ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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32事後処理

予選の翌日、朝から理事長と今後について会談していた。

 

「悠斗君、このたびは本当にありがとうございます」

 

ネットの記事には音ノ木坂学園スクールアイドルμ`sの輝跡とアルテールス王女が大暴れ、そして予選にロシア・ユニオンマフィアによる不正疑惑、大会組織委員会の上層部の辞任した記事で埋め尽くされていた

 

 

 

 

 

 

おかげで朝から各地で大騒ぎ、東証はユニオンと協力的又は工場を持っている企業の株は大幅下落から始まり、予算委員会は与野党の大乱闘で審議停止状態の大混乱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけどリズのドヤ顔が腹が立ったからそれだけ燃やした。

 

 

 

 

 

 

 

そして新聞には絵里の誘拐事案や今回の廃校疑惑の記事も乗っていた

「でも、ほんとうに公開してよかったの?」

「俺は公開しない気でおったけどあのバカが全部暴露したおかげで公開せざるを得ない」

 

あの会場でリズが大ぴらに言ってしまったのだからもう隠し通すことはできず、しばらくアルテールス大使館の事務室の一室を借りてマスコミ対策に覆われることになった。

 

 

 

 

 

 

何でアルテールス大使館の執務室を借りたって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこなら大使館の治外法権で合法的にお酒が飲めるからだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

もう本当にお酒を飲まないとやってられないよあのバカがやりだした事は・・・

 

 

 

 

 

ちなみにリズ本人も大使館の執務室で大暴れした時に発生した大量の始末書の山に覆われた半監禁生活が続いている。

 

 

 

でもまあ、この記事のおかげで廃校派だけでなく官僚のあぶり出しが成功して廃校の白紙撤回、来年度の生徒受け入れに総理が構想していた官僚の整理が実現を帯びてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何がどう転ぶのかわからないなけどあいつに感謝する気は更々ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「実際にこの記事のおかげで音ノ木坂の入学希望者は増加して廃校白紙撤回と最終決定が下りました」

「ラブライブという試合には負けたが、廃校回避という勝負に勝った」

 

 

あのUTXの会長の自尊心に冷や水かけられて清々してうまい酒が飲める!

 

「それでこれからμ`sはどうするの?」

「みんなで話し合ったのですが、とりあえず夏休み明けの文化祭が終わるまでは続けます」

一応最大の目標である廃校回避の目的は達成されたがそれ以降のビジョンは見えてこない。

 

帰り際に話し合ってとりあえずは学園祭までは答えは出さないと決めた。

 

 

 

「さて、最後の大仕上げに学園のゴミどもの廃除が待っておりますが、理事長はどのようなお考えをお持ちですか?」

「ええ、もうすでにその人らの辞職願が出されました」

 

 

 

 

 

あの会場でリズが大ぴらに言ってしまったのだからもう隠し通すことはできず、本当なら大会終了後に一斉摘発する手筈だったけど新聞に大きく取り上げた結果、関係していた先生全員が辞職願いを出して海外にとんずらした

 

 

 

 

 

全て吐いた黒井先生は一応法令の例外規定が適用されるが、それ以外の先生やかかわった関係者は全員共謀罪、破壊防止法違反数えたらきりがない

 

 

 

すでに外国へ高跳びしている先生たちは政府から国際指名手配に確実に指定され一生日の目を見ることはないだろう

 

 

結果、学園からの排除は達成できたが今度は深刻な人材不足に陥る

幸い今年に一学年は一クラスだけなので今年度はどうにかなるけど来年度以降はにっちのさっちもいかない状態

 

 

 

 

 

「その件なのですが何とかなります」

「本当ですか!?」

「ええ、まず穴埋めの方はアルテールス大使館から打診がありまして、アルテールスの教員たちが異文化交流という名目で音ノ木坂に派遣することを考えております。もちろん日本語も堪能で日本文化に精通人たちばかりで、理事長が承認なさるのなら来年の春から勤務可能です」

「それはとても助かります」

 

 

 

 

「次に共学化に伴う校舎の増築ですがこれは私の知り合いに建築会社から仕事を依頼します。これも先方には了承済みです。また資金の方も私の知り合いである個人投資家からの援助で賄えることができます」

 

 

 

 

流石に今の政府予算にそこまで出せれる気力がないのが現状・・・・・・というか暴れすぎて晴海ふ頭が文字通り壊滅的な状態で海上流通に障害が出始めた。

 

 

幾らアルテールスから支援を受けるといっても今のユニオン情勢の悪化・・・というより永田町の一部では開戦間近とも声が出ているみたいで予算はギリギリで、文科省と財務省には金はこっちで出すから出張ってくるなとは言ってやった。

 

 

 

「後・・・勝手なお願いなのですが・・・」

「分かっています。工事開始は学園祭終了後に始める予定です」

金の方は透子さんからの融資で問題ないのだが

 

 

 

 

問題は建築の方なんだよな

 

 

学園祭終了後からやらないと間に合わないけど当てがないとはいえあの人に頼むものな・・・

 

 

 

 

 

 

 

色々大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後もう少しで学園祭ですけど進み具合はどうですか?」

「滞りなく進んでいます」

 

 

理事長に一礼して理事長室を後にした。

 

 

廊下には夏休み中にもかかわらず多くの生徒が学園祭の準備を行っていた。

 

廃校の白紙撤回は既に全生徒に知れておりみんな春先には考えれないハキハキした表情であふれていた

 

 

 

 

 

「悠斗ぉぉ」

生徒会室に戻ると涙目を浮かべている絵里が考えれない情けない声をあげていた

 

「・・・・・どうした絵里」

 

 

 

これから言う事は分かっているが確認の為に尋ねてみた

 

 

 

「ねえ・・・そろそろ練習に戻っては・・・」

「駄目だ!」

 

あの後膝の調子は戻らず西木野総合病院で一度見てもらったら一発でドクターストップが掛かってしまった。

 

 

 

 

少なくとも数日は絶対安静にしないといけなくてこの機会に溜まっている書類を整理していたのだが朝からずっと練習したい練習したいと嘆願している。

 

 

「でもでも、学園祭まで時間がないのだよ」

「きちんと先生の言うとおりにしておれば絶対に間に合うって何回言ったら分かるのかな?」

ったく今日で何回目だ

 

ここまで駄々をこねる絵里なんて見たことないぞ

 

 

 

本人は気づいていないが朝からこんなやり取りが続いて他の役員は目を丸くしていたんだぞ。

 

 

 

時に体をこすりつけるように嘆願してくるから質が悪い

 

 

・・・・ったくしょうよがないな

先生からトレーニング方法教えてもらったけどあまり使いたくないんだよな~

 

 

「ああ、あんまり膝に負担をかけないトレーニング方法があるけど・・・一つ条件がある」

「条件?」

 

「他のみんな・・・特に幼馴染には黙っといて」

 

「え!?何で?」

「何でも」

 

この練習方法がばれたら今度こそ俺の人生はジ・エンドで丘に俺の墓が建てられるだろう

 

 

 

「それじゃ俺たちちょっと外回りに行ってくる」

「どちらまで?」

「区の保健所まで、この間提出した模擬店出店の申請が通ったから取りに来てくれって」

 

本当は既に俺の家にあるのだがまだ他の役員には伝えておらず、これをダシにして行こう。

 

役員には今日はこのまま帰る趣旨を伝えて学校を後にした。

 

 

 

「それで・・・どこに行くの?」

「国防省内の福利厚生施設にプールがあって、水の浮力を使ってトレーニングをする」

 

「へえ・・・ってプール!?」

「だからあいつらには言えないんだよ!分かるか!?」

 

「う、うん・・・分かるわ」

 

絵里も俺が幼馴染たちから制裁を受けている姿は幾度となく見ていたので一発で理解してくれた。

 

 

考えただけでもおぞましい

 

 

一旦お互いの家に戻り水着を持って再び最寄りのメトロの駅で合流した。

 

国防省の福利厚生施設は家族且つ非常時ではない限り利用できるようになっている

 

 

 

俺はまだ傷口が完治していないため、水着と長袖のシャツを着た

 

一方絵里はてっきり普通の水着で来るのかと思っていたら

 

 

「絵里さんや、何でそれで来たのや」

 

 

 

 

 

なぜスク水!?

 

 

 

 

「だって公共施設だから学校指定水着の方がいいと思って///」

 

 

実は音ノ木坂学園では水泳の授業はないけど何故か学校指定のスク水を持っていて合宿で見たビキニ以上のドキドキだ

 

 

 

だからって反則だろう!!

 

ただでさえスタイルいいのにスク水みたいなピチピチ着たらある部分が更に協調されるだろう!!

 

 

 

それしか持っていないならもうあきらめよう。

 

 

どのみちバレたら俺の命はないんだ。

 

 

 

 

ならこの状況を目の擁護と思って楽しもう!

 

 

 

 

人生は楽しんだもん勝ちだしな!

 

「最初はゆっくりから始めてよ」

 

 

水中では陸以上に水圧による抵抗力が強く、その値は10倍ともいわれている

 

そのため何気な動作だけでも負荷はかかるが、肩までつかると浮力により膝や腰の負担が減少したり普段使わない筋肉を使うこともできる

 

更に浮力により身体が不安定なり体感を鍛えることもできる

 

 

プールに浸かっているだけで体温が奪われ、それに対し身体は体温を上げるためエネルギーを消費していく

 

これにより関節にかかる負担を減らしてしっかりと筋肉に刺激を与えてくれる。

 

膝を痛めている絵里にとっては理想の練習方法

 

「よし!今日はもう終わりだ」

「え!?もう?」

 

「先生に念を押されて短時間でやってくれって」

 

「そう・・・分かったわ」

 

「あれ?素直に上がるんだ?」

あれだけ我儘を言ったのだからもっと続けるのかと思っていたが予想外の回答に少しビビる

 

「ここまで我儘を言ったのだからこれぐらいは聞かないとね」

 

出来ればあまり言ってほしくなかったのが本音だがいいもの見れたし

 

 

 

 

 

 

着替えて国防省の敷地内を歩いていた時・・・・

 

「・・・・・・・」

「どうしたの?」

 

「いや・・・何でもない」

何だか国防省内の空気に違和感を覚えた。

 

靖国神社に行く時は何時も前を通ているからなんとなく今日の雰囲気は違った。

 

 

この張りつめたような空気

 

 

 

 

 

俺には覚えがある

 

 

 

作戦開始前の本部の空気と同じ雰囲気だけど、ニュースでは国会が大荒れ以外は目立った動きはない。

 

 

周りの動きもこれと言って目立ってはないし、軍用トラックが街中を走っているわけでもないし

 

 

 

気のせいかな?

 

 

 

 

 

「そういえば模擬店の書類ってどうなっている?」

「ああ!俺の家においている」

「じゃ、それ取りに行っていい?明日の会議まで整理したいから」

「分かった」

 

幼馴染からは今日の練習結果が送られてきただけでノーリアクション

 

無事誤魔化しきれたかな?

 

 

「今開け・・・・!?!?!?」

部屋の鍵を開けようとした瞬間俺の脳内に言葉では言い表すことが出来ないイメージを過った

 

「どうしたの?」

「・・・・・・・・・・・今すぐここを離れよう」

 

絵里は分からなそうな顔をしているが俺の本能が今すぐ離れろと警告音が響いている

 

全身から鳥肌が立って冷汗が半端なくあふれている。

 

 

この感覚はマジでヤバい!

 

 

 

絵里の手をつないでこの場を離れようとしたが・・・

「う、海未!? こ、ことり!?」

 

通路の左右から凄まじい気配を出しながら現れたのは海未とことりだけど様子がいつもと違う。

 

 

 

顔は笑っているが目が一切笑っておらずそのハイライトの輝きは失っていた

 

そして俺の部屋の扉が開いて現れたのは・・・

「よお・・・穂乃果」

 

 

かつて凛にナンパ疑惑かけられた時以上の凄まじいプレッシャーと共に出てきたのはハイライトが消えたμ`sのリーダ

 

 

 

 

「ねえ・・・悠にい、今日は何処に行っていたの?」

 

「く、区役所だよ。学園祭に近いしちょっと色々調整を」

 

 

質問一つで間違いなく地獄への片道切符が強制的にプレゼントされる

 

 

 

 

「その割には髪の毛が濡れているのはなぜですか?」

 

「あ、暑かったからね。区役所の人が融通聞かせてくれてシャワーを借りたのよ」

 

絵里も3人から只ならぬ覇気で冷汗が出ている

 

「でもでも、何でタオルが見えているのかな?それって水着袋よね?」

 

 

 

 

ことりの一言でチェックメイト

 

 

積んだな

 

 

「続きは悠にいの部屋で聞きましょうか」

 

「「・・・・・はい」」

 

 

 

俺と絵里は連行される形で部屋に入っていた。

 

 

 

そこからはまるで地獄の審判を受けるような凄いプレッシャー

 

その殺気は死神の鎌が首筋に当てられる感覚で指一本も動かしたら首が飛びそう。

 

俺も絵里も正座をして審判を待っていた。

 

 

今年に入ってから一番の恐怖

 

 

 

「確か・・・・絵里はドクターストップがかかってしばらくは練習できないと聞いていましたが」

 

 

先に声を発したのが閻魔大王如く構えている海未からだ

 

 

「それは・・・ごめん。私が我儘言ったから」

 

「でも、何でプールなの?」

「水の浮力で膝に負担にならず運動ができるって先生に聞いたから」

 

 

 

「では最後です。なぜ区役所と嘘をついたのですか?」

 

「お前らにバレると後々面d・・・」

 

 

「ふん!!」

 

今起こったこと話そう俺は絵里と一緒に尋問受けて発言していたはずだ

 

 

 

 

 

 

だけど俺は宙に浮いている

 

 

そう・・・・・

 

 

 

 

海未のきれいな背負い投げで11階の窓から投げ出されていた

 

 

 

こんな状態でも冷静に分析ができるってすごいな・・・人間って

 

「ってバカヤロー!!!!!!!」

 

 

 

 

 

数分後

「いてて」

 

地面に強く叩きつけられて傷口が開いて包帯を巻きなおして貰った。

 

 

 

「全くきちんと大人しくしてくださいよ。ちゃんと絵里のための練習メニューを考えていたのですから」

「本当にごめんなさい」

 

結局は俺が投げ出される形で何とか収まったがあの時たまたま人がいなかったからいいもの俺以外なら100%事件もんだよ

 

「でも何で分かったんだ?」

「おじさんがLinkで教えてもらったよ」

 

穂乃果のlinkというSNSアプリを開いて

あの糞親父!!今度こそ帰ってきたらとっちめてやる!!

 

 

「・・・って何で国防省に来ているんだ?」

基本艦隊勤務で横須賀にいるはずなのに?

「さあ?」

海未は分からない

 

あの時の空気って各々司令の気迫だったのかな

 

マジで開戦じゃないだろうな?

 

冗談抜きで不安しかないのだが

 

 

 

「後こんなのが送られてきたよ」

「何々?」

Linkには9月の連休に佐世保鎮守府にて海軍カレーグランプリーを行う

 

これはグランプリーを名目に各基地の艦艇を佐世保に集結させて対ユニオン戦線の布石だろう絶対に

 

 

「しかしこのまま不問にするわけにはいきません」

 

だよね

 

 

 

 

 

 

 

寧ろこのまま終わって後の爆弾にもなりかねないし

 

 

 

 

 

 

 

「今度悠にいのお母さんのお墓参りに連れていってください」

「・・・・・それでいいの?」

 

 

いつもの過激な要求に反してこれでいいの?って思うぐらい不安感はある。

 

「ええ。そこで悠にいが不埒な真似をしているとご報告するので」

 

 

おい!?

 

 

「冗談だよ!ただここ最近全然いけれていないなって練習の時に話していて」

「うん!本当に久しぶりに行きたいなあと思っただけだから」

 

「お前たち・・・」

 

 

確かにここしばらくはμ`sの活動が忙しくいけてなかったからそういう事なら久しぶりに連れていくか

 

 

「ねえねえ!!だったらみんなで行こう!!」

「みんなってμ`sの皆で!?」

 

「いいですね」

 

いつもなら穂乃果の突然の思い付きに対しては否定的な海未が乗り気になっている

 

「それならその帰りにまた奢ってもらえるね♡」

 

 

ことりの発言を聞いてやっぱりあれだけでは収めてはおらえないという事か

 

普段抑え役の海未の乗り気なこの現状でストッパー不在のこの状況を止める人間はいないので勝手に話が進んでいく

 

 

「ゆ、悠斗・・・これは私も払うから」

 

流石に自分にも責任の一端があると思ったのか絵里がそういう申し出を出したが・・・・

 

 

 

「いや・・・この程度で済むのならこれに越したことはない」

 

11階から投げ出され、μ`s全員に奢るだけで今回の件はチャラになるのなら安いものだよ。

 

 

 

11階投げ出されている時点で色々アウトだと思うが気にしないでおこう。

 

 


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