暗殺聖闘士   作:挫梛道

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わかばパークのエピソードは全面カット
 
あの御方が、『期末の時間 ~1学期~②』に続いて再登場(笑)
 



テストの時間 ~2学期・中間試験~

「巫山戯るなよ、浅野!」

「どーゆー事なのよ!?」

「テメー、勝手に巻き込んでんなよ!!」

「ぃ、いや…すまない…」

「んな台詞で済む訳無ーだろーが!!」

 

10月1日。

月始めの全校集会が終わった後、一部を除いたB~D組の生徒がA組に、浅野に詰め掛ける。

理由は当然、今月中頃にある中間試験にて、本校舎勢vsE組による勝負…『賭け』が非公式ながら理事長公認の下、正式に行われる事になった件について。

 

「お前、署名書(アレ)出せば、後は自分で どーにかするっ言ってたじゃねーか!?」

「俺達には迷惑掛けないって言ーから、名前書いてやったんだぞ?!」

「話が違うじゃないのよ!!?」

「き、君達、少し落ち着きたm「「「「テメーは引っ込んでろ!!」」」」ひぇえっ!?」

その集団のキレッぷりに、榊原が宥めようとするが、結果、それは火にガソリン。

 

「大体、あの勝敗の条件わ何だ!?」

「あんなの、絶対に無理に決まってるじゃないのよ!!」

「いゃ…あれも、理事長先生が…」

「お前が直ぐ、パパに泣きついたりしてたら、こんな事には ならなかったんじ無いのかよ?!」

「な…何だとっ!!!!??」

「「「「あ゙ぁ?! 何、偉っそうに逆ギレしてんだ?テメー!!!!

んな立場じゃ無ーだろーが!!」」」」

「うぅ…」

響が提示した、勝敗条件。

それは、今回の中間試験、E組を含む3年生180人中、本校舎勢がランキング1位から150位までを独占出来るか否か…

つまり、E組内の誰か1人でも、別にトップな必要無く、本校舎生徒の誰か1人より上位成績の者が居るなら、単純に150位以内に入り込めるなら、それだけでE組側の勝利となる。

参考迄に、1学期期末テストでは、E組内での最下位の成績だった菅谷ですら、全体の半分より上位のランキングだった。

 

「俺達以前にお前、吉良に勝てるのかよ!?

お前、1学期、吉良に負けっぱなしじゃねーか!」

「な…?! だ、黙r「「「「だから、逆ギレ出来る立場じゃ無ーだろ!!」」」」ぅ…」

…にも拘わらず、この勝敗ルールが認められたのは、

 

「本校舎の皆が、E組より優れているのは当然な事だろう?

E組より上位の成績を取る…簡単な事じゃないか…違うかい? 浅野"君"?」

 

学園の最高権利者が、この、自身の信念に基づいたからこそだった。

 

「…当然、僕は努力する…。

だから、皆も頑張って欲しい…勿論、僕も力は貸すから…」

「ケッ!お前が お前に勝ってる奴以上に、俺達を引き上げられるのかよ?」

「そんなの無理に決まってるでしょ!!」

「ちぃっ…」

「何で…こんな事に…」

そして、少ないとも1学期の中間、期末のテストでトップを取った響に勝てる訳がないと、完全に やる気を失っている生徒達。

それは戦う前から既に、諦めて試合終了な様相だった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

…分かった。サンキュな、新藤。」

pi…

「やっぱり その署名とやら、浅野が他のクラスの連中に頼み込んで、かき集めてたらしいぜ。」

「…でっすよね~♪www」

「やっぱり…」「そりゃ、そうだよな…」

スマホでの通話を終えた後の杉野の言葉に、「やはり そうか…」…な顔をする、響、磯貝、片岡。

 

「新藤な、『俺達、名前書かずに良かったぜw』…だとよ。

野球部はアイツの指示で皆、名前を書いてないってよ。」

「あー、そう言えば、新藤の名前は無かったなー…って、楫木の名前は有ったぞ?」

「アイツは ほれ、野球部辞めてるから…」

「あ~…」

…因みに、楫木厚が野球部を辞めたのには、響も かなり深く関わっている。

「え゙!? いや、アレ、自業自得だし!?」

「おい、本文(ナレーション)に突っ込むのは止めなさい。」

「不破ちゃん?!」

 

「それにしても…また勝手に…」

「今回は かなり、有利な条件だと云ってもな…磯貝、お前等が付いていながら…」

「「いや、それについては、本当に面目無い…」」

ジト目な木村と前原の発言に、教室の皆に平謝りする、クラス委員の2人。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

カッカッ…

「いいか~?コ・コ・わ!テストに出るからな~。よぉ~ぉく、覚えとけよ~!」

「「「「「…………………。」」」」」

A組の教室。

黒板に、試験問題として出すと云う、『数式』を書き込んでいく数学教諭。

E組との中間試験に於ける勝負の話は、本校舎側の教諭にも、理事長からの報告により知れ渡っていた。

そして それは、教諭達からしても、単に生徒間の諍いで終わる話では無く。

本校舎生徒の敗北、それはイコール、自分達の教師としての能力を問う事になる…と、理事長から言われているのだ。

 

カッカッ…

「あと、『この問題』も その儘、テストに出すから、よく頭に詰め込んでおけ~。」

「「「「「…………………。」」」」」

この試験の結果が、自分達の教師としての評価に直結する…

故に、少しでも自分達の教え子が優位になる様、テスト問題その物を教えると云う、殆どカンニングに近い、おおよそ名門進学校としては有り得ない、考えられない授業が各教科、各教室で行われていた。

 

しかし、その教諭達の目論見も、あの男には通用しない。

この日、放課後に急遽 開かれた会議にて、

「3年生の5教科担当の先生方は、試験範囲を私に提出して下さい。

今回の3年のテスト問題、私が全て作成します。」

「「「「「………!?」」」」」

「ん?何か、問題でも…?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ヌルフフフフ…

さあ、中間テストも秒読みです!

ラストスパート、行きますよ!!」

同時刻、E組教室でも、この日の放課後暗殺訓練は お休みで、高速多重分身を繰り出しての黄色いタコが、マンツーマン、或いは1on3で、個別授業を進めていた。

 

「にゅやーーーーーーーーーっ!??

だから、吉良君、カルマ君、寺坂君、イトナ君、それと櫻瀬さんに中村さん!!

勉強中の暗殺は駄目だって、何時も言ってるでしょっ!!!?」

「「「「「「…ちっ!」」」」」」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

そして、中間試験当日が やってきた。

今回の試験、初日は数学、社会、国語。

そして2日目に、理解と英語と云う日程で行われる。

この時、試験会場である教室は闘技場(コロシアム)に、テスト用紙は異形の存在に姿を変え、筆記具(武器)を携えた生徒達に向かって、容赦無く襲い掛かる。

それは、本校舎もE組も関係無く、無慈悲に、残酷に…                               

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

【数学】

「くっ…見事だ…。この、拙者を…」

ガタッ…

「あ~、しんどかった!」

寸襤褸になりながらも、三面六臂な魔神を連想させる問18、そして忍者風な出で立ちの、問19を辛くも攻略した響。

そんな響の前に、ラスト問題、問20が姿を現すが…

「はぁ?この前の、期末の時のラスボスじゃねーか!?」

 

姿を見せたのは、日輪をイメージしたマークを胸元に記した、白銀の全身鎧で身体を包んだ闘神…3本角の仮面から、鋭い眼光を浴びせる その姿は、正に1学期期末試験の、数学ラスト問題。

 

「コイツなら、なんとか勝てる!

また この前みたく、ア〇〇〇ト・ス〇゚ーク、お見舞いしてやるぜ!!」

油断でも余裕でもなく、あくまでも自信からの発言と共に、白銀の闘神に解答(こうげき)を仕掛ける響。

しかし闘神は、その仮面から出ている、髪の毛と同じ色の、黄金の剣を両腕から突出さると、身体を回転させながらの斬激で応戦。

 

ズシャァッ!

「をわっ!?」

その刃が、響の体を掠める。

直撃こそ避けたが、響の制服の胸元に うっすら、赤い横一文字が浮かび上がる。

そして…

ビカァアッ!!

「な…?!」

闘神は白銀の鎧を、金剛石以上に眩い光を放つ、黄褐色に輝く鎧に変化させる。

それは1学期期末の時とは違う、誰の目からでも解る、明らかなパワーアップ。

 

「ぅゎちゃ~…」

その様に響も、冷や汗と共に、顔に緊張を走らせるが、

「ちっくしょ!殺ってやるよ!

ちょっとばかり体、派手に光らせただけで勝てると思うなよ!」

バサァッ…!!

臆する事無く、自身の血で汚れた制服のシャツを天高く脱ぎ捨てると、進化した闘神に挑むのだった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「か…ッはァ…」

しかし回答(かくとう)の末、闘神の膝が響の喉元に食い込み、その後、響は起き上がる事は出来ず。

そして その儘、試験終了を告げるチャイム(ゴング)が闘技場(きょうしつ)に鳴り響くのだった。

 

1時限目:数学・終了

 

 




≫≫≫≫≫≫次回予告!!≪≪≪≪≪≪
 
「うわったったった!?」
「マジに鬼畜過ぎるぞ、今回のテスト!!」
「こんな問題、誰が考えたのよーーっ!?」
 
次回:暗殺聖闘士『テストの時間(仮)』
乞う御期待!!
 

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