アナザーストーリー〜トラウマの原因をぶち壊したら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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おーまたー。いやー、ごめんねー遅くなっちゃって〜。土日にフルで入ってたから書く気力が無くてね。まぁアレだ。金欠気味だったからバイト入れないとさ、ね?

とりあえず来週までに出さなきゃいけないレポートと次の週からテスト始まるんでまた遅くなります(›´ω`‹ )

んじゃまぁ続きださっさと読めぇ! 


やはり俺が文化祭準備をサボるのは間違っていない。

 入学してから早半年、授業を無くした代わりに文化祭の準備にてんやわんやな教室を抜け出し屋上に続く扉の横で読書タイムへ突入する。抜け出してもいいのかだって? どうせ知ってるか? 俺が読んだラノベの中にこんな名言がある。「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ」だ。つまり俺はバレないように抜け出してここまで来たのだ。後はチャイムが成ったらなんてことないように教室に入れば問題ない。

 

 あ、ちなみに今読んでいるのはライトノベルだ。半年前にたまたま目に付いた本が気になり読み始めたところどっぷりとはまってしまい家にいる時はだいたい読んでいるほどだ。学校じゃ普通の小説だけどな。ラノベは絶対に持ってこない。もし学校で無くしたりしたら死ぬか不登校になるレベルにまでラノベにはまっている。もうオタクでもいいよ。今の俺を見てそう思うなら。

 

 しかし今なぜ絶対に持ってこないと宣言していたのにもかかわらずラノベを読んでいるのかというと、これは別に俺のではないからだ。あ、違うよ? ただ図書室で借りただけだからね? 決して盗んだわけじゃないからな!

 

 おっと、ようやく主人公が動き始めたか。この主人公やる時はやってくれるんだけどやり始めるのが致命的なまでに遅いんだよな。来た時には仲間が半死状態になりかけてるし。あれ? それ遅すぎない? コイツ本当に主人公なん? なんて思いつつ1行1行ねっとり、じゃなくてじっくり読むか。

 

「…………」

 

 静かな場所はいい。ほんのりと雑音が混じっているがこれはこれでなかなか風情がある。静かすぎずうるさすぎず、このひと時は俺は割と好きだ。考えてみろ、自分の近くでギャーギャーと猿みたいに騒がれたらどうだ? 集中も読む気も失せる。静かすぎると寂しい気持ちになる。読む本によってはいいかもしれないが明るい感じの本の場合気分が上がらない。まぁ持論のため皆が皆当てはまるとは思わないがな。

 

 

 

 しばらく読み続けていると授業を終える鐘が鳴る。ふぅ、いい具合に集中して読めた───

 

「なっ!?」

 

「?」

 

 いつの間にか俺の前に見知らぬ女の子がいた。え、ナニコレどういう状況?

 

「………」

 

 ちょっと、いつまでも無口でいないで何か喋ってくださいよ。あれ? もしかしてこれは置物なの? んなわけないか。ていうかこれは俺から話しかけないと物語が進まないっていうヤツ? おい早く丸ボタン押せよ。なんならスキップ押してもいいから。………まぁ特に何も変わるわけねぇよな。なら覚悟を決めて話しかけるか。

 

「あ、あにょ、どちらしゃまでしょうか?」

 

 あ、噛んだ。盛大に噛んだな。し、仕方ないだろ? まともに人と話すのは妹を除いて数年ぶりなんだから!

 

「同じクラスの者です」

 

 お? まさかの引きも嫌な顔もされずに返してくれたぞ? これは八幡的にポイント高い! いつどこで使えるかわかんねーけど。

 

「いつからそこにいたんだ?」

 

「その本の主人公が出てきた時くらいから」

 

 結構最初っからいたんですねわかります。てかそんな前からいたのに気付かなかったのか。逆にすごくない? 俺の集中力。

 

「つーか授業中、というか文化祭の準備中だったろ? サボりか?」

 

「少なくとも私より先に教室を抜け出してここでサボっていたサボり谷君には言われたくないね。あぁ、妬ましい。君くらい存在感なければ簡単に抜け出せたのに」

 

 なんか目線がキツいが多少優越感を覚える。ふははははは! ねぇ、どんな気持ち? ねぇねぇ、どんな気持ち? NDK? NDK?

 

 あれ? その前にサボり谷君ってなに? ちゃんと比企谷って呼んでくれない? まぁ俺もクラスのヤツの名前覚えてないしクラスのヤツらはヒキニクとかヒキガエルで覚えているからお互い様だよな。え、そんなわけないって? そーなのかー。

 

「まぁいいや。とりあえず教室をに戻ろう。いい加減戻らないとバレそうだし」

 

 と脳内で考え事を完結しているとそう言われた。しかしコイツと一緒に戻るわけにはいかないためトイレに一時避難しよう。終わった直後にトイレに行っていた体で戻れば問題ないだろう。まぁ俺の場合そもそも普通に戻っても特に問題ないがな。どうせ無視されるのがオチだろ。

 

「そうか、君はトイレで時間を潰すんだね。私と一緒に戻らないように、時間を潰す目的で」

 

 えー、なんでわかんだよ。

 

「そして君は次に『エスパーかよコイツ』と思うだろう」

 

 エスパーかよコイツ………はっ!?

 

「な、なぜわかった?」

 

「私だからかな?」

 

 コテンと首を傾げる。元がかわいいためか不快感がない。前にクラスのヤツがやっていたのをうっかり見たことがあったがあれはもう金を積まれても見たくないほどのものだった。うっかり俺の席が酸っぱい匂いを発するところだったな。

 

「その本の感想を聞きたかったけど仕方ないね。君は余り目立ちたくないみたいだし。それじゃまた」

 

 そう言うと俺に背を向けて階段を降っていった。………何だったんだ? 同じクラスって言っていたがご存知の通りクラスのヤツの名前覚えてないため知らない。まぁいいだろ。どうせもう関わることは無いんだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう思っていた時期が、俺にもありました。




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