1日目
1時限目:国語
2時限目:家庭科
3時限目:社会
4時限目:保健体育
5時限目:理科
2日目
1時限目:音楽
2時限目:美術
3時限目:技術
4時限目:英語
5時限目:数学
※※※※※※※※注意!!※※※※※※※※
この小説の原作は『暗殺教室』です。
試験…例えると、本来ならば、机の上で自分自身と答案用紙の一騎打ち。
その結果(スコア)で、他者との優劣を競うのが普通な筈。
しかし、前回の中間試験の時もそうだったが、今回は1つの闘技場(フィールド)内で幾人が敵味方関係無く入り乱れ、それぞれの答案用紙(あいて)を倒す感覚にあった。
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1日目
1時限目:国語
「いきなり大物かよ!?」
目の前に現れた、皮膚はなく、筋肉繊維剥き出しな容姿をした、巨人の如き問1が襲い掛かる。
響は太刀を構え、迫る問1(きょじん)に突進、振り下ろされる敵の攻撃を掻い潜り、擦れ違い座間、壱の竹唐、弐の袈裟斬り、参の左薙、肆の左切上、伍の風逆、陸の右切上、漆の右薙、捌の逆袈裟、玖の刺突…
9つの斬撃を瞬時に繰り出した。
ずどん…
その響の解答(こうげき)に、巨人は前のめりに倒れ込む。
「どだぁっ!!」
どさっ… ずしっ…
「!?」
しかし、この時 問1を下したのは響だけではなかった。
榊原蓮が手にした槍で巨人の胸元に巨大な風穴を穿ち、そして浅野学秀は大剣でその首を一刀両断、斬り落としていた。
「ちぃ、分かってはいたけど、あちらさんも やってくれる!」
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「クッソが!ラストは数かよ!?」
杉野が最終問題・問20…姿を見せた無数の異形の…『奴等』に たじろいでいる中、その集団に飛び込んで行く、1つの人影。
「神崎さん?」
神崎が次々と襲い掛かる『奴等』の魔手を躱しつつの斬撃を繰り出し、確実に一体一体、一撃の元に斬り捨てていった。
その着実に問を対処出来ている手応えに、神崎有希子…否、有鬼子の口から思わず笑みが零れる。
「濡れるッ!」
そして神崎が異形の群れを駆け抜けたと同時に、『奴等』は崩れ落ちていった。
「…はッ?何を呆けているんだ俺はっ?!
俺だって!」
そんな神崎の姿に目を奪われていた杉野は我に返ると、自身も手にした剣を構え、目の前で待ち構えている問題(やつら)に向かっていくのだった。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓改行3時限目:社会
「しくじったぁ…今年のアフリカ開発会議はチェックしてたけど、首相の会談の回数なんて、知るかよ!!」
ラスト問題で5英傑の一角、荒木鉄平が倒れた。
「ふはははははは!!
そんな半端な心構えで この儂を倒すなど、夢の また夢!
だから お前は阿呆なのだぁ!!」
紫色の拳法着を身に着け、白い後髪を三つ編みに結った老人…と云うには元気が有り余っている男の姿をした、問30が吼える。
ザッ…
「磯貝…?」
その問30の前に、今度は磯貝悠馬が立つ。
「はは…会議の重要度の象徴だし、一応覚えておいて、正解だった!」
「なっ…!?」
「え?コイツ、答え知ってるの?」…と言いたそうな驚きな顔している荒木の前で、構えた磯貝の体全体が金色に光り輝き、更には右手が真っ赤に燃え上がる。
「覇ァっ!!」
「くはぁっ?!」
その燃える拳から放たれた光弾は、問30の胸元に命中、『驚』の文字を刻み、吹き飛ばした。
「…見事!!」
立ち上がった問30は、胸を押さえながら満足気な笑みを浮かべると再び倒れ、立ち上がる事はなかった。
「磯貝、貴様…社会問題で この俺を出し抜くとは…!?」
「偶々だよ…ちょっと興味あって調べてただけさ…」
「く…くそ…」
ガタッ…
それだけ聞くと、荒木も再び崩れ落ちた。
それを見た磯貝は、
(まさか、担任に現地(アフリカ)まで連れてかれたなんて、言えないよな…)
…と、内心で呟くのだった。
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4時限目:保健体育
所謂、ビキニアーマーを着込んだ女戦士の軍勢を、岡島大河が迎え撃つ。
「うりゃ!」
「きゃ!?」「ひぇっ?!」「ちょ…!?」
その攻撃を悉く躱すと同時に、スケベ面丸出しで、その女戦士達の鎧の上からとは云え、胸部に尻部に、セクハラ全開なボディタッチを実行していく岡島。
「「「おのれぇ!この変態終末期!!」」」
怒りの形相で剣を構え、目の前の女の敵に襲い掛かる女戦士だが、岡島は臆する事なく、不適な笑みを浮かべると、右手を頭上高く掲げ、
パチィン!!
親指で中指を弾き、高い音を響かせた。
「「「い、いやあああああああっ?!」」」
その瞬間、女戦士達の鎧が…先程、岡島がボディタッチした部位に掌サイズの魔法陣が浮かび上がり、其処を中心に弾け飛ぶ。
一糸纏わぬ、生まれた儘の姿になった女戦士達は泣きながら両手で胸と秘部を隠すと、逃げる様に走り出し、闘技場から姿を消していった。
「ふっ…エロは正義なんだよ…」
そんなドヤ顔得意面な岡島に、
「いや…流石に俺も、今のは引くわ…」
呆れつつも、眼福と言わんばかりな表情をした、前原が呟くのだった。
そしてE組だけでなく、その場にいた全ての女生徒が岡島に対し、まるで汚物を見る様な視線を浴びせたのは言うまでもない。
「「「「「岡島、サイテー!!」」」」」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓改行「ヌルフフフフフ…
今日、残るは5時限目の理科だけですね。」
昼休み時間、山の上の旧校舎から、自分達の教え子達が戦っているであろう、本校舎を見下ろす殺せんせー。
テストは良い…
一夜漬けで得た知識など、大人になったら殆ど忘れてしまうだろう…。
だが、それでいい。
同じルールの中で、力を磨き、脳味噌を広げて結果を競い合う。
…その、結果から得る経験こそ、宝物なのです。
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5時限目:理科
「ぎししししし!!
理科は暗記いぃぃぃイ!!
記憶の業火で敵の鎧を1枚1枚剥いでいくうぅぅう!!」
小山夏彦が持つ杖の先から吹き出る炎が、西洋風の甲冑を着込んだ騎士の装甲を次々と剥がしていく。
そんな小山の前に、全身に豪華な装飾が施された真紅の鎧を身に纏った戦士…ラスト問題・問25が立ち塞がる。
「な、何なんだ、コイツは?!」
しかし、小山の放つ炎は真紅の鎧を焼き尽くすには到らない。
「ば、馬鹿な…きちんと暗記した筈…
何故、俺の攻撃が効かないいぃぃイ!?」
「本当の理科って、暗記だけじゃ駄目なんですよ?」
「はあ!?」
その声の主は奥田愛美。
「単純に、その単語や式を覚えていても、その言葉の意味を理科してないと、駄目なんです。」
そう言って、手に持った杖を振りかざすと、そこから化学式の様な長い文字列が具現化し、奥田の周りを旋回する。
「テラ・ヴィクトリア・フォール…」
そして何か小さく呟くと、化学式は赤い騎士に向かって飛んでいき、蛇の様に纏わり憑き、体全体の動きを封じ込める。
その直後、騎士の足元に、魔法陣が出現。
そして その魔法陣の真上、天高くから堕ちるのは、球形を象った黒き光。
身動きが取れない赤の騎士は、頭上から降り注ぐ黒光の球の直撃を、まともに受けてしてしまう。
パカァッ…
その瞬間、小山が崩せなかった装甲が、あっさりと剥げ落ちる。
そして素顔が露わになった強面の男は、着込んでいた赤い鎧とは対照的な真っ青な顔に急変、まるで栓をするように両手で尻部を押さえ、慌てた表情で闘技場から走って出て行ったのだった。
「な・な・な…」
何が起きたのか、まるで理解出来てない小山の横で、
「くす…間に合うと良い…ですね♪」
お下げ髪の少女は、少しだけ顔を赤らめると眼鏡を妖しく光らせ、黒い笑みを浮かべるのだった。
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1学期 期末テスト、1日目、終了…
今回の元ネタ、全部 分かった人は偉い(笑)
≫≫≫≫≫次回予告!!≪≪≪≪≪
次回、暗殺聖闘士
『期末の時間 ~1学期~②』
乞う御期待!!