ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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予定より早く仕上がりましたので投稿しました。

この分では7月中には第1章が終わります。





・・・・・・・・・・・多分


それではお楽しみに下さい♪


09始まりの歌

「何かニュースやっていないかな?」

何時も通り朝練に参加するため早く起床して、洗面所で顔を洗終えると、ウィンナーを焼いてインスタントの味噌汁で朝食を食べ終り、お茶を飲みながらテレビのニュースチャンネルに切り替えると堅苦しいキャスターの声があまり嬉しくない内容のニュースが聞こえてきた。

「世も末だね」

 

ピンポーン

うん?

 

ニュースの内容に嘆いていたときインターホンが鳴った。

 

 

 

こんな朝早く誰だ?

モニターで確認するとジャージ姿の穂乃果がたっていた

「おはよう悠にい!!」

「どうしたのだ穂乃果?練習時間に余裕があるけど」

「あのね!これなんだ!!」

 

穂乃果の家のポスターにμ`s宛てに1枚のCD届けられていた

「これって!?」

「うん!悠にいの予想通りだと思うよ」

確かに届くとは予想していたけど昨日の今日だよ!!

幾らなんでも早すぎる!

 

「この中身は聞いた?」

「まだだよ。みんなで聞こうと思って」

「ちょっと待ってろ」

直ぐに支度をして鞄の中にいつも使っているタブレット以外にタブレット専用の外付けドライブも一緒に鞄中に入れて、穂乃果と一緒に家を出た。

残りの2人にも走りながら連絡して神田明神に集合した。

 

「・・・・・行くぞ」

俺が持ってきたタブレットにドライブを繋げCDを入れて再生し、イントロが流れ出した。

 

ピアノの音と・・・そして海未が作った作詞を西木野さんが歌い出した

 

 

前々から彼女の才能に一目を置いていたが、たった一日・・・いや、下手したらた僅か数時間でここまでの物が仕上がるなんて!

 

海未のひたすら走り続ける始まりのフレーズに西木野さんのメロディーが加わり始まりを告げる歌になった!

 

「・・・・・・すごい!!」

 

初めて聞く穂乃果たちも呆気を取られていた。

 

 

理由?

 

そんなのねえよ!!

 

これは理屈云々じゃなく、俺たちの心に西木野さんが奏でるピアノや歌声にほれ込んでしまった。

 

それだけ魅力のある!

 

 

「票が入った!?」

ついさっきまでランク外だったのが1票入ってランクが999になった。

まだまだ先への道のりは長いがこれが始まりの一歩だ!!

「さあ!!練習を始めよう!!」

穂乃果の一声で開始の合図をした。

 

空を見上げると雲ひとつもない大空に3羽の鳥が力強く羽ばたいていた。

まるで3人を現す象徴的な光景だ。

 

 

4羽目がなかったけどそれでいいかもしれない。

光があれば陰はある。

俺は影に徹し・・・マネージャーとして最後まで尽くす。

 

 

っと話がずれたが、これですべてのカードがそろった。

この日からμ`sの最初の曲『START:DASH!!』を使った練習に切り替えた。

 

この数日間で3人の基礎体力も体作りも出来上がりモチベーションを見折る限り、ここから本格的にパフォーマンスの練習に切り替える方がいい。

 

歌はともかく慣れないダンスに最初は戸惑ったがいい感じになってきた。

 

「ことり!ワンテンポ遅れている。海未体が縮こまっている!穂乃果は前に出過ぎ」

俺の役割はタイミングを調整して個別に指示を飛ばしたりする。

みんなの表情は先週とは全然違う。

 

前までは頑張っいるもの本当に出来るのか?って心の奥底で誰しも思っていた。

あの穂乃果でも表には出さないだけで時折仕草とかに出ていた。

 

でも、今は違う!

 

3人ともが目を輝きながら活気のある力強くていい表情だ!

 

「お疲れさん」

「ふう~」

「随分できるようになりましたね」

「うん♪」

 

スクールアイドルを初めて大分立つけど最初に比べると、よく短い期間でダンス未経験者である3人が体力もダンスのキレも上がっている。

なんだか感無量なところもある。

「でも、穂乃果がここまで朝練に大幅に遅れてきていないのが感心する」

「うん。その分授業中にぐっすり寝てい―――いた~い!!」

 

ア穂乃果のこめかみに思いっきりグリグリした。

毎度のことながら俺の感動を返せこのヤロウ!!

いずれ纏めて利子を請求するぞ。

 

・・・・・・無論トイチで!!

 

 

冗談もさておいて・・・・・

「海未も穂乃果が授業中に居眠りしていたら遠慮なしに叩き起こしてくれ」

「ええ、もちろんですわ」

「そんな!悠にい海未ちゃんの鬼教官」

「ほお~鬼教官か~・・・俺がアルテールスでどんなことをしてきたか知っている?」

 

「「「・・・・・・・・・・・え!?」」」

俺がアルテールスで受けた訓練内容や出来事を言うと、ビビったのか3人の表情が硬い。

 

「流石に3人にはやらないよ」

「「「・・・・ほっ」」」

いくら俺でもそこまで鬼じゃないよ。

 

 

・・・・・・・・こいつらに手を出す不当な輩には生き地獄を味合わせてやるけどな

 

ふふふっっ・・・・・・・

 

「悠にい・・・顔が怖いですよ」

海未嗜められたけど、君も大概こんなものよ。

 

 

 

・・・・・・・っと思いつつも声に出さなかった。

 

 

 

 

 

何か微妙な空気になってしまった時、階段から顔を出している西木野さんの姿が見えた

に見られたのを気付いたのか慌てて瞬間階段から降りようとし・・・・・・・・ちょっと待ってよ!

逃げることはないじゃない!!

 

「あっ!西木野さ~ん!真姫ちゃ――ん!!」

「ヴェエエ!!」

穂乃果も西木野さんに気が付いて大声で呼ぶと顔を真っ赤にしながらこっちに来た。

 

「大声で呼ばないでよ!」

「何で?」

「何でって・・・恥ずかしいからよ///」

呼び止めてくれたことには感謝するけど、穂乃果よ。こんな朝早くに大声出したら近所迷惑だよ。

 

「でも、毎日見に来てくれてありがとうな」

「ヴェエエ・・・・ナ、ナンノコト」

「え?何時も階段の隙間とかで見ていたのは君だろう?」

とぼけたようにいっているけど、本当のことを言うと対不審者探知のためこの周辺に意識を張り巡らせていて近づく人間の気配を読み取っている。

既に西木野さんの気配は覚えているからたとえ隠れていても気配でバレバレなのだよ

 

「そうだ!この曲3人で歌ってみたから聴いて」

西木野さんからもらったCDを持ち帰りパソコンにDTMに詳しい人がいたのでその人から機材一式を借りてきた。

基本ベースとなる曲さえあれば後はそれをイメージしつつ打ち込めばいい。

多少時間はかかったがライブに使う音源は完成し2日前に初めて録音した。

 

「・・・・・・なんで私が?」

「だってこの曲作ったの真姫ちゃんでしょう?」

「わ、私じゃないわよ!!もう何度言ったらわかるのですか!!」

 

「またですか」

「また?」

海未の言葉に首をかしげた。

「実は穂乃果ちゃん西木野さんに会う度、曲のお礼言っているのだけど」

「作ったのは私じゃないって何時も言っているのです」

そういうことか。

本当に西木野さんは見た目どおりこのツンデレお嬢様は本当に素直じゃないんだから!

 

そんなことも言ってこのピアノのセンスと声で一目瞭然だよ!

 

えっ!?ツンデレお嬢様って何かって?

 

そりゃ―彼女の雰囲気はどこかお嬢様っぽいところあるし、それでツンデレだろう!

だからツンデレお嬢様だよ!!

 

・・・・・・・割とどうでもよかったな。

 

そんなことを考えているうちに穂乃果がうなりだした・・・・っておーい穂乃果ちゃん・・・

そのケモノのように西木野さんに飛びつくのもお止めなさい。

こっそり撮影しとくから人気のないところでやれ。

 

「ぐふふふふっ」

 

後そのうす気味悪い笑みはやめなさい。

正直アイドルにはあるまじきなカオだぞ!

「えい♪」

「・・・・・・ゔぇえ?」

虚を突かれたのか西木野さんの耳にイヤホンを付けた

「うまく歌えたと思うよ」

納得いかない表情していてもイヤホンを外す気配はない

なんだかんだ言って気になっていたのだな。

「「「「μ`sミュージック・スタート」」」」

 

 

 

「μ`sファーストライブやりまーす!よろしくお願いします!」

 

場面変わって神田明神での練習を終えて、校門のところでチラシを配っていた。

 

練習だけではなくライブの告知も重要なファクターだからこれも疎かにしてはいけない。

 

 

 

 

今のところは曲もダンスも順調に進んでいる。

衣装の方も今日中には仕上がるとは言っていたし、照明の準備や操作も生徒会や穂乃果の友達が協力してくれている。

 

唯一懸念事項だった廃校派の妨害も今の所は確認されていない。

 

 

だけど最後まで何が起こるかわからない。

 

ある人は言った・・・・・・

 

魔物は以外にも天界に住んでいる。

 

全てが上手くいっている時に魔物が襲ってくる。

 

ファーストライブが終わるまで気を緩めるわけにはいかない。

 

 

そしてファーストライブ前日までやってきた。

「悠にい、いよいよ明日」

「ああ、ここまで来たな」

 

夕方の練習はで早めに終わって穂乃果の家に集まっていた。

本番前日にハードワークやってライブ影響は出したくないので本番用に一回踊ってステップの確認だけにした。

 

それでもやれる事は全部やった。

後はベストコンディションで明日を迎えればいい。

「そういえばことりは?」

「衣装が仕上がったと言う事で取りに行っているそうです」

「そうか・・・・」

これで全てのピースが揃う。

正直衣装を見る暇がなかったからことりに一任と言う名の丸投げ状態だ。

ことりはふわふわしているけどしっかりしているし安心出来た。

 

「やっぱりA-RISEは凄いですね」

「ああ、ダンスのキレ具合もステージでも堂々さも格が違うな」

ことりを待っている間に穂乃果が他のスクールアイドルのPVを見ていた。

ランキングチェックするついでに他の新着PVがあれば研究で見ているが、他の子達ももいい動きしているけどそれをも超えてA-RISEがいる。

UTXには芸能界の復活を夢見ている芸能科があり彼女らもそこの学科に所属している。

 

 

「う~ん・・・・こう?こうかな?」

穂乃果がA-RISEのPVを見ながら踊りの真似をしていたが俺が座っているのに立って踊るのやめんさい!!

スカートの中が見えてしまうだろう!

 

こう見えるか見えないギリギリのラインで踊っているからどうしても目がそっちに行ってしまう。

「悠にい・・・・・どこを見ているのですか?」

「何も見ていないぞ海未よ」

 

アブね!!

ほんの少しだけ目線を向けただけなのに気がついたよこの子は!!

 

さすが文武両道の大和撫子だ!

 

 

「おっ!ランクが上がったぞ!!」

「本当!?」

「ああ、きっとチラシを見てくれた人が投稿してくれたのだ」

たまたまランクが上がった音がしてくれたおかげでみんながそっちに釘付けになった。

・・・・・・・正直助かった。

あのまま話を続いていたらどうなっていたか分かったもんじゃない!

 

「お待たせ!」

しばらくほうじ茶を飲んで待っていたら袋を抱えたことりが

「ことり、もしかしてその袋の中が」

「うん!さっきお店で最後の仕上げしてもらって」

袋の中から一着だけみんなに見せる形で出した。

 

 

「かわいい!!」

「いい感じじゃないか」

アイドルをイメージしたのかノースリーブにミニスカート状のワンピースといった可愛いらしいものに仕上がっている。裁縫が得意といってもこのレベルだと正直店に出しても十二分に通用する出来具合だ。

海未といいことりといい、西木野さんといい俺らの周りにはすごいセンスの持ち主で溢れているな。

俺、ことり、穂乃果は高評価なのだが一人だけ・・・・

 

 

「海未さんやどうした?」

「・・・・・・・・・ことり」

「うん?」

 

「そのスカート丈は?」

 

「・・・・・・・・あ」

ことりがやらかしちゃった感満載の顔になっていた。

そう・・・

前に、衣装の原案ができたとき海未が『いいですか!スカートは最低膝下でなければ穿きません!いいですね!!』とことりにキツくお願いをしたのだが当の本人が忘れていた。

 

確かにアイドルをイメージし過ぎたのか結構露出の激しいものになっている。

ことりの肩を掴み、迫力のある顔で迫る海未問い詰めているが・・・

 

「海未さんや海未さんや!さすがに今から直すのは時間が足りないよ」

 

「なら私は一人で制服で歌います!!」

 

まさかここに来て問題が出てくるのか!?

 

勘弁してくれ!

海未の恥ずかしがり屋の性格は昔に比べたら大分マシにはなったけど、もう衣装は完成した且つライブは明日に控えているいて時間はない!

俺も編曲や広報案を考えていて衣装まで回らなかった・・・・ってまさかことりのやつわざと!?

この間の海未の歌詞依頼の時に腹黒さの垣間見た気がするから可能性はなきにしもあらず。

 

もしそうなら天使のことりがわざと仕事をしなかったことになるから悪魔とも違うし・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・あ!?

 

 

 

 

 

だからこれこそ俗に言う『ペ天使』というやつか!!

 

 

 

自分でも心底どうでもいいと思った。

 

あれこれ言ってみたものの首を縦に振らず冗談抜きであくどい方法も考え始めた時穂乃果が・・・・・

「成功させたいもの」

「穂乃果」

「だって成功させたいの!曲も出来て衣装も仕上がってダンスも覚えてここまで来たの!」

それは紛れもない穂乃果の正直な本音だった。

 

穂乃果は考えなしで行動をしてみんなを困らせていたけど逆を言えば自分が感じたことを直接現している。

 

それを天然でやっている。

 

これが高坂穂乃果の最大の魅力と思う!

 

「海未俺からも頼むよ」

「悠にい」

「海未の恥ずかしがりやの事を考慮しなければいけなかったが正直衣装まで目が回らなかった。言い訳にしか聞こえないけどせっかくここまでかんばって来たのだから3人とも同じ衣装でステージで輝いている姿が見てみたい」

 

「本当に卑怯ですね」

海未が俺たちを見て、ため息ついた。

「そんなこと言われたら・・・・断れじゃないのですか」

 

よかった・・・・

「でも海未よひとつ思ったのだが・・・・・」

「何でしょうか?」

「この衣装のスカート丈と制服のスカート丈って・・・・・・一緒じゃない?」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

あ、あれ?

何で無言になるのですか?

お兄さん不安ですよ!!

 

「そ、そうだ!今から神田明神にお参りに行かない?」

「い、いいですね」

「う、うん」

え?!

スルーですか!

お兄さんの発言は無かったことなのですか!?

 

涙は出ていないもの心の中は浸水してしまったよ!

 

もう俺の心に隔壁閉鎖して遮断するよ!

 

 

・・・・・・・・・実際に閉じないが。

 

 

 

こうして一緒に神田明神にいく事になった。

 

 

境内にも人影が一切なく俺たちしかいない。

夜の神社も昼とは違って静かでとても神秘的に見える。

前に希がスピリチュアルパワーが集まると言っていたがあながち間違いではなさそうだ。

 

お賽銭箱にお金を入れてそれぞれが手を合わせて各々の願いを口にした。

「どうか、ファーストライブが成功しますように」

「緊張しませんように」

「みんなが楽しんでくれますように」

一言一言に思いを乗せて祈った。

 

俺は自分の願いをあえて口に出さず心の中で願った。

「そういえば悠にいは何も言っていませんでしたが」

「一体何てお願いしたの?」

 

「あんまりこういう願掛けのときは声に出さないようにしているの

「何で?」

 

「何か・・・こう・・・口で言ったら叶わないと思って」

無論俺もライブが成功しますようにと願ったけどもう一個願ったのだ。

われながら欲深いとは思ったがこれも願わないといけないと思った。

 

『3人の思いがみんなに届くように』

 

我ながら小っ恥ずかしい願いをしたのもだと思ったけど願わずにいられなかった。

 

 

 

 




第1章ハジマリノメロディーは後1話で終わります。

長かったです❗


この話に出てきたことりちゃんは『ぺ天使』のネタなのですが、ニコニコマンガの某特殊部隊上がりの母親から取りました。

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