デート・ア・リリカルなのは   作:コロ助なり~

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今回は原作とは違う能力になってしまいました。

そこら辺は気にしないでもらえると嬉しいです。


絡まれました!

絡まれました!

 

Side空

 

転生者で話し合った次の日の朝、龍神家のインターホンが鳴った。

 

こんな時間に誰だろ?

 

俺が玄関の扉を開けるとそこには―――

 

「おはよう、空君。学校に行きましょ」

 

昨日友達になった愛衣がいた。

 

「おはよう、愛衣。でも俺、朝ご飯食べてないから家の中でくつろいで待ってて」

 

「分かったわ。それじゃ、お言葉に甘えてお邪魔します」

 

「愛衣はいつもこんなに早いの?」

 

「ええ、大体この時間には家を出ているわ」

 

愛衣をリビングに案内しながら気になったことを聞いてみた。

 

リビングでは皆が待っていた。

 

「ソラ! お腹が空いたぞ!」

 

俺を待っていて空腹に耐えかねた十香が急かしてきたので、愛衣をソファーに座らせて俺も自分の席に着いて手を合わせた。

 

「ごめんごめん。よし、いただきます!」

 

『いただきます!』

 

龍神家のいつもの朝が始まった。

 

 

 

 

 

朝食を食べ終えた後で折紙が愛衣に話し掛けていた。

 

「天河愛衣、あなたは空とどんな関係?」

 

「空君とは昨日友達になりました」

 

「そう。では、空から聞いたが、恋人や結婚とはどういうことか説明を求める」

 

「そのままの意味ですよ。彼は私の理想の男性ですから」

 

「あなたの言いたいことはわかった」

 

「それでは将来的に認めてくれるということですか?」

 

「それは絶対にない」

 

……ほっ、ちょっと安心。

 

「……何故ですか?」

 

きっぱりと否定した折紙に不機嫌になった愛衣が理由を聞いた。

 

どう答えるんだろ?

 

「それは空が―――――シスコンだから」

 

「待って!? それはおかしくない!?」

 

黙って聞いていた俺はツッコんでしまった。

 

「おかしいことは何もない。実際、空は入浴や就寝を何度も共にしている。これをお姉ちゃん大好き甘えん坊コンプレックスと言わずして何と言う」

 

「なんで余計なこと追加したの!? 普通にシスコンって言えばそれでいいよね!? そもそも俺はシスコンじゃないから! あと、ほとんどそっちが勝手にお風呂やベッドに侵入してるよね!?」

 

「でも嫌がってはないし拒んでもいない」

 

ウグッ! ……確かに俺はつい受け入れてしまってる。あれ? そうすると俺はやっぱりシスコンなのか?

 

「それに、空と私達は血が繋がってない姉弟。よって結婚が可能」

 

た、確かに出来るね……。

 

「……なるほど、分かりました。”今だけ”はあなた達に譲ります。それではそろそろ学校に行きますので、失礼します。行きましょう、空君」

 

「え、ああ、うん行こっか。皆、いってきます!」

 

『……いってらっしゃい』

 

話を聞いていて若干不機嫌に挨拶を返してきたが、俺は愛衣に促されるままに家を出た。

 

「愛衣、将来のことなんだからもっと良く考えなよ」

 

「あら、私は昨日からあなたとの将来を考えているわ。それの何がイケないの?」

 

「いや、急にあんなこと言われても……。それに愛衣って男性恐怖症じゃなかったの?」

 

「…………」

 

男性恐怖症という言葉を聞いた瞬間愛衣は固まった。

 

「愛衣?」

 

心配になって顔を覗き込んでみると愛衣の表情は青褪めていた。

 

「わ、私、お、男と……しゃべった?」

 

「昨日からそうだけど?」

 

何をいまさらって感じだけどね。

 

「―――――――――――――――ッ!!」

 

突如、愛衣が声にならない悲鳴を上げて、学校とは反対の方に走り出してしまった。

 

「え!? 愛衣!? どこ行くの!?」

 

慌てて俺は愛衣を追い掛けた。

 

 

 

 

 

愛衣が100mぐらい走ったところでようやく追いついた。

同じ転生者でも修行をしてないっぽい愛衣にはあまり体力が無かったので楽だった。

 

「あ、愛衣……えーっと、……」

 

こういう時ってなんて声かければいいの!?

 

《情けないですね、マスター。まるでダメなマスターで私は悲しいです》

 

「何で急に毒を吐いたの!?」

 

《別に他意は無いですよ。ただ出番が少ないなぁとか、最近忘れられてるんじゃないのかなぁって思ってマスターに八つ当たりとかしてるわけじゃないですからね? 本当ですよ?》

 

「……何かごめん」

 

ブレイブにもう少し構ってあげないといけないのかな? 結構話してると思ってたんだけど……。

 

《安心してください。怒ってはいませんからいつも通りでいいですよ》

 

「そっか。で、愛衣、学校行こ? このままじゃ遅刻しちゃうよ?」

 

あ、なのはの家にも行かないと。今頃家の外で待ってんだろうなぁ。

 

「…………」

 

「えっと、さっきは、その俺が無神経過ぎたというか何というか……ごめん」

 

しどろもどろになりながら愛衣に謝ると愛衣が反応した。

 

「……もう、大丈夫よ。……心配掛けてごめんなさい」

 

「うん、行こ――――ッ!?」

 

愛衣の手を取り立ち上がらせようとしたところで、背後からの攻撃に気付き、すぐさま愛衣を抱えて躱した。

 

「……随分と物騒な挨拶だね、―――――正田君」

 

俺を攻撃した犯人はバリアジャケットを展開して鍔の無い日本刀を構えていた正田輝義だった。

 

「おい、龍神! 今すぐ天河から離れろ! さもなければお前に攻撃する!」

 

いや、もう攻撃してるじゃんと言いたかったが、言っても意味がなさそうなので言わなかった。

 

「俺が愛衣に何したっていうの?」

 

「お前が嫌がる彼女を追い掛けていたからだ!」

 

? あ、さっきのアレか。……タイミング悪すぎでしょ。

 

「確かに追い掛けていたけど、そんなつもりじゃなかったんだけど」

 

「ウソを吐くな! 全部見ていたんだぞ!」

 

「君は会話の内容まで聴いたの?」

 

「そんなの聴かなくても天河の顔を見れば一目瞭然だ!」

 

あーあ、絶対に誤解されてる。こういう人ってメンドイなぁ。どうやって誤解を解けばいいかなぁ?

 

「愛衣も何とか言ってくれない? このままじゃ誤解されたままだし遅刻しちゃう」

 

「嫌よ。昨日言ったでしょ? 彼は生理的に無理だって。出来ることなら視界にすら入れたくないわ」

 

愛衣が正田君には聞こえないように呟いた。

 

そこまで酷いと彼が気の毒に思えてくる……。

 

「はぁ……とりあえず、先になのはの家に行って、学校で先生に遅れるって言っといて」

 

「わかったわ。あなたは……心配ないだろうけど気を付けてね?」

 

それだけ言い残して愛衣は俺から離れてなのはの家に向かった。

 

「はい、これで離れたけどもう良いかな?」

 

「ああ。だが龍神、お前は僕と同じ転生者だな?」

 

「転生者って何?」

 

まるで初めて聞いてたかのように恍けてみせた。

 

「恍けるな! お前がデバイスや魔力を持っていることぐらいわかっているんだ! それにどうしてあんな動きが出来る? 転生者だからだろ!?」

 

正田君が刀を突き付けて問い詰めてきた。

 

誤魔化しきれないか。でも、あの動きって転生者じゃなくても出来ると思うんだけど。

 

「はぁ……そうだよ、俺も君と同じ転生者だよ。でも、もし俺が転生者じゃない一般人だったら君はどうしてたの? そんな相手に君は刀を振るった場合は管理局、だっけ? そこに捕まるんじゃないの? まあ、そもそもいきなり攻撃とかどうかしてるとしか言えないんだけど」

 

「うるさい! 結局、お前は転生者だったじゃないか!」

 

「それは結果論でしょ? 俺が言いたいのは普通に考えてみればわかることのはずだよ。

ともかくそれはすぐにでも仕舞ってくれない? 学校行きたいんだけど」

 

「黙れ! お前はなのは達にも手を出すつもりだろ!」

 

手を出すって……。

 

「勝手な憶測だけで言わないでくれる? 相手を不快にするだけだよ?」

 

「もういい! お前は僕がここで倒す!」

 

正田君、いや正田でいいや。正田が俺に向かって刀を振り下ろした。

 

ダメだ……こいつ、全然話が通じない……。しかも見聞色の覇気を使わなくても遅いし、動きが滅茶苦茶だから簡単に躱せる。

 

「避けるな!」

 

「何言ってんの? 当たったら痛いに決まってんじゃん」

 

そう言えば結界がないから不味くない?

 

「〈ブレイブ、結界よろしく〉」

 

《〈すでに張ってあります〉》

 

流石と言ってから念話を切って、ブレイブを銃にして正田の刀に向かって魔力の銃弾を撃った。

そして上手く刀に当たり、正田の手から刀が離れた。

 

「なッ!?」

 

驚いている正田を無視して接近して腹を殴ったら一発で気絶した。

 

……弱ッ! あんだけ大口叩くから強いのかと思ったら弱過ぎでしょ!

 

「ブレイブ、結界解除して」

 

《了解です。……解除終わりました》

 

「ん、いつもご苦労さん」

 

これで学校に行けると思ったら、正田が突如立ち上がったので距離を取って身構えた。

 

手加減はしたけどすぐに起き上がれるとは思わなかったな。

 

「…………」

 

俯いているので表情が全く分からない。

 

「お前さん、名は何という?」

 

口調や声音が変わった正田が問いかけてきた。

 

さっきと雰囲気が違う……? それに俺の名前は知ってるはずなのに何で聞くの?

 

「空、龍神空だよ。君こそ誰?」

 

「ワシはこいつの中にいる九尾―――九喇嘛だ」

 

……あかりが言ってた九尾か。

 

「で、そんな九喇嘛さんが俺に何か用ですか?」

 

「クハハッ、クハハハハッ!」

 

なんとなく敬語で話し掛けたら笑われた。

 

「ああ、すまんな。ワシみたいな化け物相手に敬語を使う奴は今までいなかったもんでな」

 

「はぁ、そうですか」

 

化け物、ね……目の前にいるのが正田だからそんな感じは全くしないけど。

    

「ナルトの奴は変わっていたがお前も中々なもんだな」

 

「それって褒めてないですよね!? 変人だって言いたいんですよね!?」

 

突如出てきた名前に首を傾げながらも変人扱いされてツッコんでしまった。

 

「いや、むしろ褒めている。お前はワシを恐れては無いみたいだからな」

 

「単に正田の姿だから恐いとか全く感じられないだけです」

 

「ハッ、それもそうだな。こんな雑魚じゃ話にならん」

 

「あー、もういいですか? そろそろ学校行きたいんですが」

 

「まあ、待て。ワシが表に出てきたのはお前さんに頼みたいことがあるからだ」

 

「頼みたいこと? 何ですか?」

 

「空よ、ワシの人柱力になってくれねぇか?」

 

『空! こいつの頼みなんか聞かなくていい! 人柱力になれば碌なことにならんぞ!』

 

九喇嘛さんの頼みを聞いたら、ドライグが止めてきた。

 

「碌なことって?」

 

『そこにいる九尾のように尾獣は自分の宿主を暴走させる奴が多い。そうなればお前だけでなく、家族や友人も失うぞ!』

 

「おいおい、それはお前ら天龍も同じようなもんだろ?」

 

『今の俺の中に怨念は存在しないから覇龍(ジャガーノート・ドライブ)での暴走は無い!』

 

「ハッ、だが、空が弱かったら何かを失った拍子に暴走なんてあり得るんじゃないのか?」

 

『それは……ッ!』

 

否定しきれずに声を詰まらすドライグ。

 

……それもそうか。俺が弱かったらなっちゃうのかな……? いや、仮に暴走しても十香達なら止められそうじゃないかな。というか、お互いのこと知ってるんだね。俺、初耳です。

 

「それに決めるのはそいつ自身だ。別にワシは空のどんな答えでも構わん」

 

「一つ聞いて良いですか?」

 

「なんだ、言ってみろ」

 

「九喇嘛さんは寂しいんですか?」

 

「……ククッ、クハハハハハハッ!」

 

また笑われた……。そんなに変なこと言ったかな?

 

「寂しい、か……。そうだな、寂しくないと言ったら嘘になるな。俺はナルトの中にいた所為か、全く会話の出来ないこいつがすごく退屈だった。しかも自分が選ばれし者だと疑いもせず、自分が正義だと信じ切っているこいつは、ナルトとは別の意味での馬鹿だった。それも治しようがないほどのな。だが、空、お前さんはたった一回見ただけだがこいつとは全然違う。……まあ、何となくだがな」

 

あかりが言ってたのってこういうことか。

 

「……決めた。九喇嘛さんの人柱力になります」

 

「ほう……」

 

『いいのか? 後悔しても知らんぞ』

 

「大丈夫。むしろこれからがワクワクするぐらい!」

 

もし暴走しても十香達なら止めてくれるし。

 

『お前がそこまで言うなら止めはしない。神やアルビオンも拒否はしないだろう』

 

「うん、ありがと。で、どうしたら人柱力になれるんですか?」

 

「知らん。自分で考えろ」

 

えッ!? 知らないの!?

 

『使えん狐だな……』

 

「ああん? ヤんのか赤トカゲ!」

 

『上等だ! 掛かってこい! バカ狐!』

 

「はい! 二人共ケンカはダメです! 今から二亜呼ぶから大人しくする!」

 

『……わかった』

 

二人は案外簡単に大人しくなった。

 

「〈二亜、今から俺がいるところに来てくれない?〉」

 

「〈分かった。すぐに行くよ〉」

 

二亜の返事を聞き念話を切った。それから五分ほどして二亜がやってきた。

 

「二亜ちゃんとうちゃーく! それでどうかしたの?」

 

「うん、俺、九喇嘛さんの人柱力になるからどうやったらなれるか調べて欲しいんだ」

 

「…………もう一回言ってくれるかな?」

 

しばらく茫然としていた二亜が聞き返してきた。

 

「だから、俺、九喇嘛さんの人柱力になるからどうやったらなれるか調べて欲しいんだ」

 

「分かったよ。すぐに調べ――――られるかーッ!」

 

「痛ッ!?」

 

二亜が出した囁告篇帙(ラジエル)で殴られた

 

「少年は何をしたら九尾の人柱力になるって話になるんだよ!?」

 

「えーっと、正田に絡まれたから?」

 

「……はぁ、よく分かった。少年が無茶苦茶だってことが」

 

溜息を吐かれて呆れられてしまった。

 

「いいから早くしろ、小娘。こいつが目を覚ます前に」

 

待たされるのが嫌いなのか二亜を急かしてきた。

 

「はいはい、すぐに調べますよーっと」

 

囁告篇帙を開き、調べ始めてくれた。

 

「ふむふむ、そういうことか……」

 

「どうだった?」

 

「意外と簡単だったよ。六喰ちゃんの封解主(ミカエル)でその少年の精神世界から九喇嘛を引きずり出して、今度は少年の精神世界を開けてそのまま入れて、また閉じるって感じかな」

 

「ありがと。助かった」

 

「ここではやらない方が良いかな。九喇嘛はかなりデカいからね」

 

「それだったら絶霧(ディメンション・ロスト)の中でやれば問題ないよ」

 

「なるほど、それはいい考えだね。じゃあ六喰ちゃん呼んで早速やろう」

 

「うん。〈六喰ー、今からここで手伝って欲しいことがあるんだけど、いい?〉」

 

「〈構わんのじゃ。すぐに向かう〉」

 

六喰が来る前に絶霧を創ることにした。

 

「……よし、完成っと」

 

創り終えるのとほぼ同時に六喰が現れた。

 

「来てくれてありがと。それじゃあ早速やるよ。絶霧発動」

 

絶霧を発動させると俺を中心に濃い霧が広がっていった。

 

「これで準備万端だね。待たせてごめんなさい、九喇嘛さん」

 

「構わん。それよりも早くやってくれ」

 

「むくは何をすればいいのじゃ?」

 

「彼の精神世界を開けて欲しいんだ。それで九喇嘛さんが出てきたら今度は俺の方を開けて、完全に入ったら閉じて」

 

「わかったのじゃ。―――封解主」

 

六喰が天使を発顕させると長い鍵が手に握られていた。

 

「【(ラータイブ)】」

 

正田に近づき鍵を心臓辺りに翳して回したら正田の胸から門のようなものが現れて開いた。

すると門は徐々に大きくなっていき、限界まで大きくなると橙色の狐が顔を出した。

 

「……あなたが九喇嘛さん?」

 

『ああ、ワシが九喇嘛だ』

 

予想してたよりも遥かに大きくてビックリだった。ドライグと同じくらいの大きさだろうか。

俺が驚いている間にも九喇嘛さんは門から体を出していき、やがて全部が門から出た。

 

「六喰、次は俺の方お願い」

 

「うむ。【(ラータイブ)】」

 

六喰が俺の前にやってきて先程と同じように鍵を回した。

そして俺の前に門が現れて九喇嘛さんが通れるくらいに大きくなった。

 

『それでは入るとするか』

 

そう言って俺の前の門に入って行った。

 

『もう閉じていいぞ』

 

「うむ。【(セグヴァ)】」

 

今度は反対に鍵を回すと門は閉じて消えた。

 

「九喇嘛さんどう? 上手く入れた?」

 

『ああ、問題はねえみたいだ。ただ―――』

 

ただ? 何だろう?

 

『赤トカゲが一緒なのは気に食わん!』

 

『なら、とっとと出て行け!』

 

『出るのはてめえだけで十分だ!』

 

『何だと! ケンカなら買ってやるぞ!』

 

『上等だ! ボコボコにしてやる!』

 

はぁ……これからは仲良くしてもらわないと五月蝿くて頭が痛い……。

 

「ヤハウェ、アルビオン。二人(?)止めて……」

 

五月蝿くて頭が痛くなってくる……。

 

『はい(ああ)!』

 

ふう……これで少しは静かになるはず。

 

「二人も手伝ってくれてありがと」

 

「どういたしまして。それじゃあもう行くね」

 

「あやつはどうするのじゃ?」

 

六喰が倒れている正田を指して言った。

 

「俺が学校に連れてくよ」

 

そのあと俺は絶霧を解除して、正田を背負って学校に向かった。

 

 

 

 

 

学校に着いて保健室に正田君を寝かせて教室に入ると、丁度お昼休みの時間で人が少なかった。

 

「屋上に行きますか」

 

お弁当を出して屋上に行った。

 

 

 

 

 

屋上に着いて回りを見渡すと、皆がいた。

 

「やっほー皆ー」

 

軽めに挨拶をすると、なのはが無言でやって来た。

 

「どうしたの、なのは?」

 

「愛衣ちゃんと結婚ってどういうことなのかな? かな?」

 

笑っているはずなのに目が笑ってない笑顔で聞かれた。

 

「い、いや、それは愛衣が勝手に言ってるだけで俺は知らない!」

 

愛衣の奴、なのは達にも言ったのか!?

 

「あら、皆の前だからって照れているの?」

 

誰も照れとらんわ!

 

「空君」

 

「ひゃい!?」

 

なのはが黒いオーラを纏っていたことに驚いて、思わず変な返事になってしまった。

 

「O☆HA☆NA☆SIしよっか♪」

 

え? お話し? 何それ?

 

「よ、よく分からないけど何か怖いからお断りするよ」

 

逃げようとしたらなのはにすごい力で掴まれて逃げられなかった。

 

力強ッ!? 

 

「拒否権なんてないよ」

 

「い、嫌だい! 何かよく分からないけど! た、助けて!」

 

皆に助けを求めたが目をそらされた。

 

薄情者ーーーッ!!

 

「さあ、楽しい時間の始まりだよ♪」

 

「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のちに昼休みには男子生徒の声が校舎中に響くという七不思議の一つになったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『(こいつはナルトとは違った意味で面白そうだな)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




特典奪うのっていいのかな?

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