デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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しゃべり方がもし違っていたらすいません。


無事転生しました!

無事転生しました!

 

神様に転生させてもらってから目が覚めると、知らない天井が目に入った。

 

ここどこだろう? とりあえず、色々調べないと。

 

起き上がって周りを見渡すとそばにある机に高級そうな羊皮紙の紙が置かれていた。

 

あれ、机高くないか? それに全体的に家具が大きい気がする……。この家はひょっとしてデカい人でも住んでんかな? まあいいや。先にこの紙から見ますか。えーと、何々?

 

『拝啓 転生した方へ

 

 この手紙を見ているということは無事に転生に成功したということです』

 

……え、失敗とかあんの?

 

『いえ、基本的にはないです』

 

ん? 返事してる? もしかして会話できるのかな?

 

『はい、少しだけですが。それより、この家が大きいと感じませんか?』

 

おお、便利機能だ! で、大きく感じましたけど。この家は大きな人でも住んでるんですか?

 

『違います。あなたの体を5歳児にしたんです』

 

なるほどなるほど。……何故に? ハッ! まさかショタコン!? 

 

『違います! ……原作キャラと同い年にしたほうが面し―――都合がいいからです』

 

おい今面白いっていいかけてた。

 

『なんのことですか?』

 

白々しい。それで? 原作キャラ?ってことはもしかして漫画とかラノベの世界に俺はいるんですか?

 

『随分と頭が回るんですね。あなたの言う通りここはとあるアニメの世界です』

 

へぇー、ならここはどこの世界なんですか?

 

『ここは『魔法少女リリカルなのは』という世界です。正確には似たような世界なので本物との違いは多少あります』

 

魔法少女? リリカルなのは? うーん、どっかで聞いたような聞いてないような……。まあ、なんでもいっか。先のことが分かってたってつまらないだけだし。

 

『そうですか。では新しい人生頑張って下さい。後のことは別の方が説明しますので』

 

はい、わかりました。転生させてくれてありがとうございました。

 

『ああ、それとあなたの名前ですが、龍神空(たつがみそら)という名前にしました。もし気に入らなければ好きに変えて下さい。それでは』

 

神様との会話が終わると突然紙が燃えて消えてしまった。

 

「龍神、空か。うん、良いかも!」

 

「そ、ならこれからのこと話すからよく聞いておきなさい」

 

「ほえ? どな……」

 

俺は振り向いて声のした方を見ると、そこには予想外の人が、いや、複数の人がいて固まってしまった。

 

むむむ? おかしくないか?

 

「む? 固まってるが大丈夫か?」

 

「あ、あの大丈夫……ですか?」

 

『あららーよしのんも心配だよー」

 

夜色の髪を靡かせた高校生ぐらいの少女と、ウサギのパペットを左手につけた海色の髪をした中学生ぐらいの少女が心配そうにしていたが、驚きで頭が動かない。

 

「くく、きっと我の美貌に見惚れているに違いない」

 

「嘲笑。美貌(笑)。耶俱矢にそんなものが備わっていたとは初耳です」

 

「なッ! 無表情の夕弦よりはまだ可愛いし!」

 

「反論。夕弦の方が可愛いです。耶俱矢はぶっちゃけ下の上くらいです」

 

「な、なんじゃとこらぁぁぁぁぁッ!」

 

今度は瓜二つの顔をした少女達が言い争いを始めた。

体の一部に差があるのは言わない方が良いだろう。

 

「あらあら、相変わらず仲がよろしいことですわ」

 

黒い髪をツインテールに分けて、右眼が赤、左眼が反時計回りに動く時計になっていた。

 

「七罪ちゃん! 私と仲良くしましょう! さあさあ!」

 

「い、いや身の危険を感じるからパスで」

 

紫紺色の髪をした少女が緑色の髪をした少女に両手を広げていたが、見事に逃げられていた。

 

「ははは、皆元気だねぇ。六喰ちゃんもそう思うよね?」

 

「むくには騒がしいのじゃ」

 

赤い縁取りの眼鏡をかけた銀髪の女性が隣にいた長い金髪を垂らしている少女に同意を求めたが、それは叶わなかったようだ。

 

「それは私も同感。特に夜刀神十香がいるのは気に食わない」

 

「それはこちらのセリフだ! 鳶一折紙!」

 

肩に触れるか触れないかぐらいの白い髪の少女が名前を上げて、不満を垂らしていた。

 

「そろそろいいかしら?」

 

……ッ! いきなり現れた人達にあっけにとられていたのからようやく立ち直った俺は

赤い髪を黒いリボンでツインテールにした少女―――五河琴里に顔を向けた。

 

「はい、大丈夫ですが……あれはいいんですか? 放置してて」

 

「いいのよ。いつものことだから」

 

いつものことって……。

 

「それで? これからの事って何ですか?」

 

「あなたが原作に関わるかどうかってことよ」

 

原作かぁ……はっきり言って興味はないんだよなぁ……。でも、折角神様から貰った特典を使わないのも罰当たりな気がして何かヤだなぁ。

 

「なら、修行でもすればいいんじゃないかしら? いざという時の為にもなるから」

 

「う~ん、それが良いですかね。って考えてること読まないで下さいよッ!?」

 

「淑女の嗜みよ。気にしないでちょうだい」

 

嗜みでそんなことが出来んのかよッ!

 

「んで、次は自己紹介しましょうか。知ってるとは思うけど一応ってことで」

 

「はい、そうですね。じゃあ俺からいきますね」

 

「ん、どうぞ。それとあなた達! 今すぐ静かにしないと(メギド)ブッ放すわよッ!」

 

琴里さんの脅しに皆は素直に頷いてその場に座った。

 

琴里さんってこの中で一番怖いのかな? そんなことを考えていたら琴里さんに睨まれた……。コエー……。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介しますね。俺は龍神空って言います。よろしくお願いします」

 

「もうちょっとマシなの出来ないわけ? 一発芸の一つや二つ出来ないとこの先生きていけないわよ?」

 

えぇッ!? ダメ出し!?

 

まさかの琴里さんにダメ出しをくらってしまった。いや、この人なら当たり前のことかもしれない。

 

「クッ、わかりました。それでは一発芸やります!」

 

「おお? ソラは何か披露するのか?」

 

「ええ、皆期待してなさい」

 

ちょッ! ハードル上げないで下さいよッ!

 

「くく、我に見せるがいい。御主の奥義を」

 

奥義って何さ……。ええい、とりあえずやろう! しかし何をしたら……ハッ! あれなら!

 

「それではやります! ……〈贋造魔女(ハニエル)〉」

 

俺が贋造魔女と小声で呟き、とある人物をイメージしながら指をパチンと鳴らすと煙に包まれた。

 

「ジャーン! 五河士道さんに変身してみました!」

 

『…………………』

 

あ、あれー? 反応がないなーこれはスベッた?

 

「なあ、ソラ。()()()()()()()()()? ()()()()()()()()()()

 

………………………は?

 

「え? え? どうして? 五河士道だよ? 皆を助けた『デート・ア・ライブ』の主人公でしょ? 知らないなんておかしくない?」

 

……どういうこと? 他の皆も知らないって顔してるし。

 

「あー……そっか、そういうことね」

 

「琴里さん、何か知ってるんですか?」

 

「簡単に言うと顔、声、姿、性格、能力、その他諸々は基本的に原作の私達と変わらない。けど、私達は別の存在って事になるかしら。というか、そもそもあなたの特典でここにいるわけだし、そうなってもおかしくないと思うわ。わかったかしら?」

 

つまり、原作に登場する本物の精霊達ではないってことか。となると当然、五河士道を知らないことは何もおかしくない。

 

「並行世界の存在だとでも思えばいいのかな?」

 

「そうね、それが妥当かしら。じゃあそろそろ私達の方も自己紹介しましょうか。知ってるだろうけど一応ね。私は五河琴里、よろしく。それと敬語はいらないから」

 

「私は夜刀神十香だ! よろしく頼む!」

 

「鳶一折紙。よろしくあなた」

 

「折紙! 貴様は変なことを抜かすでない!」

 

ん? あなたって俺?

 

「よ、四糸乃って……言います。よろしくお願いします……ッ!」

 

『よしのんはよしのんだよー。よろしくねー」

 

「時崎狂三ですわ。仲良くしてくださいまし」

 

「我が名は八舞耶俱矢! 貴様を我が眷属にしてやろう!」

 

「紹介。八舞夕弦と申します。よろしくお願いします」

 

「あなたのアイドル、誘宵美九ですぅ! よろしくお願いします、だーりん!」

 

はい? だーりん?

 

「……七罪。よろしく。別に覚えなくてもいいから。どうせ私なんて―――」

 

おやー? 勝手にブツブツ言い始めたぞー。

 

「あたしは本条二亜。漫画家やってるよ。よろしくー」

 

「むくは星宮六喰っていうのじゃ。よろしくなのじゃ」

 

「う、うん、何人か突っ込みどころたくさんの自己紹介だったけど、これからよろしく! ……ねぇ今更なこと聞いていい?」

 

「何かしら?」

 

「何で精霊のみんながいるの?」

 

俺が頼んだ特典は力であって精霊達ではないはずだ。だから、ここにこの人達がいるのはおかしいのだ。

 

「ホントに今更ね。……まあ、あれよ。神様の気まぐれって奴よ。気にしなくていいわ」

 

琴里にそう説明されてそれ以上は気にしないことにした。一人でいるよりは全然マシだから。

 

「ふーん……ん? じゃあ俺はこれから皆と暮らすの?」

 

「ええ、そうよ。何か問題でもある?」

 

「お金って足りるかなーって」

 

「大丈夫よこれを見なさい」

 

そう言って琴里から渡されたのは通帳だった。中を見ると……ヤベーなこの額。

 

「わかったでしょ。一生遊んでも余裕のある額よ。心配しないでちょうだい」

 

「う、うん」

 

頷くとどこからか腹の鳴る音がした。

 

「むぅ、お腹が空いたぞ。そろそろ昼餉の時間にしないか?」

 

確かにそうだね。俺もお腹が空いてきたからご飯が食べたいな。

 

「でも、まずは材料買いに行かないと」

 

「なら、皆で行きましょうか。ついでに日用品も買えたら買いましょう」

 

琴里の提案に皆頷き、買い物に出かけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

買い物を終え、ある程度日用品も買えたのでご飯の時間。

もちろん家事スキルを貰った俺が率先して作って皆に食べてもらった。転生して初めての料理を美味しいと言ってもらえてすごく嬉しかった。

それからこのバカでかい家の探索や部屋割りをして修行は明日からということになり、

晩御飯を食べて新しい人生の一日目を終えた。

何だか、転生していきなり大所帯になったけど、一人じゃなくてよかった。

 

 

 

 


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