ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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みもりんの曲を聞きながら筆跡した杉並です。


今回の話は完全オリジナル使用です。



04対策

父さんの頼みで廃校の危機に落ちいている音ノ木坂学園に転入した俺、朝霧悠斗は転入先のクラスで以前秋葉原で助けた女の子、絢瀬絵里と再会した。そして幼馴染である園田海未と南ことりにも再会した。

そしてことりと東條さんの謀略?で帰りにファミレスに寄る事になった。

 

 

 

 

 

昼休みが終わりが近づいてそれぞれの教室に戻った。

 

「・・・・ところで朝霧君」

「どうした?」

「どうしてさっき広島弁が出たの?」

正直今月だけでどれだけのお金が出て行くのか頭で計算していた時絢瀬さんが質問をかけてきた。

 

「それはな、前・・・と言っても7年ぐらい前かな?父さんが呉の方に住んでいた時、しゃべっているのをまねしたからかな」

あの時標準語しか知らなかった俺にとってとても新鮮でついついまねしていくうちに時々出てしまうこともある

 

「でも本当によかったの?ファミレスの話」

「もう言ったからには二言は無い」

一度言った言葉を覆すのはやってはならないことだ

「そうやでえりち。これも代金なわけやし」

「代金?」

何の事かわからず首をかしげる絢瀬さん。

 

よかった!さっきの目線東條さんは気づいても絢瀬さんは気づいていなかった。

 

とりあえず命拾いした。

 

「それより2人とも廃校回避にあたって一般生徒から何か相談会みたいのはしてみた?」

 

「相談会?」

「・・・・してないね。基本生徒会内の会議で済ませていたから」

やっぱりね。

「こういう組織にいると思考が固まってしまって浮かぶ案も出てこなくなる傾向がある」

思考の硬化とも言って特に長くある組織なんかはその傾向が見られる。

 

 

「でもそのことに気がつける組織なんて極一部だけだよ」

現に現政権も前回敗戦した経験を生かして徹底的に己の悪かったところを直していった。

 

「だからちょうどいい機会だしあの3人にも意見を聞いてみるといいよ」

「そうね・・・・それがいいかも」

教室に戻って残りの授業を終わらせて放課後になった。

 

絢瀬さんと東條さんは生徒会の書類整理があって遅れるので、その趣旨を穂乃果に伝えて先に行っといてっとメールをした。

 

その間俺は手持ち沙汰で暇潰しに校内を散策していた。

 

 

 

~~♪

「あれ?」

今何かが聞こえた?

 

 

 

 

~~~~~♪

空耳と思っていたけど聞き間違いではないようだ。

 

「誰かが歌っているのか?」

 

 

 

 

 

~~~~~~♪

清らかで澄んだ声

俺は歌声に導かれるように歩き出した

~~~~~~♪

声を辿っていくと音楽室からその声が聞こえてきた

「いた・・・・」

 

「さあ、大好きだ!ばんざ~い!負けない勇気!」

音楽室を覗くと一人の女子生徒が気持ち良さそうにピアノを演奏して歌っていた。

 

 

 

演奏が一段落した所を見計らって拍手しながら音楽室に入っていった。

 

「演奏・・・・・・とても素敵だったよ」

「あ、アナタハ?」

「驚かせてすまない。俺はこの度、音ノ木坂学園テスト生として転入した3年生の朝霧悠斗」

リボンの色は緑、と言うことは今年入った1年生か・・・

「あなたが噂の転入生ですか・・・・」

「・・・・・・・噂になっていたのか?」

「ええ、女子高でただ一人の男子生徒って・・・」

何れは1年生まで話は広がると思っていたけどたった半日で広がってしまうとは・・・

 

「そ、それより、他人の演奏を覗き見するなんていい趣味していますねセンパイ!!」

演奏を見られたのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしながら抗議してきた。

 

「別に恥ずかしがる事はないよ。俺も昔少しかじっていたから」

「え?」

隣にある音楽準備室の備品からあるものを探した。

 

昔の話どおりならまだ残っているはず・・・

 

・・・・・あった!

 

「あなた・・・・・バイオリンやっていたの?」

「ほんの少しだけね」

準備室から出したのはバイオリン。

 

昔、母さんがやっていたのを見よう見まねで覚えたけどな。

 

「さっきのいい演奏の代わりと言ってはなんだが少し演奏させてもらうよ」

・・・・・さて、どれくらい鈍っているかな?

母さんが死んで、直ぐにアルテールスに渡ったからかれこれ6年は引いていない計算になる。

 

頭の中で昔母さんから教えて貰った楽譜を思い出し、引き出した

 

演奏曲は母さん自信が作曲したオリジナル曲で灼熱の太陽でも力強く咲く向日葵をイメージした曲。

 

「こんなものかな?」

長年のブランクがあるとはいえ何とか最後まで引けれた。

 

 

「あなた・・・なかなかやるじゃない」

「ありがとう。でも君の演奏に比べると月とすっぽんだよ」

自分でも久しぶりにいい演奏ができたけど手ごたえはあるけど、この子の技術に比べたら正直手も足も出ない。

「そんなことはないわよ」

そういう風に言われるのもなかなかいい気分だな。

 

時計を見ると待ち合わせ時間まで少ししかなかった

「さて、もうそろそろ行くよ」

「待って」

慌てずクールに去ろうとした瞬間彼女に呼び止められた。

「・・・・・・き」

「うん?」

「に、西木野真姫///」

異性に慣れていないのか、顔を真っ赤にしながら自分の名前を告げた。

「それじゃ西木野さん、また機会があればセッション」

そう言って優雅で出たが・・・・・

 

 

 

 

 

「やばい!遅刻だ!!」

 

音楽室が見えなくなった辺りで全力で階段を下りて集合場所に向かった。

これで遅れると東條さんがどう出るかがわかったもんじゃない!

 

「お待たせ」

「遅いよ」

「女の子を待たせるなんてデリカシーないな」

「ごめんごめんって」

やっぱり待ち合わせの時間に少し遅れてしまった。

「あの子達は?」

 

「待たせるのを悪いと思って先に行かせてある・・・ってそれは?」

「参考になると思って過去の部活の実績の資料をもってきたの」

生徒会の資料整理って言っていたけどこれのことだったのか。

言ってくれたらこれぐらい手伝えたのに・・・・

 

結局、遅刻のペナルティーは無かった。

 

よかったと思えばいいのかそれともこのファミレスでとんでもない命令がくるのか!?

はたまた、時限爆弾となって後に爆発するか・・・・・

 

・・・・・・考えるの止めにしよう。

精神衛生的によろしくない。

 

「そういえばあの子たちとは何年の付き合いなん?」

「もう、5歳のころからだな。穂乃果にいたっては生まれたときから一緒だからね」

「生まれたときというと親戚か何か?」

「俺と穂乃果はいとこでね。小さい頃から3人の兄貴分で通ってたからな」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・これは一体どういう状況だろう

「あ、悠にい」

待ち合わせのファミレスに着くと既に穂乃果達がいた。

 

・・・・・・大量に頼んだデザートと一緒に。

「・・・・・・・これは?」

「待っている間にお腹が空いちゃって♪」

「わ、私は悪いと思って止めたのですが・・・・」

そう言っている割には君も一緒になってデザート食べていたよね?

フォークが3本あるわけだし・・・・

 

・・・・・・・・・・気にするのは止めよう。

 

 

お互いの自己紹介を簡潔に済まして、本日の議題に入った。

「俺たちは次のオープンキャンパスで入学希望者数が下回った場合廃校となるが、逆を言えば入学希望者数が定員より増えれば廃校にならない・・・・でいいよね」

「ええ、その話で上は納得しているみたい」

 

「さて、俺はまだ来て日が浅いから音ノ木坂学園のいい所をあげてくれないか」

「まず伝統がある」

俺の問いに穂乃果が答える。

確かに音ノ木坂学園は明治維新後からある由緒正しい学園の一つであるけど、見たような学園なら都内ならそれなりの数はあるから強みにならない。

 

 

「他には?」

そう尋ねると生徒会組みが資料を出した

「まず生徒会の資料だと・・・・剣道部の関東大会で5位」

「・・・・・・・見事に中途半端だな」

これが3位以上なら話は変わるけど。

「他の運動部は?」

「う~ん・・・・いい所まではいっているけど・・・・あまり目立った成果は出ていない」

「最後はロボット研究部で書類審査・・・・失格」

「・・・・・・・話にならないじゃない」

種類審査で失格っていったいどんなものを出したの!?

 

逆にそっちが気になったじゃないか!

 

こう聞くと全然目立った成果がないな。

「考えてみれば目立つところがあれば生徒ももう少しは集まっているわけだし」

「そうやね・・・」

元々1日で打開案が出るわけではなかったけど完全に出鼻を挫かれた形だな。

 

「例えば卒業生で有名な人はいるかな?」

 

「有名な人・・・・・あ!いたよ!!」

「本当!?」

穂乃果の話に絢瀬さんが食らいついたけど、穂乃果の答えに想像がつく。

 

 

「悠にいのお母さんだよ!」

 

 

「どんな人?」

「有名なお医者さんだよ!」

「確かに母さんなら知る人ぞ知る人だけど・・・・・」

「何かあるのですか?」

正直に幼馴染にこの話はしたくはないけど何れは知ることになるのだし・・・・

・・・・よし!

言おう!!

 

 

 

「元々母さんは皇都大学医学部を首席で卒業し、その卓越したオペ技術は10年・・・いや50年に一度の逸材といわれてきた」

「すごいわそれ!!」

「だけど母さんは皇都大学病院内での派閥争いが嫌気になって止めたんだよ」

「そうなの?」

この話は実は幼馴染には知らされていない。

「結構利害関係があったらしく、辞めてフリーランスで活動しても暫くは嫌がらせも受けていた見たいだ」

特に音ノ木坂学園を管轄している文部科学省の官僚の中には皇都大学出身の人もいる。下手に母さんの名前を出して連中を刺激したくはない。

連中はプライドだけ高いからな。

「そっか・・・・いい案だと思ったのだけど」

すまない。

その件で父さんがガチ切れる可能性があるもので・・・

 

そうなったら廃校云々以前に焦土になる可能性も否定出来ない。

 

「それ以外なら海未のお母さんだって日本舞踊の元家では」

「そうなのですけど・・・あまり父がメディアに露出したくは無いもので」

それぞれ家の事情はあるわけだしこの路線は使えないね。

「けど、元々は地盤が強いわけだし何かきっかけさえあればいけると思うのだけどな」

ここまで部活動もぱっとしないにかかわらず明治から今日まで老舗の学園が存続していたんだ!

 

「朝霧君ならどうする?」

「俺なら・・・ポーカーにたとえるのなら手持ちのカードではどうにもならないなから是ほとんど捨てるそして新たに引くカードを引くけど・・・問題はその代案がな」

結局はそこにたどり着く。

部活面でどうにもならないのなら別の手を打つ。けどその別の手が思いつかない。

生徒会の方も過去に近隣中学校に対して生徒目線での説明会に積極的に参加。学園祭の機能充実・・・・いろいろな事をやっていたけどどれも決定打とはならなかった。

 

「私・・・・・この学校好きなんだけどなあ」

「私もです」

「ことりも~」

親が全員音ノ木坂出身で小さい頃から学園に通うお姉さんに憧れていた3人だ。

それぞれ思い入れも強い。

俺も母さんの母校がなくなるのは何としてでも避けたい!

「私もよ」

 

ふと絢瀬さんの顔を見ると懐かしそう・・・・けど悲しそうな表情をしていた。

「私のお婆様も音ノ木坂学園出身なの」

「うちは家族とかが出身ではないが、3年間お世話になった学園がなくなるのはいややからな」

俺や穂乃果や海未、ことりだけではない!

絢瀬さんや東條さんも思いは同じ!

 

 

「ごめんなさい。いい案が思いつかなくて」

「いいえ、むしろ私こそありがとう」

「・・・・え?」

 

「自分で言うのもなんだけど最近詰め寄りすぎて余裕がなかったと思うの」

「そうやでえりち。むしろ朝霧君がいなければ今日も生徒会に閉じこもっていたやろ?」

「うふふ・・・・否定はしないわ」

転入初日の彼女の印象は美少女だけど明らか溜め込んでいたけど今回のはいい機会になったに違いない。

「今日はここまでにしよう」

俺の言葉を皮切りに今日の話は終わりにしてそれぞれの家に帰ることになった。

 

 

そして俺の財布の中身の超スッキリ!!

 

・・・・・・・・・おかしいな?

月初めにそれなりの額は入っていたはずが

 

けど5人の嬉しそうな顔を見ていたらどうでもいいな!

 

本当にどうでもいい!!

 

 

 

そしてファミレスで分かれた後、俺は一人で秋葉原の街をうろうろしていた。

 

理由はもちろん廃校回避。

 

このまま家に帰っても思考が堂々巡りにしかならないし街に出たら多少はすっきりするだろう。

「どうするかな・・・」

はっきり言ってもう使える手札がない。

残り3ヶ月間の間で学園の知名度を上げ、入学者数増やすなんて奇跡でもなければ無理だ!

「・・・・・て駄目だ駄目だ!!俺が弱気になっては!」

 

 

 

考えながら歩いていたらとある定期的建物の前にたどり着いた。

 

 

「・・・・・・・・ここがUTXか」

そこにあったのは校舎とは縁遠いビルで学校というより会社みたいなのが第一印象だ。

入り口にはICカードなどで厳重なセキュリティー体制を整えている

おそらく中の施設も充実しているだろう。

 

「話には聞いていたが・・・・・これほどとは」

入り口にある大型モニターから3人グループが映し出されていた。

「スクールアイドル・・・・A-RIZEか」

黒髪ロングヘアーにすらっとした長身のクール美少女の統堂英玲奈。

ウェーブが掛かった茶髪のロングヘアーに甘々な雰囲気のふんわりガールの優木あんじゅ。

そしてグループの中で一番小柄ではあるがそれさえ感じさせない威風堂々たるその姿でステージを支配している綺羅ツバサ。

スクールアイドルが創成期の頃からスタートし、そしてスクールアイドルを世に広め、そしてその頂点に立っている自他共に認めるスクールアイドル界の絶対女王。

 

 

「・・・・・・・これだな」

俺の頭に9人がステージに立つ姿が浮かぶ。

 

正直言って賭けに等しいが可能性はある。

 

後はあいつらの意思しだいだが

 

俺は3人にメールを打ち・・・・・・

「うん?」

何で9人が頭に過ぎったのだ?

 

・・・・・以前もあったな

自分の意識とは関係なく予感というか、直感みたいなのが頭を巡ることがあった。

これで救われたことも何回かあった。

 

なら今回もこの直感を信じよう。

 




ありがとうございました❗


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