ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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最近暑さにやられてグロッキー状態の杉並です。


皆さん熱中症に気を付けましょう‼
子供の時、一度熱中症で倒れたことがありますが、リアルブラックアウトして気が付いたら医務室で寝ていました(゜〇゜;)


03再会

『総員~起床』

突然悠斗の部屋に海軍伝統の起床ラッパ音が鳴り響いた瞬間に起き上がり、たちまち着替え始めたが・・・

「・・・あっ・・・何やっているだろう?」

いつもの癖でつい起きてしまった。

 

 

「なんとまあ・・・・すごい目覚ましだな」

父さんからもらった目覚まし時計を恨めしそうに見つめる。

 

咲夜さんが指導の一環で軍隊訓練に放り込まれた時期があって、その時の癖で軍隊ラッパの音に敏感に反応してしまう。そして父さんから餞別でこの目覚まし時計を貰ったがありがた迷惑しかない。

 

 

 

もう昔のことだから平気かなと思ったらどうやら条件反射レベルで染み付いているようだ。

「・・・・・・これも職業病かな」

 

まだ学生の身分なのに嫌な癖が付いたな

 

「朝飯でも作るか」

昨日コンビニで買ってきたパンと電気ケルトで暖めたお湯でコーンスープとコーヒーで朝食を取った。

「何かニュースやっていないかな?」

テレビのスイッチを入れて適当にチャンネルを切り替えていたらキャスターの声が聞こえてきた。

『先日行われたスクールアイドルA-RIZEのライブがまたもや大盛況の中・・・』

「やっぱり有名なんだな」

俺の想像以上にスクールアイドルは世の中に浸透していた。

街角のインタビューで小さな女の子が将来何になりたいって問われるとスクールアイドルになりたいって答えた程だ。

凄い世の中になったものだ。

 

「さて、そろそろ行くか」

ポケットに締まっていた錨のマークをあしらった懐中時計で時間を確認してみたら7時を刺していた。

確か7時までに学校に着いたらいいが、初日だし早めに行こうと思いリビングの机においてあった上着を羽織り、鞄の中に入っている今日の転入に関する書類を確認して早めに学園に向かった。

 

 

 

「う~ん!!いい天気」

学園までの道のりはここから20分の距離で非常に通いやすい。

 

 

―国立音ノ木坂学園―

秋葉原と御茶ノ水、神保町の間に位置するその学園は古くからある由緒正しい伝統校である。

俺の母さんやおばあちゃんの母校でもあり、穂乃果が通っている学園でもある。

だけど昨今の少子化にドーナッツ化現象、さらに秋葉原駅の近くに出来たUTX学院といった時代の波に逆らえず入学者数の減少に歯止めがかからず一部では廃校の案まで浮上し始めた。

 

特にUTXが出来たのが一番の痛手らしい。

秋葉原に出来たUTX学園が出来上がったことによりパワーバランスが崩壊し、周辺の高校が統廃合を始めた。

幸いにも音ノ木坂学園理事長の政策と地盤が強かったのもあって持ちはしたがそれもいよいよ毒が体を蝕み始めた。

 

「それを打開するために俺が呼ばれてきた訳だか」

ここの理事長が取った案は音ノ木坂を共学化にして新たに男子生徒を取り込もうとした。

しかし女子高の施設にいきなり男子を入れるわけにはいかず内外に強いパイプを持ち且つ信用できる人物こそ俺の父さんである日本皇国海軍第二潜水戦隊司令官を勤めている朝霧悠介一等海佐と非公式に話を持ちかけて、息子である俺を派遣することになった。

 

 

 

「それにしても綺麗な校舎だな」

都内の学校にしては校舎も校庭も広く、校内の雰囲気も穏やかでこんな学校が廃校の危機なんて予も末だな。

「すみません。今年度から音ノ木坂学園にテスト生として通うことになった朝霧悠斗と申します。」

 

 

事務室で受付を済ましてまず向かったのは理事長室だ。

 

「久しぶりね。悠斗君」

「ご無沙汰しております。陽菜さん」

この人は南陽菜さん。この音ノ木坂学園の理事長でまだ会っていない幼馴染の母親でもあり、俺の母さんの後輩に当たる。

「突然の申し出に承諾してくれてありがとうございます」

「こちらこそ本来の予定より遅れて申し訳ございませんでした」

本来なら昨日の始業式に来る予定だったが秋葉原での誤認逮捕でその予定がすべて狂ってしまった。

 

 

「事情は悠介さんに聞いたわ。大変だったね」

「いえいえ、あの後直ぐに解放されましたので」

色々やった後で出たので無事とは言い難いけど・・・・・・

 

 

「・・・・」

「どうかなさいましたか?」

「ごめんなさい。両親の面影があって見とれていたわ」

「父さんと母さんに?」

「ええ。顔の輪郭や雰囲気は悠介さんにそっくりで、目元が穂佳先輩にそっくりで懐かしいと思ったわ」

陽菜さんの目はどこか遠くを見ていた。

最後に会ったのは葬式以来だからかれこれ6年か。

 

 

母さんも実年齢より相当若く見られたが陽菜さんもすごく若く見えとても一児の母だとは到底思えない。

とてもよん...

「悠斗くん?どうかしましたか?」

「い、いえ何でもありません」

なんだ!?今物凄く悪寒と殺気を感じたぞ!!

(いいか!悠斗!!女性の前で歳の話題は絶対にしてはならない。もししたら命はないと思え)

何故か父さんの言葉が走馬灯のように過る。

 

・・・・・・・演技が悪い。

 

「それで陽菜さん、父さんから聞いたのですが本当に廃校になるのですか?」

「・・・・・・はい。6年前に秋葉原にUTX学園出来た当時は何とか耐え忍びましたが・・・・」

「少し調べてもらいましたが・・・・実際のところはどうなのですか?」

「・・・・・・・やはりご存じなのですね?」

俺が音ノ木坂に転入を決めて暫くたった時、父さんからある資料が送られてきた。

「ええ・・・後は学園内勢力はどうなのですか?」

「恐らくですが・・・廃校派の先生が半数近くに達すると思われます」

 

送られてきた資料の中身はここ7年間の推移と廃校派の現状についてがまとめられていたけど半数近くって・・・・・想像以上にヤバいな!

 

 

「正直申しまして私の人徳の無さが招いた結果でもあります」

「ですがこれは陽菜さんだけの問題ではないです!!元々を正せば前政権の・・・・」

「それでも私には音ノ木坂学園を運営する義務があります。そして入学希望者の激減に歯止めをかけられませんでした」

組織のトップに立つものとしての責務の言葉に俺は何も返せれなかった。

 

「でもこれだけの離反者が出るということはスポンサーには相当力がある所というのがわかります」

「ええ、正直共学案も苦肉の策でして」

 

伝統ある女子高が共学校になるのだ。

当然保守的なOGは大反対をするに違いないからこれは妥協案で納まったのだろう。

 

 

暫く事務的な手続きを済ませた後に理事長室を出た。

 

 

「モニタリングはともかく例の件は骨が折れそうだな」

俺がテスト生徒として必要な情報をリストアップしていっていき、それらのデータを理事長が纏め上げ改装案に反映させていく。

 

そしてもう一つ父さんからある案件を預かっていた

 

3年前・・・・

 

ある事件に関わった俺はその残党処理をしていたときその資金源をたどっている内に今日本国内で問題になっている『ユニオン共和国』や前政権である『民社党の連立政権樹』の一部の政治家にたどり着いた。

当初はお台場に建設予定だったがUTX学園が民社党の連立政権樹立後、突然予定地が変更になり秋葉原に変わっていた。

 

これに父さんは当初不信感を抱いていたが政府の目が合ってなかなか調査に踏み切れなかった。

そして今回出てきた廃校にあわせて俺を音ノ木坂学園に派遣した。

 

内偵

 

そういう風に受け取れるかもしれない。

とりあえず父さんの頼みは廃校を回避してくれの一点でこの案件は片手間の時でいいといっていた。

 

 

 

 

 

「私があなたの担任である岡島美佐子です」

「朝霧悠斗です。よろしくお願いします」

理事長室を出た後職員室に行き、担任である岡島先生にあった。

先生はまだ大学出てから2年しか立っていない若手の先生。

「それと近いうちに親御さんとお話がしたいのだけど大丈夫かな?」

「う~ん・・・難しいですね」

「どうして?」

「私の父が海軍士官でして今は海外にいるのです」

練習艦隊が遠洋航海で一度出たら1年は帰って来ない。

 

「それでは今は一人暮らしなの?」

「はい、マンションで暮らしています」

「そう・・・もし時間が空くのなら担任まで連絡を入れてください」

それはいつになることやら・・・・

 

 

話が終わると直ぐに連れられて職員室を出た。校舎内をみて回ると本当に懐かしく感じる。

暫く歩いていたら3ー1と書かれたプレートの教室の前に止まった。先生は暫く待っていなさいと一言言い残して先に入る。

 

これから始まる朝のHRで転入生である俺のことを紹介するんだろう。不思議と緊張は殆んどしていないけど、外からでも聞こえてくるのは好奇心の声にある意味不安を感じる。

 

事実上、この音ノ木坂学園には男子生徒は俺一人・・・・つまりハーレム状態なのだ。

 

ああいうのはフィクションだからいいであって実際のはあんまりいいものじゃない。

 

先生が入っていいぞと呼ばれ、教室に入るとクラスの視線は俺に押し寄せていた。

覚悟はしていたけど・・・クラス全員女子学生のみ。

「・・・で、みんなも昨日知っていると思うがこの度共学テスト生として1年間一緒に勉強 こちらが転校生の朝霧悠斗君だ」

先生が黒板に俺の名前を書いて簡単な紹介された。

ここは悪友が使っていた手を使うか・・・

 

 

「今日からこのクラスで一緒に勉強することになりました朝霧悠斗です。暫く海外生活が長かったので色々なことを教えてもらえると助かります」

俺が女子高に行くことが決まった時、悪友(随一の女たらし)から(聞きもしないのに)教えてもたっら、営業スマイル。

実はそいつの実家は喫茶店を経営をしていてその時から我流で身につけた営業スマイルで女性客を口説いていたらしい。

 

モノの試しに使ってみたら効果は存分に発揮していた。

「こ・・・これは///」

ただ一つ問題なのはあまりにも効きすぎて生徒だけではなく先生も心なしか顔が赤い。

 

「そ、れじゃ朝霧君の席は・・・絢瀬さんの隣で」

先生が指した席・・・教室の黒板に向かって左から2番目前から3番目のところ。なかなか丁度いい。

前の席に座っている特徴的な胸元まである金髪のロングヘアーの少女が俺を見ていた。

(あの子は確か!?)

髪型は違うが間違いない!あのときの子だ。まさか同じクラスなんて・・・これまた神様は粋なことをしてくださる。

 

 

「あ、あの先日はありがとうございました」

「い、いえいえそちらも怪我がなくてよかったです」

まずい!!

突然すぎて頭の演算が追いつかない。

「あの後・・・警察に連れて行かれてだいじょうぶでしたか?」

「ええ、誤解も解けて何とかなりました」

「おや?えりち、転校生と知り合いやったの?」

「この間買い物にいった時に助けてもらって」

 

 

 

「自己紹介がまだだったね。私は絢瀬絵里。生徒会長を勤めているのよ」

「うちは東條希、えりちと同じく生徒会の副会長を勤めているんやで」

 

絢瀬さんと東條さんを見ると幼馴染たちとは違うベクトルの美少女だ。

絢瀬さんはその日本人離れした容姿にスタイル抜群。

東條さんは何というか内から溢れる母性的でおそらく絢瀬さんより激しく自己主張しているある部分に目を奪われて・・・

「今何か失礼な事考えていまへんでした?」

「いいえ、何も考えていませんでした」

アブねえ!!

とっさに誤かしたのはいいものの、もしばれたら転入初日で変態の称号をもらうところだった。

 

 

・・・・・・・・・そんな称号はいらないが。

 

「でもまさか転校生が女の落とし方を知っていたなんて」

「勘違いしないでくれ、友人が聞きもしないのにベラベラと教えた営業スマイル術を実践しただけだよ。それも初めてだよ」

 

シド眼でずっとにらんでくる絢瀬さんに弁解したがあまり信じてもらえなかった。

今度会ったお礼と無人島(肉食猛獣付き)に送ってやると思ったが・・・・まあ、こいつのおかげで雰囲気は緩和されたみたいだしシベリア(屈強なロシア国境警備兵との殺し合い)送りで済ますか。

 

それより少し気になったのが・・・・・

「ところで東條さんって出身はどこ?」

「大阪やで」

あれ?

どこか違和感を感じる関西弁なので関西以外の人かなと思ったけど・・・・

俺の勘違いだったのかな?

「というのは嘘や」

「嘘かい!!」

「元々親が転勤族で色んなところを回っているうちにコレになっちゃってな」

なんだかぬらりくらりしているというよりスピリチュアルな不思議な子だな。

 

「では。今年度最初の授業を始めます」

 

そして授業が淡々と終わり、昼休みに差し掛かる。

 

 

「そう言えば朝霧くんは廃校の話は...」

「ああ、転校前から知っていた」

「それやのにテスト生の話に乗ったんや」

確かにそれだけだと物好きと思われておかしくはないよな。

何にも接点がなければ・・・・・・・・・

 

 

「俺の母さんがここの卒業生で」

 

少しでも恩返しと思ってこの申し出を受けた理由のひとつでもある

「もしなにか妙案が有ったら教えてくれるかしら?」

「うちらも去年から案を練っているのけど成果が著しくなくてな」

 

 

「この際四の五のも言っていられなくてね、タイムリミットは・・・・」

「7月のオープンスクール・・・・だったな」

「ええ、それで結果が出るのあればどんな案も厭わないわ」

この子、生徒会長として、何より学校が好きな一生徒として廃校を回避させたい!

けど案がない。その思いと現実のギャップに苦しんでいる。

「分かった!何か妙案があれば直ぐに言う」

「本当に!!」

「こう見えても交友関係は広いからな」

現役の軍人である父さんや、アルテールス王室近衛兵教官の咲夜さんと一緒に行動していくうちにさまざまな業界の人とも知り合いがそれなりにいる。

 

 

「ありがとう」

初めて会ったとき気が付かなかったが彼女の目元に少し隈がある。

恐らくここしばらくまともに寝れなかった

「どこかに行くのか?」

「ええ、理事長一人娘がいて、少しその子に聞いてくるわ」

「いくらなんでも子供は知らないと思うが・・・・」

「確かにそうだけど、今手元にある情報が少なすぎてままならないわ」

 

 

「俺も一緒に行ってもいいか?」

「え?」

「実を言うと俺の母さんと理事長は先輩後輩の関係でね。その子とも幼馴染みだ」

「そうなんだ!!」

「おっと!因みに絢瀬さんの知りたがっている情報は持っていないぞ。俺もついさっき聞かされた口だから」

本当は大まかの事は知っているがあまりにも一学生がどうにかできる問題を越えている。

いかに廃校派の先生を抑えて、入学者を増やすか・・・中々難しい問題だよ。

 

 

 

 

 

中庭に出ると陽菜さんと同じベージュ色の髪の子と青みが掛かった髪の子がいた。

 

間違いない。

 

6年の月日は立っているが当時の面影が残っている。

「ちょっといいかしら?」

「は、はい」

「あなた、理事長の娘さんの南ことりさんだよね?」

「はい」

俺は2人に気が付かないように絢瀬さんと東條さんの後ろに隠れた。

「理事長から何か廃校の事聞いてないかしら?」

「ごめんなさい。私も全校集会で初めて知って」

「そう・・・」

「絢瀬さんや絢瀬さんや。少し怖がっているぞ」

「え?」

あまりにも必死になりすぎてちょっと顔が強張っている。

「ごめんなさい」

「い、いえいえ」

 

 

そして・・・・・

 

「久しぶりだなことり!」

「え?」

「海未も...もう6年ぐらいか」

「どうして私たちの名前を?」

突然自分たちの名前を言われてキョトンとなる。

「おいおいおい、幼馴染みの兄貴分の顔を忘れてしまったか?」

「幼馴染みの・・・・」

「兄貴分!?」

どうやら合致したらしい

「「悠にい!!」」

「そうだよ。ほのかの従兄で君たちの兄貴分の朝霧悠斗だよ!久しぶりだな2人とも」

俺の幼馴染で大切な妹分である大和撫子とも言うべき美貌を持つ園田海未とおっとりしていて脳が溶けるような甘々な声の持ち主の南ことり。

 

「本当に悠にいなのですか!?」

あまりに突然すぎたのか俺の肩をつかんで揺さぶってきた。

「あの~海未さんや、穂乃果から何も聞いていないのですか?」

「穂乃果から聞いたのですが半信半疑だったのです」

「私も」

おいおいどれだけ疑われているのだよいとこよ!

ちょっと心配になってきたぞ!

「でも悠にい、どうして音ノ木坂学園にいるのですか?」

「今年から共学化に向けてテスト生を受け入れる話って知らない?」

「昨日の全校集会の時に理事長が話してくれていましたが」

 

「どうしてそのような重要な話をしないのですか穂乃果は!!」

「すまないが今回は穂乃果に一切の非はないのだよ」

「どうして?」

「それは「あ----!!」」

「悠にい!どうして音ノ木坂に!!」

ことりに質問を返すタイミングで穂乃果の元気な声で打ち消された。

 

タイミング良すぎるだろう。

 

「何て言ったって...黙っていたからな」

「「「・・・・・・・・・・」」」

あの~冷たい目で見るのはやめていただけませんか。

お兄さんが悪かったです。

はい・・・・・・・・・ごめんなさい。

 

「まあ、あまり理事長を責めないでやってくれ。一応守秘義務はあるから」

 

 

「少し別の路線で聞いてみよう。ことり、最近陽菜さんの回りで変わったことはなかったかな?」

「変わったこと?」

「そう!どんな些細なことでも構わない。」

第三者から見た目線は時に貴重な情報源になりえる。

「そういえば...」

「何かあったのか!?」

「うん、春休み中家にコンサルタント会社から電話がかかってきたの」

「コンサルタント会社?」

「その電話以降かな・・・帰りが突然遅くなって。それ以外は思い付かないよ」

「そうか、ありがとうな」

ひとまずこの情報が入ればいいか。

問題はこのコンサルタント会社だけど、父さんが戻ってきたら一言言っておこう。

 

質問も終わった所で海未が・・・・・・・・

 

「さて、悠にい!!この6年間なぜ連絡しなかったのか洗いざらい話してもらいます!!」

こえ!

幼馴染超こえー!!

ここまで怒った海未を見たのは寝ているところを起こしてしまったあの時以来だけど。

その時より怒りのキレ具合が半端ねえ!!

「ま、まて!海未いったん落ち着こう!」

「時世の句は何ですか?」

 

時世の句!?

今時世の句っていたよね!この子!?

 

「海未ちゃん!せっかくゆうにいが戻ってきたからいいじゃな」

「ですが・・・・」

「これから一緒に登校したり出来るのだし・・・ね♪」

ことりがそういうと海未は拳を引っ込めてくれた。

 

おおっ!!海未神様のお怒りが沈んだ!!

ことり巫女よありがとう!!!

 

「それに、帰りのときにおごってもらえるし♡」

・・・・・・・あれ?

 

 

これって海未神様の怒りが沈む代わりに、俺の財布も沈むのか!?

 

「やったー!!ねえねえ私!帰りにクレープ食べたい♪」

おい!!

 

「あら?それなら私もいいかしら?」

「え!?」

「それならうちもやな。仲間はずれはよして~な」

「おいおい!」

今まで傍観と決めていた絢瀬さんと東條さんがここぞと言うばかりに便乗して乗っ掛かってきた。

「それなさっきずいぶんうちらの胸を見ていたことを子らに言ってもいいんやで!」

東條さんが小声でボソッと爆弾発現になる事を呟きやがったぞ!

 

 

悪魔だ!

 

ここに母性の皮をかぶった悪魔がいる!!

 

 

東條さんの顔を見るとしてやったといたずらっ子の笑みを浮かべていた。

クッソ!!

ごまかしきれなかったか・・・・・・・

 

 

「ああ、もう!!クレープとはいわず帰りにファミレスに寄って好きなもの買っていきんさい」

もう、気にすることをヤメた!!

 

久し振りに幼馴染みと再会し、クラスメイトと仲良くなれそうなんだ!

 

5人の喜ぶ顔を見ていたらこのぐらいの出費痛くも痒くもないと思う。

 

 

 

 




ようやく出てきました賢い、可愛い、エリーチカ!!

この小説の絵里は基本マンガ版の性格で進めています。

どうしてもアニメ版を丸々してしまったらちょっとプロット上難しくなってしまいますので悪しからず。

そして感想も募集しておりますのでどしどし送って下さい。

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