ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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連日投稿です。

これにて合宿編兼過去編は終わります。


26悠斗の覚悟

 

パラオ領海内の秘密基地入行後直ぐに指揮官であるセフィリア大佐と現場指揮を務めた俺はヘリで本島に行き、国王陛下と非公式の謁見を行った。

パラオ国王陛下は親日派で今の日本の現状に憂いて事情を説明したら快く事件の被害者である彼女らを手厚く保護してもらうことが決まった。

 

謁見が終わった後、すぐにヘリで秘密基地に帰還した

 

「何とか保護の目処は立ちましたね」

「はい。しばらく彼女らはこの島で過ごしてもらいます」

「それがいいですね。ここは過ごしやすい島です」

 

ヘリポートからドックに向かう途中には島民が暮らす居住区があり表向きは海洋調査という名目で乗組員とその家族が駐在している。

島自体の気候は安定していて養生するには最適な場所である。

 

 

今回作戦に参加した原子力潜水艦は秘密基地のドックで点検を行っていた。

と言っても艦事態戦闘は行っていなかったので弾薬と食料飲料水の補充だけ済んだけど特殊小型潜水艇は少し損傷しているみたいで本国に戻ったら直ぐに修理を出さないといけないが・・・

 

「それで・・・今後はどうする?」

「まず、杉並に今回手に入れた資料を日本に持ち込み中立寄りのマスコミやネットテレビニュースサイト、警察、公安、公正取引委員会、野党等各方面にばら撒く予定です」

無論モノによっては一般の方には流さないがそれでも十分なダメージを与えられる

 

 

そして杉並は資料を纏めてパラオ経由で日本に飛んで各方面と接触して情報を提供した。

 

そして公開された情報はインターネットを通じ、日本中・・・世界にも配信され、連立政権に協力した企業やユニオン系の企業の株価か一瞬で大暴落し多くの経営者が路頭に迷いこみ、捏造記事・偏向報道の影響でマスコミ各社の前で大規模なデモが起こりこれに便乗した芸能界も巻き添えを食らう形で廃業に追い込まれた

 

日本国民のこの時にはマスコミの偏見報道に完全ブチ切れて信頼は地に落ち、株主総会で上層部の批判が強まり、そしてこれを好機杉並から入手した証拠で警察公安は未来の若者たちを食い物にしている芸能界やマスコミ界を徹底的につぶし、大量の逮捕者を出した。

 

無論その余波は民社党の連立政権の政治家や政府高官、大臣にもおよんだけど議員の不逮捕特権で逮捕起訴はされなかったが、良心的な議員が内閣を批判したのをきっかけに内ゲバを起こし大量の離党者を出し、完全に分裂・議員数が与野党と逆転した。

 

今がチャンスとばかりに野党が内閣不信任案を提出。

 

そして自由党や内ゲバで離党した議員、連立政権に参加していない野党の賛成多数で可決成立し、内閣は解散総選挙を行うことになった。

 

 

大西大将は同時期に軍を退役して衆議員に出馬。

そして選挙の結果再び自由党が政権を取り、自由党の後藤俊夫推薦で大西さんが内閣総理大臣に就任した。高野大将は元帥大将に昇任、統合幕僚長として日本国防軍の統括する事になった。

 

無論落選した民社党の連立政権議員は議員でない為不逮捕特権はなくなるため、かかわった人らは全員逮捕。

 

 

 

3年4か月だけの政権だったがその間に日本はずいぶん弱体化していた。

大西政権は早速汚染された各省庁の前政権の悪行に加担し、ユニオンに媚びを売っていた官僚に対して懲戒免職を下し、国防軍でも直ぐに軍再建プログラムが開始された。

予算削減で一番被害食らったのは他でもない国防省だ。必要な部分まで削減したおかげで現場は悲鳴を上げている。陸軍と海軍は大西総理と高野元帥が不満を抑えていたが空軍は民社党の連立政権の一番の被害者で早々大神元航空総司令官を辞めされて色々大変だったらしい。

 

大西政権が今重要視しているのは経済の立て直し。

ユニオン系企業の補助金打ち切りやスワップを停止して国内企業の再建を務めていまに至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はあの時初めて人と人の殺し合いに参加した。そして憎しみや怒りを込めて敵を殺し、仲間が死んでいく姿を見ていった。・・・それが前回の総選挙の裏で行われた争いでありあいつが行っていた殺人者の意味だ・・・・これが俺の話せる全てだ」

 

 

 

 

 

長い、長い話が終わってみんなはさっきから俯いたままだ。

 

 

そりゃそうだ。

 

 

普通に生活していたらまず除くことも関わることのない闇の世界だから。

 

 

「それで・・・悠にいや・・・救助した子達はどうなったの?」

「その秘密基地で養生した後、政権交代のドサクサにまぎれて全員アルテールス退避した。本当は直ぐにでも親元に返したいのだが身の安全が確保されるまではアルテールス国内で保護することが両国首脳陣と本人たちの意思で決まった。俺らは原潜でアルテールスに帰還後は再び特務近衛に復帰した」

 

「・・・・・・やめるって選択肢はなかったの?」

「もう俺は一度手を染めた咎人さ」

絵里の質問にそう答えることしかできない。

 

この作戦は当初は情報収集を目的としており 完全極秘なため参加者の家族には一切の真実を知らせることができず、事故死の扱いになっていた。

 

当時どう詫びればいいか分からなかったが軍を辞めるって選択肢はなかった。生き残った者のけじめをつける意味でも俺は一生軍人として生きる。

 

 

 

 

「・・・・・ちょっと夜風にあたってくる」

そういって席を離れて砂浜に出た。

 

内心さっきの話でみんなに嫌われていないかビクビクしていた。

「真姫の言う通り以外に小心ものかもしれないね」

 

何時かは離さないといけなかったとはいえ本当に言ってもよかったのかなと思う自分がいる。

 

しばらく海を見ていたら後ろから足音が聞こえて振り替えてみると絵里が立っていた。

 

「どうだった。今日の話は」

「どう・・・言葉にしていいのかがわからない」

「だろうな」

 

普通の日常しか知らない彼女らがいきなり殺し合いや人のドス黒い部分の話を聞かせてしまったんだ。

 

「俺を軽蔑するか」

「っ!!そんなこと言わないで!!」

「絵里?」

 

「確かにその話を聞いて怖いと思ったよ!!でも悠斗はずっと苦しんできたんだよ」

「・・・・どうしてそう思った?」

「馬鹿にしないで!悠斗が私を見抜けたように。私も見ぬけたんだから!!だから・・・・自分自身を蔑まないでよ」

あの時以来の涙声。

知らない間に自分でもサインに出していたことに驚いた。

 

「・・・・すまん」

本当にどうしようにもならない男だな

 

 

「一緒に行こう!みんなが待っているよ」

「ああ」

差し出された絵里の手を握って別荘に戻った。

 

 

 

別荘の居間に戻ると机は撤去され代わりに布団10枚が敷かれていた。

「・・・・・・何これ」

 

「あ!悠サンと絵里ちゃんが戻ってきたニャー!」

凛に腕を引っ張られ、みんながいるところに連れて行かれた。

 

 

「悠にいが外に行っていた時に私たちで話あったのです」

「え?」

 

「あなた・・・・変なことで考え込む癖があるよね」

 

確かにそうかもしれないけど真姫に言われてくないよ。

 

「確かに決して許されない事をしたかもしれない!」

「ですがそのおかげで救えたモノもあります」

アイドル人一倍強い思いを持っているにこと花陽が前の政権がアイドルたちを使って私利私欲に利用していたのを憤りを感じていた。

 

「にこっちの言う通りやで。もしあのまま何にも起こらなければもっと被害が出ていたかもしれない」

 

 

「正直言って私は馬鹿だから一体何が正しくて何が悪なのか分からない」

穂乃果のいう通り何が正しくて何が悪なのか。

 

 

 

時代、国、宗教・・・・人間の主観立場によってそれは変わってくる。

 

 

 

「みんな・・・・・」

「けどどうしてあの人はゆうにいの事、犯罪者って罵ったのかな?」

ことりはどうしてもその部分だけ納得していないようだ。

「実際に俺はその島の関係者の殲滅プランを立ち上げたから良し悪しはともかく本来許されないことを実際に行われたから文句も言えないよ」

 

「でも納得いかないよ」

「それは我慢してくれ。それも含めて俺の選んだ道だから」

それが現代の人々に恨まれようが憎まれようが、咎人と言われようが、次の世代に負の遺産を継がせないために血を流し血みどろの道を進むのは俺たち軍人だけでいい。

 

 

 

「改めて思ったけと凛はこんな大人になりたくないニャー」

「全くさ」

実際に前政権で甘い蜜吸っていた連中や元大手芸能事務所上層部や元マスコミ経営者らは現政権に対して鬱憤がたまっていて裏ではあれこれ内閣の支持率を下げようと暗躍している馬鹿どももいるわけ。

 

 

 

「というわけでみんなと一緒に寝よう♪」

「まてまてまてまてまてまてまてまてまて!ア穂乃香いきなり何言いだすんだ!!」

 

「何で?」

何でって年頃の男女が一緒に寝ちゃ不味いだろう!

 

 

と思っていたが全員が俺にあり得ないと目線送ってきた。

 

あれ?

俺が悪いの!?

 

多分俺を気使ってくれていると思うけどやっぱり色々不味いし、ブレーキ役の海未はいつの間にか寝ているし!誰求めてくれる人がいない!!

「悠にい!!それじゃ枕投げで穂乃果たちが勝ったら一緒に寝よ!」

穂乃果の一言で俺と海未以外は一斉に枕投げが始まった。

 

 

「おい!1対8は酷くないか!それに早く寝ないと明日海未にどや・・・・」

 

 

交わしながら警告したが、それも空しく投げられた枕がさるべ撃ちの如く海未に降り注いでしまった。

「「「「「「「「「・・・・あ」」」」」」」」」

 

これは最悪だぞ!

 

まだ海未は起き上がっていないのに全身から凄い気迫が溢れている

 

「これはどういうことですか?」

 

 

むくりと起き上がり、髪が隠れて表情が見えないけど・・・・・

 

 

やばい!!

 

「えっと・・・・それはね」

「明日は早いから早めに寝ましょうと」

 

何がやばいって

 

 

「覚悟は出来ていますね?」

 

 

海未は寝ているところを強引に起こされると壮絶機嫌が悪く、昔一回だけ悪戯で寝ている海未を起こしたがその後の記憶がなく。

 

気が付いたら全身に痛みを感じて庭に転がっていた。

 

それ以降俺たちは寝ている海未を冗談半分で起こしてはならないと誓った

 

 

 

誓ったが、今開けてはならない枷が外れた

 

 

海未が持っていたはずの枕が突然消えた

 

 

 

 

その瞬間轟音と共ににこにヒットして気絶した

 

「ちょ、超音速枕!!」

花陽はそう命名したけどそんな生易しいものじゃない

人は何かアクションを起こすときに必ずと言っていいほど予備動作がある。

一流であれば僅かな予備動作が先が読めるけどしかし海未にはその予備動作は見られなかった。

いうなればノーモーション超音速枕投げだ!

 

海未が扱えばもう寝具という常識を通り越して殺人兵器に変わり果てた。

「どうしよう穂乃果ちゃん!」

「生き残るには戦うし・・・」

「ごめん!海m」

言い切る前に穂乃果と絵里にヒットして2人がやられた

「落ち着こううm・・・おわ!!」

今は何とかかわしているが全滅するのは時間の問題。

 

 

俺と花陽と凛に気を取られているスキに真姫と希が追撃してくれたおかげで何とか海未を鎮めることができた。

 

「ふう・・・何とか助かっ・・・・た」

 

一気に気が抜けてしまったのか意識がそこで途絶えた。

 

 

 

 

 

 

「う・・・ん・・・あれ?」

 

誰かが電気消したのか居間の明かりが消えていた

 

問題はそこではなく

 

 

「何で体が動かないんだ?」

おれの右半分はピクリとも動かない。左半分は動いているから金縛りではないのは確実。

それに右腕は何か柔らかいものに挟まれていていい匂いがしている

「・・・・・・・・まさかまさか」

 

意識がはっきりして恐る恐る右を見ると絵里が俺の腕にしがみついていた

「!~=‘+*」*{{!!!」

危うく声が出掛けたのを抑えたがこんな光景・・・・もしまた無理やり起こされた海未が見たら・・・・もしそうなったら今度こそ海未に・・・・・・・・

いや・・・・考えるのはやめよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里さん!?さらにしがみ付かないで!!

 

 

今俺に残されている選択肢は

① 絵里を起こす

だけどこれはせっかく寝ているのを起こすのは忍びない。しかもこの状況下で起きたら悲鳴上げる可能性がある。そうしたら・・・・(以下略)

 

② 諦めて別のところで寝る

これが無難な選択肢だけど絵里がガッチリホールドしていて抜け出せれないし、無理やりやったら起こしてしまって選択肢①に戻る。

 

となった俺の取るべき選択肢は・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あきらめて寝直そう」

 

もう俺に残されたのは運命にすべて委ねるしかなかった。

このまま起こしても地獄だし、もし朝までにこの拘束が説いていなかったら海未の制裁を受ける

 

ちらっと絵里の横顔を除いた。

昨年度末にはこんな風になるなんて全然想像できなかった。

 

 

鳥の鳴き声で目を覚まし。

 

次起きてみると両腕にしがみついていた絵里といつの間にか離れていた。

助かったと思いつつももう少し味わっていたかったなと2つの相反する気持ちがあった。

 

流石に3度寝する気はさらさらなかった。

部屋からバイオリンをもってきて海辺に出ると空は群青色に染まっている。

 

 

 

しばらくバイオリンを弾いていると別荘の方から2人の足音が聞こえて演奏を辞めた。

 

「おはよう悠斗。早いんやね」

「おはよう。目が覚めて気分転換に」

振り返ると希と真姫が2人並んで歩いていた。

 

 

「あn・・・・悠斗のバイオリン見るの久しぶり」

「あれ?真姫ちゃん知っていたの?」

「最初の頃、作曲の依頼しに行った時以来だな」

中々人前に披露する機会はなかった。

 

 

 

 

いつの間にかみんなが起きてきて海辺に集まってきた。

 

皆が並んできたことで俺は今の気持ちを明かす。

「最初のファーストライブ以降からおれは・・・・μ`sの行き着く先を見てみたくなった」

 

昨日穂乃果の言う通り正義と何ぞや?悪とは何ぞやと思った。

 

 

「ついこの間まで俺は自分の命を軽んじていた。だけど今ほど命を惜したことがない」

 

だけど穂乃果や海未、ことり、花陽、凛、真姫、にこ、希、絵里・・・・9人の女神µ`sのおかげで道筋が見えた。

 

 

「だから俺は死なん!!生きて必ずこの目でµ`sの行き着く所を見届ける」

 

正義や悪なんて関係ない全力全開全身全霊を賭けて大切な人の日常を守る

 

 

 

「ラブライブ出場を目指して頑張ろう!!」

ありきたりな言葉だけどそれはどんな言葉よりも力強く、頼もしく勇気を与えてくれる。

随分遠回りをしてしまったけど、ようやく1歩を踏み出せたかな?

 

 




いかがでしたか?

一先ず色んなものを調べましたが何かおかしなところがございましたら一報入れてくれたら幸いです。

今のペースだと今年度中には1期が終わるかどうかギリギリです。

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