やはり俺がSAOにいるのは間違っている    作:gakinaga

2 / 19
SAO編 第一章
1話 プロローグ


プロローグ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

     「高校生活を振り返って」

青春は嘘であり、悪である。

青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境のすべてを肯定的に捉える。

彼らは青春の2文字の前ならばどんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。

彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも青春のスパイスでしかないのだ。

仮に失敗する事が青春の証であるならば、友達作りに失敗した人間もまた青春のど真ん中でなければおかしいではないか

しかし彼らはそれを認めないだろう。すべては彼らのご都合主義でしかないのだ。

結論を言おう。

青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

全てはこのレポートから始まった。これがきっかけで俺こと比企谷八幡は奉仕部という部活に所属している。

まあ、ほとんど平塚先生の強制入部させられたんたんだが、奉仕部の基本理念は

魚を与えることではなく魚の取り方を教えること、つまり依頼主に直接手助けするのではなくやりかたを教え、後は依頼主が自分でできるようにサポートするという事だ。

 

部員は全員は4名。

 

部長、雪ノ下雪乃。由比ガ浜結衣、中川真司、そして俺比企谷八幡である。

そして俺たちは部室でいつも通り依頼者が来るまで(俺は望んでないが、)由比ガ浜は雪ノ下とたわいもない話をして、俺と真司が途中で口をはさむ形で日々を過ごしていた。

 

俺は基本これまでボッチライフを謳歌していたが、こんな日常でも悪くないと思っていた。

 

そんな事を考えていると真司が何か思い出したみたいな顔で話しかけてきた。

 

「八幡、お前今日暇か」

 

「いや、俺今日あれで、あれだから「よし、暇なんだな」・・。」

 

いや、最後まで喋らせろよ・・。まあ、暇なんだけどさ・・。

 

「お前、ナーヴギアどうせ初期販売の奴買ってんだろ」

 

「まあ、一応な」

 

すると、中川は物凄い明るい笑顔で

 

「そうか、じゃあ今日やらへんか?」

 

ほう、こいつもやっぱ買ってたんだな。まあ俺もいつかやろうと思ってたし、いいか。

 

「はあ、まあやる事ないしな。別にいいぜ」

 

「ほんじゃあ、18:00にあっちで集合な」

 

俺たちの会話にいきなり由比ガ浜が会話に参加してきた。

 

「ねえ、ヒッキ―とナックン、今日暇?」

 

「悪いな・・。今日こいつやる事忙しくてな・・。」

 

「あら、あなた達に忙しいなんて言葉あったのかしら」

 

「おい、まるで俺たちを暇人みたいに言ってんじゃねーよ」

 

「まあまあ、2人とも落ち着けや・・・。何でいきなり一話で喧嘩すんねん・・・。読者

気持ち考えろよ。都知事然り選挙然りみんな忙しいねんで・・。」

 

「おい、いきなりメタイぞ。」

 

「大丈夫や。比企谷風に言えば俺のせいじゃない。書いてる作者が悪い的な?」

 

「中川くん、その男の真似なんてしていたら、碌な人間になれないわよ。」

 

中川は比企谷と雪ノ下の口論を抑えて(?)、由比ガ浜に申し訳なさそうに言った。

 

「由比ガ浜、すまんな・・。また今度でええか?」

 

「うん、分かった・・。じゃあまた誘うね」

 

由比ガ浜は寂しそうに言った。

 

こんな感じで俺たちの部活は終了した。

 

いいのかこんな感じで・・。まあいいか。

 

しかし、俺たちは知る事もなかった。

この後起きる悲劇に俺たちが巻き込まれるとは・・。

 

SAO(ソート・アート・オンライン)天才的ゲームデザイナー、量子物理学者として知られる科学者

によって生み出した完全なる仮想世界を構築するナーヴギアの性能を生かした世界初のVRMMORPG。

ゲーマー達からしたら、喉から手が出るほど欲しいものであった。

数か月前にベータテストの抽選で漏れてしまったが、なんとか正規版を手に入れる事が出来た。

 

おっと中川と3分後に向こうで待ち合わせしてるんだった。じゃあ、行きますか・・。

 

ナーヴギアを頭に嵌め、ベットに横たわり、呟いた

                   

                   

 

              「リンクスタート」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

八幡side

 

俺は今SAOにログインして真司を待っていた。

目の前には仮想世界が広がっていた。

何と言うか凄いとしか言いようがない。

よくこんなの作れたな・・・。

 

「これがSAOか・・・。凄いな。ヴァーチャルとは思えんぞ・・。」

 

そして後ろから

 

 

「お~~~~~~い!!八幡!!」

振り返ると中川がこっちに走ってきた。

 

おっとあいつの紹介をしてなかったな。

中川 真司 俺と同じ総武高校2年、関西弁(?)らしき言語を話す。同じボッチ仲間であるが顔は整っており、

普通ならリア充となっているはずだが、なぜかあいつは孤独を好み、自ずから1人になっている。俺とは違うタイプのボッチである。平塚先生をおっさん呼ばわりし、奉仕部に強制入部させられた。ちなみに過度のジャンプ中毒者である。

 

まあ、紹介此処までしておこう。なぜなら

 

「おい、八幡!!無視すんなよ!!おい、聞いてんのか?」

 

中川がさっきからうるさいからな。

 

「で、何の用だ?中川」

 

「さっきから話し掛けてるのに無視はないだろ・・・。」

 

えっ、決して無視じゃないぞ。ちょっとあれしてあれしてただけだからな。

勘違いしないでね!!

 

「おい、わざと無視してるのか・・。」

 

「むっむしぃなんかしぃてぇないぞ!!」

 

中川は大きくて溜息を吐いた。

 

「噛んでるぞ・・・・。はあ、そう言えばお前の目腐ってないんだな。アホ毛はあるのに・・。」

 

中川は俺をジト目で見ていた。いやあね、俺も最初はどうしようか迷ったんだけどね・・。

 

「うるせー、たまにはこう言う顔をして見たかったんだよ・・・。」

 

そう言うと、中川は爆笑していた。

 

「ははは!!!そうかお前それ気にしてたんだな!!ははは!!」

 

笑うな・・。恥ずかしいだろうが・・。

もう死にたい・・。

小町曰く 俺の顔は目が腐ってるせいで、ダメになっているらしい。

まじ神様どうかこの世に平等を!!

 

「はあ・・・・。どうでもいいがさっさと狩ってログアウトするぞ」

 

「そうだな、今日はただのお試しやしな。」

 

しばらくフィールドで狩っていた俺等だが、いまいちソードスキルの出し方がよく分からず、戸惑っていると、

 

「おい、アンタ等!!」

 

後ろから声を掛けられた。

俺たちはいきなり声を掛けられ、ビクッとして振り向くと

顎ひげが生えたイケメンに呼び止められた

 

「「ひゃあい」」

 

いきなり声掛けてくんなよ・・。変な声出ただろうが・・。

てか誰だこいつ・・。もしかして知り合いじゃ・・。ないな。こんなやつ知らん。

 

「アンタ等、ビギナーだろ?」

 

「あっあ、そうやけど・・。何か用ですか?」

 

「俺たちと一緒にやらねえか?」

 

「「はあ?」」

 

見事にハモッタな・・。

何こいつ・・。何でそんな軽く話しかけてくんだよ・・。

 

「なあ、キリト?こいつ等も誘っていいか?」

 

顎鬚バンダナは奥からやってきたイケメン君に言った。

てかそいつキリトって言うんだな・・・。

 

「別にいいけど、俺はキリトだ。よろしくな!!」

 

「俺はシンジや。」

 

「ハチマンだ。」

 

「俺はクラインだ!!」

 

それぞれ自己紹介が終わった所で俺たちは各々狩っていた。

どうやらキリトって奴はβテスターらしい。

通りでさっきから慣れてると思った。

俺は?俺は取りあえず説明書読んできたから、一応イノシシ型mobは倒せた。

だが、シンジとクラインは苦戦してるようだな・・。

てかクラインに至っては股間やられたらしい・・・。

お疲れ様です・・。

 

「おい、キリト!!いまいちソードスキルの出し方がよく分からんのやけど・・。」

 

「う~~ん、多分ためが浅いんだよ」

 

「「ため?」」

 

「そう、何ていうかな?ほんの少しためを入れて、スキルが立ち上がるのを感じたら、

ズッバーーーンってやる感じ」

 

すごい大まかだな・・。まあその方があいつらにとっては分かりやすいか・・。

するとキリトがこっち話しかけてきた。

 

「それにしてもハチマン凄いな!!ビギナーでそこまでできたら充分だぜ!!」

 

おいおい、あんま気安くすんなよ友達なのかと思っちゃうだろ。

 

「別に俺が凄いわけじゃない。これくらい誰にでもできるだろ。多分?」

 

別に嬉しいわけじゃないからね。勘違いしないでね☆

キモいな・・。

 

「そんなことねえぜ!!俺だってすぐにできてねんだからな!!」

 

こいつさっきハイテンションすぎるだろ・・。

 

「出た、捻デレ。素直に喜べばいいものを」

シンジは両手を横に広げ、やれやれって感じな顔をしていた

 

「おい、変な造語を作るな。あと俺は素直だぞ。素直すぎてボッチである事公言するレベル!!」

 

あれ、何か自分で言っててなんか悲しくなってきた。

 

「はあ・・・。まあいいや。ところでハチマンそろそろ落ちねえか。もう直ぐ夕飯の時間だぞ」

 

「それもそうだな。おい、キリト、クライン。俺たちは今日はここまでにするわ。」

 

クラインが何か思い出したような顔をして叫んだ。

 

「あっ、そう言えば17時半にピザ頼んでたんだ!!すっかり忘れてたぜ・・。」

 

「それもそうだな。今日はこれまでにするか・・。」

 

キリトが寂しそうな顔をしていた。

 

「なあ、どうせお前らまたログインするだろ!!」

 

「まあ」

 

「おう」

 

「うん」

 

何こいつ?どうした?

シンジを見ると首を傾けていた。

キリトはえっみたいな顔をしていた。

 

「そのなんだ。俺の連れもこのゲームにログインしていてな。どうだフレンド登録しねえか?」

 

「「「はあ?」」」

 

おう見事にハモッタな・・。てかこれ何回目だよ。

 

「別に無理とは言わねえけどさ・・。」

 

・・・・ふっ、フレンド登録。なんだってリア充ってやつはこうも慣れ慣れしいのかね?まったく、ほんとふざけんなよ。アメリカ人かってんだよ。

 

「お、オーケー」

 

 おかげで英語で返事しちまったじゃねぇかよ。

 

「まあ、俺もええで」

 

各々フレンド登録を済まして、ログアウトボタンを・・・。あれない・・。

 

「おい、ログアウトボタンがねえぞ」

 

おい、何お前ら何言ってんだこいつみたいな顔してんだよ。

 

「そんな訳ないだろ。メニューの一番下に・・・。ない」

 

「だろ?」

 

ほらな。

 

「多分、今日は正式版運営初日や。バグでも起こったんやろ・・。気長に待とうや。」

 

シンジはそのまま地面に寝転んだ。本当こいつ恐怖って言葉知ってんのか?

 

「なあ、おかしいと思わないか?」

 

キリトが暗い表情をしていった。

 

「おかしくねえだろ。ただのバグなんだし・・。」

 

クラインもそのまま座り込んだ。

 

「いや、ただのバグじゃない」

 

俺もキリトと同意見だ。ログアウトが出来ないなんて今後の運営にとって大問題だ。

ログアウトできないゲームなんて普通はあり得ないし、こんな壮大なシステムを作ってるのに、ログアウト機能を忘れるはずがない。

仮にあったとしても一度サーバーを停止してプレイヤー全員を強制ログアウトすれば万事解決するはずなのだが・・・。

 

なぜ運営はこの事をアナウンスしないのか・・。

いや、出来ないのか・・。もしくはこれ自体が本来の仕様でだったり・・。

やめやめだ・・。考えても仕方ない。ログアウトできるまで待つか・・。

奥から鐘の音が聞こえてきて、俺たちは白い光に包まれ消えた。

 




感想、意見があれば投稿お願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。