ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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おひさしぶりです。

今日はμ's Final LoveLive!〜μ’sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜のBDを購入しました!

今涙を流しながら見ています


20我ココニ戦ヲ宣ス

オープンキャンパスが終了して1週間が経過していた。

この日は朝イチに理事長から連絡が来て俺と絵里は理事長室に呼び出されていた。

 

ついにこの時がやってきたのか、それとも来てほしくなかったのか・・・

 

そんな複雑な思いを抱きつつ学校へ急いだ。

 

 

 

「失礼します」

 

「朝早くからのご足労ありがとうございます」

いつも通りの位置に理事長が座っていた。

 

「それで理事長、話とは?」

「ええ、この間のオープンキャンパスの結果が出ました」

 

来た!

 

 

「それで・・・どうなったのですか?」

絵里はおそるおそる理事長に聞いた。

「集計の結果・・・受験希望者が我々の予想を超える数値に達しました」

「それでは!?」

「はい!このことを文科省に報告したところ廃校決定は無期限の延期になりました」

「本当ですか!!」

理事長の報告に絵里は跳び跳ねるように喜んだが・・・

 

「ですが・・・」

「ええ、まだ油断はできません。決定の無期限延期という事は白紙撤回ではないという事です」

「!?そうね・・・時と場合には復活することもあるという事ね」

 

「それでも幸先のいいことです。当初の予定では判断を先送りという事だったのですがこの通知を届けた東條内閣官房副長官が尽力してくださったようです」

「官房副長官が!?」

オープンキャンパスの帰り際に「頑張らねば」と聞こえていたがこの事だったのかな?

 

「ですが!それだけ中学生たちがこの学校に興味をもってくれたという事ですよね」

「はい!これまでにない言い手ごたえです」

まだまだ死んでいないという事だ。

 

今後の対策を話しつつ別れた。

 

「よかったね悠斗」

「ああ、これで心置きなくラブライブに向けて練習できる」

 

とある少女の何気ない思い付きから始まったスクールアイドルμ’s。

 

さまざまな経験と一つ一つの想いを積み重なり、最初は不可能と思われていた国の決定を動かすことができ、廃校の撤回に道しるべが立った!

 

 

 

「でも予選と本選の曲も同時進行でしょう?大丈夫かしら」

「それをどうにかするしかないでしょう」

とりあえず廃校は暫く延期になったが後一手が足りない。

 

その残りの一手がラブライブの結果如何で決定する。

 

予選開始まで後一ヶ月半

 

無論まだ不確定要素が残っているし、父さんの案件もある。

一度みんなで話し合おう。

 

 

 

「おはようえりち。悠斗」

「おはよう希」

「それで理事長の話はどうなったん?」

「まだ余談は許さないけど一先ず廃校の無期限延期が正式に決まった」

「よかった」

だけど希の顔はあまり浮かばれていない。

 

「希・・・・・何かあったの?」

 

「実は今朝・・・学校に来る途中でUTXの生徒会会から手紙を渡されたんや」

「UTX から!?」

希から渡された手紙を見ると、宛先は生徒会になっているが明らかに俺へのメッセージだ。

内容を要約すると女子校の音ノ木坂学園のテスト生の俺に対して挨拶周りへの要請だ。

「何で今さら」

絵里曰く4月に一度挨拶周りの計画を立てていたけど、UTXが拒否ったためこの話自体流れた経緯があった。

「でも断ったら最も面倒くさい事になりかねない」

「それじゃいくと言うことでいい?」

「頼む希。それと絵里には同行役をお願いしてもいいかな?」

 

「私でいいの?」

「この書面は1名だけとしか書かれていない」

この書面のどこにも生徒会長若しくは生徒会役員は同席してはならないとも書かれていない。

 

「分かったわ」

「助かる」

 

 

以外にも何にもリアクションが起こらなかったのが不思議でたまらなかった。

 

あきらめたのか・・・或いは何か企んでいるのか。1つ結果が出てもそれ以上に面倒臭い事になっていく。

 

はぁ・・・・・・

 

 

 

 

やれやれだ!

 

 

 

その後HRで正式に廃校の無期限延期が正式に伝えられた。この発表に大多数の人が喜んでいる中更にぶっきらぼうになったら先生が何人かいる。

 

 

 

いつも通り授業を受けて放課後・・・

 

 

 

「悠に~い!!来て来て」

「穂乃果・・・とりあえず落ち着け」

「いいから早く早く!!」

部室に向かう途中、ハイテンション状態の穂乃果に引っ張られた。

 

「じゃーん!部室が大きくなりました」

「おお!」

今回の件からアイドル研究部の隣にある使われていない部屋の使用が認められた。

部屋自体ロッカーと長椅子だけの部屋だけど部屋自体広く、雨天時の練習にも使えるレベルだ

「まだ安心できないわよ」

「絵里先輩」

「今回の決定はあくまでも廃校検討の無期限延期であって白紙撤回では・・・」

「ううぅぅ」

すると絵里の隣で海未が号泣していた。

「・・・・どうした海未?」

「嬉しいです!ようやくまともなことを言ってくれる人が入ってきて」

 

「それじゃ・・・凛たちはまともじゃないみたい」

「ちょっと待て海未!それって俺も含んでいるのか?」

「それはおいといて・・・ほな練習はじめるで」

あれ?

スルーですか!?

 

希の一声でそれぞれ練習着を持って更衣室へ向かおうとしだした。

 

ちょっと待ってみんな!?何で否定しないの?

 

 

「あ、ごめんなさい。私ちょっと用事で」

 

オープンキャンパス以降ことりは用事とかで早退が多くなった。

「どうしたのでしょうか?」

「まあ、ここしばらくハイペースで来ていたからな溜まっていた用事もあるだろう」

 

というより俺たちもそうだけど。

 

「ごめん。私たちも今日は用事があるの」

「そうなのですか」

「急に出た話で・・・まあ簡単に言ったら周辺高校のあいさつ回りかな」

簡単に説明した後に今日の練習メニューを海未に伝えてから荷物を持ってUTXに向かう。

 

「でもさ、この時期に悠斗の紹介っておかしくない?」

「そんなもの言われなくても分かっている」

廃校が無期限延期の案が出て直ぐの要請。

恐らく何らかの形でUTXに漏れて、慌てて俺がどんな人物か確認したいのだろう。

 

「でも行くよね?」

「ああ。この目でUTXを確認できるからな」

 

 

 

「相変わらず目に鼻がつく建物じゃのう」

「・・・・・本当ね」

おいおいおいおい!!

あの絵里が俺の冗談に同意したぞ

 

・・・・・・・・・よっぽどこの学校にキレているんだな。

 

事務所で受付を済まし終えて構内に入った。

それにしてもいけすかねえ場所だな

「監視カメラは・・・結構な数があるな」

それ以外に金属探知機や赤外線センサー、下手したら対人レーダーやトラップが幾つかあったり学校にしては阻止装置が大げさすぎる。

 

「ふう、相変わらず息苦しいね」

絵里ですら息苦しく感じるのに俺なんかもういつ条件反射が出るかで落ち着かない。

 

 

 

 

「いらっしゃい。絢瀬さん」

「ええ」

 

生徒会室に入ると早速UTXの会長と会った瞬間一発触発の戦闘モードに入った。

前に希が言っていたが本当に蛇とマングースだな。

 

どっちがマングースかは敢えて言わないが・・・

 

 

「音ノ木坂学園テスト生の朝霧悠斗と申します」

「UTX学院生徒会長の皆沢です」

 

おい!それだけかよ!?

 

「失礼ですが会長さんは外交辞令って言葉は知っていますか?」

流石に今の無礼には腹が立った!

絵里はよくこんなやつらと渡り合ったな。

 

「あなたから招待に応じて馳せ参じ参りましたのにお世辞の一つも言えないようではトップとしていかがかな?」

 

「あら?失礼しました。てっきりそこまでも教養がないと思っていましたわ」

 

こ、このガキ!?

いくら音ノ木坂が廃校の危機に瀕していたといえ、そこまで落ちぶれていないぞ!

よお絵里はこいつの言葉に耐え切れてきたな。

 

ならこれ以上の無駄話を避けて本題を済ましてとっとと帰るか

「それで生徒会長さん私が呼ばれた理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

「ねえ、あなたUTXに入らない?」

「な!?」

「はい!?」

いきなり何言い出すこの子は!!

「この間の音ノ木坂のオープンキャンパス見させて貰いましたわ。あなたの頭脳に感服しましたわ。うちには政財界に多数の知り合いがいます。このままUTXに入られますと・・・」

 

「あなた!いきなり言いだ・・・・・悠斗」

絵里の前に手を出して、言葉を遮った。

 

「かのUTXの生徒会長からここまで行っていただけるのは光栄の極みです。では私の回答です」

 

 

俺は一呼吸おいてこういってやった。

 

 

「寝言は寝て言えバカヤロー」

「な!?」

 

「生憎とも政財界には興味がなくてな。今は音ノ木坂の廃校回避が一番重要で・・・・まあ本音を言ったらあんたらみたいな礼儀知らずの学校に入るなんてこっちから願い下げじゃ!アホンダラ」

 

「・・・・・いい度胸ね!私たちの誘いを断ったのはあなたが始めてよ」

「そりゃーどうも」

 

その言葉に相当引っこ抜きがあったと予想できた。

 

「しかし、折角及び致しましたのに私どもの面子は潰れまし・・・・・」

「うんなの知らんじゃな。その程度で潰れる面子なら傷つけんように懐に仕舞うときんさいや」

言い切る前に言い返してやった。

皆沢の顔見ただけでも怒り浸透なのはよう分かるわ。

プライドは人一倍高そうじゃもんな。

 

「そういえばそちらもラブライブに出場なさるのですよね?」

「そうじゃ!」

 

「ふふ、A-RISEに負けてみっともなく晒しなさい」

「なんだと!もういっぺん言ってみろや!!」

胸ぐらを掴みそうになったが間一髪絵里に止められた。

「そっちこそ吠えずらかくんじゃねえぞ!」

 

「宣戦布告・・・・と見なしますよ」

いつの間にか黒沢の後ろにA-RISEが来ていた。

流石にスクールアイドル界の頂点に君臨しているだけにいい面がまえしとる。

「上等だ」

 

ここで引いたら弱腰と見られかねない。引いても地獄、進むもの地獄。

なら前に進むしかない!

 

普段怒っていない人間の怒りに火を入れるとどうなるか歴史が証明している。

 

「μ`sのみなさん。今度の予備予選楽しみにしております」

「ああ、お互い悔いのないよう最高のパフォーマンスをしましょう」

どうやらAーRISEは皆沢より話が通じそうで安心した。

 

 

 

UTXを出た俺と絵里はそのまま駅に向かって歩いていた。

 

「・・・・・・絵里の言うとおりマジでムカつく学校だな」

 

「・・・・・・そうね」

いったいどんな教育したらあそこまで傲慢な性格が出来上がるんじゃろうのう。

「でも本当にあんなこと言って大丈夫だったの?」

「正直言うてラブライブの予選結果は問わない。恐らくあの人はわざと挑発して俺たちの本来の目標である廃校の白紙撤回を逸らす意図が見えた」

恐らく上層部の辺りが言って来たのだろう。

優勝だけ意識し過ぎるとかえって足元がすくわれて目標を見失いかねない。

 

「それじゃ宣戦布告を受け入れたのは?」

「やんわり返すだけじゃ弱腰と見られかねない。今後の戦略を考えると強気にいかないと」

 

敵はAーRISEというよりはUTX 学院の上層部だろう。官房副長官の秘書が言っていた派閥争いに利用されている可能性は否定できない。

 

駅を通り抜けて電気街に抜けると見知った面々がいた。

 

「・・・・・・なあ絵里」

「何?」

「・・・・・・あれ」

 

 

指を差した先に季節はずれのブラウンのコートとマフラーにサングラスとマスクをつけた見覚えのある8人組がいた。

 

・・・・・なんのつもりだあいつら?

 

「どうする絵里?」

「どうしよっか?」

正直スルーしたい気持ちなのだが、このままじゃμ’sがおかしい目線で見られるのは戦略上良くない。

 

 

 

「お前たちいったい何のつもりだ?」

「悠にい!絵里先輩」

「これはどういうこと?」

もはや絵里も怒りを通り越して半ば呆れていた。

海未の言う通り確かにマトモな人がいない。

「実は・・・・・・」

花陽曰く俺たちが出ていった後にこがしなきゃいけないことがあるらしくで、今に至る。

「にこ・・・・どういうことか説明してくれ」

「これがアイドルに生きる者の定めよ!」

・・・・・相変わらずこいつのアイドル理論には言っている意味が全然分からん。

 

「だけどこれは・・・・」

「・・・逆に目立っていませんか?」

「馬鹿馬鹿しい」

μ`s随一のクール組である絵里と海未が苦言を言い、真姫にいたっては言い切るのと同時にコートとマフラーサングラスを外した。

流石にこの暑さじゃ熱中症になりかねない。

真姫に釣られてみんなも外した。

 

一人だけ不服そうな顔をしているやつがいるけど聞かないことにした。

 

 

 

「うわ―!!すごいにゃ」

俺たちが入っていた店はスクールアイドル専門ショップ。

スクールアイドルの爆発な人気に連れてこういったショップが随時作られている。

 

店内を見渡すとA-RISEだけではなく全国各地のスクールアイドル達のポスターやグッズが置かれている。

制作販売著作権管理はスクールアイドルランキングサイトに一括で行われており、各スクールアイドル達はそのランキングサイトに登録するとラブライブ予選の出場資格を得るがその代わり各地にある加盟店のスクールアイドルショップに自分たちのグッズが販売されその売り上げが大会運営費に充てられるシステムになっている。

今のスクールアイドルは全国で1000組近くあって流石に全部が全部作れる訳ではないので、その中で上位やその地元優先にグッズが作られている。

「結構にぎわっているね」

「ライブライブが始まるやからね」

初めてこの手の店に入ったけど所々売り切れの表示が目につく事から想像以上の賑わい。

 

 

「悠先輩見てみて!!この冠バッチ・・・かよちんにソックリだにゃ」

「そっくりって・・・というより花陽だぞ」

 

凛の後ろ側にあったコーナーを除いてみると・・・・

 

「みんな!ここにμ`sのコーナーがあるぞ!」

「嘘!!」

スクールアイドル界の中でもμ`sの名前の大分広がっているみたいだけどこんな風に彼女らのグッズが店頭に並んでいるのを見るとうれしい反面複雑な気持ちもある。

 

「ううう海未ちゃん!これ私達だよ!?」

「おおお落ちつきなさい!穂乃果!?」

「まず2人が落ちつきなさい」

いつも穂乃果を抑えている海未までもがテンパリだしたら収集が着かなくなる。

 

「退きなさい!!それより私のグッズは?」

他のみんなを押し退けて自分のグッズを探し始めたにこ。

本当ならここで小言の一つでも言おうとしたけど自分のグッズを見てにこの目には涙が滲んでいた。

 

ずっとアイドルになりたくて、人一倍アイドルに強い思いを持っていたけど一度は挫折した

だけど諦めきれずにずっと部室を守り続けてようやく同じ思いを持った仲間たちに出会えた。

 

今回のことは見なかったことにしよう。

 

しばらく店内を見てみると穂乃果がμ`sのコーナーとは違うところを見ていた。

「どうした?何か面白いものが見つかったか?」

「悠にいこれなんだけど・・・・この写真ことりちゃんにそっくりじゃない?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ!

 

穂乃果の指を指した方向を見るとメイド服を着たことりの写真がかざってあった

 

「・・・・・確かにことりだな」

しかしどういうこっちゃ?

スクールアイドル初めて4ヶ月弱。一度も撮影会みたいなものはやっていなかったし、運営会社自らやるときはアポがあるはずだし。

「あ、あの!ここに私の写真があると聞いて・・・」

腕を組んであれこれ考えていたら隣で聞きなれている声が聞こえて振り替えって見ると

 

 

さっきの写真と同じメイド服を着たことりがいた。

 

「・・・・何していることり?」

「きゅぴー!?」

俺に驚いて一度後ろに振り返り開封済みのカプセルを目に当てた。

「コトリ?what ?ドゥナタディスカー?」

・・・・・・・すまないなことり

それで騙されるほど俺たちは・・・

「あ!外国人!?」

訂正、凛は騙されていた。

本当ならことり事で集中すべきなのだがあまりにも素直と言うか天然と言うか・・・正直凛の将来が気になって仕方がない。

いつの間にか来ていた絵里も呆れているぞ。

 

「ことり・・・よね?」

「チガイマース!ソレデハミナノシュー!サラバ!!」

メイドさん@ことりは逃亡を始めた

「穂乃果、海未頼む!」

穂乃果と海未がことりを追いかけたけど複雑な裏路地に入り込まれると流石に追い付かない可能性がある。

「あれ?悠斗は追いかけないの?」

「こういうときはな、相手の逃亡ルートを絞り組んで・・・って希は?」

いつも間にか希の姿がなかった。

「希先輩なら先程『カードに導かれて』と仰ってどこかに行きました」

俺の疑問に花陽が答えてくれた。流石スピリチュアル巫女さんだ。

 

逆に恐ろしくなって来るけどもう俺の出番は要らなさそう。

「センパイ追いかけなくてもいいんですか?」

「心配せんでもいずれ終る」

すると希からことりを確保したと連絡が入った。

「ほらな」

最早何か異能力があっても不思議じゃないがとりあえず希が指定した店に向かうことになった。

 




いかがでしたか?


今のペースでしたら週一の投稿かもしれません。

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