ラブライブ 未来へ受け継ぐ奇跡の物語   作:杉並3世

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皆さんお久しぶりです。杉並です。


約1週間ぶりの投稿になりまして申し訳ございません。


この話はライブの後日談且つオリジナル作品です。
それではお楽しみください。


10.5後日談

「よし!揃ったな」

μ`sのファーストライブが終わって数時間後、俺たちは一度私服に着替えた後に秋葉原駅に再度集合した。

 

地区内で不審者騒動が起こり全校生徒に対し自宅待機が命じられた結果、会場には数名しか来なかった。無論それが無くても正直微妙なところはあったかもしてないが

成果と言えば正直言ってボロボロの惨敗だったけど再びこの講堂一杯にしようと誓った。

 

「それでどうします?」

「そうだな・・・ここは定番で」

ファミレスと言おうとした時、俺たちの方へ騒がしい足音が近づいてきた

「ゆ、ゆ、悠く――――ん!!」

 

「え?父さん!?」

ついさっき電話で横須賀へ戻ったばっかりの筈の父さんが何故か秋葉原駅に!?

「「「おじさん!?」」」

「穂乃果ちゃんにことりちゃん、海未ちゃん、久しぶりだね!!この間は世話に」

屈託の

「この間って、父さん最近穂乃果たちに会ったの?」

「うん。4年前に指揮官上級課程に行っていた時に下宿として使わせてもらった事があって」

 

「悠斗・・・この人は?」

絵里や希が完全に

「絵里、希紹介するよ俺の父さん」

「朝霧君と同じクラスメイトの絢瀬絵里と申します」

「同じく東條希です。」

「初めまして悠くんの父親である朝霧悠介です」

 

「それでどうしたの?電話じゃもう暫くは横須賀にいるんじゃなかったの?」

「それがさ~急に明日市ヶ谷に顔を出してくれって親父さんが言ってきたんだよ」

あの人からの呼び出し!?あんまり穏やかではないけど大丈夫かな?

 

「それだったら朝一で出ても間に合うんじゃない?」

「折角だしこれを大義名分で悠君に会いに来たわけだよ」

ドヤ顔でいた言葉に俺は頭を抱えた。

本当にこの子煩悩が艦隊の司令を務めているのかな?

「あれ?悠にいのおじいさんって市ヶ谷に住んでいたのですか?」

 

「ああ、父さんがいう親父さんはじいさんじゃないよ」

「え!?じゃ、どういうこと?」

父さんが隠語?使うから幼馴染3人は混乱した。余り分かり難かったので俺が説明した。

 

「父さんの言う親父さんは市ヶ谷にある行政組織・・・・日本皇国国防軍の最高司令部・・・統合幕僚監部のトップ高野洋介元帥大将」

「え?悠斗のお父さんって軍人」

「そう。海軍士官で艦長、司令、幕僚も務めたこともある。さっき言った指揮官課程はこういう上級指揮者になるためには必要な課程だよ」

見た目はどこにでもいる子離れができていない父親だけど、士官学校を主席で卒業したエリート。

 

「それでこんなに美少女をはぶらかせてどうしたの?」

「人聞きの悪い。今からご飯を食べに行こうとしただけだよ!」

悪気の無い発言だけど

「それだったら僕の行き着けの店に行ってみない?」

「行き着けですか?」

 

「そう!僕が前に行っていた店でなのだけど」

「みんな異存はない?」

みんなの問題ないので父さんに連れ添う形で移動した。

 

しばらく歩くとビルの前に止まった。

「ここですか?」

「おそう!僕の馴染みの店・・・カフェ&バーの『Secret Liqueur』だ。名前の通り昼は喫茶店で夜はバーをやっている」

 

父さんと一緒に店の中に入っていく。

「いらっしゃいませ。お久しぶりですね朝霧さん!!」

「お久し振りマスター。今日は6人だけど大丈夫かな?」

「大丈夫ですよ」

カウンターではなく6人掛けの席に座る。

「朝霧さんこちらの方は?」

「僕の息子の悠斗と、その学友の穂乃果ちゃん、ことりちゃん、海未ちゃん、絵里ちゃん希ちゃん」

「いらっしゃいませ。ようこそ『Secret Liqueur』へ。マスターの戸松正明と申します」

父さんにはブランクな口調にいきなり丁寧口調に切り替わった。

 

「しかし本当に久し振りですね」

「僕が指揮官課程の時だから4年前の10ヶ月間だけか」

「本当に毎週来てくださいましてありがとうございました。売り上げを貢献するカモが来くなったのは寂しかったですが」

「酷いよマスター。紳士のくせにあくどいことを考えていたのかよ」

「あはは、冗談だよ」

「だよな」

 

10か月間週一で行っていたのか軽い冗談の突きあいしているのを見ると長い付き合いなのかもしれない。

マスターがお絞りとメニュー表を渡してくれた。

「飲み物は何にしますか?朝霧さんいつもので良いとして、彼女達はどうしますか?」

 

「う~ん・・・・・どうしよっか」

メニューをにらめっこしているけど全然知らない名前であぐねている

「ほな私はウィスキーのスーパーにk」

おい!巫女さん!?

「こらこらこらそこの巫女さんや!飲酒は成人後だぞ」

「ちょっとしたジョークやって」

希の場合本気なのか冗談なのか正直分からなくなることがある。

そもそも巫女さんにウィスキーって

「学生でよくその名前をご存じですね」

「うちの雇い主・・・神主さんが大のウィスキー好きで」

「もしかしてその神主は・・・神田明神の千堂さんでは?」

「そうです!」

「やっぱりこの辺で神主でウィスキー好きはあの人しかいないので」

 

このままでは決まりそうになかったので父さんにアイコンタクトを取ってみた。

「マスター、何かおすすめってありますか?」

「そうですね・・・・・」

冷蔵庫の中にある清涼飲料水を見ながらあれこれ考えて・・・・・

 

「それでは、クランベリーキューティーはいかがでしょうか?クランベリージュースとレモンソーダをベースにしたもので、名前の通り見た目はピンクでキュートなカクテルで女の子に人気の一品になります」

「じゃあそれで!」

シェーカーにクランベリージュースと氷、オレンジライムの絞り汁を入れてシェイクを始めた。

「ほえ~」

初めて見るバーテンダーのシェイク姿に3人は見惚れていた

一端シェイクを止めてレモンソーダを加えて再び軽くシェイク

グラスのふちにオレンジで湿らせた砂糖を付け、グラスにシェイクしたジュースを注いだ。

そこから更にオレンジを飾って完成。

「クランベリーキュートです」

それぞれグラスを片手に・・・・・

「では、乾杯」

「「「乾杯」」」

お互いのグラスを軽く合わせて一口飲んだ

 

「美味しいです!」

「ありがとうございます。料理も間もなく持ってまいります」

 

奥から大量の皿を持った女性店員が来た。

「よ!久しぶりだな朝霧さん」

「愛理ちゃん!久しぶりだね」

「だからちゃん付けはやめてくれよ」

「ははは・・・それはできない相談だよ。なんせ僕から見たらまだまた子供だもん」

父さんと仲良く雑談?しているあたり古手の人なのかな?

「この子は水戸部愛理ちゃん。うちのスタッフです」

「ど、どうも水戸部愛理です」

長い髪の毛をポニーテールした凛々しい女性

 

 

あいさつが終えると次々と食べ物が運ばれてきた。

「美味しそう!」

「今日は愛理ちゃんの改心の出来ですよ」

「ちょ、ちょっとマスターまで何あおっているの///」

どうやら水戸部さんはここではいじられキャラなんだな。

 

「父さんはいつものここで飲んでいたの?」

「そうだよ。よっぽど課題で立て込んでいない限りはここで飲んでいる」

ここのバーはフードメニューが豊富で値段も安い(一般的なバーに比べて)事から隠れた人気店であるらしい(父さん曰く)

 

 

「でもジュースだけでもしっかりした味なのですね」

海未がマスターに素朴な質問をぶつけてきた。

「無論何でもかんでもそう言うわけではありません。何百種類のお酒や清涼飲料水の特性を理解しておかないと種類によっては味同士が喧嘩する事もありますし、同じレシピでも違うバーテンダーが作れば何通りの味もあります。更に見た目も重視しないといけません」

「奥が深いものですね」

「ええ、それを探求するのもバーテンダーと言うものと私は思います」

 

 

「ねえねえ!次別の面白そうなモノ作ってくれない?」

感化されたのか穂乃果が無茶ぶりを振ってきた

後敬語が抜けているぞ!ア穂乃果!!

 

「そうですね・・・・・・愛理ちゃんならどうしますか」

「そうだな・・・・」

マスターと水戸部さんは気にすることなく冷蔵庫からオレンジジュースと牛乳、フランボワーズシロップを出した。

「ほお~それで行きますか?」

「はい」

 

全ての材料をシェーカーに入れて振り始めた。

「綺麗」

マスターのシェイクする姿は渋く格好いいに対して水戸部さん見たいな美人がシェイクする姿は思わず見とれてしまうほどの美しく格好いい。

 

 

タンブラーグラスに淡いオレンジ色のジュースが注いで完成した

「お待たせしました」

「これ名前は何ですか?」

「コンクラーベと言います」

「コンクラーベってあのローマ法王を選出するときの」

「何故そうい言う風に呼ばれた由来に定説がないのですけどそれもあって私の中では印象に残っているカクテルなのです」

 

鍵のかかった部屋を意味するコンクラーベ。

 

この優しくてまろやかな甘さの部屋を開けるための秘密の鍵なのかもしれない

 

「ねえねえ、悠にい」

「どうした?」

「コンクラーベってなに?」

穂乃果の爆弾発言に俺達はおもいっきりズッコケた

「穂乃果ちゃん、この間社会の授業でやったじゃない?」

「ごめんごめん。その時ぐっすり寝ていて」

「・・・・・・海未」

「・・・・・・はい」

「穂乃果の練習量を次から倍で」

「甘いです!4倍にします」

「そ、そんな!!」

当たり前だろう

お前達はスクールアイドル

普通のアイドルと違って早退や補講はなくあくまでも一学生である

きちんと授業を受けないと赤点取って留年しても知らないぞ!

「はあ~」

「大変だね。悠君も」

相変わらずの従妹の行動に悩みの種が尽きない。いままでからしたら贅沢な悩みでもあるけど。

 

 

 

「でも、楽しいよね!こういう所も」

父さん曰くこれがバーの面白い所でもある

 

ただ単にお酒を提供するのではなく様々な職業のお客さんが来るのでお酒の知識だけでなく一般教養も熟知しないといけない

 

お客さんの好みに合わせた最高の一杯を提供するために、様々なお酒の特性を熟知し、技術を磨いていく

 

知れば知るほど奥が深い職業でもある。

 

バーテンダーというのは一つの職業であると同時に一つの生き方でもあるのがマスターの持論だ。

 

「すみません穂乃果さん折り入って頼みたいのですが」

他のお客さんを対応していたマスターが戻ってきた。

 

「少し歌って頂けないでしょうか?」

「え!?」

「実は・・・・・」

どうやらあるお客さんがスクールアイドルの話で盛り上がって穂乃果らにステージで歌ってくれないかと頼んできた。

「どうする?」

「やろうよ!」

考える間もなく穂乃果が即答する。

 

「折角の機会なんだし楽しまないと」

自分に正直に真っ直ぐに突き進む。

他の人達にはなかなか真似出来ない穂乃果の凄い所である。

「ありがとうございます」

店員達で即席のステージを作ってもらった。

 

「皆さん初めまして音ノ木坂学園スクールアイドルμ’sです」

穂乃果が最初の舞台挨拶を行った

「お客さんのオーダーということありまして急遽ステージに立つことになりました」

ことりも脳が蕩けそうな甘い声で経緯を説明し・・・・

「まだまだ未熟な面がありますが聞いて下さい」

緊張した面持ちで海未が最後を〆て・・・・

 

 

「「「START:DASH‼」」」

 

今回は講堂と違ってスペースがないのでダンスを省いた歌だけの構成になる。

 

「いい曲だね」

初めてSTART:DASH‼を聞いた父さんの感想だ。

「ああ、短い期間とはいえここまでたどり着いた」

「でもびっくりしたよ悠君の口からスクールアイドルって言葉が出て」

「それ・・・・前にも同じことを絵里から言われたよ」

「うふふ・・・そうね」

まただ。

さっきのライブの時に見たどこか懐かしむような表情。

「・・・・・絵里」

「はい」

「ありがとうな」

「いきなりどうしたの?」

「色んなところで穂乃果達のサポートしてくれて」

 

 

立ち上げてからライブまで本当に言葉で言い表せないほどサポートしてくれた。

穂乃果がいきなりライブ告知のポスター貼ったりとかライブを前提とした講堂のセッティングなど色んな面で支援(尻拭い)をしてくれた。

 

「いえいえ私は出来ることしかやっていないし。それに彼女達の楽しそうな顔を見ているとね、エリチカお姉さんも感化されちゃって」

「くっ」

「ちょっと///何笑っているの!?」

「ごめんごめん」

最初に感じたクールなイメージがガラスの階段如く崩壊していった

 

でも。

 

俺的にはそっちでもありだけど

 

この間も感じたけどこの子はちょっと?お茶目な子なんだなと思った

 

 

曲が終わり、俺のところに来た。

「お疲れ様」

 

「うん!」

「楽しかった♪」

「恥ずかしかった///」

 

あのライブの直後と言うこともあって正直不安な気持ちがあったけどいらない心配だったようだ。

 

依頼してくれたお客さん、たまたま店に来ていたお客さんの反応も上々

今回のファーストライブは最低の出発だったけど決して最悪ではない。

 

良くも悪くもあのライブが穂乃果達に糧になった。

「高坂さん、本当にありがとうございました」

「これ、お礼のケーキです」

「わーい!」

「やった♪」

「ありがとうございます」

スクールアイドルとはいえまだ年頃の娘ともあって甘いものには目がないね。

「もしよろしければまた歌って頂けないでしょうか?」

「いいのですか!?」

 

今後の事を考えると正直言って、マスターの提案はありがたい。

「でも、店的には迷惑なのでは」

経営者の娘でもあることりが経営の面で聞いてきた

さすがμ’sの天使だよ

 

「迷惑なんてとんでもない!君たちが歌ったことでいつもよりオーダーが増えています」

お客さんもこの話を聞いてまた聞きたいって声が聞こえてくる。

「よかったじゃない!もし実現して事前に行ってくれたら僕も見に行くよ」

「私は店の売上が上がり、君たちは発表場所を与えられるお互いWin Winの関係」

 

お互いがそれぞれの思惑が一致しこの話にデメリットはない。

 

「正直、次の発表がいつになるか分からないけど、決まったらまた必ず歌います」

「ありがとうございます」

これで発表機会が確保できた。

ネットのPVだけでは伝わりにくいものもあるし

 

「さーて、みんなそろそろ出よっか」

時計の針は9時を回っていた。

明日も学校ある事だしこの辺りでお暇しよう。

 

「それじゃ・・・」

「いいよ。僕が支払うよ」

「でもそれじゃ・・・」

「いいっていいって、子供が変に遠慮するな」

ここは父さんに甘える形になった

「ありがとうございました」

帰る方向はそれぞれバラバラだったので丁度入口で別れた。

 

「・・・・・それで本題は?」

「うん?ナンノコト?」

「とぼけるなよ。いくら子離れが出来ていないとはいえ」

「さすが悠君。気づかれていたか」

近くの自販機で酔い冷まし用のコーヒーを買って一口飲んだ。

「近々、アルテールスから人が派遣される事になりそう」

「アルテールスから?」

「そう。在日アルテールス駐留軍最高司令官であるミゼット海軍中将に情報を集めてくれるようにお願いしていもらった」

「それで提督は了承したの?」

「ああ。ミゼット提督も元音ノ木坂学園の卒業生だよ。今回の廃校に加えて背後の影に」

「そうなんだ」

こう見るとどこかで必ず繋がっているのだな。

 

「しばらくは国防省にいるから・・・」

「分かっている。何かあったら頼るよ」

「おや?今回のは素直だね」

ちょっと茶化すように言ったが・・・

「・・・・・・今度のは是が非でも穂乃果達の夢を守らないといけない!そのためならどんなものでも利用するし、悪党になっても構わない」

もう、あんな思いをするのはコリゴリだ!

「そこまで覚悟を決めているのなら何も言うことはないけど・・・だけど僕は悠君を悪党にする気はさらさらないよ。それは僕が被るから」

「でも」

今の父さんの昇任ペースや成果だと連合艦隊司令長官や軍令部総長になってもおかしくない。俺のせいでそれが全てなくなるのは恐れたけど・・・

「僕はこう見えても朝霧家当主で朝霧流の正統後継者にして・・・・悠君の父親だよ!子供の責任は親である僕が取るよ!だから悠君は自分が正しいと・・・自分の信じた道を突き進みなさい」

「・・・・わかったよ父さん」

その後は学校の話とかで盛り上がり、もう何年振りになるかわからないほど、久しぶりに親子で家に帰宅した。

 




ありがとうございました。

次から第二章に突入します。

今ストック製作中で8月中に第二章完結するように頑張ってまいります。

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