デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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アリシアとデートです!

アリシアとデートです!

 

Side空

 

「琴里、大事な話があるんだ」

 

「な、何かしら?(まさか告白とかなの!?)」

 

俺は今、真剣な表情で琴里と向き合っている。琴里も真剣さが伝わったのか、緊張していた。

 

「デートってどうすればいいの?」

 

「死ねばいいと思うわ(期待した私が馬鹿だったわ……)」

 

一蹴された。

 

「ヒドッ! 真剣に聞いてんのにその返しは無いでしょ!?」

 

「うるさいわね……分かったわよ。付いてきなさい」

 

琴里に付いて行くと、何も無い壁で立ち止まった。

 

「? ここに何かあるの?」

 

「ええ、見てればわかるわ」

 

琴里が壁に触れると、壁の一部が反転してパネルのようなものが出てきた。

パネルに番号を打ち込むと何かが動く音がして、壁が横にスライドして通路が現れた。

 

「これってどういうこと!?」

 

「説明は後よ」

 

琴里は颯爽と通路を歩いて行ったので、慌てて追いかけた。

 

「明かりをつけて、鞠亜」

 

琴里が暗い空間に向かって命令すると、部屋の明かりが一斉につけた。

明かりのついた部屋を見て俺は目を見開いた。

 

「ここって……フラクシナスの指令室!?」

 

「ええ、そうよ。それから、この子はこの部屋のAI、鞠亜よ」

 

琴里が何もない空間に手を向けると、一人の少女が現れた。

体が時々ブレてるから、ホログラムだろう。

 

「!?」

 

『初めまして、空。私は或守鞠亜(あるすまりあ)と言います。よろしくお願いします』

 

「え、う、うん、こちらこそよろしく……」

 

鞠亜って、ゲームの方で出てきたキャラだよね……? ……じゃあ、他の子もまだいるのかな?

 

「明日のデートは鞠亜を通してあなたに指示を送るわ。分かったかしら?」

 

「それってつまり……」

 

「ここからあなたのデートをサポートしてあげるってことよ」

 

「ありがと、琴里! 愛してる!」

 

嬉しさのあまり琴里に抱き着き、愛してるなんて叫んでしまった。今の俺はそれぐらい琴里に感謝してる。

 

「ええぇッ!? あああ、愛してる!? いきなり何!?」

 

『なるほど……これが“愛”なんですね!』

 

琴里がかなり慌てているけど、どうしてかな? 家族だからこのくらい当たり前だよね?

プレシアさんもフェイトやアリシアに良く言ってるし。

あ、琴里はこういうの恥ずかしがるタイプだっけ?

 

「それじゃ、俺はもう寝るね。琴里、鞠亜、お休み!」

 

『お休みなさい、空。明日は頑張りましょう』

 

「告白、されたのよね……? あ、愛してるって……」

 

鞠亜は返事をしてくれたが、琴里は何かブツブツ呟いていた。

俺は明日の確認だろうと思い、部屋に戻って寝た。

 

 

 

 

 

翌日。アリシアとデートの日がやって来た。

朝食を食べているのだが、心なしかアリシア以外もそわそわしてるみたいだ。

 

十香達はデートが上手くいくか、姉として心配なんだろうね。

 

「それじゃあ、俺は先に行ってるから」

 

「うん、私も準備してからすぐに行くよ」

 

俺は手早く準備を済ませて、待ち合わせ場所に向かった。

 

 

 

 

 

「えーっと、待ち合わせは駅前の広場の噴水だったから……あ、ここか」

 

待ち合わせの場所を見つけると、そこに立って待っていた。

 

「おーい! 空ー!」

 

数分後にアリシアが手を振ってやって来た。

 

「あ、アリ…………」

 

こちらも手を振り返そうとして固まった。

 

「あれ? 空、どうしたの?」

 

「え? ああ、えーっと、その、何て言うか……その髪どうしたの?」

 

「ああ、これね。お母さんにやってもらったんだ~! どうかな? 似合う?」

 

「う、うん、とっても似合ってる」

 

アリシアの言う通り、いつもと髪型が違っていた。

普段はツインテールなのに対し、今日は長い金髪を頭の上で編み込み、長い髪の一部を一つにまとめ、右肩から垂らしていた。

服装は白いブラウスに水色のミニスカート、黒いニーハイだった。

 

あ、あれ? アリシアってこんなに可愛かったっけ?

 

今までとは違うアリシアに完全に見惚れてしまった。

 

「あれれ~? もしかして私に見惚れちゃった?」

 

「……うん、正直に言うとかなり見惚れた」

 

「え!?」

 

アリシア本人は軽いからかいのつもりで言ったのだろうけど、俺は真面目に返した。

 

「そ、そっか……。……ありがと」

 

アリシアも恥ずかしくなったのか、顔を赤らめて俯いてしまった。

俺も自身が言ったことに今更恥ずかしくなり、二人そろってしばらく俯いていた。

 

「そ、そろそろ行こうか! 時間が勿体無いから!」

 

「う、うん! そうだね!」

 

ようやく立ち直ったものの、二人共ぎこちなかった。

 

『デレデレし過ぎよ!』

 

「(うぅ……はい、すみません……)」

 

家を出るときに渡されたインカムから、家のあの部屋で観ている琴里に怒られた。

 

「それでどこに行く?」

 

「う~ん、特に決めてないんだけど……空はなんかない?」

 

むむっ……いきなり詰まったぞ。こういう時は―――――

 

「(ことえもん、助けて~!)」

 

アリシアにバレないように小声で助けを求めた。

 

『はぁ……いきなりね……』

 

『それでは、選択肢を出しますね』

 

『分かったわ。鞠亜が選択肢を出してくれたわ』

 

①遊園地に行く。

②動物園に行く。

③映画館に行く。

 

俺の耳にも選択肢が聞こえてきた。

 

『総員! これだと思う選択肢を五秒以内で選びなさい!』

 

『了解!』

 

琴里が誰かに命令すると、返事が聞こえてきた。

 

総員って誰だろう?あとで聞くとしよう。

 

『結果は出たわ。③の映画館よ』

 

「(その理由は?)」

 

『①だとその歳の子供が二人だけというのはあまりいいとは思わないわ。②は単純に空が動物に嫌われてるからよ』

 

なるほどね。

 

「(ありがと)アリシア、映画でも観に行こっか」

 

「オッケー! 映画館へレッツゴー!」

 

俺はアリシアと手を繋いで、映画館へと歩き始めた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side琴里

 

私―――五河琴里は空とアリシアのデートを成功させる為に、

指令室からモニターを通して現状を確認していた。

 

なにデレデレしてんのよ! あいつは!

 

空がアリシアに見惚れていたのが私は気に入らない。

 

「むぅ~! 空はアリシアにデレデレし過ぎではないか!」

 

「まったくです! だーりんは可愛ければ誰でもいいんですか!?」

 

『これも愛の形なのでしょうか?』

 

どうやら私以外も皆と同じ想いだったみたいだ。鞠亜は愛だとか言ってるけど違うと思うわ。でも、嫉妬ばかりしていては今回の目的は失敗に終わってしまう。

その所為で空が落ち込む姿は見たくない。だから、非常に不本意ながらだが、一応このデートを成功という形で終わらせてあげたい。

 

「二人が映画館に入ったわね」

 

『どれを見ようかな?』

 

『う~ん……あ、これなんてどう?」

 

そう言ってアリシアが指で示したのは、恋愛ものの映画だった。

 

子供が見るにはまだ早いんじゃないかしら。

最低でも中学生ぐらいじゃないと内容なんて分からないと思うわ。

空の反応もイマイチって感じだし。

 

そう思っていたら、本日二度目の選択肢を鞠亜が出した。

 

①「アリシアの選んだ恋愛ものでいいよ!」

②「俺達には恋愛映画はまだ早いよ! それよりもこっちのほのぼの系にしよう!」

③「いや、やっぱり映画は止めて買い物に行こう」

 

「総員、選びなさい!」

 

『了解!』

 

私が指示を出すと、十香、四糸乃、よしのん、美九、二亜が返事をした。

 

ちなみに、このメンバーには渾名がある。すべて私が付けた。

十香は〈無限の食欲(ブラックホール)〉。

四糸乃はよしのんとまとめて〈砂漠に咲いた一輪の花(オアシス)〉。

美九は〈同性殺し(キューティーキラー)〉。

二亜は〈最強の漫画家(トップオブオタク)

我ながら良いネーミングセンスだと思ったわ。

え?センスが無いですって? そう思った奴には【(メギド)】をプレゼントしてあげるわ。

 

一人で考え事をしていたら、全員が選択を終えたようだ。

結果は②だった。

 

「皆も私と同意見みたいね」

 

私が聞くと皆は一斉に頷いた。

 

「①はだーりんが理解出来ずに眠ってしまいそうですぅ」

 

「それはかなり言えてるわね」

 

ただでさえ鈍感な空が恋愛もので反応するとは思えないわ。

それと、アリシアが何かをしそうだわ。

 

「③はここまで来て変えると、優柔不断な奴って思われちゃうだろうから、絶対にないね」

 

皆の意見を聞いたところで、マイクを引き寄せて、空に指示を出した。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

琴里から指示が来た。

 

②番か。

 

「アリシア、俺達には恋愛映画はまだ早いよ。それよりもこっちのほのぼの系にしない?」

 

「え~? そんなことないと思うんだけどな~? それにほら、空は少しぐらいこういうことを勉強すべきじゃない?」

 

アリシアはすんなり承諾をしてくれず、反論してきた。

 

「勉強? 何を?」

 

だが俺は、何を学ぶべきなのかが分からなかった。

 

「それは恋とか愛とかだよ!」

 

恋とか愛、ねぇ……。

 

「それはその内でいいんじゃないかな? 何時か気付くものだと思うし……」

 

「空は絶対に気付かないと思うんだけど……まあいっか! だったら二つとも観ちゃおうよ!」

 

二つか。ここは琴里に指示を仰ぐべきだな。

 

「(琴里、どうすればいいの?)」

 

『……二つとも行くしかないわね。断ってアリシアが不機嫌になるのも困るわ』

 

「(了解)分かった。二つとも観よう」

 

「うん!」

 

最初に恋愛映画を観ることになり、チケットを買って席に着いた。

映画の上映が始まると、アリシアが俺の手を握ってきた。

 

なんで手を繋ぐんだ? ホラー映画じゃないのに怖いのかな? あ、もしかして暗いところが苦手なのかな?

 

そう思って、俺は手を握り返した。

アリシアは一瞬肩を揺らしたが、すぐに何でもないかのように映画を観ていた。

 

 

 

 

 

映画が終わってから一旦外に出た。

 

「すごく良い話だったね! 何回も泣きそうになったよ!」

 

「うん、話は良かったと思うよ。でも、あの男の人はあの女の人のどこに惚れたの?」

 

いつの間にか女の人のこと好きになってたみたいだし、女の人もどうして告白を受け入れたんだ? その辺がよく分からなかったんだけど……。あと、寝そうになるの頑張って堪えるのに疲れた。

 

「…………はぁ、やっぱりかぁ~…………」

 

「何がやっぱりなの?」

 

溜息を吐いた理由を聞こうとしたのだが、「何でもない」と言われた。

 

『空はアレですね。鈍感を通り越してとてつもなく残念ですね』

 

インカムから鞠亜が言ってきた。

 

「(会って間もない鞠亜にも酷いこと言われた!?)」

 

『今更何言ってんのよ。それよりも昼食にするといいわ。その後にもう一つを観ましょ』

 

今更なのか……。

 

「(……分かったよ)アリシア、そろそろお腹が空いてきたからご飯にしようよ」

 

「時間も丁度いいしね! じゃあ、翠屋に行こうよ!」

 

「うん、分かった」

 

再び手を繋いで、翠屋に向かった。

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ! って空君にアリシアちゃん!」

 

翠屋に入ると、美由希さんが出迎えてくれた。

 

『こんにちは!』

 

「こんにちは。ところで二人はどうしてここに? あ、もしかしてデートとか?」

 

ニヤニヤした美由希さんが冗談交じりに質問してきた。

 

「はい! デートですよ!」

 

「……え? ホントに?」

 

アリシアの答えが信じられないのかもう一度聞いて来た。

 

「えーっと、まあ、一応前からの約束だったんで……」

 

「そ、そっか……じゃあ、こちらにどうぞ……。(小学生に先越された……)」

 

急に元気が無くなった美由希さんに案内されて席に着いた。

注文を決めてから美由希さんに伝えた後、しばらく談笑していると、見慣れた短いツインテールの少女が注文したものを運んできた。

 

「こちらがカルボナーラとオムライスです。〈あとでどういうことか説明してね……〉」

 

「〈…………はい〉」

 

なのはに念話で言われ、何故だか背中に冷や汗が伝った。

 

「お~! 美味しそう! 空、早く食べようよ!」

 

何も気づいてないかのように、アリシアは食事を促してきた。

 

「そうだね」

 

手を合わせて、いただきますを言ってから、アリシアと共に食事を始めた。

 

「ねえ、空」

 

「うん?」

 

「はい、あ~ん」

 

食べている途中でアリシアがいきなり自分のオムライスを差し出してきた。

 

これは食べろってことだよね?

 

「あ~ん」

 

特に断る理由もなかったので、素直に口を開けて食べた。

 

「どう? 美味しい?」

 

「うん、美味しい。アリシアも俺の食べる?」

 

流石桃子さん! 俺もいつかこの領域に行けるかな?

 

「うん! 食べさせて!」

 

「はい、あ~ん」

 

「あ~ん!」

 

フォークに巻いたカルボナーラをアリシアの口に持っていくと、パクッと食べた。

 

「う~ん、最高ー!」

 

どれを食べても美味しいものばかりだと、改めて思った。

 

ただ、食事中になのはが殺気を送ってくるのは勘弁して欲しかった……。俺、そんなに悪いことしたかな? それと、なのは以外からも殺気を感じたような気がしたのは気のせいかな?

 

食事を終えて一息吐いていると、次の映画の始まる時間が近かったことに気付いた。

 

「次の映画が始まる時間が近いからそろそろ行こうか」

 

「そうだね」

 

俺達は会計を済ませて、映画館へと戻った。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side狂三

 

わたくし―――時崎狂三は今現在、空さんとアリシアさんのデートをストー……ではなく、監視をしているのでございますわ。

何故こんなことをしているかというと、空さんが誰かとデートするのがつまら……失礼しました。二人のデートの障害となるようなことが無いように見張っているのですわ。

決して、決して空さんがデレデレしているのが気に食わないとか、アリシアさんが羨ましいなんていう理由で監視をしているわけではありませんのよ?

……もし、疑うのであれば、〈時喰みの城(ときばみのしろ)〉で時間を吸って差し上げますわ。

 

「なあ、狂三よ。何故我らもここにおるのだ?」

 

「疑問。普段のあなたからは考えにくいのですが……。熱でもあるのですか?」

 

「……失礼なことをおっしゃいますわね。別に良いではありませんか」

 

わたくしは一人ではなく、八舞姉妹と共に空さんのデートを追っている。二人を呼んだのは、もしも、空さんにバレたときに言い訳をするためだ。

 

あら? よくよく考えたら、わたくし一人の方が良かったのではありませんか?

まあ、いいですわ。それよりも空さんが移動したみたいなので追い掛けませんと。

 

二人を引き連れて尾行を続けた。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side空

 

二本目の映画を観た後、外に出て近くにあったベンチにアリシアと並んで座っていた。

 

「…………」

 

「…………」

 

「あの映画って……全然ほのぼのしてなかったね」

 

「……うん。しかも、それどころか、滅茶苦茶重かった……」

 

『はぁ……』

 

二人して、深い溜め息が出た。

 

最初は主人公が敵と戦って、苦戦しながらも勝ち、笑いや感動も多少はあるだろうと思っていた。

だが、見ていくうちにだんだんと話が重くなっていった。

俺と同い年ぐらいの女の子が、人が死ぬ瞬間を目撃したのだ。

 

「なんか……ごめん……」

 

「ううん……別にいいよ……」

 

アリシアには悪いことしたな……。

 

「(琴里、何とかしたんだけどどうすればいい?)」

 

『そうね……買い物かしら。服かアクセサリーでも買ってあげなさい』

 

「(分かった)アリシア、買い物でもしない? お詫びと言っちゃなんだけど、何かプレゼントさせてほしいんだ」

 

「それは空に悪いよ……」

 

普段のアリシアなら食いつくと思ったんだけどなぁ。

 

「えっと……俺がアリシアにプレゼントしたいから、じゃダメ? その、今日のデート記念に、みたいな?」

 

「デート記念……うん! 分かった! でも、私も空に何か買わせて欲しいな」

 

「えっ、なんで?」

 

どうしてアリシアが買う必要があるんだ?

 

「だって、デート記念だったら空にとってもでしょ? 違う?」

 

「あ、そっか……。じゃあ、お互いに買うとしようか」

 

「うん!」

 

近くのショッピングモールに入って、一時間後に入り口で再び集合することにした。

 

「う~ん、それにしてもプレゼントかぁ……。何が良いかな?」

 

『空は琴里達にはプレゼントしたことはないのですか?』

 

悩んでいたら、鞠亜が質問してきた。

 

「いや、あるよ。でも、大抵の物なら皆優しいから喜んでくれたんだよね」

 

特に何も言わないから何がダメなのかがイマイチ分からない。

 

『それは単に……いえ、なんでもありません。あ、小物なんていいんじゃないですか?』

 

「ふむふむ、それはいいかもね」

 

俺は鞠亜の意見を取り入れることにして、小物を置いてあるお店に入った。

 

「お、これなんかが良いんじゃないかな?」

 

『そうですね。私もいいと思いますよ』

 

「じゃあこれにするよ」

 

鞠亜も賛同してくれたのを買うことにした。

 

 

 

 

 

待ち合わせ場所に行くとアリシアはすでにいた。

 

「随分早かったね。もしかして待たせちゃった?」

 

「ううん、全然待ってないよ。それよりも買ったもの見せあおうよ!」

 

「うん、それじゃあ同時に見せよう」

 

「分かった!」

 

『せーのっ!』

 

そうして俺とアリシアは同時に見せたのだが、

 

『あれ? 同じ物?』

 

正確に言うとガラは違うのだが、それ以外は全く同じマグカップだった。

 

『フフッ……アハハハハハッ!』

 

俺達はどちらからともなく笑いだしていた。

 

「アハハ、まさか同じ物買うなんて思わなかったよ」

 

「私もだよ」

 

「でも、これはこれでいいんじゃないかな?」

 

「そうだね! なんだがとってもロマンチックに思うよ!」

 

ロマンチックか……。こういうのも悪くないかもね。

 

それから、お互い買った物を交換して帰ることにした。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Sideアリシア

 

私―――アリシアは空と手を繋いで家に向かっていた。

あと少しで空とのデートが終わってしまう。

それを考えると寂しく思ってしまう自分がいた。

 

でも、今日は今までで一番楽しい思い出になったかな……。

空とこんなに話せたし、たくさん触れ合うことが出来たんだもん!

おまけにプレゼントは同じマグカップだったし、それだけで十分に満足だよ!

お揃いのマグカップだと恋人みたいかな?

 

そう考えただけで、顔がニヤけそうになってしまう。

 

空は何とも思ってなさそうだけど……。

ううん、そんなこと関係ない! いつか絶対に空の事振り向かせてみせるんだから!

 

だから今はこの気持ちを心に仕舞っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――大好きだよ、空。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




デート書くって難しいです……。

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