暗殺聖闘士   作:挫梛道

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吉良君、いや、アセルス君は、多少なり現世に染まった感はありますが、一応、根元は正義の聖闘士ですから…(多分)


終業式の時間

3学期終業式が昼前に本校舎エリアの体育館で行われる、この日の朝の教室…

 

「これからホームルーム、んでもって、昼前から終業式かぁ…

なあ、今日くらい、朝から体育館でスタンバってても良くなくね?」

「まぁな~。

それで式が終わったら、お開き…な。」

見た目はチャラ男、中身は もっとチャラ男な前原陽斗の呟きに響が同意する。

「でも、吉良君て、凄いよね。

この山道なんかも、涼しい顔して普通に登ってるし。」

「そりゃ渚、鍛え方が違うよ。」

仮に女装させてみたら、クラスNo.1美少女の称号を勝ち得りそうな草食系…もとい、既に絶食系男子の域に達している(響:談)潮田渚の発言に対しても、当然!と言わんばかりに言い放つ響。

 

「ん~、吉良ってさ、何かやってたの?」

更に続く前原の質問に対し、

「一応、空手2段、柔道と合気道が初段、ついでに書道と算盤も初段だ。」

「「凄っ!」」

響の受け答えに、2人は素で驚いていた。

 

 

まあ、書道算盤は兎も角、空手とかは小宇宙全開すりゃ、1000段じゃ済まないだろうけどな。

 

 

「これでムエタイと柔術と中国拳法を習ってたら最強だったんだけどね~?」

ここで隣のグループ内で会話していた女子生徒の1人が、何気に会話に乱入。 

話題は変わり、

「春休みってさ、どうする?」

「俺は明日、早速 某県(むこう)に戻る。」

「んだよ、女か~?」

前原の冗談じみた問い掛けに、

「ま、そんなトコだ。」

「「「「「「えっ?」」」」」」

ここで、一緒に会話していた前原と渚だけでなく、周囲でそれぞれのグループで話していた男女が皆、喰い付いた。

 

「マジか?」

「おま、彼女いたのかよ?」

「どんな子どんな子?」

「スマホに写真収めてるんだろ?

ちょっと見せてみろ!」

「ん!見たい見たい!」

気づけば寺坂組と呼ばれる4人と、下手に会話に参加して自分達に流れ弾が飛んでくるのを恐れている学級委員の2人以外、殆どが響の周りに集まっている。

特に前原、櫻瀬、そして自他認定、E組一のエロ大王・岡島大河と『一緒に渚を弄り友(笑)』の中村莉桜…この辺りがしつこく追求してくる。

 

「あ゙ー、分かったから!見せてやるよ!

見せてやるから静まれ!

…てか、見て驚くなよ?特に前原と岡島!」

観念したのか、ズボンのポケットからスマホを取り出し、画像を開くと

「「「「「おぉ~~~~~~♪」」」」」

「「「「な、何だってーーっ!!!!」」」」

教室内に様々な歓声が沸き起こった。

スマホ画面には、白に近い金色の、髪の長い少女が微笑んでいる画像が映っていた。

 

「「マジか!」」

「「「凄ぇ!」」」

「「「嘘ぉーーー?!」」」

やんややんやなE組。

中村の

「このコ、もしかしてハーフ?」

…という問い掛けに

「そうだな、彼女の親が日仏と日独でさ、

フランス1/4、ドイツ1/4、んで日本が1/2みたいな?」

…と応対する響。

 

「凄い!キャラの描き分けとか、ベタ塗るのが面倒いとかの言い訳とは違う、本物の金髪だ!」

「「「「「誰の事だよ?!」」」」」

 

そして

「吉良ぁ~!

とりあえずお前、歯ぁ食い縛れ!」

「何でだよ!」

岡島が涙を流しながら訴えた。

 

「今度、紹介してくれよ!」

「絶対に断る!

特に前原(オマエ)岡島(オマエ)には!」

「へぇ~、凄く可愛いコじゃない?

あたしにも紹介してよ?」

「だから、断r…」

声のした方向を振り向くと、そこには担任の雪村あぐり。

出席簿でぺちぺちと手を叩きながら、響のスマホの画像にあった少女な如く、凄く、凄~く優しい顔で微笑んでいた。

 

「オマエ等、ホームルーム、始めっぞ。

さっさと席に着け?…な?」

 

「「「「「(」゚O゚L) ヒイィィィィィィィィィィィィィィ!」」」」」

 

ペシペシペシコンコン!

 

あぐりの射程圏にいた前原、中村、櫻瀬、岡島、そして響が出席簿で頭を叩かれる。

尚、岡島と響()でだ。

これがバカ生徒やバカ親なら体罰とか言い出すだろうが、幸いにもE組には、そっち方向のバカはいなかった。 

響達に゙制裁゙を加えた後、何やら鼻歌混じりで穏やかな笑顔なあぐり。

それを女生徒に指摘され、僅かな動揺を見せる中、更に前原の「男がいる」発言のダメ押しでクラスに火が点き、所謂『はわわ』状態になるあぐり。 

生徒達に弄られるも、気を取り直してホームルームを再会する。

その時また、ほんの一瞬、教室が静まり返るが、その後は何事もなく終了、終業式出席の為に下山を始める生徒達。

その途中、響は隣を歩いていた櫻瀬に何気なく聞いてみた。

「なあ、櫻瀬さん、アカバネってさ、一体どんな奴なの?」

「え?カルマ君?んとね~」

 

▼▼▼

3学期終業式が本校舎エリアの体育館で終わり、山道を登って旧校舎の教室に戻って来たE組の面々。

 

「やっぱ俺等さ、あそこで お開きで良かったんじゃね?」

「…だよな。

これで少し先生の話を聞いて、また下山だぜ?」

「1日3往ふk「言うな!余計に疲れる!」

 

ガラカラ…

 

「はいはーい、席に着く!

3学期、そして2年生最後のホームルーム始めるわよ~。」

 

≫≫≫

「じゃね~先生~♪」

「はい、さようなら♪」

ホームルーム終了後、手を振りながら挨拶する女生徒に笑顔で手を振り返す あぐり。

 

「じゃ、先生~、俺等も帰るから。」

「んん。吉良君、先に言っとくけど、不純異性行為は駄目だからね!」

「な…っ!?いや、しねーから!」

「~~~~~~~~~~~~(笑)」

あぐりの不意打ちに動揺する響と、それを見て笑いを堪える岡島。

そんな岡島の後頭部を軽くペシッと平手打ちで叩きながら、

「で、先生は4月には名字変わるの~?」

「な、な、な、な…」

強烈な言葉のカウンターの一撃を放つ響。

 

「き、吉良君!」

顔を真っ赤にしながら怒りだすあぐりに

「じゃ、先生~、4月ね~♪」

手を振りながら、逃げる様に響は走って行ったのだった。

 

「いや~、あの先生、やっぱ面白いわ♪

渚に次ぐ玩具だな(笑)。

授業も雪村先セのが解り易いし、A組復帰より、ずっとE組(こっち)に残るのがベターかもな?」           

 

▼▼▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、月は、その姿を変えた…

 




次回予告
始まりの時間(予定)

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