やはり俺が元素を回収するのはまちがっている。 作:yoshikei
それと、「雪ノ下」というのが妹で、「雪ノ下さん」が姉の方です。
いつものように、俺(
すると、そこに
「ひゃっはろー」
という元気な声と一緒に、雪ノ下の姉、
「どうしたの姉さん。学校内は部外者立ち入り禁止なのだけど」
「雪乃ちゃん、ひゃっはろー。私はここの卒業生だから、部外者ではないよ~」
「そう、用事がないなら早く帰ってちょうだい。用事があっても早く帰ってちょうだい」
「雪乃ちゃんひどーい」
陽乃さんはそういいながら、俺のほうに近寄ってくる。
「比企谷くーん、雪乃ちゃんがいじめる~」
「そうですか。で、なんのようですか、雪ノ下さん」
俺は雪ノ下さんのことがかなり苦手だ。あの、強化外骨格のような外面があるためか、どうにもそこが見えず、恐怖心を抱いてしまう。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃない」
「さらっと、心を読まないでください」
「まあまあ」
「え、えっと、それで、陽乃さんはどうしてここに来たんですか?」
「そっ、そうですね。どうしてきたのか聞いてませんでしたね」
由比ヶ浜と一色が慌てて理由を聞いた。
「ああ、そうそう。みんなにこれをさわってほしくてね」
雪ノ下さんが手をならすと、部室内に人が5人くらい入れそうな大きさの、箱が運び込まれた。
雪ノ下さんは箱の前に行くと、それを勢いよく開け放った。
そのなかには、黒い球体がポツンと浮かんでいた。
「姉さん、これはなに」
「ん~、ま、細かいことはいいからさわってみてよ。あ、さわるときにはこのバッグを背負ってからさわってね」
雪ノ下さんはそう言うと、箱の後で部室のなかに運び込まれていたらしいバッグを手に取り、俺達全員に渡してきた。
「あの、これは?」
俺はバッグを受けとると、雪ノ下さんにそう聞いた。
だが、雪ノ下さんは
「ナイショ」
というと、唇に指を当てて微笑んだ。
「おっと、その前に」
雪ノ下さんはそう言うと、自分の持っていたバッグをガサゴソとあさり、なんだかよく分からない機械を取り出した。
「この箱に入る前に、一人づつこの機械にさわってね」
「はぁ、由比ヶ浜さん、一色さんごめんなさない。それと、比企谷君も。姉は納得するまでなかなか引き下がらない人だから、少しの間付き合ってもらえるかしら」
雪ノ下が再度多きなため息をつきながらそう言った。
「わかった。じゃあ、まずは俺から行くな」
俺は他の3人にそう言うと、雪ノ下さんの持っている機械に手を触れた。
「うん、オッケーだよ。じゃあ、入ってね」
「わかりました」
俺が箱のなかにはいると、次々と残りの3人が入ってきた。
「それじゃあ、触りましょうか」
「ゆきのん、なんか怖いよ~」
「大丈夫よ由比ヶ浜さん。私も少し怖いわ」
由比ヶ浜が雪ノ下とそんな話をしていた。おい、雪ノ下、それのどこが大丈夫なんだよ……。
「せんぱーい、こわいですぅ」
一色が俺にそう言ってきた。
「はいはい。あざとい、あざとい」
俺はそう言うと、一色の頭を撫でていた。
「っは! なんですか、口説いてるんですか。俺がついてるから安心しろ的なアピールですか。ちょっと、ときめきかけましたが、キモいのでやめてください。ごめんなさい」
「俺は何回お前に振られりゃいいんだよ。まあ、頭を撫でたことは謝る。つい小町と同じような感覚でやっていた。すまん」
「・・あ、」
俺はそう言って、一色の頭から手を離した。てか、なんだよ。その、あ、って。あざとすぎんだろ……。
「まあ、そんなことよりも、雪ノ下さんに言われたことを早くやろうぜ。早く小町のもとに帰りたい」
俺は気を取り直して、全員にそう言った。
「うわっ、シスコン、キモッ!」
「気持ち悪いわよ、シス谷くん」
「せんぱい。マジで気持ち悪いですから、やめてください」
「ひどい言われようだな…」
俺以外他全員からそんなことを言われて、少し傷つきながらも雪ノ下の号令に合わせて、全員で一斉にこの黒い空中に浮いている球体にさわることにした。
「では、行くわよ」
「おう」
「はい」
「うん!」
「3、2、1、0!」
そして、全員が触れた瞬間、その球体はなにか幾何学的な模様を表面に写し出し、強烈な光を発した。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
さて、文章と、題名だけでわかった人はいるでしょうか。
私的には、題名の方がヒントに近い気もします。
今後ともよろしくお願いします。
感想待ってます!