ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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前回の予告通り何とか完成できて投稿します。

そろそろ主人公が壊れ気味になる・・・・・・かもしれません(おい!)

それではお楽しみ下さい♪


08思い

結成から数日が立ち、最近日課になりつつある朝練に顔を出しに早めに出た。

ファーストライブの会場も絵里に頼んで新入生歓迎会終了後なら講堂を使っていいという約束もしてもらって新入生歓迎会を目標にして練習に励んでいる。

今は既存曲で練習しているが、やっぱりオリジナル曲での方がいいけど一向に進んでいない。

「よ、海未!」

「悠にい!おはようございます」

 

我らの幼馴染みでThe 大和撫子の海未。

相変わらず凛としたその姿に見惚れてしまう。

 

「作詞の方はどんな感じ?」

「・・・・・・・できたのは出来たのですが」

「おっ!見せてくれない」

「・・・・・・・笑いませんか?」

「笑う訳ないないだろう」

 

そこまで信用されてないとお兄さん泣きたくなりますよ。

 

 

 

 

 

この道端では泣かないけど。

 

カバンの中に折りたたんでいた紙を渡してきて目を通した。

 

「・・・・・・・・!?」

こ、こいつは!?

 

「ちょ、ちょっと悠にい何か言ってください!不安になります」

「あ、あぁ・・・ごめんごめん」

 

あまりにも凄い内容だったので言葉が出なかった。

「はっきり言うぞ」

「・・・・・・・・・」

緊張した面持ちで俺の言葉を待っていた。

 

 

 

 

 

「言葉が出ないほど素晴らしい!!」

 

「・・・・え?」

ひたすら夢に向かって駆けめくっていくその途中にも困難があっても挫けてしまっても走り続けば必ず道が開かれる。

今の俺たちに必要なフレーズが詰まっている。

 

若干17歳でここまで完成度の高い者ができるとは思わなかった

「そう、そうですか」

「ああ!よく頑張ったよ」

余程嬉しかったのか目には涙が浮かんでいた。

自分の黒歴史をほじくり返されて強引に頼んだ俺らが言うのも何なんだけど、よくやった!

 

 

 

昼休み・・・俺は図書室で昔の卒業アルバムを見ていた。

 

授業中にふと気になって母さんがどんな時代を過ごしていたのか急に見たくなってきた。

アルバムには母さんだけではなく紀衣さんや陽菜さん、海未の母親である汐さんも楽しそうな写真があった。

 

 

「悠にい!!」

 

暫く卒アルを目に通していたら穂乃果が図書室を奇襲した 。

「・・・・・穂乃果、ここ図書室だよ。もう少し・・・「あのねあのね!!」」

こりゃだめだ!

まったく聞き耳持たずだな。

 

「・・・・・・はあ・・・何があったの?」

幸いにも図書室は誰もいなかったのいなかったのでそののまま話を続けた。

「入っていたの!」

「何が?」

「グループ名が!!」

「何だと!?」

穂乃果からの一言に俺も驚き叫ぶ!!

 

って俺まで大声を出してどうする!

 

「うん!それで悠にいを探していたの」

「よし!行こう!!」

図書室で昔の卒業アルバムを片付けて急いで海未たちのところに向かった。

 

 

「海未!あの投票箱に入っていたって本当か!?」

「はい!一枚ありました」

まさか飛びついてくるもの好きの人が・・・・・・おっと失礼だな

海未からもらった一枚の紙を広げるとそこに記載していたのは・・・・・・・・

 

『μ`s』

 

「ミューズ?あのギリシャ神話に出てくる9人の女神の?」

 

「良くご存じですね」

「知り合いにギリシャに詳しい考古学者がいて前に聞いたことがある」

「・・・・・悠にいって本当にいろんな知り合いが多いですね」

うん。

自分でもそう思った。

 

 

「μ`sか・・・・・いい響きね」

「みんな・・・異論はないな」

3人の顔を見ると異議なしといった表情だった。

「うん!今日から私たちはµ`sだ!」

 

 

3人はグループ名が決まって喜んでいたが俺は別の意味で気になった。

 

いったいこれは誰がいれたのかな?

μ`sって言葉を知っているという事はそれなりにもそっち方面精通している人の筈だ。

 

あの時、9人が頭に浮かんだのはこれの事だったのか?

と言う事は最終的には9人になるのかな?

 

自問自答した所で答えは出るわけでもなかったが考えずにいられなかった。

 

 

放課後、海未に今日の練習メニューを渡してある場所に向かった。

 

練習・歌詞・ライブ会場・衣装などの問題はクリアしているがまだ作曲が残っている。

今は既存曲で練習しているとはいえやっぱりオリジナル曲が望ましい。

 

いや!

廃校回避を目指している以上既存曲では話にならない!

 

俺の知り合いの中で作曲できるセンスの持ち主は一人しかいない。

 

 

「相変わらずいい演奏だな」

「あら先輩、ずいぶん久しぶりですね」

音楽室を覗くといつもの通り一人でピアノを弾いていた西木野さんが居た。

暇な時に彼女の演奏を聞いていたけど未だにこの子の底が見えない。

 

もう少し聞きかったが本題に入ろう。

「今日は西木野さんに頼みたいことがあってね」

「頼みごと・・・・・・・ですか?」

「ああ、スクールアイドルの歌を作ってほしい」

「・・・・・・・はい?」

余りにも予想外の答えだったのはすっぽけな声を出した。

 

「今この学校が廃校に瀕しているのは知っているよね?」

「ええ、告知もされていましたし」

「それを打開するために俺の幼馴染たちがスクールアイドルを始めたのだけど作曲の問題が出てきた。そこで君に依頼にいたわけなのだが・・・・」

「お断りします」

 

・・・・まあ、大体予想通りの回答だけど最後まで言い切ってから返事して!

 

 

「そもそも私はクラシックしかやらないですし、アイドルみたいな薄っぺらい曲はきらいなのです」

薄っぺらいか・・・・

確かにそういう曲しか聞かない人にとってはそういう感想かもな。

「試しにこのPV見てくれないか?」

俺は持ってきたタブレットからスクールアイドルの総集編のPVを再生した。

音楽を携わる人なら分かるものは分かる。

 

「これ見てもまだ薄っぺらい曲って言えるかな?」

「・・・・・・・」

正直いやらしい手段だけど百聞は一見に如かず。

「・・・確かにその発言は訂正します。ですがそれと作曲の件は別問題です」

 

うん。

まさしくその通りだな。

 

 

「・・・・・先輩は何でこの学校に面入れがあるのですか?」

前に先生に聞かれた同じことだ。

あの時はあまり多くは言わなかったが、この子には正直に話そう。

「俺の・・・・・死んだ母さんの母校でね」

「・・・・え?」

突然の答えに西木野さんは困惑した。

「俺は何にも親孝行ができなかった・・・・だから少なくとも面入れのあるこの学園を残したいしそれ以外もあるぞ」

「どんなことですか?」

「君たちだよ」

「・・・・私たち?」

「廃校が決定したら来年から新入生が入ってこなくなる。つまり君たちに後輩が入ってこない。残りの学生生活をそんな寂しい思いはさせたくない。させてはならないのだ!」

これが俺の今の気持ち。

 

無論穂乃果の助けたい気持ちも嘘じゃないし、それも行動原理のひとつであるけど、寂しい思いをさせてほしくないのも本当の気持ちだ。

 

「これ・・・・・俺たちが作った歌詞だ。これを見て気が変わらなかったらその時は言って・・・きっぱり諦めるから」

「気が変わるとは思いませんが」

「それでも構わないさ。そしたらまた歌・・・・聞かせてくれないか?」

「え?」

「西木野さんの曲を聞いたからあの時俺はバイオリンを弾いた。君の曲には力がある」

 

それだけ伝えて、音楽室を後にした。

 

言いたいことは全て言った。

 

後は結果を待つのみだけど、どんな結果になっても俺は彼女の意思を尊重する。

 

俺は学園を後にして神田明神へ向かった。

 

 

 

 

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・」

「もう・・・動かな・・・・い」

「ダメです。まだ2往復残っているのです」

明神男坂を上ると仁王立ちしている鬼軍曹化した海未と、ぐったり倒れている穂乃果とことりがいた。

といより穂乃果、年頃の女の子なんだから大の字で寝転ぶなよ!

 

もう少し恥じらいを覚えないとお兄さん君の将来心配だよ!!

 

「悠にい!!早かったのですね」

「ああ・・・・・それでどんな感じ?」

 

「・・・・・見たまんまです」

今日の練習は気づかないレベルだけどキツめに設定していた。

それを何セットもやったら完全に死屍累々化になってしまう。

「どうした?もうあきらめるか?」

「もー、悠にいの悪代官!」

「それを言うなら、鬼教官のような・・・・」

 

文句言っている割にはこのきつい練習を確実にこなしているじゃないか

「海未・・・予定より早いが、明日の朝練から軽くダンス系も取り入れて見て」

「わかりました」

「本当!!」

「ああ、みんな基礎体力は上がって来てるしそろそろ頃合いだろう」

 

トレーニングを初めて1週間と少しで、最初の方は全然規定回数をこなすのに時間がかかっていたがその時に比べると短期間でここまでできるようになっている。

そろそろ変化を取り付けるものいい・・・・・・

 

「キャ――――――!!」」

「!?」

「何・・・今の?」

「女の子の・・・悲鳴よね?」

 

夕暮れの境内に響く女性の悲鳴

「3人はここに残っといてくれ!俺が確認に行ってくる」

ショルダーホルスターに収めていた拳銃・・・コルト・パイソン357を取り出し、シリンダー内にあらかじめ弾丸を込めていたスピードローダーで素早く弾丸を装填して、猛スピードで階段を駆け下りた。

 

「早すぎる」

穂乃果たちが廃校回避のためにスクールアイドルを始めたのは既に先生や生徒に知られているはず。いずれ廃校派の先生が何らかの妨害をするとは思っていたが、想定したより早すぎる。

 

せめてファーストライブ終了後の結果を見てそれが良薬なら潰すかもしれないが劇薬ならば自分たちでは手を出さず、自滅するまで待つはずだ。

 

ほんの少しでもスクールアイドルにちょっかい出すものなら即公安が介入して自分たちの所業が明るみに出るから、ギリギリまで手を出さないと踏んでいたが・・・・

「不確定要素は全て排除か!!」

 

これは思っていたより闇が深いな。

 

気配を感じるに女性らしき気配が2人だけど1人は拘束されている

 

「動くな!!手を・・・・挙・・・げろ?」

 

さて・・・これはいったいどういう状況だろうか

 

「な、ナニスルノヨ」

「・・・中々のモノだけどまだ発展途中やな」

「・・・・・・おんどりゃ!いったい何しちょるんじゃ」

 

 

 

ありのまま今起こった話をする。

突然悲鳴が聞こえて何事かと思いきや下にいってみると巫女服着た女の子が音ノ木坂学園の制服を着た赤髪の女の子の胸をもんでいた。

・・・・・・・・しかも

「お、やっぽー悠斗」

「!?///////」

その巫女服も制服の子も見覚えがあった。

 

同じ学園の同じクラスメイトの希とピアノが上手い西木野さんだ!

 

おい!!そこ変わ・・・・ゲフンゲフン・・・早く離れろ!!

 

そして西木野さんは異性の俺に胸を揉られている姿を見られたのか一気に顔を真っ赤になった。

「はあ・・・希、そろそろ話してやりんさい」

「ほーい」

 

構えていた拳銃の弾丸を全部抜いて安全装置をかけてショルダーホルスターに収めた。

コイツが無駄に成らずによかった。

国内じゃ弾丸の購入も一苦労だからな。

 

「・・・・・ったく悲鳴が聞こえて駆けつけてみると・・・はああ・・・希もうやめてくれ」

「後輩の成長を確かめるのも先輩の役目やし~」

「余計なお世話よ!!」

これ・・・普通にセクハラじゃない?

 

と思いつつも俺の知り合いにも同じようなセクハラ(女性限定)をしていたから何か見慣れた光景だった。

 

 

そんなのもに慣れたくはなかったが。

 

 

ちなみに希はこの状況を楽しんでいるふうに見受けられるのでとりあえず制裁で頭部にチョップをくれてやった。

「ひどいな~ちょっとしたジョークやんか」

「ジョークでも笑える奴にしてくれ」

今のは正直焦ったぞ。

 

それに・・・・・・・・

「先輩は・・・警察関係者なの?」

「いや警察関係者じゃないが銃の所持使用許可のライセンスは持っている」

2人に国際銃火器使用ライセンスを見せて非合法でないことを証明した。

 

「本当は3人の様子を見に来たのやろ」

「っ!!な、ナンノコト」

なるほどね。

余り素直な性格じゃないのだな

見た感じツンデレだもんな。

「ありがとうな!あいつらの事見にきて」

「べ、別にお礼言われることじゃないよ」

はい!本場のツンデレ来ました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・本場って何だ!?

 

 

 

 

 

 

自分自身にどうでもいいツッコミをいれていた

「それで3人を見てどうだった?」

「・・・・・・・・・・」

西木野さんは何も答えない。

 

答えないということは恐らく彼女の中でまだ悩んでいるのだろう。

 

 

「そ、それでは私はこれで失礼します」

「ほなね~」

「巫女さんに気をつけて帰れよ」

俺の言葉に横から希が講義したが受け流した。

 

 

結局何も答えなかったけどあいつらの練習見て何か感じ取れたと思う。

 

楽観的観測だと思われるけど、別れ際の目を見て思ったよ。

 

 

「さて・・・・・希」

「なに?」

「・・・・・・いったい何を企んでいる」

 

こいつの行動は読めない所がある。

 

今の行動も本当に冗談でやっているのかと疑問を感じる。

同性といえども一歩間違えたら刑事事件に発展しかねない。

「企んでいるの何も・・・ただ迷える子羊を導いているだけやな」

「まるで何でも知っているような口調だな」

「どうやろ?」

 

なかなか心の奥で思っていること言わないからこの子も以外にも一癖もあるね。

だけど悪意の類いは感じ取れない。

普段からスピリチュアルと公言しているだけあって、まるで神秘的でミステリアスな感じだな。

 

 

「それじゃ、俺は練習に戻るよ」

「ほな。また明日ね」

そういって階段を登ってみんなのところに戻った。

 

 

「どうでした?悠にい?」

境内の隅っこで隠れていた海未が聞いてきた。

「・・・・・・ただ女子高生がじゃれあっていただけで何もなかった」

「よかった」

「うん」

「ええ、本当ですね」

嘘はついていない。嘘はついていない!

 

大事な事なので2度言いました

あれは端から見たら本当にじゃれあっていただけにしか見えない!

・・・・・・・・と思う。

戻ってきて残りのトレーニングを消化して帰りの準備をしていた。




ここ最近、重要な日(自分の誕生日や海未の日やにこちゃん)に限って夜勤が入ってついていない日々が続いております。


そろそろ各キャラの番外編を作ろうと考えております。

では次は日曜日に投稿する予定です(予定未定であり決定に在らず)

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