ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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みなさんお久しぶりでございます。

本当に久しぶりでごめんなさい。

4月から船の仕事について今北海道に行ったり来たりの生活が続いています。

今はちょくちょく誤字脱字を直しています。



何とか今年度中には一期には終わると思います


30 戦い

ラブライブ予選当日

 

この日の天気は少しどんよりとした曇り空だけど雨の気配はなさそうだ。

 

俺は恒例となった靖国神社へ願掛けに訪れていた。

今日までやるべきことは全てやり終え、後はベストを尽くすのみ!!

 

「・・・・・・・」

 

だけど、結局今日まで連中は動き一つ見せずに不気味なほど沈黙していた。

 

ここまで来ると逆に気味が悪いほどだ

 

このまま起こして欲しくない

 

「どうした杉並?」

『主!今どちらに!?』

「靖国神社にいるが・・・何かあった!?」

『以前調べていた事なのですが主のほぼ予想通りの結果が出ました』

やっぱりか・・・

以前俺の予測が当たっているかどうか杉並に調べてもらった。

正直外れてほしいとも思っていた。

 

『しかも最悪な事に何者かにハッキングされた形跡があります』

「まさか!?」

ここ最近ユニオン海軍のAGIが本国を経由しない通信がロシアに向けられていたけどまさか!?

頭の中に最悪のシナリオが浮かんだ。

 

「分かった。杉並はそのままアルテールス大使館に来てくれ」

 

杉並と電話切った後直ぐに大使に電話した。

『何かありましたか?』

「以前言っていた例のプラン・・・発動します」

『!?動いたのですか?』

「見たいです!細かい説明は杉並に聞いてください。私もすぐに向かいます」

万が一に備えて合宿以降µ`sに危険が伴えば大使館に集まると大使と皆で相談して決めていた。

 

直ぐにみんなに連絡してアルテールス大使館に集まる様に指示した。

 

正直、起きて欲しくはなかった。

 

 

「悠にい!?いったい何が起きたのですか?」

 

 

 

大使館に付くと第一声に少し興奮気味の海未が訪ねてきた。

海未を落ち着かせ周りを見るとメンバーがそろっていたが絵里の姿はなかった

「絵里はどうした?」

「朝一に先生から呼び出しがあったから先に行っといてメールが来たんやけど」

それ以降音沙汰なし

 

スクールアイドルに手を出せば公安が動くから連中も誘拐という手段は講じないと思っていたが・・・・

 

「・・・大使」

「分かっています。ジャケットに予備弾倉ナイフ手榴弾・・・後他には?」

「車と2名借りていくぞ」

 

アタッシュケースに収められていたアルテールス製7.65ミリ小銃に、持ってきてもらったジャケット、ナイフ、弾倉手榴弾を身に着けた。

 

 

「待ってください主!!私も行きます」

 

「杉並は・・・他のメンバーと一緒に会場に行ってくれ。これはお前しか頼めないんだ」

「主・・・」

「頼む」

もし・・・・

標的が絵里だけじゃないかもしれない。

 

もし、俺がいなくなっても杉並なら皆を託せる

 

「分かりました。」

 

 

 

「悠にい!!」

 

穂乃果に呼び止められて振り向いた。

 

「ちゃんと戻ってくるよね?」

あの時の話が現実味を帯びて皆の目には不安を浮かべていた

「もちろんさ」

 

不安にさせないように笑顔で言った。

 

外で待機させてもらっていた車に乗り込み急いで音ノ木坂学園に向かった

 

 

 

 

 

夏休み中であってか学園は部活動に励んでいる人たち以外は静かなものだった。

「黒井先生・・・・・」

「あら?朝霧君どうしたのそのコスプレは?」

どうやらこの正規軍のジャケットをただのコスプレとしか見ていないか・・・

 

なら好都合だ。

 

「ここに絢瀬さんが来ていると伺ったのですが・・・実は連絡が付かないので様子を見に来たのです」

「ごめんなさい。私は見ていないわ」

障りのない返事だけど一瞬目線がブレたのは見逃さなかった。

 

「そうですか。まあ・・・公安が動いたので直ぐに見つかると思います」

「・・・・・え!?公安!?」

「そうですよ。現役のスクールアイドルの行方が分かっていないのですこれで公安が動く理由にはなりますよ」

 

「し、しかしいきなり動くモノかな?ただ単に電波が入らなかったかバッテリー切れかもしれないし」

公安のキーワードを聞いて声にも揺動が見られた。

 

「東條さんの叔父が現役の国会議員でして。しかも現政権の上層部で事情話したら直ぐに公安を動かしてもらえましたよ。いや~助かりますよ。何でも先代にはお世話なったらしいので快く引き受けてくれたみたいです!ここ最近きな臭い動きがあるみたいで助かりましたよ」

 

一気に畳みかけるように言うと黒井先生の顔がどんどん真っ青になってきた

「で、でもひょっとしたら・・・」

「この服なんだかわかりますか?」

 

改めてジャケットの紋章を間近に見せた。

 

「アルテールス近衛師団直轄部隊特務近衛隊の制服です。既に日本政府からの依頼でアルテールス駐留軍も動いています。」

 

ですのでっと一言置いて・・・

 

 

 

「絵里をどこにやった」

黒井の胸倉を掴んでそのまま壁に押して拳銃を突き付けた。

 

もう絵里救出なら俺は・・・・

「な、なにを!?」

「とぼけるな!!あんたらの行動は以前から全て把握していた。お前が文科省の廃校推進派だけでなくユニオンに繋がっている事すべてわかっている」

 

「わ、私は本当に知らない!!」

「この期に及んでそんな他我事を・・・・」

「本当に知らないんです!私はた、ただ言われた通りにしただけで・・・・」

「ちっ!」

鳩尾に一発入れて気絶させた。

「よろしいのですか?」

「ああ。こんな三下に関わっている時ではない」

 

とはいっても行き詰ってどうしようかと思っていたら杉並から連絡が入った

「何かあったか?」

『主、絢瀬さんの携帯通信履歴を調べたところ川崎市の湾岸地区の倉庫が最後になっています。書類上は数年前から使われていないようです。今東條のダンナが国交省から東京湾全域に全船舶停船航行禁止令が発令されましたのでまだそのあたりにいるはずです!ただ、理由は適当にでっち上げたのでいつまで持つかはわかりません』

「すまない助かる!」

それでも時間は稼げる分だけ遥かにマシだ

「お前たちは大使館に戻れ」

「何故です!!」

「どうもこっからはテロ組織とも対峙する気配が漂ってきた。ここから先は俺だけでいい」

「いいえ。私たちも行かせてください」

 

 

 

ったく・・・リズの国の兵ってどうして皆そろって頑固者かな?

 

 

 

「それでお二方の元の配属は?」

「私は元空挺団所属です」

「私は警察の元特殊部隊に所属していました」

練度は十二分過ぎるか。

 

改めて参戦を決意した2人を車に乗せて可能な限り吹っ飛ばし、川崎市の湾岸地区の倉庫たどり着いた。

書類上この倉庫は廃棄されてから数年たっているとされているが・・・

 

「何が廃棄から数年だ」

地面を見るとここ最近車の出入りがあったと思われる痕跡が見受けられた。

 

 

「見張りはいないようだ」

「よし。安全装置解除」

 

小銃の安全装置を外し倉庫の中に入っていく。

 

元特殊部隊出身という事もあってスムーズにハンドサインを出しながら慎重に扉を開けていく。

 

 

 

しばらく捜索して隊員の一人がつぶやいた。

 

「朝霧さんおかしくありませんか?」

「確かに」

路面状態を見る限りここ数日の間に利用の形跡は見られたが倉庫内をくまなく調べてみるもの誰も居ず、もの抜けの殻状態だ。

 

すると変に隠されていた扉を発見した

ハンドサインでそれぞれの配置についてゆっくりとドアノブを捻った。

 

次の瞬間!

 

 

絵里side

 

「・・・こ、ここは・・・どこ?」

目を開けると倉庫と場所で横たわっていた。

 

朝先生に呼ばれて学園に向かったのは覚えているけどそこからの記憶は無い。

 

この場所に心当たりはないけど

 

「ようやく見つけまぞ!!忌々しい王族の生き残りが」

 

声のほうに振り向くと一人の大男が座っていた。

「一体何の目的で私を攫ったの!?」

「我ら偉大なる同士の宿願の為だ」

 

「どういうことですか?」

 

「お前は・・・・・我々が探し求めていたロマノフ家の一族の末裔だ!」

男の口から発した言葉に混乱した。

私がロマノフ家の末裔!?

 

 

「ですが!!ロマノフ家は一家全員殺されたはずでは」

 

「だが、一部の遺伝子学者からはそれらのDNA鑑定は誤りという説もある」

 

「まさかそんな!!」

 

「それをお前の両親は熱心に研究していたのさ」

「・・・・・え!?」

 

まさに寝耳に水とはこのことをいうのだなと思ってしまう。

私の両親がロシアで研究していたとは言っていたが内容までは知らされていなかった。

「おかげで俺たちはそいつらを監視するだけでよかった。これで我々の目的は達成される」

 

男は身の丈の大剣を振りかざした

 

するとこれまで悠斗と過ごしてきた事が走馬灯のように横切った

「(悠斗!!)」

 

 

 

 

 

 

 

だけど大剣が私を切ることはなかった。

 

 

 

 

「俺の大切な人に何をした」

 

全ての身を委ねたくなるほど暖かくて力強い声

 

「ゆ、悠斗?」

ゆっくり目を開けると、今にも私を殺しそうだった大剣を黄金色に輝く刀で悠斗が受けていた。

 

「すまない遅くなった」

正直もう諦めていた。

 

もう助からないと思っていた

 

抱きつきたかった!

 

「おおおおおっっ!!」

 

黒服の男は切られた反動で、そのまま後ろに10メートルほど下がった。

 

「なるほど・・・・・あなたがボスが言っていったサムライか」

「初めましてというべきかな?旧ソ連残党兵ども」

初めて見る悠斗の怒り。

 

「しかしあのトラップをよく避けられましたね」

「生憎目はいいもので」

その一言一言に凄まじい怒りを感じた。

 

悠斗は刀を収めて男を見て構えなおした。

「さて・・・・絵里を返してもらうぞ!」

「それは出来ない相談だな」

 

「なら・・・力ずくでも奪い返す!!」

そういった瞬間悠斗の体が消えて10メートル先の男に斬りつけていた。

 

瞬間移動?

そんな言葉も生易しいようなスピードで相手の間合いを詰めていた

 

眼前に迫る悠斗に大剣振り上げる

だけどその瞬間に悠斗の二つに分かれるような錯覚を感じた。

 

悠斗は目にも止まらないスピードで相手の死角を徹底的に狙って急所を躊躇いなく切りつけていた。

 

相手も身の丈ほどの大剣だけど重量を感じさせず自由自在に太刀筋を操り悠斗の太刀筋を防いでいる。

 

悠斗も一撃でも間違いなく即死するであろう大剣を紙一重に交わし、切り付けている。

 

 

余りにも人間離れのスピード・・・・いやすでに人間の領域を超えていた

 

その超速力に残影しか私の目は追えていない。

「これが・・・」

かつて悠斗が言っていた戦闘一族である朝霧の戦い方

 

人を殺めるのに特化した殺人剣の真骨頂

 

まさに言葉の通りとしか言いようがなかった。

 

 

 

 

だけど少しずつ悠斗の体にも傷がつき始めた

 

絵里side out

 

 

「はあ、はあ・・・はあ・・・」

ほぼ間合いなしの超近距離の高速戦闘に持ち込んでいるがほとんど防がれてしまう

 

ずいぶんいい感と反応速度の持ち主だな

 

 

「惜しいな。その怪我さえなかったらいい所まで行けていたのに」

しかもこちらは先のトラップの爆風をもろに受けてしまった。

受けた刀が弾かれその隙に相手の大剣が肩に燃えるような激痛と共に明確な血線が走り、鮮血が舞った。

「くっ!?」

 

「やれやれ、では戦力差で終わらせますか」

そういって奥のほうから小銃を持った男がずらっと出てきた

 

しかも銃口が絵里に向けられたのを見て、直ぐに絵里の前に立ち、発砲してきた弾を刀で叩き落した。

 

 

 

「まだ動くのですか!呆れますね」

 

 

「はあ・・・はあ・・・」

体に弾を数発くらってしまったがまだ、体は動く!

 

相手は10人近く

 

こっちはさっきのトラップで2名が負傷してとても援護に回れない

「悠斗!もう止めてよ!!このままじゃあなたの命が!!」

 

「惚れた女を守れずして何がみんなの未来を守るだ」

 

「・・・・え?」

俺は大切な人を守るためなら悪魔とも契約しても構わない。

 

 

例えここで命燃え果てても守り通せるなら・・・・

 

「駄目だよ!!」

 

 

 

 

「私たちと一緒に見届けるのじゃなかったの!?」

 

・・・・そうだ!

俺はあの時に思ったのだμ`sの行き着く先を見届けると誓ったのだ

「すまない絵里・・・約束を違えそうになった」

 

俺は刀を鞘に納めた

 

「おや?諦めたのですか」

 

 

 

そういった瞬間、男の胸に風穴があいた。

そして遅れて銃声が聞こえた

「そ、狙撃!?」

あり得なさそうな顔をしている

 

 

確かにこの辺数百メートル以内に狙撃ポイントはない

 

「ま、まさか・・・・」

 

「ご想像通り」

 

ここから1600メートル離れているレインボーブリッジの桁橋からの遠距離狙撃。

「助かったぜ。クラエス」

 

毎度の事ながら惚れ惚れする精度だな

 

 

「なあ・・・俺が何も策も打たずにここに来たと思うか?」

万が一に備えて突入前に部隊を展開するように要請していたのがようやく到着した。

 

入口から陸軍の制服を身に着けたセフィリア大使が先導を切って日本、アルテールス合同軍が突入して大男とその兵を拘束した。

 

 

彼女の部隊に一体何度助けられたかなと思うほど世話になった。

 

「大丈夫悠斗?」

 

「このぐらい何ともない」

絵里の肩を借りて何とか後方の救護班の所へ連れってくれる。

 

 

「ねえ・・・さっき言っていた惚れた女云々は告白と受け取ってもいいのかな?」

 

 

「何言って・・・いてて」

突然の爆弾発言で痛めている部分を動かしてしまった。

「ちょっと大丈夫!?」

「誰のせいだよ」

 

ったくおかげで血が足りなくなりそうだよ!

 

「その事なんだけど・・・後日改めて言っていいか」

俺も男としての意地がある

流れで言ったのではなくきちんと正面で言いたい。

 

「うん♪待っているよ」

 

 

あともう少しで半年続いた戦いに終止符を打つことができる。

 

ずっと彼女を蝕んでいた廃校という名に蝕んで来れられたがμ`s9人でライブを臨むのだ!

 

必ず打ち勝つことができる!

 

 

俺はそう思う。

 

 


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