ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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29間近

「う、うん~~~いて」

寝返ると同時に体中に激しく痛みが走り、一気に目を覚ました

一瞬何が起こったのかわからなかったが、少しずつ頭がはっきりしてきた

「いてて・・・・あれ?ここどこだ?」

見知らぬ部屋のソファーで寝ていてそこを寝返ったときにソファーから落ちて目が覚めた。

 

 

 

軽い頭痛を抑えながら昨日の事を少しずつ思い出していった。

昨日は絵里と一緒に買い物して、希と水谷先輩と逃走劇を繰り広げた後、バーに行った記憶までは覚えているが、それ以降の事は思い出せない。

 

この吐き気と頭痛・・・思い当たるのはもうお酒しか残っていない

「・・・・まさか間違えてお酒飲んだ!?」

 

それはともかく・・・ここどこだ?

 

 

「おはよう悠斗」

「おはよう絵里」

ああ、よかった昨日の事が夢オチじゃなくて。

いつもみたいに絵里が挨拶してくれ・・・・・・何で絵里がいる!?

 

え!?俺いったい昨日何やらかした!?

 

記憶にない分、不安で仕方がないんだけど!!

 

 

「昨日の事どこまで覚えている?」

「・・・・・・バーで透子さんに会ったところまでしか覚えていない」

 

どんなに思い出してもそこまでしか覚えていない。

リズの件は死ぬほど覚えているが、正直・・・・そっちの方が忘れたかった。

 

「昨日透子さんのストレートのウィスキーを間違えて一気飲みしてダウンしてしまったのよ」

「マジで!?」

 

「それで起こしても起きなかったから私のマンションに連れて帰ったのよ」

 

あ~あ・・・・・やってしまった。

でもウィスキーの一杯で酔いつぶれるとは俺も衰えたのかな。

 

 

「すまん。迷惑かけて」

「全然迷惑なんて思っていないよ。ただ・・・何かあるときは相談してほしい」

「・・・・・結構愚痴っていた?」

「そうね」

絵里の苦笑いですべてを悟った。

 

「もう、起き上がって大丈夫なの?」

「ああ、それにもう少しで時間だし・・・俺は一旦家に戻ってから部室に向かう事にする」

 

時計を見るともうそろそろ集合の時間だ。

 

 

何とかだるい体を起き上がらせて玄関に向かった。

 

「後、透子さんから伝言で『こっちで調べてみるからいつも通りに過ごしていて』って言っていたわ」

「ありがとう」

 

助かりますよ透子さん

 

 

 

 

 

 

「暑う・・・」

マンションを出ると真夏の日差しが照らした。

訓練で暑さに慣らしたつもりだったが、全く別次元の暑さ・・・・というか湿気が高い!!

 

これなら訓練の方が大分マシだ。

 

 

 

 

プルルルル

しかもこんな時に電話かよ

 

 

 

「はいもしもし・・・」

『すまない悠斗!至急来てくれないか?』

声の主は東條副長官からだけどいつもと様子が違う。

この反応はただ事じゃない

「わかりました!集合はいつもの場所でお願いします」

 

電話を終えて直ぐに某ショッピングモールの駐車場に向かった。

 

いつの集まるときは何処かの公共施設の駐車場で落ち合っている。

 

どこに目や耳があるか分かったもんじゃないから念には念を入れないとな。

 

 

指定された駐車場に行くと岡崎秘書官の車が待っていた。

直ぐに車に乗り議員会館向かう。

 

 

執務室に入ると・・・・

「いつもいつのすまないな」

「それは大丈夫なのですが、いつのも定例会は明日では?」

俺と東條副長官はお互いの情報を交換するため定期的に連絡会を設けていたが

「それ何だか明日から集中審査が始まるから」

東條副長官がいくつかのファイルを持ってきた。

 

「実は調査していくうちにとんでもないやつに行き着いた」

「とんでもないやつ?」

「こいつだ」

東條副長官から書類が挟んでいるバインダーを渡された

「こいつは!?現文科省事務次官じゃないですか!!官僚のトップまでもが奴らの手先か!?」

「奴らとは関係ないのだが利用される可能性は大いにある」

渡された書類には内偵で撮った数枚の写真には某喫茶店で女の子とイチャイチャしている姿が映し出されていた。

 

「おいおいおい、事務次官殿がこんなんでいいのか?」

「そう・・・本人も前政権とは離れた位置のおかげで助かったのだか些か性格には問題ある」

 

調査によるといずれも本人はどっちも付かず、ただ単に自分が事務次官になれるのを虎視眈々と狙っていた。

「このことは大臣や政務官はこの事はご存知なのですか?」

「いや・・・政務官だけだ」

たまたま街を歩いていた時に事務次官を見かけた時に若い女性と一緒に歩いている姿を偶然見かけたのが始まり。

 

「その政務官は俺の同期でこの間議員食堂で一緒に食事していた時に相談を受けてな」

「大臣には報告しなかった?」

「この事が大臣黙認かそうでないかが判断がつかなくてな。一先ず裏付けが取れるまでは僕が預かっている」

 

ああ・・・・これが大臣黙認だとまたややこしい問題になってくるな。

「こいつ辞めさすことは出来ないのか?」

「そうしたいんだけど・・・実際省内の蠱毒の壺で生き残った猛者で、証拠もないし」

確かに、下手したら政権を覆させられかねないから。

 

「しばらくは様子見ですか?」

「そうだな。それに近いうちに総理は官僚の整理を考えているようだ」

「官僚を?」

「ああこの間の解散総選挙の時は政治家を一掃したが、官僚までは手が出せれなかった」

 

政治家にとって政争はお手の物だが政策を立案実行できるのは官僚

幾ら政治主導といっても細かい政策立案となったら官僚ほど知識を有している人はいない。

 

「そういえば前回の総選挙の時ってユニオン派の官僚たちは処分したの?」

「したのはしたけど、それ以外の一派までは手が回らなかった。政策の方も安定しているし、ここらへんで〆らせる」

「そのあたりは私が口を挟むことではなさそうだな」

 

幾つか連絡事項を伝え終わった時、副長官からどんでもない発言が出た。

 

 

 

「そうそう、今度のスクールアイドルの予選だけど、非公式にアルテールス国の蔵相(大蔵大臣、日本でいう財務大臣/財相)が見に来るらしいよ」

「蔵相が!?なんで!?」

危うく飲みかけたコーヒーを吹きそうになった。

「たまたまスクールアイドルをやっていたアルテールスの留学生のSNSを見て今度の後藤財相との会談のついでに見に来るらしい」

「・・・・・マジか」

確かに国内じゃ大きいイベントだけど、幾ら自国の留学生が出るからって一国の大臣自ら来るか!?普通!!

 

 

まあ・・・・リズの国だしな。

 

一癖も二癖のある人が大臣になってもおかしくないか。

 

俺は考えたくもないけどな。

 

「ちなみに来るのは蔵相だけですか?」

「今の所はそう聞いている。後はお付きで秘書官が来るぐらいかな?」

それを聞いて俺は安心した。

 

流石に2人だけではリズの奴、紛れて日本に来ることはないだろう。

これが何人かで来ることになっていたら絶対に紛れてくる筈だ!

 

もし来たら確実にあの世の境目に飛ばす自信がある。

 

「最後に、予選時の警備状況なのですが蔵相が来ることが決まりましたので通常の警備に加えて密かに警備局の人間を派遣することが決まった。それ以外に要人保護を名目に習志野の1空挺や木更津の1ヘリ団や要人輸送に輸送ヘリ隊を即時待機状態にする予定だし、大使館の方からも駐在武官を中心に可能な限り対応するみたいだ」

 

第一空挺旅団に戦闘ヘリ団に輸送ヘリか・・・・

それだけかき集められたら上出来か。

 

話し合いが終わっていつも通りに岡崎さんの車で送って貰って、部室に着くとみんながまんべんの笑顔で出迎えてくれた。

 

 

 

・・・・・・・・顔を真っ赤にして俯いている絵里以外

 

 

本能的に体が出口の方を向いたがしっかり海未がガードし、窓にもことりがスタンバっていて逃げ道なし

 

ああ、これは積んだな。

 

「ねえ悠にい・・・昨日絵里ちゃんとデートしたんだって?」

「ええと・・・」

さっきの事務次官の話が自分に帰ってくるとは思いもしなかった。

 

どうやら希から言ったのではなくたまたま居合わせていた穂乃果達だった

昨日穂乃果と海未の2人でことりのアルバイト先に遊びに行くときに2人きりの所を見られて、その事をことりに言ったらビラ配りに言っていたメイドさんからリアルタイムに情報が回っていた。

 

無論追いかけっこの件まで知っていた。

 

 

メイド集団、侮りがたし!

 

 

 

 

そこから一気にメンバーに広がって今に至る。

 

 

「あんた達、自分がアイドルというのを理解しておきなさい」

 

 

「すまん」

自分が蒔いた種でもあるけど、いつもにこのズレているアイドル理論にツッコミを入れているけど今度ばかりは何も言い返せれない。

 

にこの横でお腹を抱えながら笑っている希がムカつくが!!

 

「でもよかったです。仲直りが出来て」

「本当よね。気を使う私たちにも感謝してよね」

 

1年生は1年生で気を使わせてしまった。

 

別に喧嘩したわけじゃないけど、ギクシャクとしていたのは事実だし、その辺は迷惑かけてしまったな。

 

 

「そういえば遅れてきましたが何かありました?」

 

・・・・・・どうやら絵里の家で一晩過ごしたことは漏れていないようで助かった!!

 

 

こんな話がみんなに知られでもしたら・・・・・・・

 

 

 

 

考えるのは止めよう。

 

 

これ以上考えて禿げたくないし。

 

 

 

 

「いや、いつのも定期連絡会が早まってな・・・・」

みんなには定期的に政府側の人間と情報交換会をしているのは知っている。

「ちょっと気になっていたのだけど、いつも何話しているの?」

「大体は身上報告や政府からの情報・・・本当にお互いが知っている情報の相互共有が目的だよ。今日は予選の警備状況の確認で終わった」

流石に今回の話は正直に話せない。

教育・・・そしてスクールアイドルの行政管轄である文科省のトップが援交紛いしているのを知ったらパフォーマンスに影響しかねない。

 

いずれは明るみに出て失脚するがあえて言うべきことでもないし。

 

今日の練習は動作の確認だけで終えた。

 

予選まで週明けに迫っており、今日からのメニューはコンディションの維持

 

考えられる戦略や広報活動・・・・やるべきことは全てやった。

 

「いよいよだね!!」

本当にここまで来たんだな!!

 

A-RISEに勝つことは難しくても今のμ`sなら周辺にも遜色ないレベルまで達し、当日のコンディション次第では予選を通過できるだけのポテンシャルを身に着けている。

 

 

 

「ねえねえ・・・・今更ながら・・・中止という事はアリエナイよね?」

「流石にそれはないと思う、事前情報に今回は某国の政府高官が非公式に予選の方見に来ることもあって警備は前回に比べたら・・・・やっぱりアイツのことが気になるか?」

「えぇ・・・」

 

ヨランダと平沢が会談して以降、全く動きは見られない。

アカにもこれと言って動きもなければ抗争が起こったって言う情報も入っていないし、はっきり言って不気味なほどまで沈黙している。

 

「大丈夫さ。当日の警備には公安の人間も当たるし、非常事態には軍を導入するみたいだし」

皆に安心させるように言ったが、不安要素である廃校派とその関りがある行政機関と不確定要素であるユニオンやロシアマフィアがどう動くか分からない。

 

 

正直・・・細かいことを悩んでもキリがない

 

後は用意できる分だけの戦力をかき集めて、発生したら現場に迅速に導入する。

その時はどんな手段を用いろうがμ`sや・・・次の世代を担いるみんなを

 


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