デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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無印編
原作始まるらしいです!


原作始まるらしいです!

 

Side空

 

九喇嘛が俺の中に入ってから、俺は小学三年生になった。

 

……時間が経つのは早いね。

 

そして、九喇嘛とも大分仲が良くなり、敬語もさん付けも辞めた。

 

まあ、九喇嘛に要らんって言われたからなんだけど……。

でも、相変わらずドライグと九喇嘛は仲が悪いのはどうにかならないかなぁ?

 

あ、そうそう二年生になる頃にはフェイトとアリシアが学校に編入してきたんだ。

アリシアは明るいから誰とでも仲良くなってたけど、フェイトは人見知りだからなのは達に助けてもらってた。

 

なんか、最近じゃ男子達の中で聖祥初等部の八大美少女って言われてんだって。

ちなみに、言われてるのは、なのは、アリサ、すずか、愛衣、あかり、明日奈、フェイト、アリシアの仲良しメンバー。

はやても足が治って学校に行けるようになったら、九大美少女かぁ……。学校を救うために九人がアイドルにでもなったり……なるわけないか。でも、なったらなったで相当人気が出そうだね。

 

とまあ、そんなこんなで今はいつもの学校へのバス停に向かっている。歩きながら今日の授業とか休日は何したとか他愛もない会話をしていた。

 

「あ、そう言えば昨日変な夢を見たの!」

 

なのはが思い出したように言ってきた。

 

「どんな夢?」

 

「男の子が助けを求めてた!」

 

あー、俺もそんな感じの夢見たなぁ。

 

「お、それなら私も同じ夢見たよ!」

 

「えぇ!? アリシアちゃんも!?」

 

「私も見たわ」

 

「じ、実は私も……」

 

アリシアだけでなく愛衣とフェイトも同じ夢を見たことになのははかなり驚いていた。

 

確か、ユーノというフェレットになる少年がSOSを出したってあかりは言ってた。

 

「〈昨日の夢が原作開始の合図ってこと?〉」

 

「〈ええ、そうよ〉」

 

「〈そっか〉」

 

愛衣に念話で聞くと、俺の考えで合ってたらしい。

 

それからバスが来て乗り込むとアリサ、すずか、ヴァーリ、あかり、明日奈がいた。一年生の途中から皆が時間を合わせてバスに乗るようになった。

 

「おはよう、皆」

 

最初に気付いた明日奈が挨拶してきたのを始めとして、皆が挨拶を済ませて座った。

バスの中でも皆は他愛無い会話をしているのだが、女子達は最近の流行りやファッションの話をしていて俺とヴァーリの男子二人は肩身が狭い思いをしている。

 

「いつも思うんだけど、よくあんなに会話が続くよね」

 

「ああ、俺もそう思うよ。不思議で仕方がないってアザゼルも言ってたし」

 

まあ、こうしてヴァーリと楽しく話せるから良いんだけどね―――――。

 

「空君はどう思う?」

 

こうやって突然話題を振るのはどうかと思う。かと言って、俺、全く聞いてませんよなんて言えば皆から文句を言われるので、いつの間にかマルチタスクを使えるようになったのだ。それで、振られた話題は昨日の夢についてだった。

 

「うーん、何かが始まる予感じゃないかな」

 

「そっかー。でもその方がロマンが溢れるね!」

 

その後も男の俺とヴァーリにはよく分からない会話を続けて学校に着いた。

 

 

 

 

 

そこから時間が過ぎ、昼休み。

 

「う~悔しい~! 今日も空君に当てれなかった!」

 

普段大人しいすずかにしては珍しく声を荒げていた。

今日やった体育の授業はドッジボールだったのだが、すずかは俺を毎回当てようとして最後まで当てることが出来ないでいたのが理由だ。

 

「空はよくあんなこと出来るよね」

 

アリシアがありえないものでも見ているかのような視線で聞いてきた。

 

「そうでもないよ? バレーボールのレシーブの容量で上に弾くだけだからボールが視えてれば誰でも出来るよ」

 

すずかのボールは普通に捕ろうとするとそのまま腕ごと持ってかれるから、バレーのレシーブで弾いてから捕るようにしている。この戦法は中々使えると思ってる。

 

「それでも十分すごいよ。私だってやろうとしたけど反応出来ないし、腕が痛いよ」

 

フェイトは若干腫れ上がった腕を見せながら言ってきた。

 

確かにすずかのボールは他の子と比べて強いからねー。

 

「俺もギリギリ視えるくらいだな」

 

「皆すごい……。私なんて全然見えないのに」

 

「大丈夫だよなのはちゃん。皆がおかしいだけだから」

 

なのはをフォローするあかりに酷いこと言われた。

 

「アハハ、確かにそうだね。あ、そうだ、さっきの授業で言ってた将来の夢って皆はなにか考えてる?」

 

明日奈が別の話題に切り替えた。

 

「俺はアザゼルと同じ研究者だな」

 

「私はパパの会社の経営を継ぐことよ」

 

ヴァーリとアリサは親孝行するつもりかぁ。親が聞いたら泣きそうだな。

 

「私は機械が好きだから、工学系に進もうかなって思ってるよ」

 

へぇ、すずかは機械が好きなのか。

 

「私は看護系の専門職かな」

 

あかりははやての為かな?

 

「私は母さんの仕事を手伝いたいな」

 

「私も~!」

 

ここにも親孝行者がいた。プレシアさんが聞いたら発狂するな……。

 

「皆、すごい。愛衣ちゃんは何かなりたいものってあるの?」

 

「そうね……永久就職で空君のお嫁さんね」

 

愛衣の言葉で空気が凍った。その内何人かが黒いオーラを出していた。

 

「空く~ん、どういうことなのかな? かな?」

 

「愛衣とそんな関係になってたんだね」

 

「私というものがありながら浮気~?」

 

三人ともとても怖い笑顔で俺を見てきた。

 

「お、俺はそんなこと一言も言って無い! それから俺にその黒いオーラを向けるの可笑しくない!?」

 

なんでこういう話題になるとなのは達は過剰に反応するのさ!?

 

「照れなくてもいいのに」

 

だから照れとらんわ! それとお前の男性恐怖症はどこ行った!?

 

「空君限定で大丈夫になったわ。これが愛の成せる技ね」

 

「さらっと心を読むな! しかも余計なこと言ったから余計に空気が悪くなったわ!」

 

「皆、諦めなさい。空君は私のものよ」

 

いつ誰が誰のものになった!?

 

「空は私のものだよ!」

 

「たとえ姉さんでもこればっかりは譲れないよ!」

 

「空君は幼馴染の私のもの!」

 

おうおう、皆して俺を物扱いですか? 

 

「俺、泣きそう……。明日奈~慰めて~」

 

「え、えぇ!? わ、私!? えーっと、よ、よしよし大丈夫だよ~」

 

隣にいた明日奈に泣きつくと外野が五月蝿かったけど無視した。

 

「よし。俺、将来明日奈と結婚する」

 

なんて冗談を明日奈に言ってみたら、

 

「そ、そんなこといきなり言われても困るよ!」

 

案の定、顔を真っ赤にして慌てていた。そんな明日奈が可愛くて更にからかってみたくなった。

 

「じゃあ、恋人からならいいの?」

 

「~~~~~ッ!!」

 

今度は耳まで真っ赤にして俯いてしまった。

 

「アハハ、可愛いな明日奈」

 

そんな明日奈の反応が可愛くて笑っていたら、後ろから殺気を感じた。ギギギッと錆付いた機械のように首を動かすと鬼がいた。

 

「そ~ら~く~ん? さっきから何してるのかな? かな?」

 

「そうだよ、私達を無視して他の女の子とイチャつくなんて」

 

「これは許せないな~!」

 

「流石に浮気は見過ごせないわ」

 

「お、俺は別にそんなつもりじゃ……」

 

浮気ってそもそも付き合ってすらないよ!

 

ジリジリと寄ってくるなのは達に恐怖を感じて後ろに下がっていく。

 

「ま、あんたの自業自得ってことよ」

 

我、関せずといった風にアリサは弁当を食べ続けていた。

 

「アハハ……」

 

すずかは苦笑いでいるだけで助けてくれない。

 

「これは大変だね……フフッ」

 

あかりは困ったようにしてるけど笑うの堪えてるのバレバレだからね!?

 

「骨は拾ってやるさ」

 

ヴァーリ、拾うとかいいから助けてよ!

 

「あうあう……」

 

ダメだ……誰一人助けてくれない。

 

「さあ空君、O☆HA☆NA☆SIしよっか」

 

なのは達の悪魔のような微笑みを最後にそれから俺には昼休みが終わるまでの記憶はなかった。

 

 

 

 

 

 

放課後、ホームルームを終えて夕飯の買い物をフェイトとアリシアと共にしていた。

 

「今日のご飯は何が良いかな~っと」

 

「ハンバーグ!」

 

「OK。それにしようか」

 

アリシアの提案を採用して、お肉コーナーに向かった。そこには見慣れた車椅子の少女がいた。

 

「あ、はやて~!」

 

名前を呼ばれたことに気付いたはやてがこちらに振り向いた。

 

「そ、空君! き、奇遇やね。夕飯の買い出しなん?」

 

「そうだよ。今日はハンバーグにしようと思ってさ」

 

はやてと会話すると、はやては緊張してる気がするんだよなぁ……。

怖がられてるのだろうか?

 

「実は私も今日はハンバーグにしようって思ってたんや」

 

「へぇ~。あれ、あかりは一緒じゃないの?」

 

「ああ、お姉ちゃんなら別のコーナーにいるで」

 

「そっか。じゃあ、あかりによろしく伝えといてね」

 

「わかったで。ほな、さいなら」

 

お肉を取ってからはやてに挨拶を済ませて、野菜なども買い物かごに入れてレジに向かった。

 

「随分、はやてと仲がいいんだね」

 

帰り道でアリシアとフェイトにジト目で睨まれた。

 

「普通でしょ? 友達なんだから」

 

「向こうはそうは思ってないけどね……」

 

「え!? 俺ってはやてに友達だと思われてないの!?」

 

「……別にそういうことじゃないんだけど」

 

「? じゃあどういう意味?」

 

「空は鈍いってこと」

 

へ? 鈍い? ますます分からないや。

 

結局、分からないまま家に着いて夕飯を作って皆で食べた。

 

 

 

 

 

 

夜の8時ぐらいに念話が流れてきた。

 

『〈お願いです……誰か……力を貸して下さい……〉』

 

それだけ言って念話が切れてしまった。

 

「空、今のって……」

 

フェイトやアリシアにも今の念話が聞こえてたみたいだ。

 

「誰かが助けを求めてるみたいだね。俺と十香で行ってくるよ」

 

「気をつけなさい。油断はダメだからね」

 

「わかってる。行くよ十香」

 

「うむ! 初陣だな!」

 

初陣か……。なら――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、俺達の戦争(デート)を始めようか」

 

 

 

 

 


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