暗殺聖闘士   作:挫梛道

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今更ですが…①
オリキャラのビジュアルは
吉良響…………雪代縁(るろ剣)
櫻瀬園美………官越あすな(心療内科)
早乙女晴華……アイズ・ヴァレンシュタイン
       (ダンまち)
…を松井先生風にアレンジした画をイメージしてください。
あ、縁は黒髪でメガネ無しで。


加筆修正しました。



集会の時間

月に1度の全校集会。

本校舎生徒より、いち早い集合が義務付けられている、特別強化クラス・E組の面々には気が重くなるイベントであった。

                   

「渚く~ん…」

いち早く整列している渚に本校舎生徒の2人…顔に雀斑のある男子生徒と眼鏡を掛けた生徒が声を掛ける。

「おっ疲れ~(笑)」

「わざわざ山の上から本校舎(こっち)来るの、大変っしょ~(笑)」

明らかに小馬鹿にした態度。…だが、

「おぅ、地味にキツイわ。」

「「き、吉良ぁ…!…君…」」

「渚だけでなく、俺にも労いの言葉、掛けてくれよ?…な?」

「「ひ、ひいぃっ!」」

本校舎で噂になっている、超々・危険人物の登場で逃げ出していった。

「なんか、マジに誤解されてんな~?」

「ははは…」

 

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

「…要するに、君達は全国から選りすぐられたエリートです。

この校長が保証します」

校長の長い台詞…もとい、演説は続く。

「…が、慢心は大敵です。

油断してると…どうしようもない誰かさんみたいに なっちゃいますよ?」

 

どっ!!!

あははははははははははははは!!!!

                   

校長の一言で、体育館に笑い声が木霊したが、次の瞬間、

「「「「「「「ひぃっ?!」」」」」」」

E組の隣のクラスの生徒は、顔を挽き吊らせ、一気に静まり返る。

無論、約1名が睨みつけたからだが、1クラス分の笑い声が消えた程度、全体の音量からすれば、余程の差はない。

故に、この異変に気付いていない校長の演説は続き、

「こら、君達、笑い過ぎ!!

校長先生も言い過ぎました。(笑)」

…この言葉が終わった瞬間に

 

(アクベンス・シュナイダー!!)

プチプチブチ!だらーん…

                   

壇上向かって左側の照明ライトを吊してある4本のワイヤーの内の3本が いちなり千切れ、残り1本だけで天井から宙ぶらりんな状態になってしまう。

 

「「「「「「キャアぁーっ!?」」」」」」

先程までの笑い声が一気に悲鳴に、

そして、

 

………………………………………………

静寂に変わる。

 

 

「なんだー?わいやーがろうきゅうかでもしてたかー?」

そんな中、涼しい顔で何故か棒読みな台詞を発する生徒が1人。

 

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

静寂の後、今度はざわめきの中、壇上は生徒会発表の準備が始まる。

先程の照明は、残された1本のワイヤーを ゆっくりと操作して床に降ろされる。

 

 

その間に、烏間とイリーナがΕ組『担任』と副担任として本校舎教諭達に挨拶。

そんな中、中村と倉橋が、この場で痛いデザインなナイフケースを持ち出そうとするのを必死に窘める。

烏間の気苦労は絶えない。

 

そしてイリーナは、渚にタコ暗殺の為の弱点を聞き出そうと、体育館で公開顔面圧迫に踏み出すが、それを烏間が物理的に止めに入る。

烏間の気苦労は絶えない。

 

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

生徒会の発表が始まる。

各学年各クラスに生徒会行事の詳細が記されたプリントが配られる。

E組以外に。              

「…すいません、E組のプリント、まだなんですが?」

クラス委員の磯貝が尋ねるが、生徒会役員・荒木はこめかみをポリポリ掻きながら、

「え?無い?おかしーな…?

ごめなさーい、E組の分、忘れたみたい。

すいませんけど、全部記憶して帰って下さーい。」

 

どっ!!!

あははははははははははははは…

 

この一言で、先程同様に体育館に笑い声が木霊する。

E組の隣の列のクラス以外から。

彼等は既に笑える精神状態ではなかった。

 

「ほら、E組の人は記憶力も鍛えた方が良いと思うし。」

かまわず荒木が、更に言葉を続け、

 

ははははははははははははは…

 

止まらない笑い声。

教諭陣も人目気にせず大笑いしている。

 

「…何よ、これ?陰湿ねぇ…」

イリーナが口にする程である。

 

 

次の瞬間、

ぶちっ…ガッシャーン!

「「「「「「「ひぃっ?!」」」」」」」

先程の照明とは反対側、今度は壇上向かって右側の照明を吊っていた4本のワイヤーが全て、『老朽化(笑)』により、1度に切れてしまい、ライトが天井から勢い良く荒木の すぐ横に落下、粉々に破損してしまう。

 

………………………………………………

 

再び体育館が静寂に包まる。

 

「ひぇ、な、何なんだよ!一体!?」

自分からすれば、ほんの約2㍍先の出来事で、思わず腰から崩れ落ち、その場に へたり込んだ荒木が呟いた。

その騒ぎの中、教諭や生徒会の面々が落下した照明を片付けてる間に、E組生徒の手元に『手書きの行事表コピー』がマッハの速度で配られる。

 

教諭の列には いつの間にか、烏間とイリーナの間に、中途半端な変装をした殺せんせーが立っていた。

烏間が「お前は公の場に出るなと言っているだろうが!!」と迫るが、殺せんせーは、どこ吹く風。

烏間の気苦労は本当に絶えない。 

                   

その殺せんせーが響に目を向け、瞬時に その『視線』に気付く響。

殺せんせーは、響に対して、何か言いたそうな困った顔をしている。

先程からの照明のワイヤーの件、殺せんせーだけは、その犯人が響だと信じて疑っていないのだが、

「(大~丈夫!当然、切り口は鋭利な刃物で

スパッ!…て不自然さはなく、きちんと自然な感じに装ってるよ~♪)」

…と、言いたげな顔の響。

確かに、切れたワイヤーは事後検証するだろうから、証拠云々な面に置いて、大事な事柄なのは間違いないが、そういう問題ではない。

しかし、響は どこ吹く風。

                   

暫くして集会が再開される。

いつの間にか、E組にプリントが配られているのに、面白くない顔をしている生徒会の進行の中、イリーナは さり気に…否、標的(ターゲット)が色んな意味合いで 矢鱈と目立っている為、堂々と殺せんせーを切りつける。

…だが、瞬時に烏間に物理的に制止され、その儘 体育館から強制退場となった。

烏間の気苦労は絶えない。

「ぷっ…」

「はは…」

「しょーがねーな、ビッチ先生は。」

その やりとりを見たE組の面々は笑い出すが、それを明らかに面白くない顔で見る生徒がいたのだった。

                   

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

集会が終わり、山の上の校舎に戻る前に、自販機でジュースを買う渚。

 

「…おい、渚!」

そんな渚に、集会が始まる前に絡んできた2人組が詰め寄る。

 

「お前等さー、最近、ちょっと調子乗ってないか?」

「えっ…?」

「集会中に笑ったりして、周りの迷惑考えろよ。」

「ええっ…?」

渚は この時、彼等の背後に、民〇党の面々が巨大なブーメランを飛ばす光景を、確かに見た。

 

「E組はE組らしく下向いてろよ?」

「どうせ、もう人生詰んでんだからよ?」

「…………」

「おい、何だ?その不満そうな目わ?」

更に詰め寄る2人。

 

 

 

だが、世には良くも悪くも、タイミングという物がある。

この光景を偶々、旧校舎に戻ろうとした烏間が見てしまう。

 

「…チッ!全く、この学校は…!」

渚を助けに止めに入ろうとした烏間の肩を、ガシッと後ろから誰かが掴む。

烏間が振り向くと、そこには、カツラ等の変装は その儘で、顔を黄と緑の縞模様でニヤニヤ笑ってる殺せんせーがいた。

思わず、変な汗を流す烏間。

 

殺せんせーは言う。

「あの程度の生徒に、そう屈したりはしませんよ?

私を暗殺しようとする生徒達はね。」

 

 

そして、教諭に見られてるのも気付かずに、増長した雀斑の生徒は渚のネクタイを掴み上げ、

「何とか言ってみろよE組!!殺すぞ!!」

「…!」

 

 

殺すぞ!!

殺すぞ!!

殺すぞ!!

 

 

 

(殺す…?)

この一言で、渚の中で、何かが弾けた。

 

(殺す…殺す…か…)

「?」

その時、確かに周辺の空気が変わった。

 

「クスッ…殺そうとした事なんて無い癖に…」

ぞっ…

冷たく微笑みながら言った渚の言葉に、思わずネクタイから手を離し、まるで殺し屋にでも会った様な脅えた顔をして、後退りする2人。

 

「「(…何だ、今の…殺…気?)」」

渚は既に、この2人でも充分に感じる事が出来る位の殺気を放てる様に、確実に暗殺者として成長していた。

 

 

「ほ~らね?私の生徒達は、殺る気が違いますから♪」

「…………」

したり顔の殺せんせーと複雑な顔の烏間。

しかし、話は これで終わらなかった。

 

 

 

ドガッ!

「ぐあっ?!」

「へえ?E組は殺害対象?

だったら、殺られる前に対処しとく必要があるよな?」

「き、吉良君?」

「吉良ぁ?」

烏間とは反対側の場所から渚を見つけた響が その場に駆け付け、雀斑の腹に一撃を入れたのだった。

「悪いな、友達を死なせる訳には いかないんでな?

てか、俺も調子ぶっこいて笑ってたんだから、殺す対象なんだろ?

オラ、殺れるもんなら殺ってみろよ?」

ドガッ!

「ひぃっ?!」

返す刀で、メガネの生徒の腹にも膝蹴りを入れる響。

 

バガッ!ズゴッ!グシャッ…

「「ご、ごめんなさいぃ~」」

「あ~、聞こえんな!!」

それで終わる筈も無く、まだまだ続く、響無双。

                   

「き、吉良君、もう、大丈夫だから!」

渚は先程の殺気は何処へ行ったのか、慌てて青い顔で止めに入るのだった。     

「「……………………………………」」

その様子を、何とも言えない顔で見ている2人の教諭。

 

「あの~、烏間先生…やはり、お願い出来ますか…?」

「やれやれ…全く…!」

ダッ…

響を止めに走り出す烏間。

烏間の気苦労は本当に絶えない。

 

 




今更ですが…②
既に『真導』でネタにしましたが、LCのマニゴルドが『蟹爪(アクベンス)』なる脚技を使っていたんですね…
知らなかった…

1ヶ月前くらいに、Wikiで知った…(笑)

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