年明けから色々あってなかなか更新ができませんでした。
これからは仕事も落ち着くと思うので何卒よろしくお願いします
穂乃果の突然の思いつきで始まったμ`s合宿だったがその開始早々公安から監視対象に指定されている黒沢に俺と現政権、前政権の闇が暴露されてしまった。
いつか離さないといけないと思い真姫の別荘で始まった俺の過去の話。
「まずは朝霧の歴史を語ろっか・・・・穂乃果は俺の実家をどういう風に聞いている?」
「え?お母さんからは代々軍人の家系って聞いているけど」
「うん、その認識でも間違いない。朝霧家の歴史は幕末の長州派維新志士の新撰組や幕府からの刺客から維新志士を護る遊撃剣客が始まりとされている」
「するとあの坂本竜馬や桂小五郎とか・・・」
「もちろん一緒に戦った。そして戊辰戦争は政府の要職についていた」
「それは凄い!」
「でもその割りに、ゆうにいの家ってその・・・」
「普通すぎる・・・か」
「う、うん」
ことりの言うとおり、一般に維新志士の末裔に比べたら朝霧はあまりにも普通すぎる。
「西南戦争は習ったよな?」
「士族の反乱で日本史最後の内戦よね?」
「実はその旧薩摩藩士族の中に維新志士時代の同期がいて後に明治政府の方針に失望をして脱退。そして士族反乱に加わり西南戦争に参加。西南戦争末期に俺のご先祖率いるいる部隊と交戦して最後に・・・・殺した」
「・・・・・・・」
「西南戦争後に明治政府を離脱してしばらく故郷の赤穂で隠遁生活をしていたが、日清戦争時に戦列に復帰。そのときの戦果から『国家の危篤に朝霧あり』と言われだした」
「それじゃ、悠斗も・・・その・・・軍人になるの」
医者の娘として生まれた真姫らしくその部分が気になったらしい。
「むしろ、それしか道がない。それが朝霧の嫡男として生まれ、俺が歩む贖罪の道」
「どういうこと?」
「朝霧家は一度も女の子が生まれたことがない男系の家系で生まれたものは例外なく身体能力は極めて高く全員が自分の意思で軍人になっていた」
圧倒的な身体能力と一人で1個隊と渡り合える朝霧流剣術を持ち、前大戦まで国家存亡時の最前線には常に朝霧の名前が必ず上がる事から政府内でも下手な世襲議員よりもある意味有名な一族でもあると同時に時代の節目には必ず混乱が起こり朝霧の血筋には必ずその混乱に参加する因果があった。
朝霧に生まれた者は否応がなしに軍人になり血の道を歩む事になる
この事から代々の当主は子供たちに後を告がなくてもいいといいつつも絶対に軍事関係の職についている事から子供達の夢を優先という風潮がある。
だけどそんな願いもむなしく世界の理不尽が襲う
爺ちゃんは冷戦初期の代理戦争、父さんは冷戦終結後の航空戦
そんなことが頻繁に参加していたことから
呪われた戦闘民族
と陰口も増えてきた。
そしてそれは手以外なく俺にも当てはまる。
6年前、母親をなくした俺は父さんの進めもあって剣士としての高波のためアルテールス王国近衛師団で教官をやっていた父さんの知り合いで御神流剣術の正統後継者である御神咲夜の下で修業を開始して2年が経過していた。見た目は欧州の国なのだがどこか日本にそっくりであったお陰で生活はすぐに慣れた。
今日も御神教官の元、実地訓練を行っていた。しかも寸止めではなくお互い急所をためらず狙っていた。無論使っている刃は本物で一歩間違えたら大けがを負ってしまう。
しかし、そんなのは気にせず、お互いの急所をためらずに狙い続けていた。
「よし!今日はここまで」
「ありがとうございました」
御神先生は元々皇室護衛部隊―皇室近衛師団―の出身で日本とアルテールスで結ばれた官民技術交流条約に基づいて王室近衛師団の教官をしていた。
「それでこの後はどうする?」
「ウィルとクラエスが買い物に行こうと約束しました」
「ウィルとクラエスってこの間言っていた国際銃火器ライセンスを取得した子らよね?」
「はい。あの後何回かあって今では親友です」
国際重火器ライセンスの取得年齢は各国の事情があるということで各国ごとの法律で定める。日本じゃ25歳からだけどアルテールスでは15歳から取得可能。
理由としては資源大国であり特に白人系国では珍しくキリスト教ではなく独自の自然崇拝を信仰しているアルテールスは常に某赤い国や欧州に目を付けられていた。かと言って徴兵は維持費がかかることからそれで直ぐにでもモノになるようにした措置であった。
私服に着替えて約束場所であるメインストリートに俺と同年代でチェロケースみたいな物を持っている少女と金髪の優男が既に待っていた。
「遅いですよユウト!」
「お前が遅刻なんて珍しいな」
「すまん訓練が長引いてな」
最初に声をかけたのがクラエス・ラングバート。大学教授の娘だけど俺と同じ国際銃火器ライセンスの所持者で狙撃の達人。見た目はフェンランド系の美乳白銀髪ロングヘアーの美少女だが部屋にはぬいぐるみの代わりに古今東西の銃火器類が置かれている銃火器類のマニアに加え撃ちたがるハッピートリガーな残念お嬢様。何でも曾おばあさんがとある北欧の国で赤い大国と戦争していたときに一緒に同行していた世界最高峰スナイパー直伝らしい。
そしてクラエスと一緒にいる男がウィリアム・ジョースター。彼も国際銃火器ライセンスの持ち主でクラエスの幼馴染で海軍士官の父を持つ軍人家系。見た目はハリウッドに出そうなイケメンなのだか趣味はナンパでいつも女の子にちょっかいをかけてはクラエスに制裁を受けている残念男子。しかも母親の実家が喫茶店ということもあって営業スマイルがとても旨い。俺が周りから女性の扱いが上手いだのなんだの原因は大体こいつが原因だ。
「それで今日はどうする?」
「折角ライセンスも手に入れたことですし武器屋に行ってみませんか?」
「何か掘り出し物があるのか?」
「ええ!!いい掘り出し物が入るという噂が出ておりまして」
目をキラキラさせながら昇天していた。
「もうちょっと女の子らしい趣味をしたらどうなんだ?」
「あら?ナンパが趣味のあなたに言われたくありませんね」
この2人が顔を合わせるために痴話喧嘩ないし夫婦喧嘩が始まる
仲が良いのか悪いか・・・・・まあ喧嘩するほど仲が良いって言うしな。
「ウィル、クラエスあれ!」
角の方を見ると一人の女の子が複数の男に囲まれている
「どうする?」
「もちろん助ける。まず俺が切り込んで見るからクラエスは後方で援護射撃を頼む。ウィルは状況を見ながら臨機応変に頼む」
「任せなさい」
「了解した」
俺とウィルは懐から拳銃を出したがクラエスだけチェロケース(みたいなもの)から日本皇国軍が採用されている64式小銃を出した。
「ちょっと待ちなあんたら」
「何だ貴様は!!」
「大の大人が寄ってたかってか弱い女の子を囲んで恥ずかしくないのかよ」
「貴様には関係ない」
懐に忍ばせていた閃光手榴弾数個を地面に叩き付け激しい閃光と爆音が鳴り響いた。さすがに閃光手榴弾を想像していなかった黒服たち油断してしまい目と耳を塞ぎこんだ。ついでと言わんばかりに外からクラエスの援護射撃をお見舞いした。
流石に殺すのは不味いので手足だけを狙って足止めした。
狙撃スコープは反射して敵にバレるのを嫌がって照準は照星と照門だけで有効射程距離ギリギリによる精密狙撃ができるのはクラエスだけだろう
「何とか逃げ切ったな」
「ええ」
「だけど今の手持ちじゃ次は持たない」
確かに俺とウィルの装備は9ミリ拳銃とコルト・パイソン357と閃光手榴弾6つ、煙幕弾3つ、予備弾装が6つと刀1本とナイフ数本しかない。
クラエスに至っては20発入り弾倉1つしかない。
「あなたたちは?」
「俺たちは国際銃火器ライセンスの所持者です」
そう言って不安がる彼女に俺たちのライセンスを見せた。
「っと自己紹介がまだだったな。俺はユウト・アサギリ日本人だ」
「私はクラエス・ラングバットよ」
「ウィリアム・ジョースターですどうぞよろしく可憐な・・・「ウィル?」冗談だよ」
こんなときにナンパするウィルに容赦なく頭に銃口を向けるクラエスにため息つきながら頭を抱え、彼女はクスっと笑っていた。
場面変わって真姫の別荘・・・・
「改めて言って見ると本当に懐かしいな」
もう数年前の話なのにいまだに昨日の様に覚えている。
「それで・・・・その助けた子はどうなったのですか?」
「以外にも俺らとノリが合って一緒に買い物としていたな。特にあいつの正体を聞いたときはひっくり返りそうやったわ」
「ひっくり返る?」
「そうだ」
謎の黒服から助けた女の子、リズ一緒に街を歩き回って、ある程度買い物を終えて夕方に差し掛かったとき・・・
「う~ん・・・・何だか囲まれたっぽい?」
「っぽいじゃなくて、完全に囲まれているぞ」
周囲から尋常じゃないほどの殺気を感じ取った。
「そんじゃ、俺が囮になるから援護お願い」
「了解。ウィルはも一緒に来て」
2手に別れた後、俺とリズは裏通りの奥にある広場に出た。
するとゾロゾロと黒服の男が現れてきた。手には何も持っていないけど服の膨らみから拳銃があるのが伺える。それに屋上にもスナイパー数人が控えていた。
「見つけましたぞお嬢さん」
「あんたらの目的は何ぞよ?」
「答える義務はない。おとなしく引き渡したら」
「それはそれはご丁寧に」
だけどな・・・・それはあんたらも同じことだ。
無線で一声「Fire」
伸ばしてきた手に銃弾が命中した。
「どこからの攻撃だ!狙撃か?」
「しかしこの周囲500メートル以内には誰もいません」
そうこうしているうちに屋上に配備していたスナイパー達が次々とやられていった。
「残念!あんたらの考えている場所にはいないぞ」
「じゃ、どこか・・ハッ!!」
どうやら気がついたようだけどもう手遅れだ。
クラエスが撃った場所
それは現在地から1950メートル離れた長距離による精密狙撃
さっき分かれた後クラエスたちが向かったのはいつの贔屓してくれている武器屋。
「流石クラエスだな」
「ひいおばあ様からあの人のこと聞いて育っていたんだよ。このぐらいできないとあの人には近づけないよ」
そしてウィルはスポッター(観測手)として
普段中が悪い二人だけど
「よし!悠斗の前に男の太ももを狙うぞ! 」
「馬鹿な!こんな餓鬼どもに・・・・あり得ない」
「一言教えてやる!あり得ないなんてありえない」
俺が言いきった瞬間太ももを撃ち抜かれ悶えた
完全に浮き足立った瞬間をねらって近接戦闘をぶっかけて
「行くぞ!!」
リズの手を取ってその場から離れた。
「ウィル、クラエスは退避してポイントD27Rに向かってくれ」
『了解』
その後次々と寄せてくる軍勢を撹乱しつつ長距離狙撃で行動不能にしていった。
上手い具合に翻弄していったけど途中で御神師匠が電話がかかってきて、その内容に人生で初めて顔を青ざめたよ。
そして・・・・・・
「バッカモン!!貴様等王女殿下を連れ回すとはどういう」
眉間の血管が今にも切れそうなくらい怒り心頭なのはアルテールス王室侍従長のフリツベグル・ジーメス。
そう・・・助けた彼女はこのアルテールス王国第一王女エリザベス・D・アルテールス
そしてしつこく付きまとっていた黒服の男は直属の近衛兵。
リズはちょくちょく王宮を抜け出す癖があってあの時もいつものように王宮を抜け出して市内をうろうろしていたらしい。
そしていつもなら連れ戻したところに俺たちと出くわして誘拐犯と勘違いした俺らにボコボコにやられ、再度展開するも返り討ちにあった。
流石の俺たちもあの時ほど顔を真っ青になった日はなかったな。
「まあそのぐらいにしなさい侍従長」
「ですが陛下!」
その後ろで侍従長を宥めている人こそ、フォルス陛下の愛称で国民に慕われている現アルテールス国王フォルスタナ・Z・アルテールス。
陛下もリズ以上に放浪癖が強いお方で時には海外に言ってテロリストを退治してきたとにこやかな顔で言ったらしい。
「そもそも、連れ戻しに行った近衛兵が油断していたとはいえ返り討ちに会ったのはどういう指導していたのかな?」
「う!そ、それは」
侍従長は過去の経験則をもとに近衛兵の監督もしていた。
「このまま彼らを処罰するといかに我が近衛兵が無能ということを世間に騒がしてしますよ」
今回の損害は死者こそ出なかったが展開した一個小隊は全滅、再度展開した大隊も大打撃を受けて損害は馬鹿にならない。
「かといって無罪放免というわけには行かないのも事実だけど、たった3人で近衛兵をかき回した指揮能力と狙撃センス。わが軍にもいない人材」
俺たちは国王陛下の次の言葉を待っていた。
「・・・・・それでどうなったのですか?」
「結果的に言えば罰則はない代わりにリズ直属の近衛兵として勤務せよと命じられた」
国王陛下の恩赦で条件付のお咎めなし。処罰の変わりにリズ直属の特務近衛兵となってくれが条件だった。リズは脱走癖が強く、よく大人たちを苦しめてきたが、同年代ならマシにはなるかと思ったらしい。こうして俺は特務近衛長(中尉)、クラエスとウィルは特務近衛副長(少尉)を与えられて行動を開始した。
「ところがそんな大人たちの予想を見事裏切ったのさ」
「予想を?」
「ああ、最初のころはおとなしくしていたけど、慣れてきた途端に再び脱走を始めたさ。しかも今度はたまたま見かけた痴漢を半殺ししたり、マフィアの事務所に踏み込んではボスに喧嘩売ったり、麻薬密売組織を火達磨にしたり・・・数えたらきりがないよ」
下手をすると以前より悪化している。俺も連日関係機関に謝罪と根回しと損害賠償の手続きの日々が続いている。しかも同時進行である陸軍特殊部隊出身のやつらまで加わり手が付けられなくなった。
そんな生活が続いているせいで酒にも飲むようになって周りから言われたのが一気に老けたらしい。
アルテールス大使であるセリシアさんとはこの時からの付き合いで、リズ捜索兼現場制圧用にいつも部隊を借りていた。
「いかん・・・思い出して来たらお酒が飲みたくなってきた真姫、倉庫にあるスコッチウィスキー飲んでもいいか?」
「あなた・・・アルテールスにいたときそんなに飲んでいるの?」
「自慢じゃないがおれは下手な大人より飲めるぞ」
「それ全然自慢なっていないよ」
うんなこと言ったってマジでストレスが多くて酒を飲まないとやっていけれない仕事だもん!!
余談だがリズが与えた損害賠償学は日本円にして10億にも遡り、この賠償金の捻出も俺が担当していた。
今でも支払いは続いている。
「ここまでが俺が軍属になった理由だ」
『・・・・・・・・・・・・』
流石のμ`sの面々でもアルテールスの知り合いの破天荒具合を聞いて言葉を失った。
「でもそれじゃあいつが言っていた無人島の出来事の話は」
時間をかけて説明下つもりだったけどもうここまで来てしまったか
「みんなスクールアイドルが生まれたきっかけって知っている?」
「それってA-RISEの・・・」
「いや・・・そのきっかけさ。なぜ全芸能事務所やマスコミが大打撃受けたのか知っている?」
「それってマスコミの偏見報道に芸能事務所が一緒になって煽った結果信用が一気に失って次々と廃業になったっていうけど」
「それもあるけど実はもう一つある」
ここから先は比喩でも何でもなく冗談抜きの・・・前政権の闇の部分決して開けてはならないパンドラの箱。