亡き王女と青髪の吸血鬼   作:根本
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時間を操る程度の能力

「まさか、同じタイプの能力!?」

咲夜は時を停める能力を解除して後ろに飛び間合いを取った。

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いつもと同じはずだった。
自身の時間を操る能力で時を停め、急所にズドン。
戦闘行為する起こらない、ただの作業。
このシンプルな行為でもって、人も、そうでないナニカもたくさん仕留めてきた。
今回も同じだったはずだ。
相手は吸血鬼の王とされてはいるが、心臓と脳天を吹っ飛ばして終わる予定だったのだが……。
全てが静止した世界で、咲夜に目を合わせた青髪の吸血鬼は悠然と挨拶をしてきたのだ。

「ごきげんよう」

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「ごきげんよう」
レミリアにとってそれは別れの挨拶のつもりだった。

正面から迫る銀髪の少女が、レミリアへの殺意を包み隠さずまっすぐ迫ってやってくるのを十里も手前から感じていた。
これほどまでにストレートで明確な殺意が自分に向けられたのは初めてで嬉しかった。
だからこそ、この銀髪の少女を私にかしずかせたかった。
赤目を紅に染め、自身の運命操作の能力で、銀髪の少女の殺意を絶対服従へと変える。
殺意を抱く少女に別れの挨拶を済ませ、改めて服従の誓いをうけようとした。
そのはずだったのだが、相手が予想に反して後ろに退いたものだから驚いた。

「あなた、名前は?」

レミリアは咲夜に問うた。

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咲夜は混乱していた。
自身に冷静になるように心の中で呼びかける。
もう一度、もう一度時を停めて、そして仕留める。
そのつもりで時を停めるも、青髪の怪物が停まる様子はない。

「あなた、名前は?」

相手がこちらの能力がまったく通用しない現実を受け入れる他なかった。

(これが人外……。格の差、命の重さの違いなのか……)

咲夜は膝をつき頭を垂れた。

「十六夜咲夜です。この命、あなたに差し上げましょう」

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少し遅れて、対峙した少女は咲夜と名乗り、膝をついた。
私が決めた運命よりも少し違ったけど、まあいい。

「咲夜よ、あなたは私の忠実な僕となり仕えなさい」

銀髪を上から見下ろす。
王である自分には見慣れた光景。
だが……。
咲夜が顔をあげ、キッと睨んできたものだからまた驚いた。
服従を誓う、負け犬がつくる表情ではない。
まったく衰えていない敵意と殺意がそこにはあった。

(この子、私の創った運命を受け入れていない? あくまで自身の意志で膝まづいたのね。おもしろいわ)

レミリアはアシンメトリー顔でクククと笑いが止まらない。

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咲夜は怪物に命を差し出す覚悟でいた。
首を跳ねられるつもりでいたら、予想外の言葉に驚き、思わず敵意が再燃した。
しかし、それも一瞬のこと。
全てを受け入れよう。
この吸血鬼がそれを望むのであれば、潔く仕えようではないか。

「なんなりとご命令くださいませ、レミリア御嬢様」

レミリアは笑顔で応えた。



(作者の独り言)

ジョジョの第三部で、ディオが承太郎のスタンドを、同じタイプのスタンド、と評価し、
さらにそこから自身と同様の能力が使えることに気づくシーンが好きです。

そのシーンを、レミリアを咲夜の間でもやってみたかったのです。
時間操作と運命操作と、まあ、違う訳ですけれども、
まあまあまあ、大体一緒な感じの能力じゃないですかね?