やはり俺が元素を回収するのはまちがっている。   作:yoshikei

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また始めてしまった……。
それと、「雪ノ下」というのが妹で、「雪ノ下さん」が姉の方です。


01

 いつものように、俺(比企谷(ひきがや) 八幡(はちまん))、雪ノ下(ゆきのした) 雪乃(ゆきの)由比ヶ浜(ゆいがはま) 結衣(ゆい)の奉仕部メンバーと、うちの生徒会長でなぜかここに居座っていることの多い一色(いっしき) いろはの四人で奉仕部の部室にいた。

 すると、そこに

 

「ひゃっはろー」

 

という元気な声と一緒に、雪ノ下の姉、陽乃(はるの)さんがやって来た。

 

「どうしたの姉さん。学校内は部外者立ち入り禁止なのだけど」

「雪乃ちゃん、ひゃっはろー。私はここの卒業生だから、部外者ではないよ~」

「そう、用事がないなら早く帰ってちょうだい。用事があっても早く帰ってちょうだい」

「雪乃ちゃんひどーい」

 

 陽乃さんはそういいながら、俺のほうに近寄ってくる。

 

「比企谷くーん、雪乃ちゃんがいじめる~」

「そうですか。で、なんのようですか、雪ノ下さん」

 

 俺は雪ノ下さんのことがかなり苦手だ。あの、強化外骨格のような外面があるためか、どうにもそこが見えず、恐怖心を抱いてしまう。

 

「まあ、そんなことはどうでもいいじゃない」

「さらっと、心を読まないでください」

「まあまあ」

「え、えっと、それで、陽乃さんはどうしてここに来たんですか?」

「そっ、そうですね。どうしてきたのか聞いてませんでしたね」

 

 由比ヶ浜と一色が慌てて理由を聞いた。

 

「ああ、そうそう。みんなにこれをさわってほしくてね」

 

 雪ノ下さんが手をならすと、部室内に人が5人くらい入れそうな大きさの、箱が運び込まれた。

 雪ノ下さんは箱の前に行くと、それを勢いよく開け放った。

 そのなかには、黒い球体がポツンと浮かんでいた。

 

「姉さん、これはなに」

「ん~、ま、細かいことはいいからさわってみてよ。あ、さわるときにはこのバッグを背負ってからさわってね」

 

 雪ノ下さんはそう言うと、箱の後で部室のなかに運び込まれていたらしいバッグを手に取り、俺達全員に渡してきた。

 

「あの、これは?」

 

 俺はバッグを受けとると、雪ノ下さんにそう聞いた。

 だが、雪ノ下さんは

 

「ナイショ」

 

というと、唇に指を当てて微笑んだ。

 

「おっと、その前に」

 

 雪ノ下さんはそう言うと、自分の持っていたバッグをガサゴソとあさり、なんだかよく分からない機械を取り出した。

 

「この箱に入る前に、一人づつこの機械にさわってね」

「はぁ、由比ヶ浜さん、一色さんごめんなさない。それと、比企谷君も。姉は納得するまでなかなか引き下がらない人だから、少しの間付き合ってもらえるかしら」

 

 雪ノ下が再度多きなため息をつきながらそう言った。

 

「わかった。じゃあ、まずは俺から行くな」

 

 俺は他の3人にそう言うと、雪ノ下さんの持っている機械に手を触れた。

 

「うん、オッケーだよ。じゃあ、入ってね」

「わかりました」

 

 俺が箱のなかにはいると、次々と残りの3人が入ってきた。

 

「それじゃあ、触りましょうか」

「ゆきのん、なんか怖いよ~」

「大丈夫よ由比ヶ浜さん。私も少し怖いわ」

 

 由比ヶ浜が雪ノ下とそんな話をしていた。おい、雪ノ下、それのどこが大丈夫なんだよ……。

 

「せんぱーい、こわいですぅ」

 

 一色が俺にそう言ってきた。

 

「はいはい。あざとい、あざとい」

 

 俺はそう言うと、一色の頭を撫でていた。

 

「っは! なんですか、口説いてるんですか。俺がついてるから安心しろ的なアピールですか。ちょっと、ときめきかけましたが、キモいのでやめてください。ごめんなさい」

「俺は何回お前に振られりゃいいんだよ。まあ、頭を撫でたことは謝る。つい小町と同じような感覚でやっていた。すまん」

「・・あ、」

 

 俺はそう言って、一色の頭から手を離した。てか、なんだよ。その、あ、って。あざとすぎんだろ……。

 

「まあ、そんなことよりも、雪ノ下さんに言われたことを早くやろうぜ。早く小町のもとに帰りたい」

 

 俺は気を取り直して、全員にそう言った。

 

「うわっ、シスコン、キモッ!」

「気持ち悪いわよ、シス谷くん」

「せんぱい。マジで気持ち悪いですから、やめてください」

「ひどい言われようだな…」

 

 俺以外他全員からそんなことを言われて、少し傷つきながらも雪ノ下の号令に合わせて、全員で一斉にこの黒い空中に浮いている球体にさわることにした。

 

「では、行くわよ」

「おう」

「はい」

「うん!」

 

「3、2、1、0!」

 

 そして、全員が触れた瞬間、その球体はなにか幾何学的な模様を表面に写し出し、強烈な光を発した。




こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
さて、文章と、題名だけでわかった人はいるでしょうか。
私的には、題名の方がヒントに近い気もします。
今後ともよろしくお願いします。

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