからない。

 

「まあ、嘆いていても仕方ありませんわ。デートを続けましょうか」

 

「うん、そうだね」

 

それからも、狂三に半ば強制的に腕を組まされてデートを続行した。

狂三は猫が好きなので猫カフェに行きたかったが、俺の体質故に入れなかったのが残念だった。

 

動物に嫌われないように何とか出来ないかな? 

 

「あ、クロノ達はどうだったかな? なのは達も戻って一緒にやってるのかな?」

 

日が大分沈んできたのでデートを終了すると、そんなことに思い至った。狂三とのデートですっかり忘れていたのだ。

 

「さあ? こればっかりは当人達次第ですわ。それよりもふと思ったのですが、クロノさん達はどうしてあの時、空さんに何も言わなかったのでしょうか? 彼らには深い恨みがあるはずですのに」

 

「あの時? ああ、クロノに闇の書に関わってるのか?って聞かれた時のこと?」

 

「ええ、そうですわ」

 

「それなら今日聞いたんだ。そしたら面白い答えが返って来たよ」

 

「それは何ですの?」

 

「『確かに恨みはある。管理局としても見過ごせはしない。でも、それ以前に君は友達だ。“友達を信じられない”なんてことはしたくはないんだよ、絶対に。それが出来なくなったら人として何かを失う気がするんだ。だから問い詰めなかった。付き合いは短いからまだ完全に君を知ってるわけではないが、君は冗談をよく言うけど真面目な場面では嘘は吐くような奴じゃないって思ったんだ。……まあ、結局はただの屁理屈で誤魔化されてたわけだが……誰かの為ならいいさ。それに君ならこの事件を何とかしてくれそうな予感がするんだ』って言われたんだよ」

   

その時のクロノはいかにも年上っていう威厳を感じられた。

リンディさんとエイミィさんなんてそれ聞いて感動して涙を流していた。

 

「……そうでしたか。期待されているのであれば頑張らないといけませんね」

 

「あんまり期待されても困るんだけどね」

 

家に着くと、俺はトレーニングルームに行くことにした―――

 

「空さん、待ってください」

 

ところで狂三に止められた。

 

「?」

 

「少々、目を閉じていて下さいまし」

 

「え、何で?」

 

「いいから目を閉じて下さいまし」

 

「わ、わかった」

 

狂三の気迫に押され、大人しく言うことを聞いて目を閉じた。

すると、唇に何か柔らかいものが軽く触れた。

 

「もう目を開けてもいいですわよ」

 

「……今、何したの?」

 

俺はそう聞いたが、狂三は「内緒ですわ♪」とだけ答えて、踵を返してそそくさと自分の部屋へと戻ってしまった。振り返る瞬間、狂三の頬が赤くなっていたことに気付いたが夕日の所為だろう思い、それ以上気にしなかった。そして、姿を元に戻してからトレーニングルームに向かうと――――

 

「……なんじゃこりゃ?」

 

ヴァーリと戦えないはやてを除く誰も彼もが地面に横たわっていた。死屍累々。その言葉が今の状況にはピッタリだ。

 

「えーっと、これは何があったの、ヴァーリ」

 

「ん? 帰って来たのか、空。これは模擬戦をしていたら何故か俺もするハメに―――」

 

「ああ、もういいや。今のだけで大体わかった。要するに全員と戦ったんだろ?」

 

「ああ、そうだ。よく分かったな」

 

「その光景が容易に浮かぶよ……」

 

多対一でも禁手(バランス・ブレイカー)使って圧勝したんだろうね、きっと。

 

俺は溜め息を吐きながら倒れている皆をベッドまで運んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、空君にとってのデートはただ遊びに行くって感じです。
相手がどんな想いなのかは露知らず!



アリサとすずかのバリアジャケットはinnocentので、明日奈はSAO終盤の血盟騎士団の制服だと思って下さい。

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