暗殺聖闘士   作:挫梛道

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巫山戯た時間

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…分かった。

わざわざ済まなかったな、進藤。」

「応。まぁ、せいぜい気を付けるんだな。

…じゃあな。」

pi…

 

「…何だか本校舎(アッチ)、大変な事に なっているらしいぜ?」

進藤とのスマホでの会話を終えた杉野が、その聞いた内容を語り出した。

進藤曰わく、浅野達"五英傑"指導の特別"キョウカ"講習により、A組に限らず、本校舎3年は狂ったかの様に、

 

…E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す…

 

…な感じで、E組に対する殺意有る言葉をまるでカルト教団の妄信者の如く、何やら ぶつぶつとエンドレスに呟きながら、試験勉強に勤しんでいるとか。

 

「ふ~ん…

…で、その進藤は平気だった訳?」

「アイツは1年の時から、エスカレーターしないで、高校は"帝蜂"に行くって言っていたからな。」

「あっ、野球か!」

「そ。だから別に、内部進学の資格無くても関係ないから。

浅野はアッチの皆に、全員強制参加を呼び掛けてたけど それをシカト、スルーしたらしいぜ。」

「へぇ~?

あの お坊ちゃんの影響力も、大分 薄れてきてんじゃない~?♪」

「スポーツ関係で余所の学校に進学する予定の奴等、皆 浅野の呼び掛け、拒否ったりしててな?(笑)」

この何気に言った菅谷の一言、実は正解である。

特に進藤に至っては、体育祭の時からの、そして先日の球技大会…その何振り構わぬE組潰しの姿勢に、浅野に対する不信感をかなり募らせていた。

 

「あ、掛布ちゃんも、別の学校に行くから それ、サボるって言ってた。」

更には茅野からも追加情報。

 

「掛布って、あのバスケ部の?」

「そーだよ。」

「…って、茅野っち、アイツと仲悪くなかったっけ?」

「んん。遭う度に、互いに『うがーっ!!』って…」

「頭の上で、兎と虎が、鳥獣戯画なバトルしてたよな。」

「あははは…

まぁ、色々と有って…和解したのよ。」

色々と…その詳細は話したくないのか、誤魔化すように笑い、結果だけを言う茅野。

 

「ふぅ~ん? まっ、差し詰め…」

「貧〇同士で、打ち解け合ったって処k

「う…ウルサい煩い五月蝿ぁーーい!!」

バキィッ!!x2

「「くくはちじゅうはち!!?」」

「お、岡島ぁ?!」「吉良っちぃー!?」

それは正解だったのか…

しかし、大凡"其方方面"を気にしている女子に対しては、絶対に言っては いけない発言をした大馬鹿者2人の顔面に、怒れる少女のモデルXXXG-00W0による、二刀流フルスィングが炸裂した。

 

 

「…巫山戯るなっ!!!!!!!」

「「「「「「「「!??」」」」」」」」

そんな中、いきなり教室に届いた怒声。

 

「今の声…」

「烏間先生?」

「何かあったのか?」

その声の主は、烏間。

そして声の出処は、恐らくはE組教室から、3つ部屋を空けた教員室。

何が起きたのは定かでは無いが、その距離からでも はっきりと聞こえる程の、怒鳴り声。

                  

どたどたどたどたどたどたどたどた…

ガラッ…

「失礼します!」

「な、何があったんですか?」

「烏間先生?」

磯貝、片岡を先頭に、数人の生徒が教員室の扉を開くと、其処には

 

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…( ゚Д゚;)x2

 

部屋の角で、何かに脅える様に顔を真っ青にした涙顔で、小さく しゃがみ込んでで身を寄せ合い、ガクブルしているイリーナと殺せんせー。

そして、

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「「「「「「(」゚O゚L)!!?」」」」」

受話器片手に顔全体に青筋を浮かべ、背中から滾らせる怒氣(オーラ)で、とある完璧な あやつマンを形成している烏間だった。

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「そうか…そんなに大声だったか…

驚かせて済まなかったな。」

スゥ…

数分後、落ち着きを取り戻した烏間が、インスタントコーヒーを啜りながら、駆け付けてきた生徒達に謝罪。

 

「いぇ…そんな事より、一体、何が有ったんですか?」

「あの怒り具合、尋常じゃ無いですよ?」

コト…

「………………………。」

両クラス委員長の言葉に対し、コーヒーカップを机の上に置き、黙り込む烏間。

話すべきか否か…その表情(かお)は、明らかに迷っている。

 

「いえいえ、烏間先生、私も あの電話、何だったのか知りたいですね?」

「そーよ!何も知らない儘じゃ私、ビビり損じゃないの||」

其処に先程迄は涙目ガクブルだった、殺せんせーとイリーナも、会話に割って入る。

 

「ふぅ…」

それに観念したのか、烏間は溜め息1つ零し、

「実はな、3-Aの大野先生から、今回の期末試験、E組(きみたち)に手を抜く様に指示を、頼まれてな…」

「は・ぃ…!?」

その一言で、瞬時に身体の色を、やや怒りの『赤』に変える殺せんせー。

 

「呆れた…」

そして台詞通りな顔をするイリーナ。

 

「マジかよ…」

「教師の台詞じゃないわね…」

「あー、全くだ。

そーりゃ烏間先生、ゴゴゴっても仕っ方無いわー。」

「「「何?その言葉?造語?新語?」」」

生徒達も同様な反応(+α)を見せる。

 

「兎に角だ、俺は つい、感情が先走って、一言怒鳴って終わらせてしまったが、今度は生徒(キミ)達に直接、接触してくる可能性も在る。

当然この事は、此の場に居ない皆にも伝えてくれ。

そして もしも本当に、本校舎の教師が君達に そういう話を持ち掛けてきた その時は、毅然とした態度で断り、直ぐに俺に知らせてくれ。」

「「「「「は…はい!」」」」」

「その時は…本校舎の職員室に押し掛けて、その当人にO・H・A・N・A・S・H・I★…してやる。」

((((((ひぃいいっ!!? 怖い!烏間先生、笑顔が怖いから!!!!))))))

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「…以上、烏間先生からだ。」

「「「マジかよ…?」」」

「教育者の言動とは、思えないね。」

教室に戻った磯貝達が、その場に残っていた者達に、事情を説明。

やはり最初に話を聞いた者達と、同じ様な反応を見せる。

 

「ん~、でも、俺達に直接、テストで手ぇ抜けって、どんな交渉材料、持ち掛けてくる心算なんだろうな?」

「…吉良?」

そんな中、皆より一歩先の疑問を口にする響。

 

「そりゃE組(おれたち)相手だからってさ、いくら何でも、只で そんな話、してこないだろうよ。

まぁ、具体的に言えば、金かな?

大野程度が、E組の待遇改善云々の権限、持ってる訳無ーし。」

「「「「「「ん~…」」」」」」

金銭による買収も有り得る…と、いう響の言葉に、納得な顔を見せる一同。

 

「あぁ、それとさぁ、寺坂~?」

「あ?」

そして、思い浮かんだ様に、寺坂に話し掛けるカルマ。

 

「多分だけど、大野が接触してくるとしたら、寺坂が一番、可能性高いだろうから、気を付けなよ~?」

「な…!?

どーして俺g…って、俺がE組でビリッケツだからか?」

「そ♪本校舎の連中からすりゃ、E組の誰か1人より、上位に…だからね。」

「ケッ! 300億、現金一括先払いなら、考えてやるぜ!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ん?」

「誰だ?アレ?」

「さぁ…?」

 

放課後の分身殺せんせーによる特別授業も終え、山を降りたE組一同。

その麓、彼等を待っていたかの様に、1人の中年男性が立っていた。

 

「やぁ。吉良君…は、居るかな?」

そう言って生徒達に尋ねる中年男。

 

「…俺ですけど?」

「そうか。

俺は、高等部でサッカー部の顧問をしている、三鷹ってモンだが…」

「………………………………………。」

指名されて名乗り出た響に、自身も名乗る中年男…高等部サッカー部顧問・三鷹。

 

 

 

「…と、云う訳だ。

サッカー部に入ってくれると約束してくれるなら、本校舎復帰、内部進学について、俺が理事長に働きかけるから…」

「………………………………………。」

その用件は、先日の球技大会での響の無双セービングを、誰かから聞きつけてのスカウトだった。

 

「…どうだろうか?」

「…………………………………。」

普通に考えたら、かなりな好条件を出す三鷹。

それに対する響の応えは、

「試合には出る。

練習は、気が向いたら出る。」

「な…?!」

普通に考えれば、かなりな我が儘な条件だった。

 

「それと、エスカレーター進学の部員は即退部(クビ)に。

当然、来年度以降も、椚ヶ丘中等部からの生徒の入部は認めない。

…さしあたって、こんなモンですか?」

撤回。

普通に考えなくとも、かなり我が儘な条件を、このグレイトでスーパーな?ゴールキーパーは突き付けてきた。

 

「ふっ…巫山戯ているのか、キミわっ!!?」

それを聞いた三鷹は、顔を真っ赤にして大声を出すが、

「だって、当然でしょ?

内部進学上がりって事は、俺達との直接な絡みは無かったとしても、当時のE組に対して、上等な態度を取ってきた奴等なのは、間違い無い。

そんな連中と仲良くチーム、やれると思います?

少なくとも、俺は全く思わない。

…て・ゆーか、ん、絶対に無理。」

練習云々は別として、部員云々の件に関しては、E組生徒からすれば、至極尤もな応えで返す響。

 

「くっ…仕方無い…。

分かった…。

だ、だが、もしも気が変わったら、何時でも話に来てくれ…」

E組離脱の件しか計算(エサ)に入れておらず、本校舎生徒との確執を考えていなかった三鷹は、響の言葉に とりあえずは理解納得した反応を見せ、此の場を立ち去って行った。

 

「吉良君…良かったの?」

「いや、俺、サッカーなんて、する気ナッシングだし。」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

「「ヲォィ、渚ァ…」」

「…………?」

 

期末試験を2日後に控えた、夕方の椚ヶ丘駅。

改札口を通り抜けようとした渚に、それを背後から呼び止める声。

  

「田中君…高田…君!?」

それはD組の、今迄事在る毎に、渚に ちょっかいを掛けては様式美(おやくそく)な如く、少しタイミングを外して その場に現れた響に制裁されていた、面皰(たなか)と眼鏡(たかだ)だった。

久し振りに遭う顔だが、自分が知っている筈の それと、少し違和の有る口調、狂気滲みた顔に、戸惑う渚。

 

「何か…用…?」

「アァ!?」「ハァア?!」

そんな渚の問い掛けに、輩の様な口調で返す2人組。

 

「ンナノ決マッテンダロガ、コラ!?」

焦点が定まっていない印象な眼で、田中が渚に詰め寄る。

 

「ヲマェ、期末テスト、一切 解答スルナ。

全部、0点取レ。」

「え…?」

「え…?…ヂャ、無ェヨ!!

ドウセ オ前、内部進学ノ権利持ッテナインダカラ、関係無ーヂャネーカ!!」

「オ前ガ素直ニ最下位ニナッタラ、誰モ内部進学ノ資格、無クナラナインダヨ!」

それは、如何に相手がE組だったとしても、余りにも理不尽過ぎる要求。

先の中間試験、学年でワースト1&2だった2人は、理事長の爆弾発言による焦りと、榊原達を介しての、浅野による洗脳(しこみ)で、E組を地に平伏させる事しか考えられない…既に冷静な判断が不可能なレベルに迄達していた。

ついでに言えば、渚…E組の皆さんは一応は、期末試験の成績次第で、本校舎復帰の権利を得られるので、全く関係無くもなかったりする。

 

「…………………。」

「聞ィテンノカヨ!?」

「巫山戯テンノカ?殺スゾ!!」

グィ…

凄む顔でネクタイを掴み、その儘締め上げる田中。

 

ガンッ!!

「ぐぇえ?!」

「巫山戯てんのは どっちだ? コラ?」

その田中の頭上に、突如として墜ちる拳。

 

ドゴッ!

「ぎょぇっ!?」

「お前が死ぬか?あぁん!?」

そして高田の腹には、赤地に黒ラインのスニーカーが突き刺さる。

 

「て、寺坂君?吉良君?」

その場に現れたのは、寺坂、吉田、村松、イトナ、そして響。

 

「「き、きっきっ吉っ…??!」

「「猿かっ?!」」

拳骨と蹴りの衝撃(ショック)、そして天敵(笑)の登場が原因なのか、眼から殺気が消え、洗脳が解けて正気に戻ったかな2人。

しかし、同時に絶体絶命的状況を理解、それ故のテンパった口調を、吉田と村松から突っ込まれる。

 

「でも、どうして?

吉良君達、帰ったんじゃ…?」

「実は俺達、あのタコに、更なる追加(強制)講習、受けさせられてな。」

そして、正しく様式美(おやくそく)なタイミングの登場の解説をする寺坂達。

 

「…本当に それが必要だったのは、実は寺坂だけだったが、1人残すのは可哀相だから、仕方無く付き合ってやった。」

「喧しいわ!!」

「…で、それ終わった後、このメンツで駄弁りながら山降りてたらよ、最終的に『今から もんじゃ、食いに行こーぜ♪』って話になってよ。」

「駅に着いてみたら、何だか『渚きゅん、ピィッーンチ!!』な展開?」

「まぁ、そーゆー訳だ。

渚、お前も一緒に来るか?♪」

「あははは…お供します。」

渚、同行決定。

 

「んじゃ その前に、とりあえずコイツ等の処刑だな。」

「「ひぃいっ!!」」

パキパキ…

拳を、指を鳴らしながら、腰を抜かして しゃがんでいる2人に死刑執行人(マニゴルド)の顔を見せる響。

 

「吉良~?今から何、食べに行くか分かってるよな~?

鳩尾(ボデー)は、止めとけよ~?」

「らじゃあ~www」

学園祭明け、榊原制裁の際、浅野にリバース必至なリバブローを放ち、その場で"もんじゃのタネ(笑)"を作らせた場面に居合わせていた、吉田が注意を投げ掛ける。

 

「ちょ…

吉良君、僕は もう、大丈夫だから!」

ここで渚が止めに入るが、

「何言ってんだ、オメーわ!?

此処でコイツ等潰しとかないと、今度は茅野ちゃんや倉橋ちゃん、奥田さんや神崎さんなんかの、"見た目だけは大人しい系女子"に、同じ様な脅し、やりかねないぞ?」

コクコクコクコク…

それを響は尤もな理由付きで一蹴し、その理由に寺坂組の皆さんも同意。

 

「み…"見た目だけは大人しい系"…て…」

しかし その響流の表現に、やや引きな渚。

 

「ほ…本当じゃねーか!

倉橋ちゃんは魚は愚か、鶏だって平気な顔して捌くし、奥田さんは平気で盛るし、神崎さんなんて、その正体は『有"鬼"子さん』だし…」

そんな渚に、必死に力説する響。

 

「茅野ちゃんに至っては、ツインバスターライフルを、鈍器の様に振り回s

「「「「いーや、あれに関しては、お前と岡島が悪い。」」」」

「ドイヒーーーっ!!?」

 

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

尚、田中と高田は結局、

「良いな? 今度、E組(ウチ)の連中に巫山戯た真似した日にゃ、ガチに ぶっ死なすからな?」

「「は…はひ…ぃ!!」」

今回は この一言(&睨み)で解放された。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

そして、期末試験、当日…

 

 




≫≫≫≫ 次回予告(予定)!! ≪≪≪≪
 
「私は もう逃げたりはしない!
自分の血から!自身の力から!!」
「ちょ…〇〇さ~ん?
別作品のキャラに、なってますよ~?」
 
次回:暗殺聖闘士『雷光の時間(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。
 

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