ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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15頂上決戦

「取材?」

「そうやで」

 

にこが加入してさらに数日後、俺は今生徒会室で資料を整理していた。

絵里や希を始めとする生徒会の面々にはμ`sの活動にいろんな便宜を図ってもらっているので定期的に仕事を手伝っている。

 

「今各部活を紹介するビデオ製作中なのだけどぜひμ`sもお願いしたいの」

「それなら断る理由はないよ」

 

恥ずかしがり屋の海未は拒否るかもしれないがこれもμ`sの為だ!

ここは心を鬼にしないと!!

 

 

海未が応じるのが先か!俺の命が尽きるのが先か!

 

 

 

 

 

さあ!張った張った!!

 

 

 

少しでも最悪の未来に明るく言ってみたけどやっぱり虚しさしか残らなかった。

 

「それに取材が終わればカメラを貸すこともできるしそれでPVが作れる」

「PV!?そうだ!今のμ`sの動画は3人だけの時しかないんだ」

 

結局START:DASH!!の投稿者は長い時間かけていろんな手を尽くしたが結局誰かは分からず仕舞いに終わった。

 

これ以上捜索しようものならプロバイダーの照会が必要になってくるけど、別に害も何にもなかったし、むしろμ`sが知られる要因の一つになったわけだしムキに探す必要もないと言うことで一旦打ち切った。

 

 

 

 

そして始まったμ`sのインタビュー。ナレーションは生徒会副会長希の提供でお送りします。

 

 

「スクールアイドルとはいえ一学生である」

 

トップバッターはμ`sの発起人である穂乃果!

 

「プロのように時間外に授業を受けたり、早退が許されることはない」

最初は真面目に授業を受けている穂乃果であったが時間が経つにつれて眉が下がったりあくびをし始めた。

 

「よって・・・・こうなることになる」

場面が切り替わってとうとう睡魔に勝てなかった穂乃果が机に伏せるように寝てしまった。

 

「昼食をとり・・・・・再び熟睡」

穂乃果はパンを頬張り・・・・再び夢の世界に入っていった。

 

普段から心配していたけどこれを見された以上心配以上に情けないという気持ちが勝ってしまった。

「そして先生に見つかるという一日であった」

最後は先生に起こされて机ごとひっくり返されるというオチで終わった。

 

 

「これが駆け出しのスクールアイドルとは言え、まだ若干16歳である高坂穂乃果のありのままの姿である」

「ありのまま過ぎるよ!!」

希がナレーションで絞めたけど穂乃果の抗議が入った。

 

「というかいつの間に撮ったんだ?」

確かこの間来たとき、カメラアングルから穂乃果の横の席だけど確かその席には・・・・

「上手く取れていたよ!ことり先輩」

 

「ありがとう~コッソリ撮るのドキドキしちゃった!!」

やっぱりことりが隠し撮りしていたみたいだ。

ことりの中にいる天使・・・きちんと仕事しなさい!

 

 

「普段からだらけているからこうなるのです!これを機に・・・・」

「さすが海未ちゃん!」

 

今度は場面変わって今度は弓道の練習していた海未が映し出されていた。

弓を放つ姿はもはや一つの芸術作品のように美しかった。

「真面目に弓道の練習・・・・を?」

そばにあった姿見の前でアイドルスマイルを作っていた。

 

「プライバシーの侵害です///」

顔を真っ赤にした海未がカメラのモニターを手で遮り電源を落としていた。

 

「そうそう実は悠斗の分もあるんやで」

「え!?何で!!俺って関係ないんじゃ?」

 

「そうなんやけど。来年度から入ってくる男子生徒の為に是非と理事長が言っていてな」

あの親鳥!!

娘同様なかなかエグイ事してくださるな!!

 

「今現在この音ノ木坂学園でテスト生としている唯一の男子生徒」

再び希のナレーションから始まった俺の紹介。

 

「成績優秀・運動神経抜群」

俺が授業中の風景や体育でバスケをやっていた時にダンクを決めたシーンが映し出されていた。

ってかいつ撮ったんだよ希の奴!!

授業中はともかく体育は同じチームだったよね!?

 

しかし改めて見ると、女子生徒に囲まれている俺って周り

 

「そして紳士でもある」

場面変わって俺が小さな女の子が風で帽子が飛ばされたのを拾ったけど・・・

 

 

「だけどそんな彼にも弱点があった」

しかもこのシーン嫌な記憶しかなかった!

 

「最後までかっこよく決められないことだった」

立ち去ろうとした瞬間たまたま開いていたマンホールの中に悲鳴と共に落ちていった。

 

「これが音ノ木坂学園スクールアイドルμ`sのマネージャーである朝霧悠斗の意外な一面・・・」

「ふん!!」

希のナレーションを言い切る前にカメラの破壊を試みたが、寸前のところで交わされた。

「ふう~危なかったやね」

「お嬢ちゃん!そのカメラ寄越しんさい」

 

 

カメラを破壊し損ねて希と対峙していたら、にこが慌てて部室に入ってきた。

 

「し、取材が来ているって本当!?」

「もう来ていますよ!ほら」

 

手でカメラの方を指すといきなりスイッチが入りアイドルモードになったにこが・・・・

「にっこにっこに~!みんなに元気ににこにこに~の矢澤にこで~す!え~っとぉ、好きな食べ物はぁ~」

「ごめん、そういうのいらないわ」

 

希が呆れた声で止めた。

でも本当にスイッチの切り替え早いな。心底にこのアイドル論には感服するわ。

 

 

ズレまくっているのは否定しないが。

 

「えぇ?」

 

「部活動の生徒たちの素顔に迫る!・・・って感じにしたいんだって」

「素顔?あぁ、オッケー、オッケー!そっちのパターンね!ちょ~と待ってね!」

 

凛の説明を受けてにこは俺たちに背中を向けるや否や突然髪を結んでいるリボンをほどいていく。

 

あ!これって嫌な予感しかしないや・・・・

捕まる前に戦術的撤退の提案にみんなは乗り、次々と部室から出て行って中庭に向かった。

 

今頃はにこの悲鳴が部室に響いているが気にしないようにした。

 

 

「た、タスケテ」

「おいおい第一声がそれかよ」

カメラを向けられて緊張のピークに達している花陽。

「緊張しなくても平気!」

凛の後押しもあって花陽のインタビューは終わった。

 

 

「私はヤラナイ!」

次のインタビューに移ったが拒否の一点張りしている真姫。

これはもう照れ隠しのツンデレではなく本気で嫌そうにしている。

「ええんよ。どうしても嫌なら無理にインタビューしなくても」

希は凛にアイコンタクトしてそのままカメラを回した。

 

何する気だ?

 

「真姫だけはインタビューに応じてくれなかった。スクールアイドルから離れればただの多感な15歳。これもまた自然な・・・・」

「ちょっと!何勝手にナレーションつけてるのよ///」

見事に希の誘いに引っかかり、いやいやインタビューに応じた。

そして凛のインタビューをして終了。

 

 

「花陽!ちょっと遅れているぞ。凛は先走り過ぎている」

 

インタビューが終わって俺たちは屋上でダンスの練習に入った!

「にこ!この間言ったステップ間違えているぞ」

「分かっているわよ!!」

 

そういいつつも実際に踊ってみるとイメージ通りには動

「穂乃果!もう疲れたか?」

「まだまだ!!」

 

 

「ラスト!!」

そして最後の決めポーズをして終了。

 

 

「かれこれ1時間ぶっ通しでダンスのしてやっと休憩。全員が息上がっているのに文句言う人は誰もいなかった」

 

 

「どうだ?」

「さすがに神社でやっている基礎練習に比べたら迫力あるね」

 

7人になった今、さすがに神田明神でダンスの練習ができるほどのスペースの確保が難しくなったので神田明神は基礎練習、学校ではダンス、発声練習完全に2つに分けた。

無論これ以外にも衣装の選定、作詞作曲作成とかも含まれている。

 

 

「前から思っていたのやけどμ`sのリーダーって穂乃果ちゃんだよね?」

「そうだ」

「それで練習の指揮を執っているのは悠斗や海未ちゃんなんよね?普通リーダーが練習の指揮を執るもんじゃない?」

 

今のμ`sのリーダーは決起人である穂乃果になっている。

 

練習終了後この話をしたらにこの部長権限で緊急会議が開かれることになった。

 

 

「リーダーには誰が相応しいか・・・・私が部長についた時点で一度考えるべき」

部室に緊張感が走る。

 

「私は穂乃果ちゃんでいいと思うけど」

「ことりに同じく」

俺とことりは穂乃果を押したは・・・

 

「ダメよ!今回の取材でハッキリしたでしょう!?この子はリーダーに向いていない」

「それはそうね」

にこと真姫はこぞって否定意見。

確かにあのぐうたらでは示しがつかないのは同意見だけど・・・

 

「これを機会にはっきり決めましょう!PVの撮影も控えているし」

「確かに」

今練習中のダンスはμ`sの新曲。

元々1年生組が入った時から作っていたもので、このあいだにこが加入した時期に完成した。

ビデオカメラも生徒会から借りられてとは言え早めに済ましたことはない。

 

 

「リーダーとは!第一に誰よりも熱い情熱を持ってみんなを引っ張っていけること!次に!精神的支柱になれるだけの懐の大きさを持った人間であること!そして何より!メンバーから尊敬される存在であること!この条件を全て揃えたメンバーである事から・・・・・・」

 

「海未先輩かにゃ?」

「何で!?」

恐らくここで自分と言おうと思ったけど、ここにはそんな空気を壊す天然の破壊神がいること忘れたのかな?

 

浅はかなり。

 

「私がですか!?」

 

「そうだよ!海未ちゃん向いているかも!リーダーに」

「穂乃果はそれでいいんですか?」

「え?なんで?」

海未問いにピンと来なかったのかの穂乃果は首を傾げる。

 

「リーダーの座を奪われようとしているのですよ?」

「それが?」

「何も感じないのですか?」

「でもみんなでμ`sをやっていくは一緒でしょ?」

確かにそうだけど何かが違うぞ。

 

「でもセンターじゃ無くなるのかもですよ?」

「おお!そうか!」

 

穂乃果はやっと納得したらしく、手を打ち少し考えた後・・・

 

「まぁ~いいか!!」

 

「「「「「「「えぇ!?」」」」」」」」

数多のアイドルがセンターの座を巡って熾烈な争いをしている中自分で放棄するとは!

まああんまり深く考えないところが穂乃果らしいけど・・・

 

「待ってください!!私には無理です!」

「まあ・・・・センターになったら真ん中に立つわけだし。そんな所に大の恥ずかしがり屋の海未が務まらないからな」

「めんどくさい人」

おい!!そこのツンデレお嬢様!めんどくさいって一言で片づけるな!!

これでも当初に比べたら大分マシになったのだぞ!!

 

当初に比べてな!

 

 

大事なことなので二度と言いました。

 

「じゃ・・・ことり先輩は?」

「ことりもリーダー向きじゃないだろう。どちらかというと縁の下の力持ちだし」

 

 

「かといって一年生がリーダーやるわけにはいかないし」

「困ったね」

 

「仕方ないわね~」

にこはなんか妙案が思いついたみたいだけど正直嫌な予感しかしないからここはスルー。

 

「やっぱり穂乃果が良いと思うぞ!実際今日まで回っていたわけだし」

「でも、さっきの取材見たでしょう?あの体たらくを外に発信するわけにはいかないよ」

みんなの同じ気持ちだったのかにこの発言を華麗にスルーしてそのまま議論を続けていた。

 

「それじゃ・・・・悠にいはどうかな?」

「それ・・・一瞬考えてみたけどそれじゃセンターの問題が残ってくる」

「それじゃ~先輩はじょ「断る!!」・・・・まだ言っていないのににゃ・・・」

何が悲しくて女装しなくちゃいけないんだ!

 

「し――か――た――な――い――わ――ね――!」

「煩いぞ!にこ!!」

 

メガホンに使わずにちゃんと聞こえているから。

お前さんの案はどこかズレているからみんなあえて触れてないようにしているだけだからからさっさとしまえ!!

 

 

取り敢えずこのままじゃ平行線しかならないので、にこの提案で秋葉原にあるカラオケ屋に俺たちは居た。

 

「歌とダンスで決着をつけようじゃない!」

 

「歌とダンスで?」

 

「その通り!一番歌とダンスが上手い人がセンター!これなら文句ないでしょう」

シンプル且つ潔い。

確かにこの方法なら後腐れなくきれいに収まる。

 

にこにしてはずいぶんまともな意見だな。

 

「ふっふっふっ・・・・高得点が出やすい曲のピックアップは既に完了している!これで次のリーダーの座も私に・・・・」

 

前言撤回

 

やっぱりロクなもんじゃなかった。少しでも見直した俺がバカだったよ。

 

 

「ふう・・・緊張しました」

最後の海未が歌い終わって、みんなの平均スコア―が90点越えを記録した。

毎日発声練習していたおかげで俺も一緒に歌って92点を出すことができた。

 

「こいつら化け物か!!」

にこ先輩はあり得ないという顔をしていた。

 

だろうな日頃の練習の成果の賜物だけどこの記録は壮観だな。

 

カラオケでは決着がつかなかったので一旦出て、次に向かったのはゲームセンター。

 

「次はこのダンスゲームの最上級モードで勝負よ!!」

これもまたにこが指定しているあたりろくなもんじゃないと一瞬で悟る。

 

 

「プレイ経験ゼロの素人がいきなり挑んでもまともな点数を出せるわけがなわ!!カラオケでは焦ったけどこれなら」

だからそんなあくどいことを考えていると・・・・

 

「すご~い」

「なんかできちゃったにゃ!」

穂乃果のほめたたえる声が聞こえてふと振り向くと凛がプレイを終えたばかりだったようで、モニターにはハイスコアのAAの文字が出ていた。

「嘘でしょう・・・・・」

 

そんな浅はかな考えをやっているからもういう事になるんじゃ!

にこが落ち込んでいるのを無視してそれぞれのスコアを集計してみるとダントツと言っていいほどの差がなかった。

 

「ここまで差が付かないとは・・・・」

改めてμ`sメンバーの高スペックには驚かされる。

だってついこの間まで普通の学生だった彼女らがここまで成長しているって感無量だな。

「ぐぬぬ!こうなったら最後の手段よ!」

 

そう言ってゲーセンを出て表通りに出た俺たち。

 

「歌とダンスで決められなかった以上オーラで決めるしかない」

「オーラ?」

「そう!アイドルとして何か人を惹きつける魅力・・・・今一番必要といっても過言ではない」

確かに一理ある

たとえ無茶苦茶な性格けど付いていける魅力なものは確かに存在する。

 

「理解はできるけど、どうやって競うんだ?」

 

「これさ!!」

「これってμ`sのチラシ?」

「そう!これを誰が早く配り終えるかが――」

「にこ・・・言い終わる前に始めちゃっているぞ」

「何で!?」

みんながにこのルールを聞く前にそれぞれチラシを取って勝手に始めていた。

 

おまえらもう少し部長を尊敬してやりんさい。

 

 

にこの最終案であるμ`sのチラシ配りを試みたけど結局大差なく終了した。

どこか苦手な所なら必ず別の要素で補っている。

 

改めてμ`sの高スペックというのを知った。

 

 

 

 

 

「結局どうるのさ~」

一旦学校に戻って話は最初っからの振り出しからスタートした。

 

「じゃあ・・・無くてもいいんじゃない?」

 

「「「「「「「ええっ!」」」」」」」」

 

「無くてもいいってどういうことだよ穂乃果?」

 

 

「だってリーダーいなくたって練習してきたでしょ?それに歌だってちゃんと歌ってきたし」

 

 

「だけどリーダーがいないグループなんて聞いたことないぞ!それにセンターだってどうするんだ?」

 

 

「それなんだけど・・・・みんなで歌うってどうかな?」

 

「みんなで?」

 

にこ先輩が穂乃果に疑問を投げかける。

 

「他のアイドルを見て思ったんだ。なんかね、みんなで順番に歌えたら素敵だなっておもったの!」

 

穂乃果は穂乃果なりにみんなのために考えてくれていたんだなと俺は少し嬉しく感じだ。

 

「確かに今の編成とカメラアングル変えるだけで実現は可能だけど」

「それじゃ!それでいいかな?」

 

 

「本当にリーダーがいなくてよかったのですか?」

「もう決まっていますよ。そうですよね!悠にい」

 

花陽がリーダーいない事に不安を覚えたが

「ああ、色んな事に怯まずにただまっすぐに・・・自分の正直な気持ちで進んでいくのは穂乃果にしかできない」

 

本当に言葉や言動にどんどんあいつに似始めたな

 

「さあ!始めよう!!」

 

 

穂乃果の元気な声で練習が始まった!


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